◆松坂
…町を出て手がかりを探す…
…子供たちと会話する…
松坂
宵宮姉さん!
「袋貉」を追い払う武器、完成した?
岩夫
よっしゃ!
岩夫
あのおっさんたち、まさか妖怪を見つけたのか?
松坂
うん、大人しくしてるよ!
宵宮姉さんの言うことボクたちちゃんと聞くから!
…子供たちが指した方向へ進む…
義高
立ち入り禁止だと言ったはずだ。
宵宮
ほんま邪魔やわぁ…
…天領奉行衆を倒す…
…慌てふためく天領奉行と会話する…
義高
公務を妨害するとは、いい度胸だな!
このような所業、天領奉行は許さんぞ!
どこに逃げようと、必ず誅罰を下してくれる!
宵宮
おっかないこと言うたわりに、逃げ足が速いなぁ。
無駄な時間を使ってしもた。
この先におるはずや、行くで。
今谷佳祐
その剣筋、全然上達してないな、朔次郎。
お前に勝算はないと、十分に分かっただろう。
朔次郎
最後に、君の手に掛かるとはね。
……
負けを認めるよ。
これも僕の運命、言い残すことはない。
今谷佳祐
ふん…
今谷佳祐
この船を作った者も、処罰を免れないだろう。
今谷佳祐
見覚えのある顔だな、確か長野原家で花火を作ってる…
お節介な小娘だったか。
ここはお前の出る幕じゃない、下がってろ。
朔次郎
大丈夫だ、宵宮。
過去のことを語っても、どうしようもない。
宵宮
なら、なんで苦労してまで稲妻に帰ってきたん!
さんざん迷っとったのは、何やったの!?
こうやって、ちゃんと話したいからやろ!
今谷佳祐
こいつと話すことなどない。
お尋ね者と天領奉行の役人に、話す余地などないのだ。
かつての友情に免じて、決闘の申し出を受け入れたまで。
昔と変わらない、腑抜けた剣術だったがな。
今谷佳祐
……
お前の考えすぎだ、大体何も知らないくせして。
宵宮
あかん!
まだ何もできてへんやろ、こんなん納得できるわけあらへん!
今谷さん、決闘に慣れとるんやろ。
ほな、うちとも決闘してや!
うちが勝ったら、本音を吐いてもらうで。
今谷佳祐
もし、お前が負けたら?
朔次郎
宵宮…
今谷佳祐
その申し出、受けよう。
…今谷佳祐に勝つ…
義高
はい?
義高
は、はっ…
申し訳ありません!
今谷佳祐
お前という娘は、昔の朔次郎みたいに頑固だな。
どうして、俺たちにまだ話す余地があると思った。
宵宮
それは、朔次郎が帰ってきた時、あんたのことは言わへんかったけど、花火の注文をしたからや。
あんたの父ちゃんと母ちゃんから、朔次郎とのこと聞いたで。
そん時に分かったんや、この花火にはきっと特別な意味があるって。
――やったら、「話すことなどない」ちゃうやろ!
朔次郎
実は、ずっと迷いを抱えながら帰ってきた。
昔の考え方が変わったわけじゃない。
ただ、今の自分は現実から逃げてばかりだと思ったんだ。
僕はモンドの自由を、璃月の契約を、スメールの知恵を、フォンテーヌの正義を見てきた…
どれも僕にとって感慨深いものだったよ。
稲妻を離れたことを幸せに思った。
けどその幸せに浸かる中、稲妻の鎖国令を知ったんだ。
僕は逃亡者だ、でもその逃亡を英断だと思っている。
そして、僕が真になすべきことは、外の素晴らしさを稲妻に持ち帰ることだと気づいた。
今谷佳祐
未だにここを変えたいと思っているのか?
今谷佳祐
長野原家の後継ぎの噂は、前々から耳にしている。
お喋りなわりには…
侮れない人物だとね。
今谷佳祐
そうだ。
俺が子供の頃に見た花火、「長野原花火屋」なら再現できるだろう?
