琉金の章 第一幕・夢が如く、雷の如し常しえ/花火少女と不思議な童話

修正(画像/吹出) 伝説任務

◆松坂
◆彩香
◆岩夫
◆長野原龍之介
◆朔次郎

稲妻に来てからしばらく経ち、あなたとパイモンの探索はまだまだ続く。
そんなある日、あなたは海辺へとやってきた…

…鳴神島の海辺に行く…

松坂
お姉ちゃん、ボクたち今「袋貉」を探してるんだ!

彩香
「袋貉」がどこにいるか知らない?

パイモン
「袋貉」?

松坂
えっ、聞いたことないのかよ?
強くてずる賢い大妖怪なんだ。
いろんなものに変化して、神出鬼没で人を騙すんだよ!

岩夫
俺んちの米も「袋狢」に食われたことあるぜ。
それに父ちゃんもヤツに蹴られて、川に落っこちたことあんだよ。

パイモン
イタズラが好きなやつみたいだな…

>どうして探してるの?

彩香
追い払う方法が分かったんだ!

岩夫
それに父ちゃんが「袋貉」は家に帰らねえ人をいじめるって言ってた。
だから、追い払えばずっと外で遊べるようになるだろ!

パイモン
でも凄い妖怪なんだろ、怖くないのかよ?
お父さんやお母さんが心配するぞ。

岩夫
平気だけど?
今日も「袋貉」探しに行くっつったら、父ちゃんなんも言わなかったし。

松坂
あ、もしかしたら「袋略」はいま弱ってて隠れてるのかも!

彩香
うん!
それに「袋狢」の妖力が回復する前に家に帰れば大丈夫だよ。

パイモン
えっと、なんか変じゃないかうまく言えないけど…

①狙われたら家に隠れても無駄でしょ?
②見たことのない妖怪だ。

パイモン
ああ、「袋貉」って物語の中にしか出てこない気がするぞ。
実在するとは思えないよな。

①確かに作り話のような気がする。
②子供が遅くまで遊ぶのを防ぐためだと思う。

パイモン
真実を話してやろうぜ、無意味なことをしなくても済むように。
聞いてくれ、「袋貉」なんて探さなくてもいいんだ。
そんなの元から存在しないんだから。

松坂
えっ――!

彩香
ほんとに?

岩夫
そんなことない、父ちゃんは嘘ついたりしねぇ!

パイモン
おまえらの家族はただ心配で、遅くまで外で遊ばないようそう言っただけだと思うぞ。

岩夫
ちげぇよ、「袋貉」は絶対にいる!

松坂
そうそう、宵宮姉さんが武器まで用意してくれたんだ!
妖怪を追っ払う方法も教えてくれた!

パイモン
えーと、宵宮姉さんって…
あの宵宮のことか?

彩香
「袋貉」のことを宵宮お姉ちゃんに話したら、怖ないでって言って、追い払う方法を教えてくれたの。

松坂
それからずっと機会を待ってたんだ。
そしてついに今日、「袋貉」を追い払うのにいい日だって宵宮姉さんが教えてくれた!

岩夫
そうだ!
宵宮姉さんはいつも遊んでくれるし、物語も聞かせてくれる、嘘つくわけねぇ!

パイモン
そ、そうなのか…

岩夫
ふん、もういい!
みんな、宵宮姉さんとこに行こうぜ!

パイモン
おいおい、待てって!
まずい、怒らせちゃったぞ。
ただ心配して言っただけなのに…
宵宮って言ってたよな、追いかけてみようぜ。

…離れる子供たちに追いつく…

宵宮
はいはい、そう悲しまんといてぇな、きっと冗談や、「袋狢」がおらんわけないやろ?

松坂
で、でも、今まで「袋貉」を見たことないし…

宵宮
そらぁ「袋貉」はえらい大妖怪やさかい。
そのえらい大妖怪をあんたらが退治せんと、なぁ?

