秋津ノ夜森肝試し大会・其の三/世事は流れる水の如し

3.3 修正(吹出)

◆一つ目小僧
◆妖狐
◆河童
◆???
◆巫女
◆友浩

すべて妖怪たちが招いた誤解だと思っていたが、その裏にまだ隠された真実があったとは…

…2日目まで待つ…

パイモン
こんなに長い間待ってるのに、巫女のお姉さんはまだ帰ってこないぞ。
どうやらオイラたち、自分で肝試し大会の三周目をクリアするしかないみたいだ。
今回の組分けはどうする?

第三回目の肝試し大会がまもなく始まる。
しかし、大会の関係者である巫女は行方不明になってしまった。
これから大会をどう続けるのだろう…?

…肝試し大会の会場に行く…

鹿野院平蔵
旅人、パイモン。
最後は僕が仲間になるよ。
全ての人の中であの「幽霊」に会ったのは君たちだけだ。
僕は君たちと一緒に真相を調査したい。

パイモン
うん、オイラは大丈夫だぞ。
おまえもいいよな?

>平蔵は何か思いついた?

鹿野院平蔵
今はどうにも手がかりが少なすぎる。
僕もまだ推測しかできない。
少し調査したい場所があるから、あとで一緒に見に行ってみよう。

パイモン
どこのことだ?

鹿野院平蔵
まず僕たちが初めて会った場所さ。
君たちの話によれば、君たちはそこで「幽霊」と出会い、そして気絶した。
多分そこには、まだ何か手がかりが残っていると思う。

パイモン
本当に行くのか…?
うーん…
オイラたち、「飛んで火に入る夏の虫」になってないか?

鹿野院平蔵
彼女が僕たちを待ち伏せないか、心配なのかい?
僕にとってはその方が好都合さ。
彼女が見つからないと悩んでいたところなんだ。
そんなに簡単に出てきてくれるなら、手間が省ける。

パイモン
平蔵、おまえ肝が据わってるな…

鹿野院平蔵
出会う事件が多ければ、自然と怖くなくなるものさ。
行こう。

平蔵と組み、肝試し大会の裏に隠された真相を共に調査することになった。
平蔵がいてくれて、なんだかほっとした気がする…

…謎の女性に初めて会った場所に行く…

鹿野院平蔵
君たちが最初に幽霊に出会った場所は、ここだったはずだ。
もちろん、その女性が本当に「幽霊」なのかどうか、僕はまだ疑ってる。
全体を振り返りたいんだけど、その時彼女が何を言ったか、まだ覚えてるかな?

パイモン
うーんと…
「私に近づくべきじゃない」って言ってた。
それに、オイラたちが離れなかったら、魂をここに留まらせるって…
ううぅ、もうあの時のことは思い返したくないぜ…
思い返すだけで、また体が震えてきたぞ!

鹿野院平蔵
それで?

パイモン
それからオイラは目の前が暗くなって、頭もフラフラしてきて…
あちこちに火の玉がちらついてるのが見えたんだ。
それに、なんだかあの幽霊の周りに黒い霧が纏わりついてる感じがして…
それでオイラは気絶したんだぞ。

鹿野院平蔵
なるほどね。
その話だと、確かに幽霊の祟りって感じがするね。

パイモン
ほら!
平蔵だってそう思うだろ?

鹿野院平蔵
もともと完全に否定してたわけじゃないよ。
ただ、彼女の正体よりも「何がしたいか」のほうが気になるね。
幽霊だとしても、知性があるのなら、何か切実な目的のために動いているはずだ。

パイモン
オイラたちの魂が欲しいんじゃないのか?
そう言ってたぞ。

鹿野院平蔵
それは多分ただの脅しでしょ。

パイモン
えっ?
そうなのか?

鹿野院平蔵
何て言えばいいかな。
もし僕に「魂を盗る」なんて能力があるとすれば、何度も君たちに警告なんかしなくていい。
それに、そんな秘密を持った誰かが辺りをうろつくことは、許さないと思うな。

パイモン
それもそうだな…
なんで思いつかなかったんだろう?

>パイモンはずっと怖がってたでしょ。

鹿野院平蔵
今考えられる可能性は二つだけだと思う。
まずは、本当に君たちの魂を刈り取りたいけど、そのためには何らかの条件を満たさないといけない――
いわゆる「呪われた」状態って可能性。
でも、もし本当に君たちが呪われてるなら、きっと何らかの感覚があるはずでしょ?
だからこの可能性は低い。
僕が思うに、彼女はただそれを理由に君たちをビビらせて、追い払いたかっただけだろうね。

パイモン
オイラたちを追い払って、なにをするつもりなんだ…
待て!
オイラ、わかったぞ!
オイラたちを棄権させて、肝試し大会の賞品を独り占めにしようとしてるんだろ!

>彼女がこの大会にエントリーしたってこと?

