クランシェ

4.8 修正(吹出)

よう!
「風道」への挑戦は順調か?

①「風道」について…

すっごく強い風の通り道を俺が厳選したんだ。
飛行能力を磨くのに、準備なんざ必要ない。
いきなり強風に立ち向かってこそ、秘めた能力を発揮できるんだ。
今時のモモンガたちはガッツがなさすぎる!
『勇敢な北風』の教えを完全に忘れちまってる!
安全な場所から、風に舞う葉っぱを眺めながらその勇気を称えるばかりで、自分からその風の中に足を踏み入れる勇気なんてないんだ。
このままじゃ、プリンセスとともに王国を守るなんて絶対に無理だ!
プリンセスが戦っているというのに、地上から声援でも送るつもりか?
ふんっ、モモンガ族の恥でしかないな!
飛行術をマスターして王国を守る――
これはすべてのモモンガの責任だ!
この国の安否は、僕たちモモンガにかかっている――
まあいい。
必ず飛行術をマスターして、あいつらをはっとさせてやるんだ。
そして、俺の信念を聞かせてやる。

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②『勇敢な北風』について…

何だ、物語が聴きたいのか?
分かった。
国中に伝わる物語で、色んなバージョンがあるから、ちょっと頭を整理させてくれな…
うん…
だがまあ、物語の始めはどれも同じだ――
昔々あるところに、この世のすべてに風を届ける方法を学んでいる、北風の群れがいた――
中にはとりわけ臆病な北風がいて、いつもびくびくしながら大地に風を届けていた。
「お花と葉っぱを吹き散らしちゃったよ…
道行く人の帽子まで落としちゃったし…
あっ!
綺麗な湖面がわたしのせいで荒れちゃった…」
戦々恐々としながら日々を送っていた北風は、ついに外に出ることすら億劫になって、やがて担当エリアの風は完全に止まってしまった。

 ❶(続きを聞く。)

ある日、友達のモモンガたちが北風を訪ねてきた。
「どうして外に出てこないの?
具合でも悪いの?」
北風は悲しげに答えた。
「だってわたし、全部台無しにしちゃったの。
みんなに悲しい思いをさせて、迷惑をかけてばかりで…」
「そんなことない!」
モモンガたちは驚いた顔でこう言った。
「おまえのおかげで、おれたちは空高く飛べるし、雲が運ばれて雨が降るんだ。
花びらと種だって、おまえに乗れるからこそ遠くまで飛べるんだぞ!」
北風は首を横に振った。
「それがわたしの仕事だもん。
でも、もうヘマはしたくないの――
今よりもっといい方法が、きっとあるはず。」

  ❶(続きを聞く。)

モモンガたちは顔を見合わせた。
疑念と不安でいっぱいの北風を何とか助けてやりたくて、一生懸命考えを巡らせた。
そして北風に向かってこう言った。
「ねえ、お願い。
もう一度だけ、私たちを乗せてくれない?
そしたら、地上をきれいに片づけてあげるから。」
しょんぼりしていた北風は半信半疑だったが、言われた通り草原や森、湖面を通り抜けた。
ふと下を見ると、モモンガの仲間たちが手を振っている。
そしてなんと、周りがきれいに片付いているではないか…!
そのとき北風は初めて気がついた――
吹き散らされた花びらには小さな種がついていたこと、そして枯れ葉が落ちた枝には再び新緑が芽吹いていることに。
そして、帽子を落とされた人は…
気温の変化に気づき、そろそろ着替える頃合いだと思った。

  ❶(続きを聞く。)

家に戻り、北風は嬉しそうに友人たちにお礼を言った。
「みんなありがとう。
あなたたちがいなかったら、また失敗してたかも。」
するとみんなは「私たちは何もしてないよ。」と微笑みかけた。
北風は完璧さを求めるあまり、些細なミスに足を取られていただけだったのだ。
だが、一切過ちを犯さずに、すべてを完璧にこなせる者なんていない。
過ちを避けることだけを考えていては、北風としての役目は全うできないだろう。

   ❶(続きを聞く。)

種を運んだり、木々の枝を軽くしてあげたり、雲を運んで雨を降らせたり、人々に服の調整を促したりすることこそ、北風の役目。
それをしっかり果たしてこそ、勇気があると言えよう――

    ❶その物語…さっきの話と関係ある?
    ❷全然違うタイプの勇気だと思うけど…

もちろん関係あるさ!
この国のモモンガたちは、過ちを恐れて飛ぶのを躊躇ってる!
つまり北風と同じように、恥をさらしたり、つまずいたり、ぶつかったりするのが怖くて飛べてないんだ。
ふん!
君たちのほうこそ、飛行術をマスターできる自信はあるのか?
はぁ、今のモモンガは『勇敢な北風』をもっと熟読すべきだ…
そうだ、何冊か複写してみんなに配ろう。

 ❷(一旦ここで止めよう…)

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③またあとでね。

ああ。
またいつでも「風道」に挑戦しに来いよな!