松坂
うん…

宵宮
焦ったり、へコんだりすることあらへん。
立派な英雄になるためにも知恵と根性を忘れたらあかん。
今はいなくても、花火大会が始まる前には必ず現れる。
そんな時は、宵宮姉さんのとこまで武器を取りにくるんやで、ええか?
宵宮姉さん特製の花火なら、「袋貉」なんてちょろいもんや。
家も、畑も、父ちゃんも母ちゃんもみぃんなあんたらが守ったりぃ!

松坂
分かった!
宵宮姉さんがそう言うなら、ボクたち信じるよ!

宵宮
あっ、ちょっと待ちや。
この短冊を1枚ずつやるさかい、帰ったら父ちゃんと母ちゃんに渡しい。
で、大事に保管するよう伝えといてや。
宵宮姉さんからって言うたら、分かるさかい。

岩夫
分かった!
ありがとう宵宮姉さん!
そろそろ帰るよ!

彩香
ありがとう!
宵宮お姉ちゃん、また一緒に遊ぼうね!

宵宮
ああ、約束や、ほな気ぃ付けて帰りぃ!

パイモン
な、なあ…

①久しぶり。
②また会ったね。

宵宮
やっぱあんたらかぁ、子供相手に何言うとんねん。
まあ、ええわ、別に責めるつもりはあらへん。
「袋貉」は子供に大人気やから、そう簡単に否定されたらそりゃ怒るわ。

パイモン
ってことは、やっぱり「袋貉」は嘘なんだよな?

宵宮
そうや、うちも最初から「子供が遅くまで外を走り回らんよう、親がでっち上げた妖怪」っちゅうことはわかっとったで。
せやけど子供に聞かれた時、ほんまのことを言えんかった。
逆に「袋貉」は可愛らしうて、人を傷つけへんイタズラっ子やって言ってもうた。
あの子らがいま信じとるんは、ほぼうちが教えた作り話の方や。

パイモン
全部おまえの作り話なのかよ…

>そうやって嘘をつき続けるのはいいの?

宵宮
言いたいことは分かるけど、うちが否定するわけにもいかんのや。
遅くまで遊ばんようにする他にも、親御さんに別の考えがあるかもしれへんやろ。
何も分かってへんのに、ズバッと「袋絡なんておらん」って言うてもうたら、逆に迷惑をかけてまうかもしれへん。
それに子供にとって真実なんて関係あらへん、楽しむことが何よりも大事なんや。
うちかて空想の産物に憧れたりする。
燃やすと虹色の光を放つ「緋紋石」とか、山奥に隠された秘境に導いてくれる「霧霊」とか…
どれもうちの妄想やっちゅうのは知っとる、せやけど信じたいんや。
もし「どアホ、そんなもんあるか」っちゅうヤツがおったら――
あっかんべえして、泥んこ投げたる!
そんな人、嫌や!

①なんか理解できた気がする。

宵宮
せやろ!
どれも妄想やったとしても、かっこええしロマンがある、他人に否定されるんは悲しい!

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②そんな子供みたいに…

宵宮
真実なんて関係あらへん。
かっこようてロマンがあれば、それは信じる価値があるもんなんや!

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宵宮
子供の頃に信じたもんは、大人になったらかけがえのない宝もんになる。
あんたらも子供の頃は悪龍を退治する勇者とか、闇を切り裂く聖剣とか信じとったやろ、それと同じや。
幻想が崩れ去ったら、次は何を教えるんや?
稲妻の鎖国の歴史?
それとも「目狩り令」?
どれもまだ子供には早いやろ。

パイモン
うぅ…
そうだな!
オイラも、まだ早いと思うぞ!

①パイモン、全部理解できてないでしょ。
②無理に同意しなくてもいいよ。

宵宮
ははっ、理解できんくてもええわ。
とにかく安心しい、うちがちゃんと子供たちの安全を守ったるさかい。
ほな、うちもそろそろ帰るわ。
「長野原花火大会」がもうすぐ始まるさかい忙しいんや。

パイモン
「長野原花火大会」?
おまえの店が主催してるイベントか?

宵宮
そうや、うちの苗字が入っとるやろう、稲妻ではけっこう有名なんやで。
あっ!
せや、これから予定あるか?
なかったら見てってや、うちがおっきい花火準備したるさかい!

