エマート(調査小隊武器官)

4.1 修正(吹出)

エマート
風の導くままに!
火花を追いかけよ!
栄誉騎士様、そして白い助手さん。
調査小隊武器官のエマートです!
私にできることがあれば何なりとおっしゃってください。

①「火花を追いかけよ」って?

パイモン
火花ってのはまさか…
オイラの知ってる「火花騎士」のことか?

エマート
おっしゃるとおり。
これが私の信条なんです!
西風騎士団の数いるやり手の中でもダントツの戦力を誇るのが、尊敬の的であり、愛くるしい存在でもある火花騎士様なんです!
軽快かつ活発な身のこなしでモンド各地を踏破し、小さくて機敏なその体に一軍団を全滅させるほどの火力を背負っています。
火花騎士様の、耳に快い笑い声が響き、「この世にあるはずのない強烈な爆薬」が獰猛な爆発音を上げれば、どれほどの大軍も灰燼と化すのです!

 ❶ク、クレーってそんなにすごかったの?
 ❷い、今まで意識したことなかった…

パイモン
そ…そうだな…
けど「あるはずのない爆薬」ってどういう意味だ?

エマート
あっ、そのことなら私に聞いて大正解です!
これでもそこそこ腕の立つ錬金術師なんですよ…
スクロース先生やティマイオス先生ほど博学ではありませんし、アルベド隊長の足元にも及びません。
けれど、私にも得意分野があって工事用の爆薬ならたくさん設計してきたんです!
とはいえ爆速はボンボン爆弾の装薬に比べたらお粗末なものですし、高い爆燃は達成できても、発生する衝撃の破壊力は不十分です…

  ❶何を言ってるかさっぱりだ!
  ❷分かる言葉で話してよ!

パイモン
そうだぞ。
ばくそく?ばくねん?
どういう意味だよ?

エマート
おっと、すみません。
話すのに夢中になって専門用語を使いすぎちゃいました。
申し訳ありません。
とにかく、一般的な爆薬の基本パラメーターと火花騎士様の傑作とでは二世代分、いえ二世代半もの差があるんです。
コストの面でもケタ違いです。
火花騎士様に聞いたことがあるんです。
ボンボン爆弾の火薬に含まれてる秘伝の材料は一体何なのかと。
そしたらあの方は、こう答えました――
「ボンボン爆弾のレシピはママが教えてくれたの。
秘伝の材料って、きっとママがクレーのこと大好きな気持ちだと思うよ!」と。
彼女がそう答えたのも理解はできます。
何せ強力な爆薬のレシピですからね。
一国の軍事力を揺るがす恐れのある重要な機密です。
私のような小物に知る資格なんてありません。
そう、ないんです!
だから私は火花騎士様の背中を追いかけ、さらにいっそう努力し爆薬のレシピを研究するしかないんです。
いつの日か…
ボンボン爆弾の二十分の一の威力とコスパの爆弾を作ってみせます!
考えるだけで全身が震えてきますよ…
完璧な爆速、猛烈な衝撃波、シンプルな生産工程、手頃なコスト…
へへ、ボンボン爆弾、へへへへ…

   ❶ちょっと落ち着いて!
   ❷なんでそこまで爆弾に夢中なの?

パイモン
こ、こんなやつ初めて会ったぞ。
これからはこいつのこと…
爆弾マニアって呼ぼう!
蛍、行こうぜ!
機会があったらアルベドに言っておかないと…
小隊内の爆弾マニアに要注意、精神状態を気にかけておくようにってな!

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②「武器官」って?

パイモン
その肩書きは初めて聞いたぞ。
なんだかすごそうだな?

エマート
でしょう!
栄誉騎士様さえよければざっと紹介いたしますよ。
私の知る限り、調査小隊の責務にはこうあります――
「基本的な軍事情報以外にも、騎士たちの戦闘データについて調査、統計、分析を行い、戦法の改善と戦力向上のための道を絶えず探索し続けねばならない。」
ですから騎士たちの慣例に従えば、武器装備の改良を行うことも調査小隊の仕事なんです。
いわゆる「武器官」というのは、実験的な装備をテストする騎士のことです。

 ❶ってことは、あなたも戦闘の達人なんだね?
 ❷まさか「武芸マスター」ってこと?

エマート
いいえ、私は戦闘音痴です。
もし私に剣を持たせて戦わせたら、二十人分の私でやっとイノシシの相手になれるくらいですよ。

パイモン
えっと?

  >そうなんだ…?

エマート
でも、私って打たれ強いんです!
アハハ!
ボンボン爆弾のレシピを模索してる間、事故を…
えっと、何回でしたっけ…
二十七回も事故を起こしたんです。
そのうち十九回は爆発で上空まで吹っ飛ばされました!
けれど包帯を巻いて添え木をすれば、翌日には調査小隊の駐屯地で勤務を続けられます。
同僚たちも理解があるので、アルベド隊長には黙っててくれるんです。
でなきゃ休まされてたでしょう。
火花を追いかける日々に、過度な息抜きや怠慢は許されません!

