「あなたへ贈る物語」

2.6 修正(画像/書体/吹出)

アルベドは五歌仙広場であなたをまっている。
クレーに関することで頼みごとがあるようだ…

「今日はアルベドお兄ちゃんと一緒に、雷がたくさん落ちてる国に来たよ。」
「ここは稲妻だって、アルベドお兄ちゃんは言ってた。」
「稲妻…書くのが難しい名前だね。」

…アルベドと会話する…

奇遇だね。
ちょうどキミを探そうとしていたところだった。

>何か用?
ふふっ、用がなかったら、キミに会っちゃいけないのかい?
 
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>私に会いたかったの?
うん。
クレーがキミにすごく会いたがっているみたいでね。
 
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さて、キミとゆっくり座って話をしたいところなんだけど、今回はクレーのことで頼みがあってね。
上陸する前、ボクは稲妻についての話をクレーに沢山してあげたんだ。
そのためか、クレーは稲妻の文化や人々にとても興味を持ったみたいでね。
だけど僕は今回、五歌仙の肖像画以外にも稲妻での用事が色々とあるんだ。
暫くはクレーに付き合ってあげる時間が取れないだろう。
流石にモンドじゃないからね、あの子一人で稲妻を走り回らせるわけにもいかない。
だから今のところ用事が済むまで、クレーには万国商会で留守番してもらうしかないんだ。
嫌とは言わないけど、やっぱり少し寂しそうにしていてね。
幸い、今はキミとパイモンがいるだろう。
だから…
 
あっ、栄誉騎士のお姉ちゃんだ!
栄誉騎士のお姉ちゃん、何のお話しをしてたの?
一緒にお外に遊びに行く話?
 
>クレーは遊びに行きたい?
うん!
でも
アルベドお兄ちゃんは忙しいから、あまり遠くには行けないんだ…
遠くに行ったら、アルベドお兄ちゃんが心配しちゃうでしょ。
 
…クレーは本当に優しくていい子だな。
 
>パイモンとは違う。
 
ふんっ、オイラだって優しいだろ。
毎回美味しそうなスライムを目の前にする度に、おまえにも分けてやろうって思ってるんだぞ。
 
>わぁ、優しい。
 
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>うんうん、パイモンが一番優しい。
分かればいいんだ。
でも、せっかく楽しみにしてた場所に来られたのに、このまま外で遊べないなんて…
クレー、かわいそうだよな。

>私たちがクレーと遊ぶ。
おう、なんでもできる旅人と頼りになるオイラが、クレーに稲妻を案内してやろうぜ。
 
>クレーに面白いものを見せたい。
>クレーを面白い人に会わせたい。 
クレー、栄誉騎士のお姉ちゃんと一緒に遊びに行きたいかい。
 
うん、行きたい!
 
クレーは
ボクたちの「火花騎士」だからね…、くれくれもちゃんと「守って」やってほしい。
コホンッ。
えっと…
つまり、ボクが言っているのは、クレーをトラブルに巻き込ませないでほしいということだ。
例えば、稲妻の丘の一角が欠けてしまったり、城内で爆発が起きたりするような…
そんなトラブルだ…
 
>分かった、爆発禁止。
 
よかった、安心したよ。
 
アルベドお兄ちゃん!
クレー、面白いものを見つけて、持って帰ってきてあげるね!
 
うん、楽しみにしているよ。
 
稲妻には面白い場所がたくさんあるんだ。
料亭とか、神社とか、どこも個性的で面白いぞ。
クレーはどこに行きたいんだ?
 
料亭って、どんなところ?
食べ物とか飲み物を売ってる場所だ。
モンドで言うと、鹿狩りみたいなレストランのことだな。
 
レストラン!
やったー!
おやつが食ベられる!
 
おう!
じゃあ早速、おやつが食べられる場所に向かって、しゅっぱーつ!
 