①見たいと思ってた。
②ぜひとも。

宵宮
へへ、ほなまずは店にいる父ちゃんのとこに行こか!
実はまだ完成してへん花火があるんや。

…「長野原花火屋」に行く…

宵宮
父ちゃん、ただいま!

長野原龍之介
もうじき花火大会や、各家庭の花火はほぼ準備が終わっとる。
ん?
こちらのお二人はお友達か?それともお客さん?

宵宮
どっちも、やろか。
最近ここいらに来たばっかりなんや。
ほんで稲妻に来たからには、花火を見てもらわなあかんと思うて。

長野原龍之介
ははは、そうか、ほなちゃんともてなしてやらんとな。
この長野原龍之介が、長野原家の歴史を聞かせたる。

宵宮
それよりも父ちゃん、聞きたいことがあるんやけど。

長野原龍之介
昔々…

宵宮
あかん、勝手に始めてもうた。
堪忍な。
父ちゃん、前にケガしてからずっと耳が遠いんや…

パイモン
でも、さっきは会話が微妙に成立してたよな…

長野原龍之介
ほんで、長い時間かけて人々は理解した。
ある鉱石を研磨することで出てきた粉末を燃やすと、綺麗な色に光るってな。

宵宮
父ちゃん、父ちゃん、ちょい待ち!

長野原龍之介
うん?どないした?

宵宮
こないだ注文した花火の材料、もう届いとるか?

長野原龍之介
昨日の花火なら全部出荷したで、一昨日のも、一昨々日のも。

宵宮
ちゃう、材料や材料、こないだ注文したやつ。

長野原龍之介
今日の分もぼちぼち仕上げや。
心配せんとき、腕までは年取ってへんから。

宵宮
ちゃうー!
材料やって言うてんねん!

花火の材料、こう、せ、き!

長野原龍之介
何やて?

宵宮
材料の鉱石!

長野原龍之介
ああ、鉱石か?

パイモン
そうだそうだ、鉱石!
あっ、ごめん…
興奮してつい、えへへっ。

長野原龍之介
材料ならまだ届いてへんで、さっき担当のもんが理由を言いにきたんやけど、よう聞こえんかったわ…

宵宮
かまへん、それさえ分かれば十分や。
ちゅうことは、まだ完成しそうにないな。
父ちゃん、あとで届いたらちゃんと受け取っといてや。

長野原龍之介
ああ、任せとき。

宵宮
ほんまごめんな、うるさかったやろう。
うちの父ちゃんになんか聞くと、いっつもこうなんねん。

①面白くて熱心な人だ。

宵宮
ふふん、せやで、父ちゃんいい人やから、みんなに慕われてるんや。

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②宵宮と似ていた。

宵宮
ひひっ、それよう言われるわ。

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宵宮
父ちゃん耳が遠いから、何言われても文句言わへんし、否定もせえへん、笑うてばっかや。
子供の頃はうちの話すことをちゃんと理解しとって、何を話しても肯定してくれてると思うとった。
ほんでいろんなことを父ちゃんに話してたんやけど。
あとになって父ちゃんが笑うとったのは、ただよう聞こえへんかったからやって知ってな…
せやからうち、毎日父ちゃんに話しかけるようにしとるんや。

パイモン
えっ?
普通逆じゃないか?

宵宮
父ちゃんが笑うとこ見ると、うちも嬉しいからや。
それに父ちゃんも寂しくならへんで済むやろ。
せやけど、花火大会が目前やのに材料が届いておらんとはな…

???
なあ、宵宮…
帰って来たのか?

宵宮
うひゃ!
びっくりした、勝手に喋ったらあかん言うたやろ?

