天下人の章 第二幕・須臾百夢/不浄祓いし明光

修正(吹出) 伝説任務

◆北村(武士)
◆古山(茶人)
◆平野(社奉行代行)

稲妻の冒険者協会に、神櫻に関する依頼があるようだ…

…キャサリンと会話する…

キャサリン
星と深淵を目指せ。
実はつい先日、冒険者協会にある特殊な依頼が届きました。
慎重に検討いたしましたところ、やはり…

パイモン
「旅人がもっとも適した人選」、だろ?

キャサリン
ふふっ。
はい、いつもと同じですね。
では早速ではありますが、この依頼を引き受けてはいただけませんでしょうか?

①もちろん。せっかく来たんだし。
②内容と報酬を見てから決める。

キャサリン
はい、では簡単に説明いたしますね。
本件は社奉行からの依頼になります。
どうやら、獣域ハウンドの群れが影向山一帯で神櫻の根を攻撃しているようなのです。

パイモン
獣域ハウンド?
そいつらが鳴神島に現れたのか?

キャサリン
はい、そうです。
それら魔物が一体どこからやって来たのかは分かりません。
ただ今回は群れを成しており、規模も大きく、目標が明確で非常に攻撃的になっています。
神櫻が稲妻にとってとても大切な存在であることを、あなたたちもご存知ですよね?

①聞いたことある。

キャサリン
よかったです。
ですので、この件は至急対処しなければなりません。

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②初耳。

キャサリン
古くより、神櫻は稲妻の地脈から穢れを汲み取り、土地の安定を維持してきました。
その神櫻が被害を受けてしまえば、穢れは再び稲妻を侵食し、大規模な災害を引き起こすでしょう。
ですので、この件は非常に急を要します。

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パイモン
このこと、天領奉行の人は知ってるのか?

キャサリン
はい、彼らもすでに行動しています。
ただ神櫻の根はとても複雑なもの。
獣域ハウンドも神出鬼没で数が多く、対処するのが難しい状況でして…
そのため、彼らは住民を守ることを最優先事項としています。
魔物を殲滅するために、様々な勢力へと積極的に協力を求めているようです。
また本件に対し、冒険者協会も力を入れてサポートを行っております。
しかし現状、各勢力による獣域ハウンドの討伐は、まだあまり楽観のできない状況です。

①じゃあ、私が片付けてくる。
②ただの犬だし、怖がることない。

キャサリン
ありがとうございます。
心強いお返事を聞けて、とても安心しました。
では、獣域ハウンドの出没地点をマップに記しておきますね。
それら魔物の殲滅を、どうかよろしくお願いいたします。

パイモン
安心しろ、すぐ終わらせて帰ってくるぜ!

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■世界任務 【神櫻大祓】完了後
パイモン
まさか、また神櫻に関する事件が起こるなんてな。
それに、神櫻は花散里がずっと守りたかったものだ…
それをあの悪い犬たちがめちゃくちゃにしようとするなんて!
ぜったいに許せないな!

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…魔物が出没する場所に行く…

パイモン
神櫻を攻撃してるぞ!
早くあいつらをやっつけよう!

…獣域ハウンドを倒す…

パイモン
うぅ、こんなに数が多いなんて…
どうりで天領奉行の人たちが助けを求めるわけだ…
蛍、がんばれ!
ファイトだ〜!

…雷電影と会話する…

雷電将軍?
「無我の境地へ」!

パイモン
しょ、将軍?
いや、もしかしたら影って可能性も…

雷電将軍?
…あなたたちでしたか。


そういえば、天領奉行内部の混乱を解決して以来、随分と長く会っていませんでしたね。

パイモン
その口調…
影か?
一撃でやっつけるなんて…
つ、つよい!

①どうして影がここに?
②なんでまた外に出てきたの?