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クレーのことは、頼んだよ。
容彩察期間中は、離島でも稲妻城でも花火が禁止されていると聞いた。
クレーから目を離さないでいてくれ。
ああ…
もうあんなところまで走って。
早く行くといい。
 
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「アルベドお兄ちゃんはとっても忙しいから、クレーと一緒に遊びに行けないんだって。」
「遊びに行けないのはきっと悲しいよね。
アルベドお兄ちゃん、かわいそう…」
「それで、その後クレーは栄誉騎士のお姉ちゃんとパイモンちゃんと遊びに行ったの。」
「アルベドお兄ちゃんがさみしくないように、何か面白いものを持って行ってあげるんだ。」

…クレーと歩き回る…

わぁ、いいにおい…
この湯気がする四角い鉄の箱から、美味しそうなにおいがするよ。
栄誉騎士のお姉ちゃん、これ見て!
このヌードル、色んなものが入っててすごくキレイだよ!
 
岩夫
それは「このヌードル」なんかじゃなくて、獣骨ラーメンだぞ。
 
うう…じゃ、じゃあ…
あのお皿に入ってる、黄色くて赤いのは何?
 
岩夫
それも知らないのか?
それは「串焼き三種」。
 
じゃあこれは?
この黄色い小さなケーキ。
 
岩夫
それは「鳥卵の玉子焼き」さ。
すっごく美味しいのに、食べベたことないのか?
 
わぁ、獣骨ラーメンに串焼き三種、それに鳥卵の玉子焼き…
すごく美味しそう…
 
岩夫
ふふん、当たり前さ。
君、外国から来たんだろ。
どうりで食べたことないはずだよな。
 
岩夫
俺の小遣いで、君に鳥卵の玉子焼きを一つ著ってやるよ。
俺たち稲妻の美味いもんを食わせてやる。
 
ホント?
でもジン団長が、他の人のものは取っちゃいけないっていってた…
 
しかもそれって、おまえの小遣いなんだろ?
子供の小遣いを使わせるのは、なんだか悪いぞ…
 
>この子のモラを使わなくても…
>私がクレーに作ってあげる…
 
岩夫
俺…
君のこと知ってるぞ、宵宮姉さんの友達だよな。
でも、本当に玉子焼きなんか作れるのか?
 
こいつからしたら、そんなの朝飯前だぜ!
クレーと岩夫の二人に、玉子焼きを作ってやれるよな?

 
>パイモンにも作ってあげる。
ほ…本当か?
うわぁ、感動したぞ
おまえ、成長したな…
じゃあ、オイラたちはここで楽しみに待ってるな。
 
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栄誉騎士のお姉ちゃん、玉子焼きってどんな味なの?
 
岩夫
姉ちゃん、本当に玉子焼きが作れるの?
もし腕前に自信がなかったら、志村勘兵衛おじいちゃんのところで買ってきてもいいぜ。
大丈夫、笑わないから。
 
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クレーに美味しそうな鳥卵の玉子焼きを3つ渡す…

栄誉騎士のお姉ちゃん、玉子焼きってどんな味なの?
 
岩夫
わぁ、本当にできてる…
姉ちゃんすげえ。
 
うん…甘くて…すっごく美味しい!
 
…うん、うまいな…
やっぱり旅人は最強だぜ。
 
岩夫
玉子焼きは美味しかったけど…
やっぱり俺は、宵宮姉さんのほうがすげぇと思う。
 
宵宮姉さんって誰?
その人も玉子焼きが作れるの?
 
>花火屋の店長。
>スーパーヒーローお姉さん。
岩夫
宵宮姉さんは何でもできるんだ!
物語が話せて、金魚を飼ってて、花火も打ち上げられて、俺たちに飴もくれる!
世界で一番すごくて、一番いい人なんだぜ。
 
クレーの中では、ママが世界で一番すごくていい人だよ!
それに他にもまだまだ、クレーもいい人を沢山知ってる!
アルベドお兄ちゃんでしょ、栄誉騎士のお姉ちゃんに、ジン団長、それからガイアお兄ちゃん…
 
クレー…まさか全員の名前を言うつもりじゃないよな…?
 