パイモン
あ、そっか。
そんなはずないよな…
じゃあなんだろう?
平蔵、なにか思いつくか?

鹿野院平蔵
君たちの話から考える限りじゃ、彼女には悪意がないように思うよ。
ただ、ここにいて欲しくないだけでね。
でもこれだけじゃまだ何もわからない。
常識的に推測すれば、彼女は何かの宝物を守ってる…
それか、何かの事件を隠そうとしてる。
でも、僕の勘がこの推測はどっちも正しくないって言ってるんだ。
だから、まずは辺りを調査してみよう。

-------------------------

鹿野院平蔵
うーん…

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…近くで手がかりを探す…

>(地面には足跡が見える。)
(でも、よくよく確認してみると自分と平蔵の足跡しかない。
まさかあの女性、本当に幽霊…?)

>(辺りを見回したが、特に手がかりは見つけられなかった。)
(――見上げてみると、いくつかの枝が下へしなっていて、何か重いものでも掛けられていたようだ。)

…さっきの発見について平蔵と話し合う…

鹿野院平蔵
何か手がかりはあった?

>いくつかの枝が変だった。

パイモン
オイラたち、枝がなにかによって曲がってたのを見つけたぞ!
それ以外はなにもなかった。

鹿野院平蔵
うん。
僕も君たちと別れた後、辺りを探してみたんだけど――
枝が何らかの負荷で曲がっていた他にも、焼かれた跡がある場所があった。
けど、やっぱりそれだけじゃ何ともね。
もっと直接的な物証があればいいんだけど…

一つ目小僧
こんにちは…
あの…邪魔してごめんね。

パイモン
一つ目小僧!
それに妖狐と河童まで、どうしたんだ?

妖狐
手がかりを探していると聞いてな、手伝おうと思ったのだ。

パイモン
へえ、勇気あるな!

河童
お、おいらたちも自信はないよ…
さっき荒瀧様の子分たちから詳細を聞いてきたけど、確かに怖い。
そいつは絶対、どこかの怖い悪霊か、膨大な妖力を持つ邪悪な大妖怪だ…
どっちにしたって只者じゃない。
でも…でも、「三川花祭」を思うと――

一つ目小僧
……

妖狐
われらは昔から、鎌井様とお侍様の友情に憧れておった。
この憧れがあったからこそ、人から受けた恩には、三川花祭で報いろうと思ったのだ。
力に限りがあるからとて、このせっかく手に入れた友情に埃をかぶせたくはない。
三川花祭とは来る人に思う存分楽しんで帰ってもらう祭りのはずだ。

鹿野院平蔵
鎮守の森は広いからね。
調査の人手が増えてくれるのはいいことだ。
じゃあ、君たちにも頼むよ。
しっかり探してくれ。

一つ目小僧
安心して!
ぼくたちここには詳しいんだ。
どんな手がかりだって見逃しはしないよ!

…妖怪たちの発見を確認する…

河童
ふ、ふぅ…
見てくれ、川の下流でこれを見つけた…

一つ目小僧
これは何だ?

妖狐
どうやら、黒い布の切れ端のようだが?
しかしこのような布、見たことはないな。

鹿野院平蔵
これは遮光布の切れ端だね。

パイモン
遮光布?

鹿野院平蔵
うん。
光を遮る効果が強くて、よく舞台などの場所に使われてる布だよ。
切り口が結構粗いね。
石とか木の枝で破かれたみたいだ…

パイモン
木の枝…?

鹿野院平蔵
例えば――
とても大きな遮光布が木の上に掛けてあったとしたら?
木の枝はその重みでたわむ。
遮光布を木から引っ張って落とそうとしたとき、どこかの端っこが枝に引っかかって破れ、黒い布の小さな切れ端が水の中に落ちた。
気にしなかった…
というよりは、気にしてる暇がなかったんだろう。
まだ彼女にはやらなければならないことがたくさんあったからね。

パイモン
じゃあ、なんで遮光布を木の上に掛けたんだ?

鹿野院平蔵
僕の推測だけど――
もしかしたら、君たちが味わった雰囲気を故意に「演出」するためかもね。

>どういう意味?

鹿野院平蔵
んー、まだ気にしないで。
僕もまだ考えがまとまってないんだ。
荒瀧派の人たちがおどかされたって場所も、もう一回調査しに行きたいんだけど。
君たち、道は分かるかな?

一つ目小僧
ぼく、道を知ってるよ。
荒瀧様の子分たちと話したとき、「幽霊」に会った正確な場所を聞いたからさ。
ぼくが連れていくよ!

