第二章 第四幕・淵底に響くレクイエム/守られし者の霊柩

修正(吹出) 魔人任務

◆ダインスレイヴ(枝を拾う者)
◆ハールヴダン
◆往日の黒蛇騎士

層岩巨淵で、偶然にもダインスレイヴと思わぬ再会を果たした。
事情を知ったあなたは、この場所がアビス教団と深い関係にあると考え、調査を開始した…


…遺跡を調べて、手がかりを探す…

パイモン
ヒルチャールが寝泊まりした痕跡があるぞ。
依頼で聞いた、様子のおかしいヒルチャールたちが残したのかな?

ダインスレイヴ
依頼?
そういえば、貴様たちがここに来た理由をまだ聞いていなかったな。
普通の旅人なら、層岩巨淵の下に来る理由などないはずだが。

パイモン
オイラたちは冒険者協会の依頼を受けて、層岩巨淵に来たんだ。
ここで起こっているヒルチャールの異変を調べにな。
で、ようやくその手がかりを見つけたってわけだ。

ダインスレイヴ
その答えを知りたいか?

パイモン
えっ?
もしかして、ダインはなにか知ってるのか?

ダインスレイヴ
ああ、思い当たる節がある。

①私にはさっぱり分からないけど…
②あの逆さの都市と何か関係が?

ダインスレイヴ
貴様たちが感じ取れないのも無理はない、この異様な感覚をな…
…ここが「呪い」の力を弱めているのが、その答えだろう。

パイモン
呪い!
たしかこの前、ダインがカーンルイアの国民として、不死の呪いをかけられたって聞いたよな…

ダインスレイヴ
ああ、俺は数百年、この呪いがもたらす苦痛に耐えてきた。
だが、この地に足を踏み入れてから、束の間の安らぎを得たのを感じている。
今この時も、俺の身体は強い意志で訴えている――
ここに「残れ」とな。

パイモン
そもそも…
どうして、ここには呪いを弱める力があるんだ?

ダインスレイヴ
俺もそれを解明したいと思っていたところだ。
だが、俺の知る限り、アビス教団にこのような技術はなかったはず。

①つまり…
②ここに来たヒルチャールは…

ダインスレイヴ
ああ、そういうことだ。
貴様はなぜヒルチャールが仮面を被っているのか知っているか?

①聞いたことある。
②知らない…

ダインスレイヴ
水面に映る自分の顔を恐れ、それを見ないようにするためだ。
何しろ、記憶の中の自分と比べたら、それはあまりにも醜い。
絶望を感じるほどのものだ。

>やっぱり、ヒルチャールは…

ダインスレイヴ
不死の呪い…
その実態は、永久的な「不死」を意味するものではない。

パイモン
元に方法はないのか?

ダインスレイヴ
不可能だ。
「摩耗」により魂と肉体はすり減ってゆき、「死」という形を迎えることなく灰となる。
ヒルチャールは己の最期が近いことを悟ると、本能的に静かで暗い場所を探す。
そして、数百年にも渡る苦しみに別れを告げる…
呪いの力を弱めるこの場所こそが、やつらにとって最も理想的な霊柩というわけだ。

パイモン
まさか…
そんな理由があったなんて…

ダインスレイヴ
雑談は終わりだ、構えろ。

パイモン
えっ?
どうしたんだ?

ダインスレイヴ
敵だ。

…黒蛇騎士を倒す…

…ダインスレイヴと会話する…

パイモン
さっきのはいったい…
どうして急に攻撃してきたんだ?

ダインスレイヴ
あれは「黒蛇騎士」。
カーンルイアの宮廷親衛隊に所属していた者だ。

パイモン
えっ!
宮廷親衛隊ってことは…
おまえの部下だよな!?

ダインスレイヴ
昔のことだ。
今のやつらは、強力な呪いによって支配されている。
その戦い方も、かつての栄光をすべて捨てたものだ…

パイモン
…じゃあ、もうアビスの一部になっちゃったってことか?