今谷佳祐
そうか…
ならいい。
宵宮
ひひっ、そうヘコまんといて。
さっき言うたやろう、朔次郎が帰って来てすぐ花火を注文したって。
宵宮
気にせんといて、花火大会に遅れへんようにな。
今谷佳祐も離れた。
パイモン
さっきの宵宮、凄く強引だったな。
宵宮
うちはお喋りが好きやさかい、言葉には不思議な力が宿っとるって信じとるんや。
会話せんと何も解決はできひん、ずっと問題は残ったままや。
それで、みんな…
解決する機会を逃してまう。
朔次郎と佳祐は昔のようには戻れへんけど、せめて…
心残りは晴らすべきやと思うたんや。
さあ、行こか。
花火を見るんにぴったりの場所があるんや。
あんたらの花火は、父ちゃんがうちの代わりに打ち上げてくれるで。
…宵宮と会話する…
色とりどりの花火が稲妻城の空を彩った。
船に乗って一人で稲妻を離れている朔次郎がその輝きの中で、ある懐かしい花火を見かけて、涙をこぼした。
この花火大会を成功させ、来る途中で騒いでいた宵宮も今やけに静かで、何かを思い浮かべるように、この儚い景色を眺めている。
宵宮
ふぁ〜、満足満足、今回の花火も泣けるほど綺麗やったわぁ。
あれ、ほんまに泣いとるかも?
>揺るぎない信念。
パイモン
そうだそうだ、信念!
宵宮
うちにとっては…
宵宮
今まで聞かれたことあらへんかったし、大して気にすることでもないと思うてな。
たまたま長野原家に生まれて、たまたま父ちゃんから技術を学んだ。
ほんで、たまたまみんなと知り合うて、物語を聞いて、大切な想いを花火に込めとることを知った。
ほんの一瞬で消える花火は、将軍様が求める「永遠」からいっちゃんかけ離れとるもんや。
せやけど、みんなの想いは消えへん。
それが花火の存在する理由や。
誰にも求められへんかったら、花火は消えてまう。
>これもある種の「永遠」なのかも。
宵宮
みんなが花火に想いを寄せとる限り、長野原はあり続けなあかん。
やないと、みんなをガッカリさせてまうやろ?
◆彩香
◆岩夫
◆義高
◆今谷佳祐
◆朔次郎
意外なことに、老夫婦の子供であり今は天領奉行でもある今谷佳祐は、朔次郎の旧知の仲だった。
昔、二人は激しい言い争いをしたことがあったため、宵宮もこの関係を利用して朔次郎を助けることができなかった。
一方、天領奉行の追跡は「長野原花火屋」にまで届いていた。
このままでは朔次郎の願望を果たすチャンスを永遠に逃してしまう、そう宵宮は心配した…
昔、二人は激しい言い争いをしたことがあったため、宵宮もこの関係を利用して朔次郎を助けることができなかった。
一方、天領奉行の追跡は「長野原花火屋」にまで届いていた。
このままでは朔次郎の願望を果たすチャンスを永遠に逃してしまう、そう宵宮は心配した…
…町を出て手がかりを探す…
…子供たちと会話する…
松坂
宵宮姉さん!
「袋貉」を追い払う武器、完成した?
宵宮
それなら、龍之介おじちゃんに任しとる、あとで見に行ってみてや。
それなら、龍之介おじちゃんに任しとる、あとで見に行ってみてや。
彩香
えー?
えー?
お姉ちゃん遊んでくれないの?
宵宮
堪忍なぁ、お姉ちゃん他に用事があるんや、またあとで戻ってくるさかい。
せや、戻ってきたら飴ちゃんあげたる!
好きやろ、甘~い飴ちゃん!
堪忍なぁ、お姉ちゃん他に用事があるんや、またあとで戻ってくるさかい。
せや、戻ってきたら飴ちゃんあげたる!
好きやろ、甘~い飴ちゃん!
岩夫
よっしゃ!
飴ちゃん大好き!
宵宮
それでな、聞きたいことがあるんやけど、さっき怖い顔したおじちゃんを見ぃひんかった?
それでな、聞きたいことがあるんやけど、さっき怖い顔したおじちゃんを見ぃひんかった?
彩香
見たよ、誰かを追っかけた!
見たよ、誰かを追っかけた!
岩夫
あのおっさんたち、まさか妖怪を見つけたのか?
宵宮
いやいや、心配あらへんよ、おじちゃんたちの勘違いやから。
あんたらは大人しく城内におるんやで、花火大会が始まるのを待ちながら遊んどき。
いやいや、心配あらへんよ、おじちゃんたちの勘違いやから。
あんたらは大人しく城内におるんやで、花火大会が始まるのを待ちながら遊んどき。
松坂
うん、大人しくしてるよ!