鹿野院平蔵
じゃあ、よろしくね。
さあ、行ってみようか。

…妖怪たちと共に次の場所に行って調べる…

一つ目小僧
ここだ!
ここを通ったとき、辺りが突然暗くなって、それから鬼火がちらちらし始めたって聞いたよ…

パイモン
ん?
なんだか身に覚えがあるぞ…?
それって、オイラたちが見たのと一緒だよな?
鹿野院平蔵
まずはこの辺りで、前みたいに調査をしようか。

-------------------------

鹿野院平蔵
やっぱり…

-------------------------

…近くで手がかりを探す…

河童
隣の石の割れ目に変な粉が…
少し取ってくんくんしてみたら、頭がふらふらしてきて…
眠いよ…

一つ目小僧
木の下からひび割れた玉を拾ったよ。
中は煙くて黒く焼かれてて、花火みたいな匂いもする。

妖狐
炎が残っておる痕跡から見て、そなたたちの見た鬼火は妖力によってできたものではなさそうだな。
何かを燃して作ったもの…?
わたしにもよくわからぬ。

…平蔵の分析を聞く…

鹿野院平蔵
似たような恐ろしいこと、完全に片付けられていない痕跡…
どうやら僕たちは、真相にだいぶ近づいてきたみたいだね。
今ほぼ確信できるのは、君たちが会ったその女性は幽霊なんかじゃないってことだ。
彼女は不思議な力も持ってない。
ただ前もって準備した小道具で人をおどかしてただけさ。

パイモン
小道具?
そんなものでできるのか?
オイラたちが見たやつは、本当に怖かったんだぞ。

鹿野院平蔵
まず、肝試し大会の存在自体がここの雰囲気をますます恐ろしげにした。
当時の君たちは妖怪の三人におどかされたところだった。
その上謎の女性に出会えば、緊張するのは必然的なことでしょ。
緊張のせいで呼吸は荒くなり、彼女が予め撒いていた睡眠花粉を吸っちゃったせいで、ふらふらし始める。
その瞬間、彼女は遮光布をさっと抜き取って「鬼火」を燃やし、未知で恐怖の景色を作り出した――
大体こんな感じかな。

妖狐
ということは、彼女の言動はただのはったりだったのだな?

パイモン
うぅ、オイラを騙すだなんて!

鹿野院平蔵
でももう一つだけ問題がある。
僕にこの件の調査を依頼した人は、確かに尋常じゃない力によって、浜辺から抜け出せない状態だった。
これはただの小細工でできることじゃない…
でも、もし彼女にそんな力があるのなら、どうして沢山の小道具を用意する必要があったのかな?

パイモン
オイラ、頭が痛くなってきたぜ。

鹿野院平蔵
……
そうか、森の中では小道具なしに人をおどかせないが、砂浜では不思議な力を駆使できる…
なるほど、大体わかったよ。

パイモン
早っ!

鹿野院平蔵
うん。
集団行動の可能性を除けば、残るはただ一つ。
君たちが会ったっていうその女性の正体が分かった。
浜辺に行って確認しよう。

妖狐
われらも!

鹿野院平蔵
いや、君たちには帰ってみんなに怖がらないように伝えてほしいんだ。
もう時間を費やして林を調べる必要はないってね。
真相はもう浮かび上がった。
不要な恐怖心とはサヨナラして、肝試し大会の終わりを待つ時だ。

一つ目小僧
わかった、じゃあ安全に気を付けて。
何かあったら、大声でぼくたちを呼んで。
絶対に聞こえるから。

鹿野院平蔵
危ないことなんかないよ。
でもありがとう、じゃあ行こうか。
崖に沿って探してみよう。
僕の推理が間違っていなければ、一ヶ所だけ土の違う場所があるはずだから。

調査した後、平蔵はだんだん答えに近づいてきたと言った。
次は浜辺を確認しよう…

…浜辺でおかしなところを探す…

???
分かってたわ…
やっぱりここまで探しにきたのね。

パイモン
出た!
妖怪の仲間だと思ってたのに、あいつらはおまえを見たことないって言ってたぞ。
おまえ、一体誰なんだ?
なんでオイラたちをおどかすんだよ?

???
……
言ったはずよ、話しかけるべきじゃないって。
いい加減に離れないと――

パイモン
うわぁ!
なんか怖いぞ!
平蔵、今は小道具とかないよな?

鹿野院平蔵
動かないほうがいい、君のためにもね。
そんな妖力じゃ僕たちをおどかすことはできないし、君の消滅を早めちゃうよ。

パイモン
妖力?

???
なぜそのことを?

鹿野院平蔵
物を拠り所に生まれる妖怪は――
本体以外にも、人の姿に化ける。
本体の近くにいれば多少妖力を使えるけど、本体から離れすぎると力は衰えちゃうんだ。
そして、本体が壊れてしまったら、それを拠り所として生まれた妖怪も消滅してしまう。
「物霊」とでも言えばいいかな…
それとも「付喪神」のほうがいいかい?

