不思議な本のミステリー

4.8 修正(吹出)

◆カタユン(図書館司書)

コレイによると、最近スメールシティはとても賑やからしい。
何かあったのだろうか?
あなたとパイモンは確かめに行くことにした…

…スメールシティに行く…

パイモン
そういえば、最近スメールシティが賑わってるってコレイが言ってたよな?
なにがあるのか気にならないか?

①えっと…そこまでは。

パイモン
えええっ!
そんなつれないこと言うなよ。
もっと好奇心を出していこうぜ!
ほら、オイラと一緒に、なにか面白いことがないか見に行くぞ!

 >分かった分かった。パイモンに付き合うよ…

-------------------------

②ちょっと興味がある。

パイモン
だろ?
オイラも気になるぜ!

-------------------------

パイモン
じゃあ、さっそく賑やかなところへ向かって出発だ!
えーっと…
まずは情報が一番多そうな教令院に行ってみるか?

…教令院に行く…

ファルザン
……

パイモン
見ろ、ファルザンだ!
あいつに聞いてみようぜ。

ファルザン
…フンッ!
まったく、貸出記録を見るたびに、あの本を読んだ時の気持ちが蘇ってくる…
はぁ、本当にうんざりじゃ。

パイモン
ファルザン?
なに一人でぶつぶつ言ってんだ?

ファルザン
ワシは先輩じゃぞ。
独り言ぐらい言ったっていいじゃろう。
じゃが…
はぁ、なんでもない。
それより、二人はどうしてここに来たんじゃ?

>恥ずかしながら好奇心で…

パイモン
最近スメールシティが賑わってて、なにか面白いことがあるかもってコレイから聞いたんだ。
だから、気になっちやって…
なにか知らないか?

ファルザン
面白いこと、か…
コレイが面白いと思うことは、一体何じゃろうな?
ティナリのしっぽがタンブルウィードみたいになったことか?
それともセノが木に登ったとき、帽子が枝に引っかかったことかのう?

パイモン
そんな面白いことがあったのか…

>呼んでほしかった…

パイモン
そういえば、みんな忙しくしてるとも言ってたけど、なにか大がかりなイベントでもあるのか?

ファルザン
ふむ、大がかりと…
ああっ!!

>先輩、どうしたの?

ファルザン
あれじゃよ、あれ。
もう、あれのことで間違いない!
実はここ最近、急に「一冊の本」の噂が流れ始めてのう。

パイモン
えっ、なんか怪談みたいな出だしだな!
オカルト的なものか?

ファルザン
オカルト?
ふん!
大方そんなところじゃ。
ところでお前たち、最低最悪な推理小説を読んだことはあるか?

パイモン
えっと…

①…読んだことない…

パイモン
オイラは読んだことあるぞ!

-------------------------

②…読んだことある…

-------------------------

ファルザン
ほう、どんなものか言ってみぃ。

パイモン
おう、いいぜ!
例えば、最初は密室殺人だって思わせて、実は部屋ごと移動したっていう…

ファルザン
そうじゃな。
それと本格ミステリーを謳っておきながらも、結局犯人は超能力が使えるとか…

パイモン
そうそう!
あとは、最初はシリアスな展開だったけど、後半で急にみんな記憶喪失になるとか!

ファルザン
それと雪の山荘じゃ!
イカつい刑事が何の伏線もなく、犯人だったと判明するやつ!

①あんまりにも具体的過ぎる…
②当てはまるものが多すぎるからやめて…

ファルザン
おっと、失礼。
悪かったのう。
とにかく、数日前にそういう本を借りたんじゃ。

パイモン
想像してたのと違ったってことだな。
まあ、よくあることだと思うぞ。

ファルザン
いや、ここからが問題じゃ。
その本は雪の山荘、超能力、刑事が犯人になるといった様々な要素をてんこ盛りにしておってな…
読んでいて胸やけがしそうになるほどじゃった。
しかも、そこまで盛り込んでおいて、全然心が動かされないときた!
じゃが、皆はその本の中に秘密が隠されているのではないかと睨んでおる。
なぜなら、どのページにも変なマークが書いてあるからじゃ。

パイモン
お宝のヒントか?

ファルザン
さあのう?
ま、そう思ってる人も少なくないじゃろう。
じゃから、その小説を借りる人がだんだんと増えていった。
しかも「マークが書かれた例の一冊」を指定してな。

パイモン
ファルザンも借りたんだな?

ファルザン
もちろん!
ワシは学者じゃ。
知識欲があってもなんらおかしくない。

パイモン
う~ん…
その噂の本には、一体どんな秘密が隠されてるんだろ?

ファルザン
隅々までよく読んでみたが、マークのほとんどは丸のようなもので、書き方がそれぞれ違うし、インクの色も様々じゃった…
そして重要そうなのは、すべての登場人物の名前に丸が付けられておったことじゃ。
しかも、スメールの歴史上の人物から取った名前が多い。
それらのマークは、別々の時代の学者たちが本の秘密を研究し、自分の信仰する名前を見つけたときに付けたものだと思う者もおれば…
同じ組織に属する、別々の人物が付けたもので、マークされた名前はそのコードネームだと思う者もおる。
さらに、それを暗号文だという者もおったが、最後まで読んでも何も分からんかった。
時間を無駄にしたうえに、バカバカしい推理に付き合わされて何度も呆れてしもうたわ…
腹が立ってすぐに本を返したんじゃが、今日知恵の殿堂に来てみたら、嗅ぎまわってるやつらを何人か見つけた。
たぶんあの本を探しておるのじゃろう。

パイモン
それで貸出記録とにらめっこして、しばらくは推理小説を借りないって決めたわけか…

ファルザン
その通りじゃ…
はぁ、パイモン、旅人、お前たちならきっと分かってくれるじゃろ?