岩夫
えっと…君の言った人たちのことは知らないけど、宵宮姉さんなら紹介してやれるぜ。
一緒に来いよ、宵宮姉さんのところに連れてってやるからさ。
いつもの祭りだと、宵宮姉さんはすごく忙しいんだ。
でも今回は忙しくないから、俺たちとも遊んでくれるぜ。
何か宵宮姉さん、最近あんまり元気がないみたいでさ。
もしかしたら君が来たら、宵宮姉さんも元気になるかもしれない。
うん、一緒に宵宮お姉ちゃんに会いに行く。
 

「クレーは岩夫くんと、美味しいものをいっぱい見つけたよ。」
「栄誉騎士のお姉ちゃんは鳥卵の玉子焼きをごちそうしてくれて、とっても美味しかった。
栄騎士のお姉ちゃんはすっごくいい人!」
「それから、岩夫くんと一緒に花火屋に行って、とってもすごくていい人の宵宮お姉ちゃんと遊びに行ったの。」

長野原花火屋に行く…
 
松坂
宵宮姉さん、そんなに悲しまないで…
ボクが…面白い話をしてあげるよ!
昨日、角の生えたお兄さんと虫相撲をやったんだけど、三回ともボクの勝ちだったんだよ!
 
一斗に勝つなんて、やるやんか。
松坂、あんたすごいな。
 
彩香
宵宮お姉ちゃん、容彩祭では花火は上げられないけど、この祭りには他にも面白いものがたくさんあるんだよ!
 
うん…おおきに。
数日の間、城内で花火が禁止されるだけの話や。
うちもそんなに落ち込んでへんさかい。
 
岩夫
宵宮姉さん、遊びに来たよ!
新しい友達を紹介するよ、外国から来た女の子なんだ…
えっと、なんて名前だっけ。
 
クレーだよ。
 
こんにちは、クレーちゃん。
うちは宵宮、この「長野原花火屋」の店長や。
 
うん…こんにちは。
 
その帽子と服、かいらしいなあ。
模様が個性的やわ。
それにのリュックも、ヘぇ…えらい工夫されて作られとるわ。
 
これは四つ菜のクローバーなんだよ。
ママとジン団長が、四つ葉のクローバーは幸運を運んできてくれるって言ってたの。
 
そうなんや、めっちゃええやん。
みんなも気に入ると思うで。
それにリュックに付いてるちっこい精霊もえらいかいらしいやん。
 
これはドドコだよ、クレーの一番の友達なの。
よく一緒に星落としの湖で、お魚をドカーンしに行ってるんだ。
 
ん?ドドコっていうんか。
面白い名前やな、気に入ったわ。
うん、ドドコは生まれたら、風に乗って冒険に出るんだ。
そうママが言ってたよ。
 
「風に乗って冒険に出る」なぁ…
クレーちゃんのママ、ロマンックやん。
 
うん!ママは一番すごくて、一番いい人だよ。
 
岩夫くんの言ってたこと、本当だったね。
宵宮お姉ちゃんも、すごくいい人。
 
えへへ、うちもクレーちゃんとは気ぃ合うわ。
うちら、絶対ええ友達になれると思うで。
 
二人とも、すっかり意気投合したみたいだな。
よかったぜ。
 
クレーちゃん。
四つ葉のクローバーが好きなんやったら、うちが四つ菜の葉した花火作って、クレーちゃんに見せたるわ。
 
やったー!
花火の後は、ドドコと一緒にみんなでお魚ドッカーンしに行こっ!
 
待てよ、お魚をドカーン?
ダメだからなっ。
アルベドから言れてるだろ。
 
>どんな爆発もダメ。
はぁ、少し浮かれすぎてしもたわ、忘れてまうやなんて…
社奉行の人から言われてるんや。
容彩祭の期間中は、稲妻全士において花火は禁止や、ってな。
 
じゃぁ、ダメなの?
うぅ、わかった…
おいおい、新しい友達ができるのって嬉しいことのはずだろ。
なんでこんな悲しい空気になってるんだよ?
 
>悲しまないで。
そうだぞ、やることはまだまだ他にも沢山あるんだ!
 
>一緒に容彩祭を見に行ってみよう。
そうそう、さっき彩華が言っただろ。
祭りには他にも面白いものがあるんだぞ。
 
どうや?クレーちゃん。
もしかしたら、容彩祭も楽しいかもしれへんで?
 
うん!クレー、容彩祭に行ってみる!
 