宵宮姉さんの言うことボクたちちゃんと聞くから!
…子供たちが指した方向へ進む…
…道を塞ぐ天領奉行衆に近づく…
義高
公務中だ、この先は立ち入り禁止になっている。
公務中だ、この先は立ち入り禁止になっている。
宵宮
朔次郎と佳祐、この先におるんやろ大事なことを伝えに来たんや。
朔次郎と佳祐、この先におるんやろ大事なことを伝えに来たんや。
義高
立ち入り禁止だと言ったはずだ。
宵宮
ほんま邪魔やわぁ…
しゃあない、少し痛い目に遭ってもらうで!
…天領奉行衆を倒す…
…慌てふためく天領奉行と会話する…
義高
公務を妨害するとは、いい度胸だな!
このような所業、天領奉行は許さんぞ!
どこに逃げようと、必ず誅罰を下してくれる!
宵宮
おっかないこと言うたわりに、逃げ足が速いなぁ。
無駄な時間を使ってしもた。
この先におるはずや、行くで。
…続けて朔次郎を探す…
朔次郎
はぁ…はぁっ…
はぁ…はぁっ…
今谷佳祐
その剣筋、全然上達してないな、朔次郎。
お前に勝算はないと、十分に分かっただろう。
朔次郎
最後に、君の手に掛かるとはね。
……
負けを認めるよ。
これも僕の運命、言い残すことはない。
今谷佳祐
お前がこの国に帰って来たのは、俺の考えを認めたからなんだろう?
お前がこの国に帰って来たのは、俺の考えを認めたからなんだろう?
朔次郎
好きに思うがいいさ。
好きに思うがいいさ。
今谷佳祐
ふん…
さあ、天領奉行まで来てもらうぞ。
今谷佳祐
この船を作った者も、処罰を免れないだろう。
宵宮
待ちぃ!
そう簡単に突き離したらあかん、お互いに言いたいこともあるんちゃうか!
待ちぃ!
そう簡単に突き離したらあかん、お互いに言いたいこともあるんちゃうか!
今谷佳祐
見覚えのある顔だな、確か長野原家で花火を作ってる…
お節介な小娘だったか。
ここはお前の出る幕じゃない、下がってろ。
朔次郎
大丈夫だ、宵宮。
過去のことを語っても、どうしようもない。
宵宮
なら、なんで苦労してまで稲妻に帰ってきたん!
さんざん迷っとったのは、何やったの!?
こうやって、ちゃんと話したいからやろ!
今谷佳祐
こいつと話すことなどない。
お尋ね者と天領奉行の役人に、話す余地などないのだ。
かつての友情に免じて、決闘の申し出を受け入れたまで。
昔と変わらない、腑抜けた剣術だったがな。
宵宮
なんでそないなこと言うん?
なんでそないなこと言うん?
もう嘘はやめえや!
あんたの部下を見張り役に残して、一人もここに近づけさせへんかったのは、話す機会を望んでたからちゃうの?
あんたの部下を見張り役に残して、一人もここに近づけさせへんかったのは、話す機会を望んでたからちゃうの?
なんで二人とも話したいって顔しとるのに、何も言わへんのや!
今谷佳祐
……
お前の考えすぎだ、大体何も知らないくせして。
朔次郎
いいよ、宵宮。
この気持ちは僕だけだったみたいだ。
いいよ、宵宮。
この気持ちは僕だけだったみたいだ。
宵宮
あかん!
まだ何もできてへんやろ、こんなん納得できるわけあらへん!
今谷さん、決闘に慣れとるんやろ。
ほな、うちとも決闘してや!
うちが勝ったら、本音を吐いてもらうで。
もう本心を隠すんはやめるんや!
朔次郎、あんたもや!
うちが勝ったら、帰ってきた理由を言うんや。
どんな結末になろうとも関係あらへん、絶対に言うてもらうで!
こないな状況やないと、もう二度と言われへんかもしれへんで!
朔次郎、あんたもや!
うちが勝ったら、帰ってきた理由を言うんや。
どんな結末になろうとも関係あらへん、絶対に言うてもらうで!
こないな状況やないと、もう二度と言われへんかもしれへんで!
今谷佳祐
もし、お前が負けたら?