①分かる。
②身に染みて分かるよ、先輩。

パイモン
それで、なんて名前の本なんだ?
せっかくだし読んでみたいぞ。

ファルザン
『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも吹雪のあとに姿を見せる』というタイトルじゃ。

①……
②本当に推理小説なの?

パイモン
もはや娯楽小説みたいなタイトルになってるぞ!

ファルザン
はぁ、そうじゃろ。
とにかく、詳しく読んでみるといい。
本当につまらんかったぞ。

-------------------------

ファルザン
ん?
どんな本が好きかじゃと?
多すぎてどれから話せばよいか迷うな…

■諸相随念浄行
(フン…
次に本を借りるときは気をつけたほうがよさそうじゃな。)
 
-------------------------

…辺りで手がかりを探す…

パイモン
ええと、タイトルの長い本がいくつかあるな。
どれどれ…
『真面目な業務と気楽な休暇』、なんだこれ?

①『専門家のための雨林希少種図鑑』…
②『コーヒーマシンの構造とメカニズム』…こんなの誰が読むんだよ?

パイモン
『元素学にまつわる秘密』…
「専門家のイチオシ!
元賢者のジュライセン先生も大絶賛する入門書」って帯に書いてあるぜ…
あとこっちは、『古代砂漠民族の少数言語における共通する文法の整理とまとめ』…
めまいがするぞ。
文字が多すぎて頭がクラクラする…

>二十種類を覚えられるように頑張って…

パイモン
あれ?
あそこにいるのってレイラじゃないか?
なにか知ってるかもしれない。
あいつに聞いてみようぜ!

…レイラと会話する…

レイラ
旅人、パイモン、久しぶり…
ふぁ――
ごめんなさい、ちょっと眠くて…

パイモン
なんだ?
昨日はよく眠れなかったのか?

レイラ
うん、小説を読んでたら遅くなっちゃって…

パイモン
もしかして、いま流行ってる推理小説か?

>タイトルの長いあれ…

レイラ
えっ?
あの本のこと?
『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも…』…
ええと、なんだっけ…

パイモン
吹雪のあとに姿を見せる。

レイラ
そうそうそれ。
でもその本じゃないよ。
ファルザン先輩につまらないって何度も念を押されたから、借りなかったの。

パイモン
そっか。
レイラはあの本に興味がないんだな。

レイラ
うん、自分のことで手一杯だから。
最近はずっと夜更かしをしてるの。
でも、あの本のことを聞いてくる人って思ったより多いんだ。
ここに座ってるだけで、午前中は七、八人に聞かれたから。
カーヴェ先輩も同じ質問をしてた。
先輩もあの本を探してるのかな?
この間、ハシゴの後ろに隠れながら気まずそうな感じで探してたよ…

パイモン
ハシゴの後ろに隠れて探すなんて…
あいつ、相当モラが欲しいみたいだな!
うん、そうに違いない。
だってあいつは早く返済を…
あっ、いやいやなんでもない!
レイラは眠いだろ、今のは夢の話だからな、へへっ。

レイラ
よく分からないけど、分かった。
夢の話なんだね…

パイモン
ありがとな。
オイラたち、他も当たってみるぜ。

レイラ
うん!
またね!
…すぅ…すう…

>(こんなにすぐ眠りに落ちるなんて珍しい。おやすみ…)

パイモン
次はカーヴェに聞いたほうが良さそうだな。
探してるってことは、きっとなにか情報を知ってるに違いないぞ。

>でも、どこにいるんだろう?

パイモン
うーん…
さあな…
でも、待ち伏せすればいいと思うぜ!
あいつなら、あそこに現れる可能性が高いだろ?

-------------------------

レイラ
すぅ…すぅ…
 
■諸相随念浄行
(ずっと忙しくしてるのに、どうしてまだこんなにやることが残ってるの?)

-------------------------

…カーヴェを探す…

パイモン
……

>……

パイモン
オイラたち、泥棒みたいじゃないか?
あとなんでかわからないけど、こうして待ち伏せしてると、カツアゲしようとしてるんじゃないかって思えてくるぜ…
あいつに話を聞くだけなのに…

①やめよう、こっちが悪者になったみたい…
②今さら改心しようだなんて…

パイモン
ん?
足音だ。
行ってみようぜ!
待ってくれ!
カー…

アルハイゼン
……

パイモン
えっ?
アルハイゼン?
どうしておまえがここにいるんだ?

アルハイゼン
いい質問だ。
実に驚いたよ。
ここが俺の家だと知っているものだと思っていたが。

>こんにちは。

アルハイゼン
ああ。
何か用か?

パイモン
えっと、オイラたち、その…
特に用とかは…
なくってだな…

アルハイゼン
そうか、ではまた。

パイモン
行っちゃった…
仕事でもあるのかな?