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松坂
きっと宵宮姉さんは、花火が上げられないのがすごく悲しいんだと思う。
ねぇ、宵宮姉さんと一緒に容彩祭に行ってあげて。
ボクは最強のオニカブトムシを持って、角の生えたお兄さんに会いに行く。
それでまた勝ってきて、ボクのやり方で宵宮姉さんを喜ばせるんだ。」
 
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岩夫
なんで宵宮姉さんに元気がないのか、まだわかんねぇや…
 
彩香
バカ岩夫、宵宮お姉ちゃんに元気がないのは、容彩祭でみんなのために花火を上げられないからに決まってるでしょ。
 
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「宵宮お姉ちゃんと一緒に曲をドカーンしに行きたいが、栄誉騎士のお姉ちゃんはそうしたらだめだと言ったので、クレーはやめた。」
「魚をドカーンしに行けないのは残念だ。クレーもドドコも少し悲しかった。」
「宵宮お姉ちゃんも花火を打ち上げられないから、宵宮お姉ちゃんも悲しかった。」
「クレーたちを喜こばせるために、栄騎士のお姉ちゃんは容彩を一緒に見に行こうと誘ってくれた…」
「その字が書けない。」
 
…宵宮、クレーと共に容彩祭を見に行く…
 
着いたな、ここが容彩祭の会場だ。
色んな屋台があるぞ、どうだ、見るからに面白そうだろ?
 
『異郷人喧嘩旅~金髪武士に吹く死の風~』?
なっがい名前やな
初めて見るわ。
新しい小説やな。
 
「作者:草茸一鹿」。
宵宮お姉ちゃん、このお名前変だよ。

茅茸一慶(屋台の店主)
草茸一鹿じゃなく、茅茸一慶だ。
コホンッ…まぁ、俺の名だがな。
『異郷人喧嘩旅』は俺の最新作で、『金髪武士に吹く死の風』は、シリーズの第一部さ。
 
その…『いきょうじん…に、ふく…うぅ…』の物語には、いい友達は出てくる?
ガイアお兄ちゃんが言ってたよ、いい物語の主人公には、いい友達がいるもんだって。
 
いや、それはない。
まったくもってない。
そんな安っぽい展開は、俺の小説には絶対に出てこない。
裏切りと血の涙に満ち溢れ!
孤独で果てのない!
武士道を追い求める人生!
これこそが、小説に書くべき物語だ。
 
そ…そうなんか。
その物語は、クレーちゃんには合わへん気ぃするわ…
う、うちらやっぱ他んとこ見てくるな。
 
ちょっ、ちょっと待ってくれよお嬢ちゃん。
本当に一冊も見て行かないのか?
特別に四割引きでもいいぞ!
 
『フィッシュルなんとか物語…』
うーん…フィッシュルお姉ちゃんの物語みたいだね。
 
それは「皇女」って読むんや。
クレーちゃんはこの小説、読んだことあるんか?
ううん、読んだことないよ。
でもクレー、フィッシュルお姉ちゃんのことは知ってるよ。
フィッシュルお姉ちゃんは、いつもオズと一緒にいるんだ。
これはね、冒険者協会のみんなが知ってることなの。
クレーとドドコが、いつも一緒にいるのとおんなじ!
ドドコ…今、退屈だなぁって思ってないかな…?
 
クレーちゃん、これも仕方あらへんことなんや。
容彩祭には本か多いやろ。
燃えてしまうもんやさかい、火に気ぃつけへんかったらあかんねん。
 
うーん…容彩察も、宵宮とクレーを喜ばせられなかったな。
うぅ…でも花火もお魚ドカーンもダメでも、きっと他に、ドドコと一緒にできることがあるはずだ。
 
宵宮
例えば…うーん…
 
>例えば絵を書くとか。
>例えば…物語を書くとか。
うん?つまり、どういうことや?
 
>容彩祭は物語を作るのにぴったりな祭り。
そっか!
容彩祭っていうのは作品を展示する場なんだから、みんなと同じように、ドドコの物語を展示するといいと思うぞ…
 
>ドドコと一緒に遊んだみたいなものだね。
うんうん、この考え、いいんじゃないか?
 
クレーね、アルベドお兄ちゃんにお絵かきを教えてもらったことあるよ!
ドドコが稲妻で出会ったこと、クレー描ける!
 