羽生田千鶴
ややこしいことはいいわ。
自分の名前がある…
羽生田千鶴よ。

パイモン
千鶴…
なんでオイラたちに離れて欲しかったんだ?
おまえも妖怪だったら、一つ目小僧たちの考えを理解できたはずだろ…
それに、一緒に秋津遊芸を遊んだときも楽しかったぞ。
なんだか、なんだか物語に出てくる鎌井様と侍になったみたいで――

羽生田千鶴
そう…だからこそ…
だからこそ、君たちにもあんな悲しみを味わって欲しくなかったの…

パイモン
悲しみ?
どういう意味だ?

羽生田千鶴
妖怪たちから、鎌井様と武士が知り合うお話を聞いたわね。
あの話、本当は続きがあるの。
…彼らの知らない続きがね。

秋津羽戯(1:39~)
簡単に言うと、羽子板で球を打ち、標的に命中させるのが「秋津羽戯」だ――
瞬発力と忍耐力、方向の制御力が試される。
この遊芸は一人でも遊べるが、もし誰かと協力したり、対戦したりしたい場合、思う存分楽しむには息のぴったりと合う仲間を見つける必要がある。

出会ったとき 武士はおよそ二十五だった
十年後
再会した二人はすぐにまた意気投合した
飲み 遊び 磨き合って…
初めはただ気の合う仲間同士だった二人が
互いを思い合う親友になった…
そしてまた十年 武士の剣術は極まり
なんと試合に勝つことさえあった
鎌井様は驚いて…
酒を断ち 修行をし 再戦に燃えていた
でも次の十年目 人は約束を守れなかった
南で起こった戦に 駆り出されていたから
妖怪にとって 十年など一瞬…
鎌井様は気にも留めなかった
けれど次の再会の時――鎌井様は目を疑った…
武士は歳六十五で
傷だらけ 白髪だらけだった
おい 小僧 まだ剣を握れるか?
自分は年じゃ もうそれには応えられん
此度は 別れを告げに参ったのだ
「秋津羽戯」にもう一度付き合ってくれるか?
それもよい
武士は全力を尽くしたけれど…
衰えた体力のため 早々に退場となった
鎌井様は羽子板を置いてしばらく黙り込み
長い溜息をついた
…実に遺憾だ

羽生田千鶴
「実に楽しみ」という言葉から「実に遺憾」まで――
たったの数十年。
鎌井様の容貌が変わることはないのに、目の前にいる旧友は老け込んでいく。
出会った時の喜びも、最後には遺憾という名の毒薬に変わってしまった。
傍観者のほうが冷静だというけれど、この一部始終を目撃した私は残酷なことに気づいたの。
失望と悲しみは、最初から起こる運命だった――
私たちは人と寿命が異なれば、性分も異なるけれど、同じ土地で生活している。
お互い触れ合い、惹かれ合って…
それでも最後には別れが訪れるの。
夢から目覚めるときに残されるのは、永遠の思念と、どうしようもない苦痛だけ…
見識の広い大妖怪でさえこうだったのよ。
単純で善良な普通の妖怪たちが、別れの時に味わう悲しみはいかほどか。

鹿野院平蔵
……

パイモン
だから、おまえは…

羽生田千鶴
この砂浜に身を潜め、最期の日が訪れるときを待っていた。
彼らがたまたま秋津遊芸をここに置いたせいで、私は永い眠りから呼び覚まされたの。
鎌井様と人の武士の話を聞いたからといって、無限の期待と熱情を抱いたまま人と触れ合ってほしくなかった。
だって、二の舞でしかないもの…

パイモン
だから、あんなおかしなことをして、ここに来るやつをおどかそうとしたのか?
前、浜辺に閉じ込められた人もいたらしいけど、あれもおまえなのか?
なんでそいつにだけ、そんな酷いことしたんだよ?

羽生田千鶴
私の力はもう、大分弱まっているわ。
ほとんどは集めた道具で人をおどかすだけだったけれど、人が多いときは姿を現しにくくて。
でも、あいつは欲するものを貪り…
飽くことを知らなかった。
秋津遊芸の置物を盗み去り、高い値段で売ろうとした。
だから妖力を使って、あいつを懲らしめたの。
パイモン

パイモン
そうだったのか。
おまえって、意外と正義感があるんだな。
そういえば、あの鎌井様と侍の話…
おまえはどうやって後半の内容を知ったんだ?

羽生田千鶴
……

鹿野院平蔵
答えたくないならいいよ。
僕にはわかったからね。
君の正体はこの羽子板…
だろう?

パイモン
羽子板?
あっ!
まさか――

鹿野院平蔵
数百年前、妖怪鎌井と人間の侍が秋津羽戯で使った羽子板。
強い妖力の影響を受けて、そこに意識が芽生えたんだ。
彼らの物語を一番近くで見届けたのは、君だった。
数百年の時が過ぎ…
妖力による守りも虚しく、羽子板本体は朽ち果てる寸前。
自身の存在すらまともに維持できない状態じゃ、小道具にでも頼らなくちゃ人をおどかせはしない。
それから僕の推測が正しければ、この羽子板が三戦目の目標…

八重神子
全くその通り――
実に面白い推理じゃった。
童たち、肝試し大会三戦目の勝利、おめでとう。

パイモン
神子!
それに…
巫女のお姉さんまで?
失踪したわけじゃなかったのか?