>(また足音?ドアに向かって歩いてきてる。)
 待って!カーヴェ!

カーヴェ
うわぁ!
な、なんで君たちがここに?

パイモン
「いい質問だ。
実に驚いたよ。
おまえに用があってここに来たって、知ってるもんだと思ったが。」

カーヴェ
パイモンらしくない言い方だね。

>本を探してるんだって?

カーヴェ
なっ!?

パイモン
実は…

カーヴェを連れて離れた場所に行き、ファルザンから聞いた話と、知恵の殿堂で探し物をしている姿が目撃されたことを小声で伝えた…

カーヴェ
…どうして君たちまで知っているんだ…
はぁ、かなり慎重に行動したから、気付かれていないと思ったのに。

パイモン
おまえ、ここに住んでることもちゃんと隠せてるとか思ってるんじゃないよな?

カーヴェ
まったく、何を言っているんだ?
もちろん知っている人は多くない。
せいぜいセノ、ティナリ、コレイと、あと君たちしかいない…
はずだ。
友人なんだから、知っていたって別に構わないだろう?
だが、これを他の誰かに知られたらきっと面倒なことになる。
仕事にも支障が出るかもしれない…
まあ、それは置いておいて、本題に戻ろう。
あの本のことだが…

パイモン
本にお宝のヒントが隠されてるって信じてるんだろ?
それで大儲けしようと企んでるんだよな?

カーヴェ
あ、ああ…
そうだ…
もしや、探すのを手伝ってくれるのか?

パイモン
ってことは、本当にお宝があるのか!
それならそうと早く言ってくれよ!
手伝ってやるから、儲けは山分けな。
いいだろ?
旅人、やっとオイラたちのツキが回ってきたぜ!
んじゃ、さっそく行くぞ。
パイモンお宝レーダー、出発!

カーヴェ
えっ?おい!
パイモン!

…トレジャーストリートに行く…

パイモン
ん?
あの後ろ姿…
ディシアじゃないか?

ディシア
旅人、パイモン?
街であんたたちに会えるなんて、今日はラッキーだな。

パイモン
ディシア、おまえたち傭兵って情報通だよな。
『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも吹雪のあとに姿を見せる』っていう本を聞いたことないか?

ディシア
なに?
もしかして、あんたたちもその本を探してるのか?

パイモン
「も」ってことはディシアも探してるのかよ?
くぅ、オイラたち…
ついにディシアを敵に回す時が来たのか?

ディシア
…ちょっと待て。
どうしてあの本を探してるのか、教えてくれないか?

ファルザンから聞いた噂をディシアにも伝えた…

ディシア
……
あの本があんたたちにとって大事なものだってんなら、情報が手に入り次第、必ず教えよう。

パイモン
ええ!?
本当にいいのか?
おまえもあの本を狙ってるんだろ?

ディシア
構わないさ。
その本を手に入れるよう頼まれたが、依頼人がどうもきな臭くてな。
だから、引き受けなかったんだ。
そいつは相当頭がキレるようだった。
何かを隠してるみたいだったし、きっと別の目的があるんだろう。
それに、あたしもちょうど調べたいことがある。
依頼よりも、本が持つ真実のほうが重要だ。
じゃ、あたしは早速調べに行ってくる。

パイモン
おう。
上手くいくことを祈ってるぜ!
なにかわかったら、忘れずにオイラたちに教えてくれよ!

>(ディシアに依頼した人って、一体誰なんだろう?)

カーヴェ
おーい!

カーヴェ
はぁ…はぁ…
どうしてそんなに速いんだ?

パイモン
だって、走るより飛ぶほうが速いからな。

①ごめん、生活がかかってるから…
②色々経験してきたおかげで足が速くなった…

カーヴェ
そうなのか。
聞いてくれ…
はぁ…はぁ…
実は…
パイモン…
覚悟してくれよ。
あの本は…
宝の地図なんかじゃなく、ただ普通の本なんだ。

パイモン
えっ?
でもさっきはヒントが隠されてるって言ってたよな?
今さらそんなこと言っても、お宝の独り占めを企んでるようにしか聞こえないぞ…
おまえらしくないな!

カーヴェ
ちがっ、僕は…
はぁ…
すまない。
さっきは言いづらかったから、つい話を合わせてしまったんだ。
実は、一ヶ月前にあの本を借りて読んでいてね。
その時、一ページ目に名前の誤植があることに気づいたんだ。
あの夜は、ちょっとだけ酒を飲んでたこともあって眠くなっていた。
そして適当にペンを取り、その名前に丸を付けたんだ。
知恵の殿堂の蔵書は、閲覧者が勝手に注釈を入れていいって聞いたことあるだろう?
僕もいつもの習慣で、つい深く考えずにペンを入れてしまった。
でも十数ページ読んでみて、本に登場する名前はすべてわざと間違えていることに気が付いた。
むしろ、あの小説自体がおかしかったんだ。
登場人物の名前はすべて歴史に基づいて書かれたものだというのに、そのまま使うんじゃなく、ちょっとだけいじるなんて…
だから名前の綴りが、一見して書き間違いや誤植に見えてしまったというわけさ。
本の内容はあまりそそられなかったから、最後まで読むことなく返したんだが…
でもその後、あの本が急に話題になって、しかも謎の宝と関係があるという噂まで流れだした…

>あなたが原因ってこと?