宵宮
負けたら、朔次郎と共犯やって白状したる、天領奉行の言いなりになったるわ!
負けたら、朔次郎と共犯やって白状したる、天領奉行の言いなりになったるわ!
朔次郎
宵宮…
今谷佳祐
その申し出、受けよう。
…今谷佳祐に勝つ…
…今谷佳祐と朔次郎と会話する…
義高
こいつら、只者じゃない。
長官、もっと増援を呼んできます…
こいつら、只者じゃない。
長官、もっと増援を呼んできます…
今谷佳祐
下がれ。
下がれ。
義高
はい?
今谷佳祐
ここには近寄るなと言ったはずだ!
全員下がれ!
ここには近寄るなと言ったはずだ!
全員下がれ!
義高
は、はっ…
申し訳ありません!
義高が慌てて離れた。
今谷佳祐
お前という娘は、昔の朔次郎みたいに頑固だな。
どうして、俺たちにまだ話す余地があると思った。
宵宮
それは、朔次郎が帰ってきた時、あんたのことは言わへんかったけど、花火の注文をしたからや。
あんたの父ちゃんと母ちゃんから、朔次郎とのこと聞いたで。
そん時に分かったんや、この花火にはきっと特別な意味があるって。
――やったら、「話すことなどない」ちゃうやろ!
孤独を感じるために、花火を咲かすわけあらへん…
今谷佳祐
……
朔次郎
実は、ずっと迷いを抱えながら帰ってきた。
昔の考え方が変わったわけじゃない。
ただ、今の自分は現実から逃げてばかりだと思ったんだ。
僕はモンドの自由を、璃月の契約を、スメールの知恵を、フォンテーヌの正義を見てきた…
どれも僕にとって感慨深いものだったよ。
稲妻を離れたことを幸せに思った。
けどその幸せに浸かる中、稲妻の鎖国令を知ったんだ。
僕は逃亡者だ、でもその逃亡を英断だと思っている。
そして、僕が真になすべきことは、外の素晴らしさを稲妻に持ち帰ることだと気づいた。
今谷佳祐
未だにここを変えたいと思っているのか?
朔次郎
いや、もうそんな大層なことは思っていない。
今谷佳祐
……!
朔次郎
僕の心にはしこりがある、君がどうなのかが気になった。
そして、運命に導かれるかのように、帰りたいという気持ちが抑えられなくなった。
今谷佳祐
船は、見逃そう。
朔次郎
でも、そんなことして上にどう報告するんだよ?
朔次郎
安心してくれ、佳祐。
また君と花火がみたいからね。
言葉で表せない沈黙の中で、朔次郎が船に乗って離れた。
>あの船って…
宵宮
でも、それでええと思うで。
その本音を全部口にすることで、心のわだかまりがやっと解けるんや。
今谷佳祐
ああ、今ようやく分かったよ、礼を言う。
いや、もうそんな大層なことは思っていない。
今はただ、あの時逃げた自分を恥じているんだ…
君は逃げていないのに。
君は逃げていないのに。
今谷佳祐
……!
朔次郎
僕の心にはしこりがある、君がどうなのかが気になった。
そして、運命に導かれるかのように、帰りたいという気持ちが抑えられなくなった。
今谷佳祐
…俺は幸せでは…
ないな。
雷電将軍に憧れ、あのお方の言葉を胸に刻み、命令に従ってきた。
だが、今やっていることは鎖国令に反する者を裁いたり、神の目を回収したりすること。
こんなことのために、天領奉行衆に入った訳ではないというのに…
俺は、正しいことをやっているのだろうか?
…俺は幸せでは…
ないな。
雷電将軍に憧れ、あのお方の言葉を胸に刻み、命令に従ってきた。
だが、今やっていることは鎖国令に反する者を裁いたり、神の目を回収したりすること。
こんなことのために、天領奉行衆に入った訳ではないというのに…
俺は、正しいことをやっているのだろうか?
……
朔次郎
……
……
今谷佳祐
船は、見逃そう。
朔次郎
えっ?
えっ?
今谷佳祐
お前をこのまま稲妻に残すことはできない。
だからと言って、捕らえるのはもっとごめんだ。
お前をこのまま稲妻に残すことはできない。
だからと言って、捕らえるのはもっとごめんだ。
朔次郎
でも、そんなことして上にどう報告するんだよ?