巫女
ごめんなさい。
八重様のご指示でして…

八重神子
ふふっ、どうじゃ?
驚いてくれたか?
恐怖が未知によるものであれば、局面も混乱すればするほどよい。
そしてとうとう主催側の者までが謎の失踪を遂げる――
これでこそ「肝試し大会」じゃ。

パイモン
やっぱりわざとオイラたちをビビらせたのかよ!

八重神子
仁美、まず戻って他の者に肝試し大会の終了を知らせよ。
優勝者は、もう決まった。

鹿野院平蔵
真相もはっきりしたことだし、僕も依頼人に会いに行こうかな。
「窃盗未遂」…
確かにさほど重い罪じゃないけど、罰さないってわけにはいかないし。
二人とも、じゃあね。

パイモン
そういえば…
神子。
羽子板を三戦目の目標として選んだってことは、千鶴のことを前から知ってたのか?

羽生田千鶴
「神子」…「八重様」…
あなたは…

八重神子
とある年の「三川花祭」、妾は狐斎宮様の傍らで、秋津羽戯をなさっているのを眺めておった。
あの時、汝を目にしたんじゃ。
当時は確か人の姿はなく、ただ意識を持っていただけじゃったがの。

羽生田千鶴
思い出した。
あなたは狐斎宮様の肩に乗っていらっしゃった、あの…

八重神子
先日、妾は浜辺で散歩していたんじゃが、この近くに懐かしい妖力を感じ取ったんじゃ。
妖力は微かなものじゃったが、汝を見つけた。
汝は木の上に座って、遠くにいる旅人を眺めておった。
「我慢しろ」「人と関わるな」…
そう言って自らを戒めておる小さな声が聞こえた。

羽生田千鶴
いつかしら…?
あなたにまったく気づかなかった。

八重神子
汝はそこまで力が弱っておるんじゃ。
気づく方がおかしい。
本当は、ずっと自分を責めておったんじゃろう?
汝は心の中で、鎌井と侍は秋津羽戯で知り合うたのじゃから、自分も関係がないとは言い切れぬと負い目に感じておった。

羽生田千鶴
当時、私はまだこのように人になることはできなくて…
ただ朦朧とした意識しかなくて。
二人が三川花祭で知り合ったとき、私はとても誇らしかった。
だって、彼らの物語に姿を残せたんだもの。
別れの後、鎌井様はよくため息を吐かれていたわ。
私は心の中で自分を責め…
堪え切れず隠れてしまった。
そして再び目覚めたとき、世界はすでに変わっていた。
八重様、あなたは有名な大妖怪なのでしょう?
私の知らないことをたくさん知っているはず。
一つ伺いたいわ…
一つまた一つと出会いが増え、同じだけ別れが増える。
束の間の時はあっという間に通り過ぎ、残るのは失望と辛さだけ。
私たちと人との出会いに、本当に意味があるのかしら?

八重神子
なぜないと思う?
汝と旅人は共に秋津遊芸をしたんじゃろう。
どんな感じじゃった?

羽生田千鶴
とても楽しかった。
でも…

八重神子
でも「理性」がそれを間違っておると言っておる、そうじゃな?
じゃが、汝の言う鎌井と侍の話には、まだ続きがある。

羽生田千鶴
そんな?
鎌井様と人の武士はもう二度と会わなかったはずよ。

八重神子
しかし、話はそれで終わりではなかったんじゃ。
侍の名は柳橋卓人、やつは「蒼嵐一心流」創始者という、もう一つの身分を持っておった。
やつはその剣術を、鎌井と切磋琢磨するうちに悟ったそうじゃ。
そして、三代目師範の富永正也も鎌井と親しくなった。
五百年ほど前、鎌井は富永と肩を並べて最後まで戦った。
そのとき富永が使った刀は柳橋から伝わったものじゃった。
鎌井が抱えていた遺憾の思いは、その時に消え失せたんじゃ。

羽生田千鶴
そう…だったの…

八重神子
妾たち妖怪は、確かに人とは違う。
妾たちにとって、人の寿命は短すぎる…
最後にはいつも、通りすがりの者となってしまう。
じゃが、出会いによって生まれた「縁」というものはそこで途絶えることはない。
また新しい形で受け継がれていくんじゃ。
戸惑うことはない。
光陰矢の如し――
だからこそ、見逃すことなく楽しむ。
今の汝になら、妾の言っていることが分かるじゃろう?

荒瀧一斗
おーい、最高のダチ――!!