パイモン
確かに、その可能性は高いな。

カーヴェ
ああ…
それから、登場人物の名前すべてに丸がついていると聞いた。
一人の名前にだけじゃないとね。

カーヴェ
僕が本を返してから今まで、一体何があったんだろうか…
まったく分からない。

>この本を借りたことは誰かに話した?

カーヴェ
そうだな…
えっと、ティナリくらいか?
前回会った時、あの本のダメ出しをしたんだけど、あいつは僕の指摘が面白いから、逆に読んでみたくなったって言ってたよ。

>逆効果だったんだ!?

パイモン
じゃあ、ティナリに話を聞いてみようぜ!

カーヴェ
いいけど、まだ片付いてない仕事があるんだ。
それを終わらせてから合流させてくれ。
それでもいいだろうか?

パイモン
いいぜ。
仕事、頑張ってきてくれな。

カーヴェ
ああ、ありがとう。
それじゃ、また。

…ティナリと会話する…

パイモン
いたいた。
あそこだ。
おーい!
ティナリ――

ティナリ
聞こえてるよ。
どうしたの、二人とも。
そんな興奮した面持ちで。

ティナリに、『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも吹雪のあとに姿を見せる』という小説を探してることを話した。

「タイトルが長い、言うたびに疲れる」と改めて思った…

ティナリ
その本のことか。
うん、確かに知恵の殿堂で借りたことがあるよ。
カーヴェが面白くないって言うから、逆に興味が湧いて読んでみたんだ。
そして重要なのは、その借りた本には丸が二つ書かれていた点だ。
しかも違う書き方でね。
誰かが一人目の登場人物の名前に赤い丸を付け、それから別の誰かが他の名前に緑色の丸を付けた。
まるで何かのゲームみたいに。

パイモン
つまり、カーヴェが本を返してからおまえが本を借りるまでの間に、別のやつがマークを付けたってことか?

ティナリ
そういうことになるね。

パイモン
実は、最初に丸を書いたのはカーヴェだったんだ。

ティナリ
うん、それは納得だよ。
じゃあ、マークを付けた二人目が誰なのか、簡単に分かるよね?

パイモン
まさか…

ティナリ
仮に二人が同じ屋根の下で暮らしてるとして、一人が最初の丸を付けたなら、もう一人も何かしらのマークを残してるかもしれない。

>確かに筋が通ってるね。

ティナリ
はぁ、時々あの二人はひどいことをすると思うよ。
本を読み終わってから気付いたんだけど、最初に丸を付けられた名前はなんと、犯人の名前だったんだ。
これって明らかにネタバレだろう?
小説を開いてみたら、一ページ目にネタバレが書いてあるなんて。
ジョークでしか聞いたことない。

パイモン
なんだよそのジョーク。
ひどいな…

ティナリ
ああ、ジュライセン先生から聞いたジョークだよ…
いや、ただのジョークってわけでもないか。
若い頃、そういういたずらをしたと聞いた。

>……

パイモン
……
そのジュライセンのコメントがある本を借りた不幸なやつって、いったい誰なんだ?

ティナリ
ナフィス先生と、その日の午後、一緒にシンポジウムを開いたザハハディ教授だよ。
ジュライセン先生によると、ナフィス先生はジュライセン先生を知恵の殿堂の側門で待ち伏せし、ぶん殴ると脅したそうだ。
幸い母とザハハディ教授が止めてくれたおかげで、未遂で終わったけど…

パイモン
ジュライセンにはまったく同情できないな!

ティナリ
知恵の殿堂では、本に書き込む行為が禁止されてない。
でも、あの本はちょっと特殊な状況だから、このまま放っておくわけにはいかないと思った。
だから僕も数人の名前に丸を付けて、誤魔化すことにしたんだよ。

パイモン
えっ…

ティナリ
「木を隠すなら森の中」簡単な方法でしょ?

パイモン
それはそうだけど…

>ティナリは何人の名前に丸を付けたの?

ティナリ
そうだね…
多くはないよ。
三、四人くらいかな?
どれも適当に選んだものだったけど。

パイモン
じゃあ、残りは一体誰がマークしたんだろ?

ティナリ
他にも似たようなことをした人がいるということだね。
ただ動機が分からないけど。

パイモン
本を借りるのがすっごく複雑なことに思えてきたぞ…

-------------------------

ティナリ
どうやら、あの本には何か隠されてるみたいだね…
 
■諸相随念浄行
(面白い科学の本があれば読みたいな…)
 
-------------------------

パイモン
よし、他の手掛かりがないか探してみようぜ。
数人に聞けば、きっと新しい情報が手に入るはずだ。

…トレジャーストリートに行く…

パイモン
見ろ、ディシアだ。
本当のことを教えてやろうぜ。
あれ?
キャンディスもいるぞ。

ディシア
…だから、あたしはちゃんと反省しようと思ってる。

パイモン
なにかあったのか?

キャンディス
あら、今日お二人に会えるとは…
きっと神様のお導きですね。

>こんにちは。

パイモン
キャンディスは遊びに来たのか?

