フェルロイス(警察隊員)

4.5 修正(吹出)

どう、実験は順調?

①まあまあ。
②結構楽しい。

ふぅ…
それなら安心だ。

 ❶天才も実験を心配するものなの?
 ❷すごく自信があるのかと思ってた。

私が本当の天才だったら良かったんだが…
実を言うと、私はごく普通の一般人だ。
十年間平凡に生きてきて、これといって特筆すべきこともない。
何年か前まではもっと情熱を持っていた。
けど、人質を助ける時に一発撃たれてしまったんだ。
その痛みのせいで夜中によく起きることがあって、睡眠の質がすごく悪くなった。
で、今みたいに元気もなくなってしまってね。
銃による怪我ってのは厄介だよ、はぁ。
幸い、その時は人質を全員助けることが出来たけど…
ま、それが私の人生における数少ないハイライトシーンかな。

  >じゃあ、なんでシェニーは天才って言うの?

ああ、それか。
恥ずかしい話なんだが、彼女が警察隊に入ってすぐの頃、シェニーと他の新人たちと食事会をしたんだ。
その時にうっかり飲みすぎて、かなりホラを吹いてしまってね。
「フォンテーヌ科学院を三度断った」っていうのは、本当は三度断られたんだ。
私は天才なんかじゃない。
時々ちょっとした発明品をいじるのが好きな凡人だよ。
でもまさか、シェニーと新人たちが信じてしまうとは。
私たちの仕事はパトロールばかりであまり白くないから、退屈な時によく絡まれてあれこれ聞かれるんだよ。
だから「嘘」を続けるしかない。
自慢じゃないけど、科学院のああいう高度な研究とは比べ物にならないが、私も役に立つ小っちゃな発明品をいくつか作り出してる。
もちろん、全部自腹でね。
でも、新人には上から経費をもらってるって言ってるんだ。
そっちのほうがイケてる感じがするだろ?
これは内緒にしておいてくれ。

   >いつかはバレるでしょ。

まぁ…
それも避けられないことだ。
でも、新人の好奇心にも限りはある。
多くの人はもう私の発明品に対する興味が無い。
残るはシェニーだけ、あの子だけがずっと絡んでくる。
いつかシェニーも飽きてくれたら、もうこの嘘をつき続ける必要がなくなるさ。
そうしたら私も少しは楽に…
まぁちょっと落ち込むかもしれないけど。
ははは、人ってのはこういうもんだよ。
私も例外ではない。