   ❶そこまで必死にならなくても…
   ❷隊長に休みをもらえばいいのに…

パイモン
この西風騎士、精神状態がちょっと心配だな…
機会があったらアルベドに言ってやろう。
こいつに目を配るようにってな。
仕事のために他をすべて犠牲にするのは、やりすぎだぞ!

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③ここで何をしてるの?

エマート
わぁ!
栄誉騎士様と白い助手さんが私の仕事状況を気にかけてくれるなんて…
気持ちが高ぶります…
それに少し緊張しますね。
栄誉騎士様にご報告です!
調査小隊「武器官」ことエマートは、緊急任務「侵入者コオニフグ殲滅作戦」を遂行中であります!

パイモン
うわぁ!
急にかしこまるなよ。
オイラたち、騎士団での地位がそんなに高いのか?

 ❶「侵入者コオニフグ」?
 ❷「殲滅作戦」?

エマート
あれっ?
栄誉騎士様はご存じないですか?
きっと最近忙しすぎて、これくらいの事件じゃ、あなたレベルのところまで届かないですよね。
単純明快な話です。
少し前にスメールの商人がこの辺りで商売をしてたんです。
その時にシードル湖へ「コオニフグ」を「放流」しちゃいまして…
「コオニフグ」はスメールにしかいない魚で、モンドの水域では天敵がいないので、あっという間に繁殖したんです。
そのせいで他の魚が生息できなくなりそうなんです。
そこで騎士団は審議を経て、問題解決のために私とファニーヤを派遣したというわけです。
湖のほとりで他にも調査小隊の騎士を見かけたら、それはファニーヤですよ。
彼女はアルベド隊長が開発した錬金術装備「ナントカ探知機」を操作してます…
名前が何だったか忘れちゃいました。
とにかく、水中の様々な生き物を探知できて、しかも独特の形をした「コオニフグ」を識別できるんです。
それで私の責務はというと、水中へ正確に爆弾を投げて、エラそうにしてる外来種を処理し、シードル湖の安寧を守ることなんです。
どうです?
すごいでしょう!

  ❶つまり魚をドカーンするってことでしょ?
  ❷それならクレーにもできる。

パイモン
そうだな…
オイラも言おうとしたぞ。
クレーが一番得意なことだな。

エマート
いけません、火花騎士様ともあろうお方にこんな雑務を押し付けるわけにはいきません!
火花騎士様の時間は誰のものよりも貴重です。
その使い道は本人に決めていただかないと!
そんなことを言ったら、栄誉騎士様は普段から…
「海戦用の大砲でハトを撃ち落とす」のですか?

   ❶それはちょっとやりすぎかな…
   ❷ハトには威力が高すぎるよ…

パイモン
そんなことしたら、ハトは羽一枚残らず木っ端みじんだ…
大げさだぜ!

エマート
そうでしょう?
火花騎士様の爆弾も海戦用の大砲みたいなもので、水中の「コオニフグ」はハトだと思ってください。
そして私たちの任務は…
「ハトを駆除しつつも、近くにいるヤマガラは傷つけないこと」なんです。
だから、私がやるぐらいがちょうどいいんですよ。
私が使用する水中爆弾は火花騎士様のボンボン爆弾を手本にしてますけど、威力で言えばボンボン爆弾の十分の一しかありません。
特製の信管とファニーヤが送ってくれる位置情報を組み合わせれば、「コオニフグ」の住処を爆破できる自信があります。
近くで見物してるシードル湖の在来種たちには傷一つ付けずに、です!

パイモン
わかった気がするぞ…
関係ない魚は傷つけずに、例の魚だけを確実に処理したいってわけだな。

    ❶話はよく分かったけど…

エマート
ほらね、分かりやすい例えだったでしょう!
もちろん、別にハトが悪いわけじゃなくて、火花騎士様の武器がどれほど凄いかを説明するための例に出しただけですからね。

    ❷ハトがかわいそう…

エマート
あっ!
私の例えが悪かったですね、次は違う物にしましょう…
とにかく、別にハトに文句があるわけじゃないんです。
火花騎士様の武器がどれほど驚くべきものかをイメージしてもらいたくて例に出しただけですよ。

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エマート
でも今はまだ何もできません。
ファニーヤの偵察が終わってませんから。
軽率に手を出せば、獲物をかえって警戒させてしまいます…
けれどファニーヤったら、やることがトロいんです。
気性が荒くて、私がそばに行くとうるさいと言って煙たがられます。
装置が壊れるだとか、耳が聞こえなくなるだとか知りませんけど。
彼女には催促しづらいんです…
このままじゃ、暖かい小舟を漕いで手塩にかけた爆弾を落としに行くのはいつになることやら…

     >邪魔したね、私たちのことはお構いなく!

エマート
とんでもありません。
栄誉騎士様、白い助手さん、お気を付けて!