キャンディス
今日はアアル村の皆さんに頼まれて買い出しに来ているのです。
ついでにセタレさんために、教令院の賢者に手紙を届けようと。
ただ、途中でディシアが暗い顔でカフェに座っているのを見かけまして。
それで話を聞いていたのです。

ディシア
心配するな、大したことじゃない。
あんたたちと話した後、あの本に関してちょっと思い出したことがあってな。
実は依頼人に頼まれる前から、秘密の隠された小説のことを小耳に挟んでたんだ。
で、好奇心から、セノに借りてもらって読んでみた。
あたしって砂漠の人間だろ。
傭兵を生業にしてるから、宝探しには興味があってな。

パイモン
うんうん。
オイラもよくわかるぞ。

キャンディス
砂の中に隠された金と知恵を探すのは、神様より授かった慣習ですからね。

ディシア
でも、あの本は全然面白くなくてな。
それどころか、登場人物の名前の多くにマークが付けられてた。
結局、最後まで読んでも謎とやらが一体何なのか分からなかったよ。
そこであたしは考えた。
もしかしてこれは何かの儀式かゲームなんじゃないかってな。
そして、あたしも丸を書いた。

>……

ディシア
その後、ドニアザードも両親に頼んであの本を借りたんだが、謎のマークが気になって本の内容がまったく頭に入ってこなかったって言ってたぜ。
コメントならまだしも、ワケのわからない丸が次から次に出てくるんだ…
それが何を意味してるのか考えないほうが難しいだろう。

キャンディス
なるほど。
それでディシアは、悪気がなかったとはいえ、他人の読書を台無しにしたことを反省していたのですね?

ディシア
ああ。

パイモン
待て待て!
なんでキャンディスに懺悔してんだよ?

ディシア
キャンディスはガーディアンだろ。
たまに犯人の尋問を任されることもある。
みんな、それを神聖な仕事だと思ってて、反省したい時はだんだんキャンディスのところに行くようになったんだ。

キャンディス
そう驚かないでください、旅人さん。
私にとって、他人の反省を聞いてあげるのも「ガーディアン」の役目の一つなんです。
自分の過ちを告白し、助言に耳を傾ければ、物事はいい方へ向かう。
これが私たちのやり方です。

パイモン
でも、ディシアはただ丸を書いただけだろ。
別に誰かを困らせようとしたわけじゃないし…
それに、あの本って元々面白くないみたいだから、気にしなくていいと思うぞ。

ディシア
うーん…
まあ、面白くないってとこは同意見だな。
さっきキャンディスにも言ったんだが、本当に内容が意味不明で…

キャンディス
何はともあれ、他人の読書を台無しするのはいいことではありません。
しっかり反省してくださいね。
ディシア、神様はきっとあなたの過ちを赦してくださるでしょう。
確か…
本の中で、ある容疑者は四つん這いになって山荘を去ったとありました。
その容疑者の名前は…
「アマフル」。

ディシア
ああ。
本の中の探偵は、そいつが壊れた橋の上をカエルみたいにジャンプして渡ったと考えた。
けど結局、その仮説は後の推理で不可能だと証明された。

パイモン
なんでだ?

ディシア
「アマフル」は普通の人間にはない超能力を持ってて、壊れた橋を飛んで渡ったんだとさ。

パイモン
…その本、一体なんなんだよ…
意味不明すぎるぞ。

キャンディス
「アマフル」は、どう考えてもキングデシェレト様の尊名を想起させるもの。
このような失礼な作品は、あまり気にしなくていいと思いますよ。

ディシア
そうだな。
はぁ、沈黙の殿のやつらがこの本を読んだら、どんな顔をするんだか…

キャンディス
あの智者たちなら、たぶん私たち一般人が想像できないような面白さを読み取るでしょうね。

パイモン
雪に覆われた山荘の外に橋があるのはまだわかるし、橋が壊れてるって状況も受け入れられるけど…
人間が飛んで橋を渡るってなんだよ。
なんで、こんな話を書いたんだ?

①本当に本格推理小説なの?
②なんだかギャグ漫画みたい。

パイモン
ファルザンの気持ちがだんだんわかってきたぞ。
楽しみにしてた推理小説を読んだら、こんなのばっかりなんて…
はぁ、深く考えるのはやめたほうがいいな。

>それで、その本は今どこに?

ディシア
まだ分かってない。
その時は早々に読んで返したんだが、まだ噂にあるほどマークは多くなかった。

パイモン
そっか。
じゃあ、引き続き頑張って調べようぜ!

-------------------------

ディシア
はぁ、こんなことになるなんて、誰が予想できたろうな?

キャンディス
予想できないからこそ、そこまで自分を責める必要はないんじゃありませんか?
 
■諸相随念浄行
ディシア
(こんなことになるなんて。
今度からは気をつけないとな。)

キャンディス
(久しぶりに来ましたが…
この辺りは変わっていませんね。)

-------------------------

パイモン
ますますわからなくなってきたぞ。
ひとまず知恵の殿堂に戻るか?

…知恵の殿堂に行く…

パイモン
あの、ちょっと聞きたいんだけど、『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも吹雪のあとに姿を見せる』っていう本は返却されたか?

カタユン
その本は二冊あります。
マークがついているものと、マークのないもの。
マークがあるほうを借りたいんですよね?