とある用事のため、その最初の準備をしていたのです。
以前あなたと一緒に稲妻を散策した時、今の人々の状況を目の当たりにしました。
そのおかげで、昔は分からなかった道理を、ある程度理解することができました。
それ以来、考えごとに行き詰まると、心ともなく外に出てみたくなるようになったのです。

パイモン
そうだよな、ずっと同じところにいたら息が詰まっちゃうし。


…念のため言っておきますが、これは決して娯楽目的ではありません。
ここ最近、私は一心浄土の内より、外界で起きている変化を見てきました。
とりわけもっとも深刻なのが、獣域ハウンドが神櫻に対して攻撃を行っていることです。
これについて私は、十分に注意を払うべき一件だと考えました。
そこで魔物を追ってここまで来たところ、こうしてあなたたちと会ったのです。

①この件は奉行衆と冒険者が解決を図ってる。
②将軍が出るほどのことでは…


もし、この事に気づいたのが将軍であって「私」でなかったら…
放っていたかもしれません。

パイモン
ん?
どうしてだ?
人形だったら助けてくれなかったのか?


はい。
私が人形に定めた規則では、こういった事件は三奉行に対処させるようになっています。
しかし、獣域ハウンドによる神櫻への攻撃は、私にとって過去に起きたあの災いの記憶を蘇らせるもの…

パイモン
過去に起きた災い?


そう。
五百年前、稲妻で起きた大きな災厄のことです。
大地は漆黒の霧に包まれ、辺りには魔物が蔓延りました…
この災厄のせいで無数の命が奪われ、人々が苦労して建てた家々もそのほとんどが瓦礫へと変わり果ててしまった。
魔物は稲妻の地で、数々の猛威を振るいました。
そしてこの「獣域ハウンド」こそが、その魔物たちの先遣部隊だったのです。
この魔物の責務は、鋭利な牙と爪で空間を切り裂いて道を作り、より強大な猛獣を呼び寄せること。

>五百年前、つまりカーンルイアの…


どうやら、あなたも聞いたことがあるようですね。
あれは、私が永遠に思い出したくない記憶でもあります。
あなたたちからすれば、これら生物に対する私の行動は過剰だと思うかもしれませんが…
しかし…
やり過ぎるくらいでなければいけないことなのです。

パイモン
わかるような、よくわからないような…


あなたたちも同じ事情で来たのですから、一緒に行動しましょう。
付近にあった痕跡から見て、まだこの辺りには魔物が数多くいるようです。
そのすべてを絶対に殲滅しなければなりません。

>うん、行こう。

パイモン
影といっしょに行動できるのは、なんだかすごく安心感があるな!
これが俗に言う、「強者が一緒にいる時に味わえる優越感」ってやつか?
そうだ、魔物を片づけたら、カーンルイアのことについて聞いてみようぜ。

冒険者協会は、獣域ハウンドが神櫻の根を襲っていることに気づいた。
あなたが事件を解決するため向かうと、そこで雷電影に出会う。
彼女の想いを知った後、あなたたちは行動を共にすることにした。


パイモン
この色…
神櫻が傷ついた時の色に似てるぞ!
こっちの方向だ、早く行ってみよう。

…残された痕跡をする…

…現場の状況を把握する…



幸い被害はそれほど大きなものではありませんでした。
傷ついた神櫻の手当ては、社奉行に任せればいいでしょう。

パイモン
あの流れてるのって、神櫻の樹液か?
なんか光ってるけど…

飛び散った光は、人の姿となった…

パイモン
あれ?
パイモン
こ、これって…?

①人がケガしてる?
②ひどい状態だ。

パイモン
まさか、この人もう亡くなってるんじゃないか?
今までも旅の途中で、同じような現象をオイラたち見てきただろ…
でも、なんでこんなところに…


二人とも、辺りをしてみましょう。

北村
うぅ…ぐっ…
俺は…
ここで倒れるわけには…
仲間たちのためにも…
俺は…

パイモン
おい、なにがあったんだ?

北村
お前たち、何者だ?
どうしてここに…?
早く逃げろ!
猛獣がまた来るぞ…
やつらに目をつけられたら、もう逃げられない!
俺たちは…
稲妻を守り…
最後まで戦い抜かねば!

①何が起こったの?
②猛獣…?

北村
なに?
知らないのか…?
稲妻はもう暗き闇に覆われてしまったんだ。
辺りには猛獣が溢れかえっている。
それだけじゃない、もっと凶悪な魔物もいるようだ!
やつらには感情がなく、ただすべてを呑み込もうとしている…
俺たち人間が存在した証もおそらく、やつらに喰らい尽くされてしまうだろう…

パイモン
でも、周りにはなにもないぞ?