今谷佳祐
俺を気にする必要はない、どうにかして見せる。
今の時代、国外にいる稲妻人が帰って来るには、複雑な手続きが必要だと聞いた。
だが、方法がないわけではない。
お前に手を貸そう。
それまでは、外で待っていろ。
…道中、死ぬなよ。
俺を気にする必要はない、どうにかして見せる。
今の時代、国外にいる稲妻人が帰って来るには、複雑な手続きが必要だと聞いた。
だが、方法がないわけではない。
お前に手を貸そう。
それまでは、外で待っていろ。
…道中、死ぬなよ。
朔次郎
安心してくれ、佳祐。
また君と花火がみたいからね。
今谷佳祐
ああ、また会おう。
ああ、また会おう。
言葉で表せない沈黙の中で、朔次郎が船に乗って離れた。
今谷佳祐
左遷は避けられないだろうな、ふっ…
左遷は避けられないだろうな、ふっ…
俺もいい年して、何をしているんだか。
>あの船って…
今谷佳祐
朔次郎が逃走に使おうとした船だ。
「禁制品臨時保管」ということにして、部下たちにここへ運ばせておいた。
朔次郎をここまで追い詰めたのも、俺の計画通りさ。
宵宮の言う通り、当時の俺は決心できていなかった。
だが、行動から俺の本音は漏れていたようだ…
朔次郎が逃走に使おうとした船だ。
「禁制品臨時保管」ということにして、部下たちにここへ運ばせておいた。
朔次郎をここまで追い詰めたのも、俺の計画通りさ。
宵宮の言う通り、当時の俺は決心できていなかった。
だが、行動から俺の本音は漏れていたようだ…
宵宮
でも、それでええと思うで。
その本音を全部口にすることで、心のわだかまりがやっと解けるんや。
今谷佳祐
ああ、今ようやく分かったよ、礼を言う。
お前は思ったより頭が回るようだ、俺の頭の中を覗かれた気分だよ。
宵宮
へへっ、うちはあんたの両親と仲良しなんや。
父ちゃんも母ちゃんも優しい人やろ、せやからあんたも優しい人やと思った。
へへっ、うちはあんたの両親と仲良しなんや。
父ちゃんも母ちゃんも優しい人やろ、せやからあんたも優しい人やと思った。
今谷佳祐
長野原家の後継ぎの噂は、前々から耳にしている。
お喋りなわりには…
侮れない人物だとね。
今谷佳祐
そうだ。
俺が子供の頃に見た花火、「長野原花火屋」なら再現できるだろう?
一つ作ってくれないか。
宵宮
短冊がないと無理や。
その短冊は朔次郎が持っていってもうた。
短冊がないと無理や。
その短冊は朔次郎が持っていってもうた。
今谷佳祐
そうか…
ならいい。
宵宮
ひひっ、そうヘコまんといて。
さっき言うたやろう、朔次郎が帰って来てすぐ花火を注文したって。
あんたのためには作れへんけど、朔次郎の花火ならあるで。
このまま納屋に置いとくのも勿体無いし、今回は特別や、あんたにやる。
このまま納屋に置いとくのも勿体無いし、今回は特別や、あんたにやる。
今谷佳祐
…ありがとう。
…ありがとう。
宵宮
気にせんといて、花火大会に遅れへんようにな。
今谷佳祐も離れた。
パイモン
さっきの宵宮、凄く強引だったな。
宵宮
うちはお喋りが好きやさかい、言葉には不思議な力が宿っとるって信じとるんや。
会話せんと何も解決はできひん、ずっと問題は残ったままや。
それで、みんな…
解決する機会を逃してまう。
朔次郎と佳祐は昔のようには戻れへんけど、せめて…
心残りは晴らすべきやと思うたんや。
さあ、行こか。
花火を見るんにぴったりの場所があるんや。
あんたらの花火は、父ちゃんがうちの代わりに打ち上げてくれるで。
…花火大会観覧場へ向かう…
…宵宮と会話する…
色とりどりの花火が稲妻城の空を彩った。
船に乗って一人で稲妻を離れている朔次郎がその輝きの中で、ある懐かしい花火を見かけて、涙をこぼした。
この花火大会を成功させ、来る途中で騒いでいた宵宮も今やけに静かで、何かを思い浮かべるように、この儚い景色を眺めている。
宵宮
ふぁ〜、満足満足、今回の花火も泣けるほど綺麗やったわぁ。
あれ、ほんまに泣いとるかも?
