平善(「鶴冠香」茶店の店主)

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遠くからよくいらっしゃいました。
「鶴冠香」を焚いて縁起を担ぐのはどうですか？

①「鶴冠香」？

あそこをご覧ください。
遺瓏台の外には崖から突き出た石台があり、鶴の頭のような形をしているでしょう？
あの「鶴冠」の香炉で香を焚くと、仙人があなたの願いをよりはっきりと聞き入れてくれると言われており、非常にご利益があるんです。
でも「鶴冠」は山の外に高くそびえ立っているため、多くの客人は下をちょっと見下ろしただけでも足がすくんでしまうようです。

そういうわけで、私たちが代わりに香を焚くという仕事を行っているのですよ。

お茶二杯分の料金だけでよい兆しを求めることができるんです。
誰もが喜んで利用されますよ。

　＞沈玉の谷も鶴の仙人を信じているの？

よい質問ですね！
私も過去に同じように思ったことがあり、師匠に尋ねたことがあります。

師匠はただ、「錦鯉仙人でも鶴仙人でも鹿仙人でも、民衆を守ってくれる仙人は皆良い仙人だ」と言っていました。

だから私もそれ以上は深く考えないことにしました。
伝説にまつわる話というのは嘘と真実が混じり合っていますから。
誠意さえあれば幸運が訪れるんですから、細かいことを気になくてもよいのです！

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②あなたは？

私はこの茶屋の店主で、遺瓏台の日常的な清掃も請け負っています。

昔、この地には観光客が絶えませんでした。
私は師匠からこの仕事を引き継いでもうすぐ二十年になり、これまでに数えきれないほどのお客さんに代わり「鶴冠香」を焚いてきました。
この景勝地があまりにも有名で、各種風景画や写真機で撮られた写真が出回っているためだと思いますが、この風景の事を耳にしたり、直接見たことのある人が今では大勢いるんですよね…

そうしてこの景勝地の魅力は間違いなく低下し、もう何年も以前のような盛況を取り戻せていません。
時代は常に変化するものだから仕方ありませんよ。
意気消沈していても意味はありません。
私は弟子を募り、この「鶴冠香」の伝統を後世にまで伝えていくつもりです。
そして時間ができたら文人にお願いして、遺瓏台に関する物語を書いてもらって宣伝することも忘れませんよ。
そうすれば、より多くの人が自分の足で遺瓏台に赴いて「鶴冠香」を焚くことが非常にご利益のあることだと、理解してくれるようになるでしょう…

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③今はいいかな。ありがとう！

ではまたお越しください！
お香を焚き上げたい時は、いつでもお手伝いしますので…
きっと、私の将来の弟子もね！