想像力豊かでええやん。
うちも賛成!
ふふっ、それに、書けた物語を容彩察で展示できるなんて楽しみやわ。
 
やったー!
ドドコもきっと喜ぶはずだよ。
 
うんうん、よかったな。
じゃあクレーちゃん、うちの店に紙とか筆とか絵の具取りに戻ろ。
一緒に物語、描くで!
 
うん!しゅっぱーつ!

やる気を出した途端、今度はすごい勢いで走ってっちゃったな。
オイラたちも追いかけようぜ。
 
「栄誉騎士のお姉ちゃんは、絵の中ならドドコがクレーたちと遊べると言ったの。
絵の中なら自由に遊べるし、なんでも遊べるの。
魚をドカーンしてもいいって。」
「宵宮お姉ちゃんはクレーを店に連れて、一緒に絵を描いたんだ。
宵宮お姉ちゃんは絵を描いて、クレーは色を塗ったんだ♪」
「ドドコもクレーも楽しかった!」

 
長野原花火屋に行く…
 
蛍、さっきクレーちゃんと相談したんやけどな…
 
この物語の内容はね、内緒にするって決めたの。
 
>何で?
まあ理由は聞かんといてぇや。
後でわかるし。
うちらが店にいる間、あんたらは容彩察を見てきたらええわ。
また時間経ったらうちらんとこ戻って来ぃ。
 
宵宮お姉ちゃん、早くぅ。
早くお絵かきしに行こっ!
 
クレーと宵宮は店の中に入っていった。
 
あれ、オイラ…
みんなで絵が描けると思ったのに…
なんか気が収まらないぞ!
あっ、いいこと思いついた。
窓辺に行ってみようぜ。
 
窓辺に行く…
 
ドドコが稲妻に来たら、どんなことするんかな?
 
えっとね、ドドコは美味しい串焼き三種と、獣骨ラーメンと、鳥卵の玉子焼きを食べるんだよ。
 
ヘぇ、ええ感じやん。
クレーちゃんはそれ描いてるんか?
めちゃくちゃ上手に描けてるわ。
描き終わったら、印刷しよか。
ぎょうさん刷って、容彩祭で配るで。
うーん、でも印刷するんやったらモラいるやんな。
うちが普段から貯めてるお金で足りるんやろか…
宵宮お姉ちゃん、クレーもモラ持ってるよ!
ほら!
 
五十モラじゃ足りひんかもな…
本当にどうしようもあらへんかったら、旅人になんとかしてもらおか。
 
うんとね、栄誉騎士のお姉ちゃんはすごく大変だから、クレー、もう迷惑かけたくない。
だからクレーがお魚をドカーンして、モラを稼いでくる。
 
お魚ドカーンはあかんて、パイモンちゃんと旅人に言われてんのやろ。
 
うぅ…じゃあ、アルベドお兄ちゃんに頼るしか…
 
アルベドお兄ちゃんて?
アルベドお兄ちゃんはクレーのお兄ちゃんだよ。
すごーく頭がよくて、何でもできるの!
お絵かきも上手で、ヒルチャールとか、ガイアお兄ちゃんとか、ドドコも描けるんだよ。
アルベドお兄ちゃんが稲妻に来たのも、みんなに絵を描いてあげるためなの。
 
あー、なるほど。
クレーちゃんの言うアルベドお兄ちゃんは、多分八重堂に協力してる画家の先生やねんな。
 
画家の先生?
それって、絵を描く
先生のこと
アルベドお兄ちゃんって、スクロースお姉ちゃんの先生なだけじゃなくて、お絵かきの先生でもあったんだね。
宵宮お姉ちゃん、見てて!
アルベドお兄ちゃんが教えてくれたの。
ドドコの色はこうやって塗るんだよ…
 
ヘぇ、よう似てるわ。
そやったらうちはこっちの街道描いとくし、クレーちゃんはドドコに色塗ってや。
それにほら、ここに字ぃ入れれるから、絵の説明もできるで。
うん、じゃあこう書くね…
 
宵宮
……
 
あっ、もう聞こえないみたいだな。

しばらく待つと…
 
ドドコは稲妻で、ほんまに楽しそうに遊んでるなぁ。
 
二人とも、まるで本当にドドコと一緒に遊びに行ったみたいに、嬉しそうだな。
さて、後はドドコの物語を印刷するだけや。
八重堂に行こか。
 
八重堂に行く…
 
着いた、ここが八重堂や。
 
八重堂の人…
あっ、いた!
荒谷おばちゃん!
クレーの知ってる人!
 