北村
まだその時じゃないってだけだ。
やつらは必ず戻ってくる…
だから早く逃げろ!
もう時間がないッ!
今は将軍様も、狐斎宮様もいらっしゃらない。
頼れるのは自分たちだけだ。
俺たちがあとどれぐらい持ちこたえられるか、俺にも分からない。
だが…
もし希望までも捨ててしまえば、それこそ本当に何も残らないだろう…


慌てることはありません。
私はここにいますよ。

北村
しょ、将軍様!?
お帰りになられてたんですね!
お願いします、どうか我々を助けてください…
どうか…
稲妻をお救いください!
あなた様の無上なる雷光がなければ、この暗闇を払いのけることはできません…
このままでは、稲妻全土が猛獣の餌食となってしまいます!


落ち着いてください。
もうあの戦争は終わっています。

北村
終わった…?
い…一体、何をおっしゃって…


辺りをよく見れば分かります。
草木は生い茂り、風も至極穏やかです。
あなたの記憶にある平和な稲妻と、なんら変わりないはずですよ。
魔物もおらず、命を脅かすものもありません。

北村
たしかに…
しかし、一体どうして?
やつらはさっきまで近くにいたのに…
つい先ほど私はこの目で見たんです…
戦友たちの体が紙のように引き裂かれる姿を…

パイモン
おい、落ち着けって!
もう大丈夫だ!

北村
ああ…そうか…
将軍様が…
稲妻を救ってくださったのですね?
将軍様を信じることは、やはりもっとも正しい選択でした。
将軍様がいる限り、稲妻は永遠に安泰でしょう…
ありがとうございます、将軍様…
本当に…
ありがとうございます…

パイモン
ど、どうしたんだよ、いったい…?

>消えていってる?


…はい、もう消えてしまいました。

パイモン
オイラ…
なにが起きたのかよくわからなかったけど…
でも、なんだかすごく悲しくて、絶望的な状況だったみたいだ…


私の考えが正しければ、先ほどの一幕はとある武士がこの地に残した記憶でしょう。
神櫻は地脈から穢れを吸い取って浄化することができます。
ハウンドに襲われた樹幹の傷から穢れが漏れ出し、凝集して実体になったのでしょう。
もし集まったのが凄まじい穢れであれば、形成された個体は強い攻撃性を持ちます。
そしてその穢れが浄化されたとき、記憶となってそこに現れるのです。
浄化された穢れはすぐに散逸し、再び地脈へと溶けていきます。
言い換えれば、彼らは長く存在することができません。

①そうだったんだ…
②冥ちゃんも同じだったのかも…

パイモン
つまり、過去に亡くなった人たちの記憶が、今ここに現れたってことか?


その通り。
あの兵士も数多くの犠牲者の一人であり、彼が言っていたことこそ、五百年前に稲妻で起きた災いなのです。

①さっき将軍がいないって言ってたけど…
②さっき狐斎宮がいないって言ってたけど…


はい。
当時、稲妻は数々の危機に直面していました。
それは本土に関することもあれば…
すでに滅びた王国、カーンルイアに関することもありました。
稲妻の災いは、私にとって決して看過できるものではありませんでした。
すぐにでも私が介入しなければ、その災いはテイワット全土へと広がってしまう可能性さえあったのです。
ただ、私の友人である狐斎宮は私にこう言いました。
周りにある力の全てを以て稲妻を守る責務を担い、私の不安を取り除くと。
…誰も口にはしませんでしたが、私も彼女も分かっていました。
その先にあるのが茨の道であることを…

パイモン
えっと…
それって、カーンルイアに災いが起こった時、稲妻も襲われてたってことか?


はい。
無数の魔物が突如稲妻に現れたのです。
狐斎宮は…
人々を守るため、自らの命を捧げました。
私は…
彼女の最期を見届けることはできませんでした。
けれど、彼女は命果てるその瞬間まで私との約束を果たしてくれていた…
私はそう信じています。
しかしそれでも、稲妻の惨状は想像を絶するものでした。
あの悲劇はこの大地に…
そして私の心に大きな傷を残しました…

パイモン
影…

>それが八重神子の言っていた「失ったもの」?