パイモン
うっ、お見通しってわけか…

カタユン
同じことを聞いてきた人が他にもたくさんいましたから。
ただ、残念ながらまだ返却されていません。
しばらく経ってからまた来てくださいね。

パイモン
誰が借りたのか教えてくれないか?

カタユン
それは…
貸出記録を見て、返却期限が過ぎていない限り、私たちはただ待つことしかできません。
また、閲覧者の情報を軽々と口外することもいたしかねます。
職業倫理上、守秘義務がありますので…
申し訳ありません。

パイモン
それもそっか。
万が一、本を狙ってるやつが情報を掴んで強盗のようなことをしたらマズいしな…

???
あら、二人のその困った顔は、まるで頭をぶつけたアランナラのようね。
何か探し物かしら?
手伝ってあげましょうか?

パイモン
この声、ナヒーダだ!

>こんにちは。

パイモン
ナヒーダ!
『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも吹雪のあとに姿を見せる』っていう本を知らないか?

ナヒーダ
長いタイトルね。
でも、知っているわよ。
みんな、その本を探しているのでしょう?
とても興味深いものだから、私も新しい一冊を探して読んでみたの。

パイモン
新しいってことは、マークがないやつか?

ナヒーダ
ええ。
お宝の噂よりも、本に何が書かれているかが知りたかったの。
だから原文だけを読めれば十分。
ふふ、面白いわよね。
この本は一冊だけじゃないのに、丸が付けられたほうをみんな探している。
ネタバレを見たいのか、見たくないのか、どちらなのかしら?

パイモン
えっと…
じゃあ、マークがついてるやつを誰が持ってるか知らないか?

ナヒーダ
ええ。
あなたたちの友人がその本を持っているところを見かけたわ。
もし「伝説」の本を見つけたいのなら、アルカサルザライパレスの近くに行ってみなさい。

…アルカサルザライパレスに行く…

パイモン
ん?
あれって…
ドリーにセノ、それにセトス?

ドリー
あらら!
大マハマトラ様、オトリ捜査なんて、いけませんわ!

セトス
やれやれ、これのどこがオトリ捜査なんだ?
君が本を持ってるって言ったから、それを見たいと言った。
そして、ここで会う約束をしたから僕は来た。
セノがここにいるのは、ただの偶然さ!

ドリー
あなたのことは知っていますわよ!
セノのお友達で、最近こちらに来たセトスでしょう?

セトス
へぇ、詳しいね?

ドリー
先日、見かけたんですの――
セノにカードゲームをせがまれて、二回だけプレイした後、言い訳して逃げていくところを。
その印象が深く残っていまして。

セトス
そ、そういうのはわざわざ言わなくても…

セノ
いや、その点はドリーの言う通りだろう。
七聖召喚に対して、逃げの態度を取るのは大問題だ。
旅人、パイモン、しばらくそこで見ていたんだろう?

ドリー
あらま!
これはこれは…
親愛なる旅人にパイモンじゃありませんか?
どうしてアルカサルザライパレスに?

ドリー
もしかして、このサングマハベイ様に商談でも?
おほほほほ、もちろん大歓迎ですわよ!
少々お待ちくださいまし。
こちらの話が終わりましたらお伺いしますわ。
さあ、本題に戻りましょう、大マハマトラ様。
ご存知の通り、私は誓って正規のルートと合理的な手段を使って知恵の殿堂からこの本をお借りしました。
返却の期日がまだ先である以上、いかなる手を使っても私から本を奪うことはできませんわ。

セノ
それは、お前が妙な行動を取っていないことが前提だ。
ついさっき、買い手のセトスはある情報をもとにアルカサルザライパレスを訪れ、推理小説を買うため売り手と接触した。

ドリー
買い手ですって?
あなたたち、やっぱりグルだったんですね!
買い物するフリをして、私をおびき出したんでしょう?

セノ
そういうわけじゃない。
ただ、これだけは伝えておこう。
俺はその本をずっと追っていた。
知恵の殿堂から借りた本を勝手に売買したり、譲渡したりしてはならないことを、よく覚えておくことだ。

ドリー
うふふっ…
売るだなんてとんでもありませんわ。
ただモラをほんの少しもらって、この不思議な小説をちょこっと「読ませてあげた」だけですの。
ほら、買い手…
あっ、いえいえ、読者に、こちらの好奇心旺盛な読者さんに聞いてみてくださいまし!
とにかく、私はただ本を見せただけですの。

セノ
…そうなのか、セトス?
違法な売買をしてるのかと思ったが。

ドリー
あらら?
本当にグルじゃないんですの?

セトス
…はぁ、僕はただ本が気になっただけさ。
せっかくここまで来たのに…
でもセノ、ドリーは確かに「売る」とは言ってなかったよ。

セノ
…つまり、彼女はすべての元凶じゃなかったと?

ドリー
元凶ですって?
ほほほっ、あなたたちのやり方だと、大マハマトラ様は来るのが早すぎたのかもしれませんわ。
だから、本は決して渡しません。

セノ
フンッ、切り札を出したと思ってるかもしれないが、さっき本を開いた瞬間に見えたぞ。
返却日が今日だってことがな!

ドリー
えええ…!!

パイモン
セノ、目がいいな!