ダインスレイヴ
…先に進もう。

パイモン
あっ、ダイン…

ダインスレイヴ
どうした?

黒蛇騎士がダインスレイヴを注視している。

???
……

ダインスレイヴ
見逃していたか…

???
……

ダインスレイヴ
待て、貴様たちは下がっていろ。
こいつは他と何か違うようだ…
…消えた。

パイモン
なんなんだ、あの黒蛇騎士。
なにか言いたいことでもあったのか?

ダインスレイヴ
(どういうことだ…
「あれ」を持たずに、五百年も自我を保てるはずがない…)

ダインスレイヴ
(それにこの覚えのある感じ、どうも気に掛かるが…)

>ダインのことに気付いたのかも。

ダインスレイヴ
いや、この悪夢のような災厄の中、そのような奇跡が生まれるはずもない…
気のせいだろう。
…先に進むぞ、目指すはあの「都市」だ。

…遺跡の入り口に行く…

パイモン
どういうことだ?
まるで不思議な力がこの都市を覆っているみたいだ。
これ以上、先に進めないぞ。
こういう時は、周りになにかしら装置があるはずだよな。
旅人、オイラたちが遺跡探索で培ってきた腕を見せてやろうぜ!

①また謎解きの時間だ。
②まずは手がかりを探そう。

ダインスレイヴ
その必要はない。

ダインスレイヴが道を開けた。

パイモン
えっ!?

ダインスレイヴ
カーンルイアの技術、アビスの気配…
どれも俺にとっては身近なものだ。
俺からすれば、こんなものはただの儚い泡に過ぎない。

パイモン
あっ、オイラわかったぞ!
やっぱり、アビス教団の秘密がここに隠されてるんじゃないか?
というか…
ダインって色々と内情を知ってるよな。
どうりでアビス教団に目をつけられるわけだ。

①この逆さの都市とカーンルイアに関係が?
②この逆さの都市とアビス教団に関係が?

ダインスレイヴ
おそらく、必然的な繋がりはない。
だが近づけば近づくほど、これらの遺跡が、より古い文明に由来したものだと分かる。
ただ、アビス教団に先を越されてしまったがな。

パイモン
より古い文明?
えっと…
オイラ、よくわかんないんだけど…

ダインスレイヴ
ここの建築物の構造は、かつてのカーンルイアと少し似ている…
ふむ、逆さでなければより似ているだろう。
行くぞ、そこに光がある。
目の前の足場を踏み外さないよう注意しろ。

…遺跡の中に光がある部屋へ向かう…

パイモン
黒蛇騎士だ!
ここはこいつらの拠点なのか?
それとも、なにかを守ろうとしてる?

ダインスレイヴ
アビス教団が隠そうとしている秘密が、この付近にあるのかもしれない。
まずはこいつらを倒すぞ。

…黒蛇騎士を倒す…

…引き続き遺跡を探索する…

パイモン
あそこのツル、登れそうじゃないか?
試してみようぜ。

パイモン
ここにも黒蛇騎士がいるぞ!

往日の黒蛇騎士
「――――――!!!」

パイモン
でも、襲いかかってこないな。
オイラたちを威嚇してるだけ?
あっ、この黒蛇騎士たち、後ろになにか隠してるみたいだぞ…

往日の黒蛇騎士
「――――――!!!」

ダインスレイヴ
動くな、この感じ…

往日の黒蛇騎士
「――――――!!!」

パイモン
うわぁ、こっちに突進してきた。
こうなったら、戦うしかないな!

…黒蛇騎士を倒す…

パイモン
やっと倒せた!
黒蛇騎士たちがなにを守ってたのか確認してみようぜ!

…黒蛇騎士が守っているものを調べる…

パイモン
あっ!
こ…これって…

ダインスレイヴ
やはりな…
あの黒蛇騎士たちは、アビス教団の秘密とは関係がない。
ふん…
もっと早く気付くべきだった。

パイモン
あのヒルチャールたち、一体どうなってるんだ?