はい。
「失ったもの」がもたらす苦痛を、私は直視することができませんでした。
たとえ祟り神を断ち切り、魔獣を殲滅できる強大な武力を持っていたとしても…
結局時間には抗えません。
大切な人を留めておくことはできないのです。
……
しかし、人間の「願い」を目にしてからは、私も色々と考えました。
いつまでも過去に囚われてばかりいるわけにはいきません。

>もう過去は気にしないの?


…以前、あなたと一緒に稲妻を散策した時、数百年にもわたる稲妻の進歩を、そして人々の可能性を見届けました。
そのすべてが、私の想像をはるかに上回るものでした。
前進することは損失をもたらしますが、それはまた「出会い」も生み出します。
先ほどの兵士も、数々の「失ったもの」を見届けながら、それでも「前進」して戦うことを選びました。
あの時代の犠牲者が、命を賭してでも追い求めた未来…
彼らの心の中に存在したその風景は、私の望んだ永遠とは違っていたのかもしれません…

①きっとそうだよ。
②それこそが人間だ。


稲妻の神として、今こそ彼らの期待に応える時です。
かつてその血を流してきた兵士たち、その輝かしい魂は、この大地に眠っています。
あなたたちの努力を忘れることはありません。

パイモン
影の表情がすごく真剣だ…

>……


行きましょう。
私たちはまだ、被害を受けている神櫻を調査しなければなりません。

…追跡を続ける…

パイモン
やっぱり、ここにも獣域ハウンドがいたぞ。


私に任せてください。

…獣域ハウンドを倒す…


【?】【敵に倒された】

…現れた人と会話する…

パイモン
あれ、影の様子、なんかおかしくないか…?

>大丈夫?


どうして、そのようなことを聞くのでしょう?

パイモン
普段ならもっと手際よく刀を抜いて、「シャキーンッ」って一瞬で斬り伏せるだろ?


心配はいりません。
私はただ力を温存しておきたいだけです。
事前にある程度の情報を得てはいますが、いつ不測の事態が起こってもおかしくはありません。
ですから、最善の準備をしておかなければならないのです。
もしより強大な魔獣が辺りに潜んでいたら、それに対応できるだけの力が必要になりますから。

パイモン
おお!
さすが百戦錬磨の大将軍!
この樹の根は深い傷を負っているみたいだ…
このことを社奉行の人に伝えないと。
あれ、また光り出したぞ?

飛び散った光は、再び人の姿となった…

>前と同じだ。


あなたは…
古山?

古山
ん?
将軍様!?
遠方の戦場へとお出向きになられたのでは?
どうしてまたお帰りに?

パイモン
(遠方の戦場?
これも五百年前の出来事なのか…)


私から紹介しましょう。
この者は古山、かねてより私に付き従っていた茶人です。
古山は目が見えませんが、常人をはるかに超える審美を備えています。
彼が淹れたお茶は、稲妻でも一、二を争うものなんですよ。

古山
そんな、恐れ多い。
これはただ、将軍様にずっと付き従って会得した特技に過ぎませんよ。
付き従って会得した特技に過ぎませんよ。
ところで…
お客人をお連れのようですが…?
このような状況では、おそらく皆さんにまともなお茶をお出しすることはできません…
それでもよろしければ、こちらに座ってしばらくお休みになられませんか。
何せ、外はもう大混乱ですので。

パイモン
な、なあ。
オイラたち、どうしたらいいんだろ?

①彼の言う通りにしよう。
②昔のことがもっと知りたい。

パイモン
えっと…
そうなんだよ、外はもう猛獣だらけで、真っ暗なんだ。
それに、ケガ人もいっぱいいて…
そうですか、もうここまで攻めて来たのですね。
付近の住民はもうほとんど逃げました。
彼らはこの老骨も連れて行こうとしましたが、私は意味がないと思い、ここに残ったのです。
将軍様がいらっしゃるのですから、私が逃げる理由などありません。
それに、もしこれが将軍様ですらどうしようもないことだったとしたら、一体どこに逃げればいいと言うのでしょう?

>どうしてそんなに落ち着いてるの?