セノ
ああ、まあな。
返却期限まであと三十分。
本を渡してくれ。
俺が持ち帰る。

ドリー
うぅ…
そんな、このまま渡すわけにはいきませんわ…
これは宝物のように謎めいたスーパー不条理な推理小説。
これで一儲けしないと!

セトス
そんなことまで言っちゃっていいのかな…

ドリー
言っただけでしょう!
本当に売ったわけじゃありませんの。

セトス
じゃあさ、こういうのはどうだい?
本を賭けて簡単な勝負をしてみるっていうのは。

セノ
いいだろう。
ドリー、お前はどうだ?
お前が勝てば、本のことはもう追及しない。
お前が負けたら、それを渡してもらおう。

ドリー
おやおや?
なかなか面白いですわね。
乗りましたわ。
それで、どうやって勝負しますの?

セトス
二人とも、記憶力に自信は?

ドリー
まあまあ、といったところでしょうか。

セノ
ある。

セトス
本は読んだんだよね?

セノ
ああ…

ドリー
えっ?
読んだんですの?
ううぅ…
もちろん、私も読みましたわ。

セトス
それじゃ、僕が適当にページをめくるから、そのページに載ってる、丸がついた名前の数を答えてくれ。
三回勝負だ。
どうだい?

ドリー
えええっ!?
そ、そんな難しいことを?

セノ
何だ、怖気づいたか?

ドリー
そんなことありませんわ。
分かりました、それで勝負しましょう!

セトス
よし。
じゃあまずは…
一ページ目だ。

ドリー
六つ!

セノ
六つ。

セトス
正解だ。
次、二ページ目。

ドリー
ええと…
四つ、でしょうか?

セノ
四つだ。

セトス
うん!
今回も正解だ!
二回とも引き分け。
次が楽しみだね。
じゃあ行くよ!

ドリー
むむむ…

セトス
――六十一ページ。

ドリー
ええ?
それは…えっと…
よ、よく覚えていませんわ。
七つ?

セノ
ふっ、答えは…
五つだ!

セトス
うん、大正解!
答えは五つ。

ドリー
えええっ!
セノ、な、なんで記憶力がそんなにいいんですの?
信じられませんわ!

パイモン
い、一体どうやったんだ…?

セノ
別に記憶力がいいわけじゃない。
単に本に書いてある丸が印象的だっただけだ。
本を借りて読んでみると、最初の数ページに登場する人物に、いくつか丸が書いてあることに気付いた。
筆跡はそれぞれ異なっていたが、そのうち三つはティナリが書いたものだ。
あいつの使ってるインクは色が珍しいからな、一目で分かる。

パイモン
よく知ってるな?

セノ
ああ。
かなり昔から知ってることだ。
大マハマトラになったばかりの頃、邪魔されずに雑務を一気に片付けたいとき、俺はよく秘密基地に行っていた。
すると、木の上で課題をやるティナリに会うんだ。
だから、あいつがよく使う文房具も知っていた。
もう何年も経ってるのに、あいつはインクを変えてないようだ。
さて、本の話に戻るが、最初の丸が犯人の名前であることは、読み終わった人なら誰もが知ってるはずだ。
ティナリはたぶん読者がネタバレをくらわないよう、別の丸を書き足したんだろう。
注釈を入れることはルール違反じゃないが、本にある筆跡は複数ある…
これはなぜか。
マークの裏に何か陰謀が隠されてる?
ティナリとどんな関係があるのか?
友人のためにも、俺はこの件をはっきりさせたいと思った。
そして秘密を知るには、自らも陰謀の一部にならなければならない。
だから俺は、残りの登場人物にも丸を書き足したんだ!

ドリー
はぁあああ――!?
まさかそんな…
最初からお宝なんてなかったってことですの!?
全部あなたたちの仕業だったんですのね!

セノ
ああ。
砂を隠すなら砂漠の中。
砂から、俺は真実を見抜いた。
お前はこの件に引き寄せられ、何かを企み、そして俺に出くわした。
これも何かの運命なんだろう。

ドリー
まったく、なに綺麗事を言って誤魔化そうとしてるんですの?
あなたって人は本当に…
本当に暇人ですわね…
もう私の負けでいいですわ。
降参ですの。
コホンッ…
今日はもう失礼させていただきます。
このサングマハベイ様はそろそろ部屋に戻って休まないといけませんわ。
皆さん、ごきげんよう!

セノ
それで、その本を沈黙の殿に持っていくのか?

セトス
お宝のヒントが隠されてるって聞いて、僕たちと関係があるんじゃないかと思ったんだけど…
まさか、真相がそんなだったなんて。
今回は君に貸しを作ったことにするよ。
君が勝負に応じた時点で、この本をよく知っていることは気付いてた。
だから、あんな形の勝負を提案したんだ。

セノ
ふっ、冴えてるな、兄弟。
ん?
お前ら、そんな顔してどうした?

パイモン
いや、この本の一連の出来事って、なんかすごい入り組んでると思っただけだぞ…

セトス
まあ、取り戻せたわけだし、僕はそれで十分だ。
残りの秘密は君たちに任せるよ。
それじゃ、お先に。
みんな、またね。

>その本、見せてくれない?

