地理誌/スメール

スメール 地理誌

(アビディアの森)
地上のすべての知恵が集まるところ。
繁茂せし聖樹の下、シティの賢者たちは既に遍計していた。
スメールへようこそ、答えを探す旅人。

(ガンダルヴァー村)
「知恵の花咲く城は我らにあり、無明の密林もまた同じ。
その宝樹に鈴生りたるは、夢失いし国土の残滓か。」

(ヴィマラ村)
ヴィマラ村には、穏やかな生活以外に何もない。
疲れ果てた旅人よ、ゆっくりと休息を。

(アルダラビ河谷)
「賢者の説法とはかくも退屈なものか。
花を醸した美酒を注ぎ、七つの海を征する旅に出たほうがましだ。」

(ローカパーラ密林)
森の深いところにある宮殿の前に、紫色の庭園がある。
花が咲き、鳥が歌う。
素敵な出会いを上演するには最適の場所である。

(パルディスディアイ)
ガーデンには晶蝶よりも綺麗な花が数えきれないほど植えられている。
これは思考を嗜む者に許された楽園である。

(キャラバン宿駅)
高く堅固な壁は熱砂の嵐を阻んだが、知識の恩恵も拒否してしまった。
しかし、神の恩恵はすべての人へと平等に与えるべきものではなかったのか?

(下風蝕地)
防砂壁の西側は、かつてとある神の住処だった。
その頃、砂漠は衆生の楽園で、知恵が集まる処だったのかもしれない。
今のように、砂嵐と荒涼とした古い遺跡しか残っていない地ではなかっただろう。

「裏切りの塔」
(下風蝕地)
キングデシェレトが逝去した後、ここに建てられた巨大なオベリスク。
砂漠の諸王がキングデシェレトとの誓約を破ったことを意味しており、砂漠の住民はそれを恥の証として「裏切りの塔」と呼んでいる…
その真の歴史は短命だった砂漠の諸国よりも早いものかもしれないが、今はすでに人々に忘れられている。

(アアル村)
「サファイアの都」トゥライトゥーラの練達な詩人、サレハの都の金の目を持つ剣闘士サムード、アイ・ハヌムのジンニー…
キングデシェレトの偉大な国が滅亡した後に生まれ、滅んだ無数の国や英雄、そしてその物語はこの村で古い童謡となり、子供の枕元でそっと響いている…
長い年月を経て、キングデシェレトの遺民は歴史と伝説の境界を曖昧にし、それを一つの思い出に融合させた…

(下風蝕地)
金瞳のサムード人と七重の城壁を持つ彼らの壮大な都は、古国の死骸の上に建てられ、諸国の闘争の渦に巻き込まれて滅んでいった…
その短命の国はとうに滅亡したが、オアシスは今も宝石のように砂海の上を飾り、甘い泉と芳草で往来するキャラバンと流浪者をもてなしている。

(キングデシェレトの霊廟)
巨大な錐体はまるで高天と黄砂の支柱のように、遥か昔より砂漠の真ん中に佇んでいる。
その前に立てば平民や金持ち、または博識な学者であろうとも、すべて砂塵に過ぎない。

(列柱砂原)
黄砂に襲われない暗闇の中、無数の宮室と塑像が長い眠りについている。
己が主が再びここに巡り帰ってくる日を待ちながら…

(冥途殿)

(ダールアルシファ)
患者への祈りを込めて名付けられた病院。
今は医者の姿も完治した人々の歓びの歌声もない。
そこにあるのは荒れ果てた廃墟のみだ。

(下風蝕地)
不毛の砂漠から知恵を秘めた森の王国を眺めると、遠くにある深緑のシルエットが砂嵐を防ぐ高い壁の向こうより、熱風に揺れる砂の国を冷たい目で脾脱している…
キングデシェレトの国が滅び、諸国が崩壊した時代、王たちもここから憎しみの目で、豊かな国を眺めていただろう…

(タニット露営地)
ダマーヴァンド山の中心では、永遠に止まない砂嵐が渦巻いている。
砂漠の人間の言い伝えによると、あの砂嵐の中にはまさに「永遠のオアシス」が隠されているという。

(アル・アジフの砂)
砂漠の人間の古い民謡によると、ここはかつて三つの運河が交差した地であり、肥沃な田んぼと豊かな村を育んでいたという。
しかし、かつて栄えた風景も、今では色褪せた夢の中にしか存在しない…

(タニット露営地)
とある古い建物の廃墟、かつてその中の一部に昔人の幽霊が住んでいた…
今ここに住んでいるのは、「タニット」という砂漠の部族である。

神に捨てられた宮殿
(神に捨てられた殿閣)
ジュラバドの神殿の廃墟。
砂漠の人間の歌謡によると、長命な巨人が住んでいたとされている。
しかし、一夜にして巨人は大地の狭間に落ち、行方不明になった…
広大な神殿も峡谷の中の廃墟となっている。

(アル・ムアザン宮殿)
ジュラバドのかつての住民は、過去にこれらの回廊と殿堂の中で砂漠の神王を祀っていた。
しかし、忘却は高貴と卑賎の意味を失わせた…

(ウェネトトンネル)
人間の殿堂はとうに陥落した。
ウェストがここを占拠し、自らの宮殿と花園に造り変えた…

(アペプ行宮の花園)
伝説によると、キングデシェレトの友人は、かつて砂丘の下の巨大な空洞に宮殿を建造した…
ウェストを臣下に、トビヘビを友とし…
しかし今、それらはすべて尊き知恵と輝きを失った。

(「五大オアシス」の遺構)
かつて「五大オアシス」を潤した偉大な河谷。
ジュラバドの貴族はここで豪華な船に乗って遊覧し、俊敏な猟鷹を放っていた…
しかし、誇り高き猟鷹の子孫は、やがて砂漠の狂暴な赤鷲になり果てた…

(アル・マジュジ峡谷)
壮大なジュラバドとそびえ立つ建物は、最終的に真っ黒な峡谷に落ちる運命から逃れられない。
滅んだことへの屈辱に加え、過去の建物や村は横暴な砂漠の賊に占拠された…

(アフラシアブ洞窟)

(アフラシアブ洞窟)

(忘れられし道)
「正義は真理を示し、悪は罰を受け、善は報われる。
源水の一滴に過ぎない我々の最初の願いも、いつかは急流と共に沈み、忘れられた音符や暗号と共に葬り去られる。

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