パイモン
一斗!
なんでここまで来たんだ?

荒瀧一斗
ガーッハッハッハ、仁美からコトの経緯は聞いたぜ!
それにお前がこの肝試し大会の最終決戦に勝ったってのもな!
こいつの正体だって知ったぜ!
だから、俺様はほかのやつと話し合って…
ん?
お前、この間の狐女じゃねぇか?
なんでここにいるんだ?

八重神子
ふふっ、妾のことは気にするでない。
何を話し合ったんじゃ?

荒瀧一斗
コホンッ、よく聞け――
肝試し大会の終了を祝って、一緒に「三川花祭」をやることにした。
俺様は考えたんだ、妖怪たちの妖力だけじゃできねぇかもしれねぇが、俺様が参加すりゃ問題はねぇ!
俺様――
荒瀧・天下百鬼の王・一斗が、みんなを率いて最高の三川花祭をやるぜ!

妖狐&河童&一つ目小僧
さすが荒瀧様!

八重神子
おお――

パイモン
本当に大丈夫なのかよ…

荒瀧一斗
そりゃどういう意味だ。
今回は俺様だけじゃなくて、他のやつも手伝ってくれる。
綾人の兄貴まで来てくれたぜ!
今はみんな準備してる途中だが、もうちょっとすれば祭りの完成だ。
お前らは遊ぶだけでいいぜ!
ガーッハッハッハッ!

妖狐&河童&一つ目小僧
荒瀧様最高!

一斗たちは、妖怪たちと一緒に祭り会場を設営した…

八重神子
祭りと言われれば、妾が行かぬわけにもいくまい?
ああ、祭りを回るのは久しぶりじゃ。
出てくるときに酒を持ってきてよかったわ――

パイモン
一斗のやつ、たまには頼れるじゃないか!
へへっ、祭り、うまいもの…
オイラの出番だぜ!

>一緒に行く…?

羽生田千鶴
……
ええ。
君たちさえ…
良ければ。

パイモン
祭りはもう始まってるみたいだぞ!
早く行ってみようぜ!

すべての誤解は解けた。
さあ、祭りの時間だ。


…三川花祭に興じる…

パイモン
一斗!
それにゴローも!
なに話してるんだ?

荒瀧一斗
おう!
時間さえありゃあ、絶対ここに超デッケェ釣り堀を作るんだがって言ってたところだ!

ゴロー
釣り…
海祇島では、直接水に潜って魚を捕まえていたな。

荒瀧一斗
ガーッハッハッ!
魚を捕まえるより、釣りのほうが絶対楽しい!
俺様は釣りの達人だぜ!
この前も超デッケェ魚が釣れて、大きすぎて処理に困ったぐらいだぜ。
それで八重堂にまで手紙を書いたんだ。

羽生田千鶴
そんな悩みがあるなんて…

パイモン
そんなにでっかいやつなのか!
なんで教えてくれなかったんだよ、オイラが食べてやったのに…!

ゴロー
んっ?
八重堂に手紙?

荒瀧一斗
そうだ!
俺様は『月刊閑事』に投稿して、ヒナさんに相談したんだ!
ヒナさんってのは本当に優しい人で、すぐに返事をよこしてくれた。

ゴロー
奇遇だな。
俺も普段そこで副業をしてるんだが、この間たまたま似たような悩みを受けた。

荒瀧一斗
超デケェ魚が釣れたって悩みか?
まさか…
まさか、釣りで俺様と互角に渡り合えるやつが存在するってことなのか?
ダメだ、こうしてる場合じゃねえ。
お前ら、先に祭りを回れ!
今日はもっとデカいやつを釣らねぇと。
釣れたら、魚の宴をごちそうしてやるよ!
ガーッハッハッ!

一つ目小僧
あとちょっと――
あっ!!
…紐が切れちゃった。
難しいな、宵宮姉さん。
本当にヨーヨーって釣れるの?

宵宮
心配しんとき。
うちの秘訣を伝授したろ――
「見抜いて素早く」これに限るで!

パイモン
ヨーヨー釣り!
娯楽小説で読んだことあるぞ!

宵宮
試してみ?
片っぽの目ぇ一つ閉じて、ちゃんと見定めたら、うまい具合に素早く釣るんや!

パイモン
見るからに難しそうだぞ…
旅人にやらせよう。
オイラたち三人いるから、少なくとも三つ釣ってくれないとだぞ。

一つ目小僧
でも宵宮姉さん、ぼくが目を一つと、な、なんにも見えなくなるよ――!

早柚
ラーメン、美味しい…

神里綾華
そうですね、久しぶりにいただきました。

パイモン
うん?
綾華は普段、ラーメンをあまり食べないのか?
あんなに美味しいのに!