目元が濡れとる。
①綺麗だったね。
②これが噂の長野原。
②これが噂の長野原。
宵宮
せや、最初に打ち上げられたやつ、あの金色のおっきい花火は見たか?
あれが父ちゃんに頼んで、あんたらに作った花火や。
宵宮
ひひっ、それなら良かった。
あんたらの記憶に残るよう頼んだからなぁ。
どこへ行っても何があっても、不安を感じたり疲れたりしても、今日の花火を思い出せることを願っとる。
きっと時が深まるほど、この花火はあんたらの心で綺麗になっていくことやろ。
せや、あんたらもすっかりうちのお客さんやな。
ほな、この短冊を受け取りぃ、また金色の花火が見たくなったら、いつでも来てや。
宵宮
えっと、実は聞こえてたんや。
せや、最初に打ち上げられたやつ、あの金色のおっきい花火は見たか?
あれが父ちゃんに頼んで、あんたらに作った花火や。
パイモン
おおっ、ひと際迫力があったから覚えてるぞ!
おおっ、ひと際迫力があったから覚えてるぞ!
宵宮
ひひっ、それなら良かった。
あんたらの記憶に残るよう頼んだからなぁ。
どこへ行っても何があっても、不安を感じたり疲れたりしても、今日の花火を思い出せることを願っとる。
きっと時が深まるほど、この花火はあんたらの心で綺麗になっていくことやろ。
せや、あんたらもすっかりうちのお客さんやな。
ほな、この短冊を受け取りぃ、また金色の花火が見たくなったら、いつでも来てや。
①花火を打ち上げてくれてありがとう。
②お祝いしてくれてありがとう。
パイモン
でも、花火を見てる時の宵宮はまるで別人みたいだったな。
ずーっと黙ってて、なにも聞こえてないみたいだったぞ。
でも、花火を見てる時の宵宮はまるで別人みたいだったな。
ずーっと黙ってて、なにも聞こえてないみたいだったぞ。
宵宮
えっと、実は聞こえてたんや。
ただ花火を見てる時は何も喋らへんのが、うちのクセでな。
自分の作ったもんが空に上がるのを静かに見送る、一種の儀式みたいなもんや。
さっき、うちにとって花火は何かって聞いたやろう?
自分の作ったもんが空に上がるのを静かに見送る、一種の儀式みたいなもんや。
さっき、うちにとって花火は何かって聞いたやろう?
パイモン
ああ。
パイモン
船を用意してくれた耕一にとって、花火は友情を記念するもの。
佳祐の両親にとって、花火は結婚を記念するもの。
そして佳祐と朔次郎にとって、花火は…
うーん…
ああ。
パイモン
船を用意してくれた耕一にとって、花火は友情を記念するもの。
佳祐の両親にとって、花火は結婚を記念するもの。
そして佳祐と朔次郎にとって、花火は…
うーん…
>揺るぎない信念。
パイモン
そうだそうだ、信念!
宵宮
うちにとっては…
せやなぁ…
正直言うて考えたことあらへん、よう分からんわ。
パイモン
えっ?
えっ?
てっきり凄い答えが返ってくるかと思ったのに。
宵宮
今まで聞かれたことあらへんかったし、大して気にすることでもないと思うてな。
たまたま長野原家に生まれて、たまたま父ちゃんから技術を学んだ。
ほんで、たまたまみんなと知り合うて、物語を聞いて、大切な想いを花火に込めとることを知った。
ほんの一瞬で消える花火は、将軍様が求める「永遠」からいっちゃんかけ離れとるもんや。
せやけど、みんなの想いは消えへん。
それが花火の存在する理由や。
誰にも求められへんかったら、花火は消えてまう。
>これもある種の「永遠」なのかも。
宵宮
みんなが花火に想いを寄せとる限り、長野原はあり続けなあかん。
やないと、みんなをガッカリさせてまうやろ?
宵宮
うち、複雑なことを考えんのはあんま得意やないけど――
長野原家に生まれて、ぎょうさん綺麗な花火を作れて、ほんまに誇らしいんや。
うち、複雑なことを考えんのはあんま得意やないけど――
長野原家に生まれて、ぎょうさん綺麗な花火を作れて、ほんまに誇らしいんや。
《任務完了》
