(これも私のせいだっていうの…)

まったく、私のせいじゃないっての…

①何があったの?

こっぴどく叱られた。
貨物船の航行誘導をしている時に私が航路を間違えて、座礁しそうになってね…
確かに責任の一端は私にあるけど…
全部私のせいってわけじゃ…
港の定例水文調査が長らく中断されていて、手元にあるハイドログラフが長いこと更新されていなかったのよ…
最新のハイドログラフがあれば、こんな問題を起こすことなんてないのに。

 ❶航行誘導を任されてるの?

知らないの?
ルミドゥースハーバー周辺の水文環境はかなり複雑で、水中には浅瀬があったり溝があったり…
挙句の果てには岩礁も続いてるのよ。
だから貨物船がこの港を出入りするときは、港が「誘導員」を同行させて、安全ではやい入港ルートを案内するの。
…でも、最近ルミドゥースハーバーの状況が少し…
複雑でね。
誘導員が大勢辞めてしまった。
おかげで残された私たちは過労気味よ。
はぁ、いつになったら終わるのか…

 ❷さっき言ってた水文調査って…

ああ、それ?
ほら、水中の環境ってときどき変わるでしょ。
どこかの沈没船が水に流されてきて水路を塞ぐこともあれば、もともと塞がっていた水路が水流の衝撃で流れるようになったり…
確実な航行誘導のために、港が定期的にプロの調査員を雇って、ルミドゥースハーバー周辺の水域をくまなく調査してもらうのよ。
それからすべての水文状況を最新のハイドログラフに起こして、誘導員全員に配るの。
ところが…
港側は何を考えてるのか、もう長いこと水文調査を依頼してないの。
だから私たち誘導員は、旧版のハイドログラフと経験だけを頼りに誘導しているのよ。
まったく、大事故を起こすとこだったわ…

  >じゃあ、これからどうするの?

カシニョールさんが全面的な水文調査業務の再開を準備しているって聞いたわ。
それ自体はいい事だけど、水文調査はかなり時間がかかるものだし、いつ調査が終わるのかも分からない。
だからって港を止めるわけにもいかないし…
まったく…
それまでは経験を頼りにやるしかないわね…

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②さようなら。

またね。
私はハイドログラフの研究を続けるわ…