神里綾華
あっ…貴方たちでしたか。
すみません、ラーメン二つ追加でお願いいたします。
脂っこく、塩分も多いからと、周りに食べる機会を制限されてしまうのです…
ラーメンも鍋も、普段はいただきません。

羽生田千鶴
大変ね。

パイモン
うんうん。
だから綾華はケーキを鍋に入れたんだな。

羽生田千鶴
はぁ…?

神里綾華
えっと…
それは忘れてください…

早柚
ふぅ…お腹いっぱい、少し眠い。
拙、少し寝る…

神里綾華
そういえば、昔の妖怪たちの祭りには、何か特別な出店はありましたか?

羽生田千鶴
話せば長くなるけど…

パイモン
ヨーヨーを一つも釣れなかったなんて。
おまえの腕も落ちたな!

パイモン
まあ、最後は千鶴が一つ釣ったけどな。
それも一つ目小僧にあげちゃって…

羽生田千鶴
欲しそうに見えたから。

パイモン
オイラも欲しいぞ!

羽生田千鶴
じゃあ今度、もう一つ釣ってあげる。

パイモン
やったぜ!

トーマ
旦那、これはいつもと比べて高すぎるでしょ?
祭りだからって、そんなに値段を吊り上げない方がいいよ。

友浩
露店を出すのにもお金がかかるんだ。
ちょっとばかし高く売らなきゃ元が取れない。

トーマ
じゃあ…
お面を五つ買うから、三割引きしてくれるってのはどう?
ダメなら今回はいいや。

友浩
はいはい…

河童
熱い、干からびそう!

楓原万葉
そんなに近づかず、もっと後ろに行った方がよいでござる。

河童
わかってるけど…
普段はこんなにキレイなかがり火を見ることないもん。
一番近くで見ていたい。

楓原万葉
この世には美しき風景が山ほどある。
そう焦らずとも、祭りはまだ長い…

八重神子
まさか妹御にまで教えていなかったとは。
あの様子じゃ、さぞ驚かせたじゃろう?

神里綾人
ここで何が起こったのか事前に教えると、面白くなくなってしまいますから。
友人が傍にいるのですから、怖すぎるということもないでしょう。
少しばかりびっくりするほうが、あの子も普段溜め込んでいる緊張を緩められていい。

八重神子
ふふっ…
今回の計画は実に順調じゃったの。
何も知らぬ者たちが慌てふためくのを見るのは実に愉快じゃ。

神里綾人
ふふっ…
それは私も同感です。

パイモン
神子、綾人、おまえらの笑いって怖いぞ!

八重神子
ん?
祭りを回り終えたのか?

>ほぼ見て回った。

八重神子
では、楽しかったか?

パイモン
すっごく楽しかったぞ!

八重神子
本物の三川花祭は、今よりも百倍賑やかじゃった。
でも汝らが行っても、今ほどは楽しくないかもしれん。
…友人と回る祭りのほうが楽しい、そうじゃろ?

羽生田千鶴
…ええ、ありがとう。

八重神子
ほれ、童に何か言いたいことがあるのじゃろ?
もう邪魔しないでおこう。

パイモン
そうなのか?
なんだなんだ?

羽生田千鶴
また見抜かれるとは…
何でもお分かりのような気がする。

八重神子
「何でも分かる」のではない、ただ妾にもそんな経験があっただけのことじゃ。

羽生田千鶴
……
旅人、今…
時間はあるかしら?
ちょっと…
浜辺で二人きりで話したいの。

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荒瀧一斗
変だな…
魚はみんなどこへ行ったんだ?

ゴロー
そう固くなるな。
場所を変えてみよう。

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一つ目小僧
うっ…あとちょっと!

宵宮
だんだんコツ、掴めてきたんちゃう?
もうちょい頑張れ!

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早柚
ふう…すぅ…

神里綾華
ラーメン一杯だけなら…
体重は変わらないはず…

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トーマ
たくさん買っちゃったな…
帰ったら整理しないと。

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河童
少し休ませてくれ…

楓原万葉
楽しかったでござるか?
一緒に何か食べに行かぬか?

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妖狐
有楽斎様のような大妖怪になりたい…
さすれば、本物の三川花祭を作り出せる…

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神里綾人
別れもまた祭りの一部ですね。

八重神子
…別れのない宴などないからの。

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千鶴は話したいことがあるようだ…

…浜辺で羽生田千鶴を探す…

羽生田千鶴
ふぅ…ここにしましょう。
ありがとう、付き合ってくれて。

>大丈夫。

羽生田千鶴
実はね、初めて自分が人に化けられるってわかったとき、すっごく嬉しかった。
羽子板の化けた妖怪は、祭りから生まれた妖怪だもの。
生まれつき賑やかさが好きだった。
祭りに参加したかったし、人と友達になりたかった。
他の人と秋津遊芸を楽しみたかった。
でも、夜が更けて人が寝静まる頃、思い出してしまうの。
老いた武士が羽子板を置いたときの苦笑いや、孤独な鎌井様が酒を飲みながらため息をつく様子を。
考えたわ。
もし私が人と友達になったら、将来あの方と同じような悲しい表情を浮かべることになるんじゃないかって。
だから、いけないと思った。
絶対に同じ悲劇を繰り返してはいけないって、自分に言い聞かせたの。