古山
逃げるのは、生き延びるため。
生きたいと思うのは、まだやり遂げていないことがあるため。
しかし私には、あいにくそのような考えがありません。
後悔や心残りもないのです。
将軍様がお茶を嗜む時、いつも「夢想」のことを私に話してくださいました。
その話を聞いていると…
たとえ長いこと光を失っていた私でも、稲妻のもっとも美しい山々や海を旅しているような気分になれたのです…
時が経つにつれ、私は将軍様の浪漫と夢のある考えを理解するようになりました。
いつも言っていましたよ――
「美しきものは時の流れと共に変化し、消えてゆく。
 だからこそ人生において、悔いのないよう愉しまなければならない」と。

パイモン
それって…

①(影はこんなこと言わない。)
②(永遠の定義に背いてる。)

古山
私はすでに無数の美しき物事を見てきました。
たとえ最悪の今であっても、何の不満もありません。


それも、間違ってはいません。

古山
あと少しすれば、私も将軍様にお別れを告げる時が来るでしょう。
この災難の後、将軍様の再建した稲妻を見れないのは、本当に残念で仕方ありません…
しかし、それでもいいのです。
みな稲妻が闇に包まれたと言っていますが、私の目には、稲妻はずっと真っ暗だったんですから。
災難が過ぎれば、新生が来たるもの。
たとえ私がその時まで生き長らえたとしても、ただの風情のわからぬ盲目の老人…
はははっ、やはりこれ以上はやめておきましょう。


……

古山
おや、これはいけない。
自分の話ばかりして、お茶を出してもいませんでした。
将軍様がいらっしゃったというのに、お茶すら用意できていないとは…
なんと失敬なことを。
少々お待ちを、今すぐ…
おや、茶道具はどこに…?
もしや他の者がここを離れようとした時、どこかにぶつけて割ってしまったのでしょうか…?

パイモン
たしかに茶道具はどこにもなさそうだな…

古山
やはりありませんか…
いつもはすぐ傍に置いてあるはずなんですが…
いやはや、将軍様と客人方にお恥ずかしいところを見せてしまいました。

>どこに茶道具があるか知ってる。

古山
いえいえ、客人に取りに行かせるなんて、あまりにも礼儀を欠いてしまっております。


問題ありません。
あなたはここで休んでいてください、私たちがすぐに取って来ますので。

古山
将軍様直々に行かれるのですか?
なりません、そんな恐れ多いこと…
それに外の戦況も…
この場所は…
複雑で、あなたの記憶にある茶屋とは大きく異なります。
私たちに任せてください。

古山
わ…わかりました。
まさか、将軍様に茶道具を用意してもらう日が訪れるとは…
最後の後悔といいますか、最後の幸運といいますか…
まったく、はははっ…

パイモン
どこに行けば茶道具が見つかるんだろうな?
お茶は飲めなくてもいいけど、あの優しいおじいちゃんが五百年前に色んな悲しい目にあったと思うと、胸が痛いな…


私も…
彼の淹れたお茶が恋しくなってきました。

パイモン
そうだ、神里屋敷に行こう!
あそこならきっと茶道具を借りれるはずだ。

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古山
目が見えなくなってからは、生活も色々と大変でしたが、それでも私は立派な茶道家をやってきたつもりです。
恐れ入りますが、どうかお願いします。

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…神里屋敷で茶器を手に入れる…

…影と会話する…


平野
旅人さん、それと…
しょ、将軍様!
将軍様直々にいらっしゃるとは、どういったご用件でしょうか?


社奉行にある茶道具を借していただけますか。

平野
は、はい!
今すぐ準備してまいります。
将軍様は中庭でお休みになられていてください。
将軍様がいらっしゃったことをすぐに当主様にお伝えしてまいります。
茶道具は準備が整い次第お持ちいたしますので。


いえ、彼に会いに来たわけではありません。
休むよりも、この時間を使って旅人さんと話をするつもりです。
お手数ですが、茶道具のほうはお任せしましたよ。

平野
は、はい!
将軍様直々にいらっしゃったのです、最善を尽くさせていただきます!
今すぐ手配してまいりますのでお待ちください。


せっかく話をする機会ができたのです。
私に聞きたいことが山ほどあるのではないですか?

>あの茶人は本当に「影」に仕えてたの?