ダインスレイヴ
これが俺のさっき言った、ヒルチャールの「結末」だ。

①最期を迎えるヒルチャール…
②「結末」…

ダインスレイヴ
老化が進み、光を嫌悪するようになったヒルチャールは、やがて暗闇に溶けてゆく。
それでも呪いはやつらを蝕み続けるがな。

パイモン
でも、なんで黒蛇騎士たちはヒルチャールを守ってたんだ…?

往日の黒蛇騎士
「――――――!!!」

パイモン
あっ!
黒蛇騎士がまた現れたぞ!

往日の黒蛇騎士
「――――――!!!」

①戦闘を避ける方法を考えよう。
②このまま戦い続けても無意味だ。

???
「――――――――――――――!」

パイモン
あいつ!
最初に突然現れて、姿を消したやつじゃないか!?
黒蛇騎士たちが退いた…
まさか、あの騎士が命令したのか?

ダインスレイヴ
…ハールヴダン?

???
……

パイモン
おい、どういうことだよ。
あの黒蛇騎士と知り合いなのか?

ダインスレイヴ
…そうか…
これが真相ならば、実に悲惨なものだ。

パイモン
ダイン?

ダインスレイヴ
やつらがなぜここでヒルチャールを守っているのか、貴様はその答えを知りたがっている。
そうだな?
黒蛇騎士は、ただ義務を果たしているだけに過ぎない。
今しがた俺も事態を把握したばかりだが、おそらく他の騎士に命令していたのは…
かつての宮親衛隊の若き精兵――
ハールヴダンだろう。

パイモン
それって、五百年前の人なんだよな…?

ダインスレイヴ
カーンルイアに災厄が訪れた日、俺は「末光の剣」として王宮に駆けつけた。
だがその前に、ハールヴダンという騎士にある命を下したのを、俺は微かに覚えている…
「すべての黒蛇騎士に通達しろ。
いかなることが起きようとも、カーンルイアの民を守り抜け」と。
確かに、俺たちは「宮廷親衛隊」の肩書きを背負っていた。
だが、あの悪夢のような災厄を前にして、王族、名士、庶民…
それら身分に意味などなかった。
神々の力の前では、「カーンルイア人」という身分しか存在しなかったからな。

>……

ダインスレイヴ
理性を失った黒蛇騎士だが、その心の奥底では、おそらく今もカーンルイアの民を守るために戦っているのだろう。
この遺跡を災厄に見舞われたカーンルイアだと思い込み、あのヒルチャールたちを助けを求める民だと信じて…
俺が聞く限り…
やつらの叫び声は他者への威嚇ではない。

パイモン
じゃ…じゃあ、あれはなんて言ってたんだよ?

ダインスレイヴ
聞き取りづらいが、俺には分かる。
あれは古代カーンルイア語だ。
やつらはこう言っていた――
「逃げろ」とな。

①私たちに向かって叫んでたんじゃない…
②後ろのヒルチャールを逃がそうとしてた…

ダインスレイヴ
俺も認めざるを得ないな。
五百年経ってもなお消え去ることのなかったこの強い意志は…
絶望の底に生まれた奇跡と言えるだろう。

パイモン
うぅ…
オイラたち、こいつらのことを完全に誤解してたんだな…

ダインスレイヴ
気に病む必要はない。
一時とはいえ、俺でさえこいつらを敵と見なしていた。
上に光が見える、引き続きそこへ向かって進むとしよう。
黒蛇騎士たちも、もう邪魔をしてこないはずだ。

…遺跡最上階の中央にある部屋に行く…

パイモン
ここにあるのはアビス教団の秘密じゃなかった。
守られていたのは…
最期を迎えるヒルチャール。
こいつらを邪魔しないでやろう。

…遺跡最上階の中央にある部屋に行く…

パイモン
ホントに黒蛇騎士たちがいなくなったぞ!
やっぱり、ハールヴダンって騎士が、ダインのことに気づいてくれたんだ。

パイモン
またヒルチャールだ。
ちゃんと守られてるみたいだな。

…遺跡最上階の中央にある部屋に行く…

パイモン
ダイン…
さっきから一言も話さないけど、大丈夫か?