荒谷
荒谷お、おばちゃん…
誰が私をおばちゃんだって?
ああ、白亜先生が連れていた妹ちゃんね。
クレーちゃん、今日はどうしたの?
 
荒谷おばちゃん、手伝ってほしいことがあるの。
ドドコの物語を印刷して、みんなに見せてくれないかな?
 
荒谷
ドドコ?
もしかして妹ちゃんも小説を書いてるの?
ドドコっていうのは、その物語の主人公かな?
 
いや、ちゃうねん。
ドドコっていうんはほんまに居てる存在やで。
ほら、これがドドコや。
荒谷
ええ…わからないわ…
 
じゃあ、オイラたちが説明するぜ。
 
荒谷にドドコの身分、それからクレーと宵宮の願いを話した。
 
荒谷
なるほど。
その願いに応えてあげたいのはやまやまだけど、ごめんなさいね…
容彩祭における個人作品の印刷委託は、もう期限が過ぎてるのよ。
 
それって、ドドコはみんなに会えないってこと…?
 
荒谷
ごめんね、クレーちゃん。
 
うぅ…
 
クレーちゃん、そんな悲しむことあらへんで。
まだうちと旅人がおるやん、うちらが方法考えたるわ!
>うん、なんとかする。
その、荒谷さん、本当にどうにもできひんのか?
モラならいっぱい出すで!
印刷の人手が足りひん言うんやったら、うちらが手伝う!
 
荒谷
宵宮さん、お気持ちはわかるけれど、これはそう簡単に解決できることじゃないのよ…
今回、私たちが個人作品の印刷まで手伝ったことで、多くの本の印刷が遅れてしまったの。
最近は印刷工場も、大急ぎで後れを取り戻そうとしてるわ。
だから、本当に…無理なのよ。
 
どうしよう…
本当にどうしようもなさそうだぞ…
いや、諦めさせたりせえへんで。
うちが子供の頃、父ちゃんが祭りに連れてってくれる言うたのに、仕事が忙しすぎて忘れられてしもたことがあんねん。
いつになったら父ちゃんはうちを連れてってくれるんやろうって、ずっと考えて…
祭りに参加した人がどんどん帰ってきても、ずっと待ち続けとった…
その夜、うち、大泣きしてん。
そんで今でもずっと、あの時どれほど悲しかったか覚えてる。
うちは、クレーちゃんにそんな思いさせとうないんや。
印刷できひん言うんやったら、うちはうちのやり方で最善尽くしたるわ!
だから、うちは自分で描く――
この何日かを使って描けるだけ描いて、容彩祭に持ってく!
 
うふふっ、宵宮のその譲らぬ姿勢、妾はとても気に入っておるぞ。
 
神子…それにアルベドも!
 
状況はあい分かった。
 
荒谷
申し訳ありません、八重様…
 
よい、分かっておる。
汝はただ決まりに従ったまで。
それに、印刷の進捗も確かに芳しくはないからの。
じゃが、八重堂は人々に夢と喜びを与える存在じゃ。
かわゆき女の子の願いすら叶えられぬなど、見っともないことこの上なしじゃ。
そうじゃな…うむ、わかった。
宵宮、そして女の子よ、主らの作品を印刷させてもよいが、ちょっとした「代価」を払ってもらうぞ、それでもよいのか?
 
宮司様、「代価」なんて、とっくに覚悟してます。
勿体ぶらんと言うてください。
まったく、何も恐ろしいことではあるまいし。
妾を鬼ばばのように言うでない。
妾が言いたかったのは、今から印刷をするには一つしか手段が残っておらぬだろうということ。
それは――他の印刷物の余白に、「付け合わせ印刷」をする方法じゃ。
じゃが現状、版面にはもう、角しか印刷刷できそうな余白が残っておらぬ。
その本を入れるには、大きさを半分にする必要があるぞ。
そのような犠牲を、波らは受け入れられるか?
クレーちゃん、うちらの本を半分までちっちゃくしたら、宮司様が印刷してくれはるらしいんや。
それでもええか?
 