パイモン
そうそう、オイラもそれが聞きたかったんだ!
あの人の言ってた「将軍様」って、なんだか影と全然違う気がするぞ。


私がお茶を飲む機会はあまりなく、空いた時間はいつも武道の鍛錬に費やしていました。
ですのでほとんどの時間、彼は前任の雷神、つまり私の姉である雷電眞のためにお茶を淹れていたのです。
もしかすると彼は、「二人の将軍」に気付いていたかもしれませんが、ただずっと何も知らないかのように振る舞っていました。
先ほど彼が言った理念も、眞がずっと抱いていた現実に対する見方です。

パイモン
眞と影の考え方って、すごく違うんだな…


はい、それこそが私たちの間にある一番大きな違いでした。
彼女が俗世でもっとも重きを置いていた考えは「夢想」――
即ち、より良い未来への憧憬だったのです。

>それって「願い」と同じってこと?


似た点もありますが、少し違います。
あなたが「一心浄土」に入ってきた時、願いを象徴する無数の星々が、彼方の空で光り輝きました。
それを見て、私の心は動揺してしまったのです。
今思えば、彼女が正しくて、私が間違っていたのでしょう。

パイモン
そんなことがあったのか…


眞は私よりも遠くを見据えていました。
彼女にとっての「夢想」とは、「願い」よりも実体のない、抽象的な状態のことだったのでしょう。
「願い」が指し示すことのほとんどは、特定の物質や結果です。
それはそこで終わることもあれば、新たな「願い」に取って代わることもあります。
眞が気にかけていたのは、人間に新しい「願い」を生じさせる原動力。
その原動力は本能によるものであり、言い換えれば…
それも一種の永遠なのです。

パイモン
な、なにを言ってるのかわからなくなってきた…


分かりやすく言うと、眞は結果を気にしなかったのです。
あの時の私には、どうしても理解できませんでした。
すべてが前へと流れているにも関わらず、一体どうして永遠を保っていると言えるのでしょう。
しかし、それが彼女の「永遠」に対する解釈でした。

>そっちのほうが人間の世界観に合ってる。


はい。
以前の私は、彼女が何か底知れぬ英知を手にしたからだと考えていました。
けれど、ようやく分かったのです。
眞のその考えは、一見単純ですがより成熟していて、先を見据えた慎重な選択であったのだと。

パイモン
今の影なら眞を理解できるのか?


私の過去の「永遠」に対する考えは、あなたたちも見届けたはずです。
今の私はもう、失ったものに固執することはありません。
私と彼女は、分かり合えたと言えるでしょう…

平野
将軍様、茶道具を見つけてまいりました!
この一式がもっとも将軍様にお似合いかと…!


ええ、とても趣のある良い品ですね。
ありがとうございます。

平野
そ、そんな…
将軍様からお礼を言われる日が来るなんて…

パイモン
将軍様は、実は話の通じるお方なんだぜ!


二人とも、戻りましょう。
あまり古山を待たせてはいけませんからね。

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平野
将軍様、旅人さん、それとそちらの…
えっと…
とにかく、いってらっしゃいませ。

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…茶人のところに戻る…

…もう一度影と会話する…


パイモン
あれ、あのおじいちゃんは…?
まさか自分で茶道具を探しに行ったのかな。

>もしかしたら…


私たちが以前見た記憶と同じように、地脈の力をもってしてもそう長くは存在できないのかもしれません。

パイモン
じゃ、じゃあ…
あの人が淹れたお茶を飲めないのか…
それに、さようならも言えてないぞ…
うぅ…


地脈の中にある情報はあまりにも複雑で無秩序。
このように再び彼に会えたこと自体が、すでに貴重な縁とも言えます…

パイモン
でもぉ…

①悲しまないで、パイモン。
②私たちがお茶を淹れよう。


せっかく茶道具もありますし、私がお茶を淹れてみましょう。
私は幾度となく…
古山がお茶を淹れる姿を見てきました。
何も問題はないはずです。

影は茶道具を使ってお茶を淹れた…


出来ました、飲んでみてください。
お茶を淹れている時、なんだかとても複雑な気持ちになりました…
どう言い表せばいいのか、分からないのですが…

①言わなくても、分かっている。
②それが追憶というもの。


あなたの言う通りですね。
今日は私の記憶を呼び覚ますものをたくさん見ることができました。
そして、たくさんの人々のことを思い出しました。
狐斎宮、眞、それから私の目の前で去って行った友人たち…
先ほど社奉行でお二人に話したのは、どれも比較的軽い話でしたが、今度は…
少し重い話をしたいと思います。
五百年前のあの災厄は、私から狐斎宮という友を奪っただけではなく…
眞とも永別させたのです。

パイモン
彼女もその災難で亡くなったのか…?