>分かってる。

羽生田千鶴
ごめんなさい、初対面の時からわけのわからない話をして、驚かせたでしょう?
君はびっくりして逃げるかと思ったのに、二回目に会った時は何事もなかったような顔をしていた。
妖怪たちの仲間だと勘違いされてるのが分かっていたのに、そこには触れず、君と秋津遊芸を遊んだ――

>どうして?

羽生田千鶴
そうね…
私もよくわからないわ。
でも多分、私はずっと鎌井様のように、人と秋津遊芸を遊びたかったから。
自分のが少ないって分かってたから、きっとこのまま孤独に去りたくなかったんだと思う。
とにかく、一緒に遊んでくれてありがとう。

>……

羽生田千鶴
この前の秋津遊芸、パイモンちゃんは負けた人に自分の願いを一つ叶えてもらうって言ったわね。
あのとき私が願ったことは、もう二度と私の前に現れないでってことだった。
結局あなたたちは私を見つけ出したから、願いは叶わなかったわ。
だから…
もう一つ新しい願いを言ってもいいかしら?

①もちろん。
②できることなら。

羽生田千鶴
そうね、じゃあ…
「私を覚えていて欲しい」…
いいえ。
一つだけなら、これはやめておきましょう。
コホン、よく聞いて。
私の願いは――
「今後も君の旅路が、祭りのように楽しいものでありますように。」

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荒瀧一斗
寿命とか、別れとか、俺様はそういうのよくわかんねぇけどさ。
俺様はお前らに会ったことを後悔しちゃいないぜ!
ガッハッハッハ!

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神里綾華
っ…さきほど千鶴さんから昔の三川花祭のことをお聞きして、また今度改めてお話を伺いたいと思ったばかりですのに。
まさか…
こんなに早くお別れすることになるなんて…

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ゴロー
千鶴さんの話を聞いたが、本当に悲しい話だな。
戦場も同じだ。
いつか友と永遠に別れることになる…
だからこそ、今の時間を大切にしないとな。

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鹿野院平蔵
万葉、最近は忙しくないかい?
ある事件を、君と一緒に調査したいんだけど。

楓原万葉
何か面倒事でも?

鹿野院平蔵
面倒ってほどじゃないよ。
ただ、昔の事件だから手がかりは結構消えちゃってるかな。
でも、君の自然に対する感知能力があれば、もしかしたら新しい発見があるかもしれないと思ってさ。

楓原万葉
よいでござるよ。
祭りが終わった後、しばらく残っておく故、共に参ろう。

鹿野院平蔵
やった、ありがとう。

楓原万葉
礼には及ばぬ、お気に召さるな。

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トーマ
若が肝試し大会が始まる前に全てを手配なさったんだと思うけど、今回ばかりは驚かされたな。
でも思い返してみると、すごく楽しかった。

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宵宮
毎年、花火が空に上がるたんびに、いっつも思うねん。
「またあっという間に一年が過ぎてしもたなぁ」って。
人の命も…
一年、また一年の中で、知らず知らず最後に向こてる。
でも、うちはこれが悲しいことやとは思わへんよ。
花火はパッと消えてしまうけど、情は一生もんやもん。

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早柚
すぅ…
本当に大きくなった…
へへ…
高い…
みんなが小さくなっている…
すぅ…

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八重神子
綾人から「肝試し大会」開催の相談があったとき、これは千鶴の心残りを取り去ってやれるよい方法だと思ったんじゃ。
あやつがまだ人の形を持たず、ほんのわずかな意識のみじゃった時に経験した初めてのことが、鎌鼬と侍の別れであった。
この一件はとてつもなく重い影をあやつの心に残した――
道理を語るだけで、納得するはずもない。
一番の特効薬は、人と関わることじゃと妾は考えた…
悲しむことはない。
あやつは去る時、とても楽しんでおったはずじゃと思うぞ。

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神里綾人
この度の肝試し大会、楽しめましたか?
妖怪たちの想いに気づいた時…
最初は彼らのことを公にすれば、自ずと名を慕ってやってくる人もいようかと思いましたが――
よく考えて、却って仇となるかもしれないと思い直しました。
もし初めから三川花祭などという名を出していれば、人々の期待は彼らが満足できないところまで高まったでしょう。
それで、肝試し大会の名を借りて観客を送り込み、後は彼ら自身の努力に任せてみるのもいいと思いました。
彼らの存在もまた、肝試し大会に新しい楽しみを増やしてくれましたしね。
ふふっ…

《任務完了》