いいよ!
ありがとう、「宮司様」お姉ちゃん!
 
ふふふっ、この子はなんとかわゆいんじゃ。
なら、これで決まりじゃな、荒谷、今晩の印刷に間に合わせよ。
 
荒谷
はい、今すぐ手配してまいります!
 
アルベド
付け合わせ印刷をすることは確かに可能かもしれないけど、印刷工場にはきっと迷惑をかけてしまうだろう。
本当にすまない。
 
気にせずともよい。
この小さき手助けは、クレーちゃんへの手土産じゃ。
それにこの先も、八重堂からは汝に挿し絵を頼むことがあるじゃろうからの。
白亜先生、これは妾の投資だと思ってくれて構わぬぞ。
さて、これ以上汝ら兄妹を邪魔するのもあれじゃし、妾は先に行くぞ。
 
よし!これで完壁に解決やな。
あとは八重堂からの良い知らせを待つだけや。
宵宮に旅人、まさか二人が、クレーにこんな楽しい思いをさせてくれていたとは。
本当にありがとう。
 
へヘっ、気にせんでええって。
 
>アルベドもクレーと遊んであげてね。
アルベドうん、分かっているよ。
クレーはボクの大事な家族だからね。
 
「ドドコのストーリーはあともう少しでなくなっちゃうところだったの。
でも、そこにモフモフした耳を持つお姉ちゃんが来てね。」
「そのお姉ちゃんはすごかったんだよ。
ドドコのストーリーを元通り出せるようにしてくれたんだ。」
「その後、クレーと宵宮お姉ちゃんはドドコのストーリーを栄誉騎士のお姉ちゃんとパイモンちゃん、それからアルベドお兄ちゃんにあげた。
みんなとってもうれしくて、本当によかった!」

 
印刷が完了するまで待つ(翌日の14時~16)

栄誉騎士のお姉ちゃん見て見て、荒谷おばちゃんがドドコの物語を持ってきてくれたよ!
 
これでやっと、クレーと宵宮が隠してた秘密の内容が見れるぜ。
 
いやまあ、そんな大したもんでもないんやけどな…
 
クレー
ドドコとクレー…
 
宵宮
それにうち…
そこにあんたらを加えた、みんなで一緒に経験した物語や。
 
>私も絵の中に?
>私とパイモンも絵の中に?


オイラもかいてくれたのか!
本に載るのなんて、オイ初めてだ!
へへっ、オイラ有名になっちゃうな。
 
もちろんパイモンちゃんかて出てくるで。
これはドドコとうちらみんなの楽しい経験なんやから。
 
クレーと宵宮お姉ちゃんから、栄誉騎士のお姉ちゃんに贈る物語だよ。
 
荒谷
八重様から二人に伝言よ。
この本は合板印刷されたものだから量が君たちの想像よりもはるかに多いの。
印刷費はいらないけれど、君たちの本の売れ残りは、一緒に印刷された本の「特典」としてつけられる。
どう、それでいいかしら?
 
そ、そんなんホンマにええんか?
うちらはええとしても、その本の作者さんが…
 
荒谷
実は、一緒に印刷された本の名前は『テイワット観光ガイド』っていうのよ。
 
あっ、ママの本だ!
 
クレーちゃんのママ、本書ける人やったんや。
 
荒谷
クレーちゃんの母親であるアリスさんは、テイワットの有名な冒険者なの。
彼女の『テイワット観光ガイド』も、ちょうど新しく「稲妻編」が出るところなのよ。
八重様はすでに宣伝文旬を考えているわ。
「テイワットで最も有名な冒険者の親子が、ついに手を取り合う…!」
うん、大ヒット間違いなしね。
 
ふんっ、そんなことだろうと思ったぜ。
神子が損するような取引をするわけない!
 
あははっ、めちゃくちゃ八重様らしいなぁ。
でも、これでよかったんちゃう?
 
うん、クレーうれしい!
ママの本と一緒になれるなんて、まるでクレーとママが一緒に冒険してるみたい!
容彩察に来られて、本当によかった!

《依頼完了》