???
ご、ごめん…

宵宮
ちょい待ち、今いくから。

…声の出所を確認する…

宵宮
誰も見てへんな、出てきてええよ、こっち来い。
天領奉行の連中にバレんで良かったわ。
バレとったら、うちら大変なことになっとったで。

???
悪かったよ、君が帰ってきたと聞いてつい…

宵宮
気にせんといて、朔次郎。
ここまでは計画通りに進んどる。
これから花火の材料を探しに行くんやけど、ついでに船の件も何とかしたる、前に約束したやつや。

朔次郎
ありがとう、こんなによくしてくれて。

①この人は?
②どうして宵宮の家に隠れてるの?

宵宮
昔の常連さんで稲妻の外におったんやけど、数日前に帰ってきたんや。
ただ、密入国がバレてもうて天領奉行に追われとる…

パイモン
お尋ね者ってことか!

宵宮
声デカすぎや。
誰が聞いとるか分からへん、気ぃつけてや。
もし捕まったら何かしらの罪に問われる、せやから何とかして船で逃がしてやりたいんや。

>けど、稲妻近海は雷雨で危ないよね?

宵宮
危ないのは百も承知や、せやけど今はあれこれ考えとる暇はあらへん。

パイモン
もし船がひっくり返ったら…
…あわわ!
溺れ死んだらどうするんだ!
今の稲妻は危険だって分かってたんだろ、どうして帰って来たんだ?

朔次郎
それは、やらなくてはいけないことがあって…
帰ってきた矢先、信じがたい変化をたくさん耳にした…
決心してきたというのに、今はどうしていいのか分からない…
これ以上、宵宮と龍之介さんに迷惑はかけたくない。
匿ってくれてるだけでも、十分ありがたいことなのに。

宵宮
平気平気、そう気にせんといて。
うちも言うたやろ、「長野原の短冊を持っとる限り、いつまでもうちのお客さんや」って。

パイモン
短冊…?

①覚えがある。
②子供たちに渡してたあれのこと?

宵宮
そや、うちで花火を作ってお祝いしたいっちゅうお客さんに、あの短冊を渡しとるんや。
短冊には、長野原家の者しか読まれへん花火の作り方が載っとる。
その短冊を見たら、十年後でも百年後でも、当時と同じ花火が作れるんや。

パイモン
おおっ、すごいな!

宵宮
代々伝わってきたもんやさかい、常連さんはみんな知っとる。

朔次郎
当時、僕の親が龍之介さんに花火を注文したんだ。
あれからもう20年も経つのか。
はぁ、あの頃はこんなことになるなんて思いもしてなかった…

宵宮
そう気落ちせんと、船での脱出は最後の手段にして他の方法も探したる。
もちろん、稲妻に残れたらそれが一番やけど。

宵宮
原因は何であれ、お客さんが頼ってきたんや、失望はさせへん。

朔次郎
かたじけない、これでもう少し考える時間ができた…

宵宮
もうええから今は隠れとき、表に出とったら危険や。
何か思いついたらまた教えるさかい。

朔次郎
ああ、すまない。

宵宮
うーん、稲妻出身やのに、故郷に許可が下りへんとはな。
せや、あんたらも最近稲妻に来たんやろ、どないして許可をもろたんや?

>離島で面倒な手続きをした。

パイモン
それから勘定奉行にいる柊千里に手伝ってもらって、ようやくここまで来たんだよな。

宵宮
なるほど、お偉いさんの助けがあったんか。
朔次郎には使えへん方法やな。
まったく、奉行衆のヤツらももうちょい融通を利かせくれてもええのにな。
あんたらが旅してきたとこは、稲妻と全然ちゃうんやろ?

①全然違う。
②どの神も考えが違った。

宵宮
まあ、とにかく、朔次郎を助ける方法を見つけとな。
すまんなぁ、花火を見せるっちゅうて誘うたのに、他のことに付き合わせてもうて。
面倒やと思うたら、あとでまた来てもかまへんから、うち一人で材料と船を何とかするさかい。

①別に気にしてない。
②私も花火大会の準備作業がみたい。

宵宮
良かったぁ、ほな先に船の用意や!
話は歩きながらにしよか。

長野原龍之介
用事があるんやったら、それを終わらせてからわしの物語を聞いても大丈夫や。
わしには時間も物語も、ぎょうさんあるさかい。

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