トルクシーの不思議な冒険・上/水妖の推察

4.2 修正(吹出)

◆デラロッシュ(フォンテーヌの漁師)
◆「トルクシー」
◆ジュリア・ドストレ

釣り協会からの報告によると、彼らは何かトラブルに遭遇しているようだ…

…フォンテーヌ釣り協会に行く…

デラロッシュ
あれじゃないよね…
いや!あれかも…
いやいや!絶対違う…
でも本当にそうだったら…?

パイモン
よう!
おまえ、一人でなにぶつぶつ言ってるんだ?

デラロッシュ
ん?
あ、気にしないで…
私はフォンテーヌ釣り協会の理事デラロッシュ。
何か手伝ってほしいことでも?

>あなたの依頼を受けた。

デラロッシュ
ああ、冒険者のお二人か!
ずっと待ってたよ。

パイモン
やっぱ、なんか悩んでるんだな。
オイラたちは、超経験豊富な冒険者だぞ。
ちょっとだけモラを払ってくれれば、どんな悩みも解決だ!

デラロッシュ
よかった。
ちょうどあなたたちみたいな助っ人が必要だったんだ。
最近エリニュス島にある釣り場の魚群が消えたんだよ!
それも突然。
だから私たちが全部釣ってしまったというのはありえない…
フォンテーヌ釣り協会の理事として、すぐに調査しに行こうと思ってたんだ…

>「けど」って言いそう。

デラロッシュ
コホン、その通り…
けど、フォンテーヌ釣り協会の理事として、他の用事があって離れられないんだ、だから…

パイモン
次のセリフは絶対、「二人に調査を依頼したい」だな。

デラロッシュ
そう!まさに!
だから二人に調査を依頼したいの…
二人は一体何者?
童話の占い師みたい…

>自己紹介はしてある。

パイモン
オイラたちは、超経験豊富な冒険者だぞ!

デラロッシュ
ははは、それならよかった。
こういう依頼はあなたたちみたいな人にだったら安心してお願いできる。

パイモン
魚群が消えた原因を調べるだけだろ?
そんなに難しくもなさそうだぞ。

デラロッシュ
いや、二人とも油断しないで。
フォンテーヌ釣り協会の理事として、魚群が消えた原因は水妖のせいなんじゃないかって思うんだ…

>水妖って?

デラロッシュ
二人はフォンテーヌ人じゃないよね?
フォンテーヌの童話には、水の中に住んでいる恐ろしい生き物がいる。
その名も、トルクシー。

デラロッシュ
大人たちは子どもに言い聞かせるの。
水辺に行ったらトルクシーに捕まって食べられちゃうぞ、だから水辺には行っちゃだめって。
それが水妖だよ。

パイモン
子どもを食べる水妖!?
どんなやつなんだ?

デラロッシュ
私のお父さんは、虹色の美しい蛇だって言っていたけど、お母さんはかっこいい顔立ちだったって言ってた。
でも、人を惑わす太っちょのペンギンだという人もいて…
おかしいよね。
見た目についてはいろんな説があるけど、そいつが危険だというのは共通認識だよ。
白骨に囲まれた水中洞窟に住んでいて、独りぼっちの子どもの気配が分かるんだって…
そして、とても美しい歌声で子どもたちを水辺に誘惑して、わっ!
と一口で食べちゃうの…
とても怖いでしょ?

パイモン
うう…
確かにこわいけど、童話だろ?
子どもたちを水辺に近づけさせないために作られた…

デラロッシュ
でも、童話にもその元となった本当の話があるかもしれない。
水に源があるように。

>何か根拠はある?

デラロッシュ
根拠とは言えないけど、噂では…
最近その辺りで子どもが何かに取り憑かれたように、ぼうっとした様子で水中に入っていったと聞いたよ。
これはまさに水妖の仕業みたいじゃない?

パイモン
なんだって!
本当に水妖に食べられた被害者がいるのか?

デラロッシュ
ただの噂話だから、確認はできないけど…
でも、事件が発生したエリニュス島は、とんでもないところなんだよ!
歌劇場もルキナの泉も、多くの水脈の源がそこにあって、あとは怪奇な迷霧や、地底に根を張る巨木…
そして人の言葉を話せるヴィシャップもいるって伝説がある。
こんな伝説だらけの島なんだから、恐ろしい水妖が隠れているのも頷けるでしょ?

パイモン
ほんとかよ?
どんどん怪しくなってくるな…
でも、被害者が出てるとしたら、放っておくわけにはいかないよな?