ダインスレイヴ
気にするな、ただ昔のことを考えていただけだ。
まさか、この俺を慰めようとしているのか?
そんなもの、俺には不要だ。

パイモン
ふーんだ!
なら、心配してやんないぞ。

…遺跡最上階の中央にある部屋に行く…

パイモン
自分が消えていくのを静かに待つヒルチャールたち…
あいつらの願いが叶うといいな。

…遺跡最上階の中央にある部屋に行く…

パイモン
おっ、この部屋には邪魔な扉がないみたいだぞ。
これでようやく、真ん中の部屋に行けるな。
早く行こうぜ!

パイモン
考えてもみると、あんなにじっとしてるヒルチャールなんて見たことないよな。
魂が老いたせいなのかな?

…遺跡最上階の中央にある部屋に行く…

パイモン
上を見ろ、池だ!
池の水まで逆さになってるなんて、ホントに奇妙な光景だな。
ダインは、あの池についてなにか心当たりないのか?

ダインスレイヴ
あの池は都市そのものと一体になっているようだ。
古代文明の遺物だろう。
そして…
俺の推測では、あれが呪いの力を弱めている。
ここにいると、先ほどよりも身体が楽になっていくのを感じる。
おそらく、あの池の水には「浄化」作用があるのだろう。

パイモン
「浄化」?
それって、あの池の水を使えば、呪いを完全に消し去ることができるってことか?

ダインスレイヴ
いや、それは不可能だ。

パイモン
えっ、なんで断言できるんだよ?

ダインスレイヴ
俺は理性を保ったまま、この呪いと五百年を共にしてきた。
俺より呪いに詳しい者などいまい。
この呪いは、世界の因果に匹敵する烙印。
そして、神々の呪いは人間そのものよりも格が高いものだ。
俺には感じる。
今にもこの呪いが末端にまで浸透し、俺の一部となり、しまいには自分と「取って代わろう」としていることを。
呪いによる侵食を一時的に抑えることは可能だ。
しかし、浄化となると…
身体の一部を焼かれ、灰になっていくのを想像するといい。
それと同じ苦痛が身体を襲うことだろう。
無論、浄化が終わるまで命がもつ保証などないがな。

パイモン
えっ!?
それって死ぬってことだよな?
浄化できない呪いなんて、そんな…

ダインスレイヴ
ここから感じられる池の浄化作用は、十全なものではない。
呪いを抑える程度に収まっている。

パイモン
そうなのか…
あと、もう一つ気になるんだけど、あの下にある妙な装置はなんだ?
周りの雰囲気とまったく合ってないけど…

①もしかしたら、あれはアビス教団のもの?
②アビス教団の秘密かもしれない。

ダインスレイヴ
正直、俺もあのような構造の装置は見たことがない。
アビス教団が設置したと考えるのが自然だろう。
もしや、やつらは何かの準備をしているのか…

???
(ゴゴゴゴ…)

パイモン
うわぁ!
びっくりした。
なんで急に扉が開いたんだ?

ハールヴダン
……

パイモン
あっ、こいつってハールヴダンって騎士だよな…

ダインスレイヴ
俺に話があるのか?
ハールヴダン。

ハールヴダン
……

ハールヴダンがその場を去った。

パイモン
行っちゃった…
でも、今回は急に消えたわけじゃない。

ダインスレイヴ
付いてこい、ということだろう。
さて、貴様たちはどうする?

①新たな手がかりがあるかもしれない。
②こちらへの敵意はもうないはず。

パイモン
そうだな…
よし、あとを追ってみよう。