はい。
彼女は私に黙って、一人でカーンルイアに向かいました。
私とは異なり、眞は武芸に秀でてはいません。
ですので、何か危機が訪れた時は、いつも私が代わりに出向いていました。
しかし、あの時はどうしても私を置いていかなければならなかったようで…
いえ、私を背後に隠したと言ったほうが正しいでしょう。
私が気付いた頃にはもう…

>まさか、そのときはもう…


そうです。
時すでに遅し、ただ次第に息が細くなっていく彼女を見ていることしかできませんでした。
彼女はすでに意識を失っており、私は彼女の意識空間に入ること以外、何もできなかったのです…
あなたたちにとっては、あの「一心浄土」のような場所がそれにあたります。
そこで、私たちは最後の別れをしました。
慟哭する私は彼女の考えを理解することもかないませんでした。
「どうして、先にカーンルイアに辿り着いたのが私じゃなく、彼女だったのか。
 どうして私に言わなかったのか。
 まさか『庇う』ためだったとでも言うのか」。
私はそこで、永遠を追求すると決心したのです。
その決意を示すため、私は彼女の崩壊しそうな意識空間を留まらせ、稲妻へと持ち帰りました。

パイモン
そうだったのか…


驚くことに、稲妻へ戻ると影向山の頂上に巨大な櫻の樹が現れていました。
そう、あなたたちも知る神櫻のことです。

①「現れた」?
②神櫻はずっと存在してたんじゃないの?


あなたと同じく、当時すべての人が当たり前のように「神櫻は昔からあった」と言っていました。
なぜ私が驚いているのか、まったく理解できないような顔をしていたのを覚えています。
誰も疑う者はいませんでした。
神櫻の存在は私の記憶と明らかに食い違いがあるのに、私だけがそれに気付けていたようなのです。
結局私は、それがあの意識空間によって引き起こされた不思議な事象だと思うことにしました。
神櫻の力を借り、私は稲妻で起きていた魔物の災いを鎮めることができました。

パイモン
な、なんだか、もうオイラが理解できるレベルの話を超えてて、ちんぷんかんぷんだぞ…

>眞の力だったのかも。


ええ。
彼女のこの大地と人々に対する情愛に比べれば…
私もまだまだです。
元々、この過去はもう二度と口にはしないと決めていました。
決別を直視するのは、とても苦しいことですから。
ですが…
苦みのあるお茶を喉に通せば、甘い後味がついてきます。
…そろそろ、すべてを直視すべき時が来たのだと、そう思ったのです。

①すごく考えたみたいだね。
②別れの苦しみは私にも分かる。

パイモン
そうだ、蛍。
影はあの戦いを経験したんだろ?
だったら…

>私のお兄ちゃんを見なかった?


お兄さん?
そうですね…
あなたが家族を探していることは聞いていましたが…
まさか、その彼もカーンルイアの災いと関係が?

パイモン
オイラたちが知る限りでは、どうやら関係してるみたいなんだ…


すみません。
私もそのすべてを直接見たわけではありません。
あそこに着いた時、凄惨な戦いはすでに終わりを迎えていました。
それにあの時…
私の心は完全に稲妻と、親しい者たちの不幸によって埋め尽くされていましたので…
おそらく、あなたたちの役に立つ話はできません。

パイモン
そっか…
残念だな…
でも仕方ないか…
影にも同じように、悲しい過去があったんだな…


最後の一杯は、茶人に捧げましょう。
再び出会う機会をくれた、この運命に深い感謝を。

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湯呑みを観察する
(古山さんのために一杯残しておいた茶。)
(古山さんはどれくらい知ってて、どれだけのことを口にしたのだろうか。)

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>≪往日の途を断ちて