セノ
ああ、構わない。

パイモンと一緒に、本を読んでみた。
流し読みにもかかわらず、雲行きが怪しいのが伝わってくる…

みんなの言った通り、ストーリーは奇想天外なもので、登場人物の名前も馴染みがあるが、知っている歴史上の人物とは異なっている。

そして、すべての登場人物に丸がついている。
事件の経緯を思い返して、あなたは沈黙した…

しばらくして、セノに事の一部始終を説明した。

セノ
…まさか。
いや、だが筋は一応通ってる。
それに、本当に陰謀があるよりはマシだ。
旅人、本の返却を頼まれてくれないか?
これから予定が入っていてな。
前にキャラバン宿駅でディシアとキャンディスに酒を奢る約束をしたんだ。

>うん、任せて。

セノ
ありがとう、友よ。

…知恵の殿堂に戻る…

パイモン
やっと戻ってきたな。
とりあえず、本を返そうぜ…

カーヴェ
本当に見つけたのか?
すごいな。
すぐにでも本を確認できるよう、ずっとここで待っていたんだ。

これまでの出来事をカーヴェに伝えた…

カーヴェ
なんだって?
そんなことが?
ぼ、僕は…
犯人の名前にマークを付けていたのか?

パイモン
ほんと、まさかの展開だよな…

カーヴェ
…とりあえず、まずは本の問題を解決するとしよう。
すみません。
この本なんですが、えっと…
僕がマークを書き込んだせいで、色々なことが起きてしまいまして…
今はこのマークのせいで、読む人のネタバレになってしまうかもしれません。
ですので、僕に買い取らせてくれませんか?
教令院に置くものは僕が支払ったモラで新しいのを買ってください。
これで問題は解決できるはずです。
どうでしょうか?

カタユン
はい、いい提案だと思います、カーヴェさん。
すぐに本の値段を確認しますので、後ほどあちらでお支払いをお願いします。

カーヴェ
良かった、ありがとうございます!

しばらくして、カーヴェは教令院のスタッフについていき、本の買い取りを済ませた。

スタッフは、たくさんのマークが付いた本を包んでカーヴェに渡した。

カーヴェ
まさか、こんな勘違いを起こすなんて…
何はともあれ、助けてくれてありがとう。

パイモン
いいっていいって。
なんだかんだ面白かったしな。
でもカーヴェ、次から消せないペンでメモするのはやめたほうがいいと思うぞ…

カーヴェ
ああ、そうしよう。
もう無意識に誤植を見つけるようなことは二度としないさ…
いや!
しばらくはタイトルの長い本を借りないよ!

…離れたカーヴェについていく…

カーヴェ
あっ、アルハイゼン!
ここにいたのか!
ずっと探してたんだぞ。

アルハイゼン
どうかしたのか?

カーヴェ
ハハッ…
この紙袋の中身は何だと思う?

アルハイゼン
ある若者の後悔の涙か?

カーヴェ
ふん、君には分かるまい!
これは『謎解きは昼夜を問わずともミステリーはいつも吹雪のあとに姿を見せる』という本だ。

アルハイゼン
そんな荒唐無稽なタイトルを、よく間違えずに暗記できたな?

カーヴェ
さっき購入手続きをしたときに、教令院の執務室で何度もタイトルを繰り返したんでね。

アルハイゼン
つまり、その本の新しい持ち主は君になったというわけか。

カーヴェ
ああ、うっかり丸を書いてしまったせいでね!
知ってるか?
ティナリ、ディシア、セノ、みんな登場人物の名前に丸を付けたんだ。
僕がマークしたのが「犯人」だったからって理由で。

アルハイゼン
そうか。
実を言うと、犯人の名前に丸が付けられていると気付いた時点で、こうなるだろうと予想していた。

カーヴェ
待て。
君も読んだのか?

アルハイゼン
昔、知恵の殿堂でな。
論理が支離滅裂で、上手く書けているとは言えなかった。
それにカーヴェ、本を書斎に置いていただろう?

カーヴェ
つまり、僕が犯人の名前に丸を付けたのを最初から知っていたと?
じゃ…じゃあ、この中に君が書いた丸は?

アルハイゼン
さあ、どう思う?

カーヴェ
…ってことはやっぱりあるんだな?

アルハイゼン
二つ目だ、それが俺の書いたやつだ。

カーヴェ
なに!?

アルハイゼン
ネタバレを防ぐには、ミスリードを追加するのが一番だ。

カーヴェ
じゃあ、なんで一つだけなんだ?
ティナリは三つも書いてたぞ。

アルハイゼン
次の閲覧者がネタバレに遭う確率を下げたんだ、それで十分だろう。
他の取り返しのつかない部分については気にしたってしょうがない。

カーヴェ
しょうがなくはないだろ?

アルハイゼン
消せないインクで最初のページに丸を付けたのは、取り返しのつかないことだ。

カーヴェ
くっ、君はただ面白がって丸を付けただけだろ!

アルハイゼン
強いて言えば、そのマークは本そのものよりもずっと面白かった。

カーヴェ
…はぁ、そうだな。
結局のところ、鉛筆を切らしていた僕が悪い…
新しいのを買わないと。

アルハイゼン
おめでとう。
その本は大勢の人が共に「書き上げた」作品だ。
今、その唯一無二の本は君のものとなった。

カーヴェ
これが喜んでいるように見えるか!
はぁ…
こんなの別にいらないのに…

パイモン
あはは、オイラもいらないな!

>(私も…)

《任務完了》