>調べに行ってみよう。

デラロッシュ
よかった。
じゃあその水域をあなたたちのマップに記しておいたから、どんな結果でも、自分たちの安全を第一にね。

…魚群が消えた水域を調べる…

パイモン
ここが例の水域か?
意外と静かだな…
あっ、見ろ!
水辺に足跡があるぞ…

…岸辺の足跡を調べる…

真新しい足跡
(足跡は水中に向かって伸びてる…)

パイモン
この足跡は新しいな…
まさか、また被害者が出たんじゃないだろうな?
この近くに、他の手がかりがないか調べてみようぜ。
待った!
なにか音が聞こえなかったか?

グル――グル――
水辺から聞こえる…
グル――グル――
音はだんだん大きくなる…
バシャ――
何かが上陸した…

パイモン
うわっ!
なんだ!?
こっちに来るな!

???
パイモン?旅人?

>フレミネ?

フレミネ
ごめん…
まだこれをつけたままだった…

フレミネは潜水用ヘルメットを外した。

パイモン
フ、フレミネ!?

フレミネ
パイモン、大丈夫?

パイモン
ふぅ…
本当にびっくりしたぜ。
ヘルメットを被ったフレミネだったのかよ!
水妖かと思った…

フレミネ
…水妖?

>いま水妖のトルクシーを調べてる。

フレミネ
トルクシー?
あなたたちも…

パイモン
も?
誰か水を調べてる人がいるのか?

フレミネ
いや…
あなたたちと状況は違うみたいだけど…

>詳しく教えてくれる?

フレミネ
うん…
あなたの命令なら…
その人はぼくの雇い主。
ぼくがクロックワーク工房で委託販売しているペンギンのおもちゃを気に入ったらしく、店主を通じれてぼくに連絡をくれたんだ。
特別なおもちゃをオーダーメイドしたいからって。
ご要望に応えて、おもちゃの名前は「トルクシー」にしたんだ。

パイモン
水妖の名前を取るなんて、なんだか不吉だぞ…
あ!
そうだ、フレミネは依頼をあまり受けないんじゃなかったのか?

フレミネ
…先方には特別な事情がある。
プライバシーに関わることだから…
詳しく話せないけど。
でも大丈夫。
雇い主があとで様子を見に来るから。
あなたたちが頼れる仲間だって伝えておく。
もしかしたら、何か情報を教えてくれるかもしれない。
そうしたら引き続き調査ができるかも…

パイモン
へへ、フレミネって喋り方は素っ気ないけど、結構優しいよな。
でも、オイラたちが水妖の調査をするとは限らないんだ。
魚群が消えた謎を調べるのが主な目的だからな。

フレミネ
それって…?

釣り協会からの依頼を伝えると、フレミネは少しうなずいて、何か思い当たることのあるような表情を浮かべた。
突然、フレミネの呼吸が一瞬止まった。

フレミネ
コホッ…
そういうことか…
最近…
毎日水中に入って「トルクシー」のテストをしてるんだけど、その圧力実験で結構な大きい音が出る…
だから…その…
うん、魚たちはぼくのせいで驚いて逃げてしまったのかもしれない。

パイモン
ええ!?
それが理由なのかよ!
でも、確かにつじつまは合うな…
もしかして、例の取り憑かれたように水に入ってく子どもは…
まさか…

>仕事しにいこうとしたフレミネ?

フレミネ
ぼ、ぼくもそう思う…

パイモン
なんだよ。
大事かと思ったのに、フレミネが原因だったのか。
童話の中の水妖がどんなやつかと思ったけど、とんでもない勘違いだな!

フレミネ
ごめんなさい。
みんなに迷惑をかけたみたいで…
仕事はすぐに終わらせるから、魚たちもすぐ戻ってくると思う。

①気にしないで、ただの勘違い。

フレミネ
ありがとう…

パイモン
そうだ、フレミネ。
仕事はあとどのくらい残ってるんだ?
手伝ってやろうか?

-------------------------

②気にしないで、何か手伝おうか?

-------------------------

フレミネ
ありがとう…
でもこれ以上あなたたちに迷惑はかけられない。

パイモン
なによそよそしくなってんだよ。
オイラたちは頼れる仲間じゃないのか?
仲間なら、仲間らしくしないとな。

フレミネ
でも…
依頼の調査結果を伝えに行かなくていいの?

パイモン
おまえはわかってないな。
釣り協会は、魚群を元通りにしてほしいとは言ってなかった。
けど、もしこの一件が勘違いだったと言ってみろ…
また別の依頼を出して、今度は魚群を取り戻してほしいって言ってくるぞ。
へへっ、なんでオイラがわかるかは質問しないでくれよな。

>私たちは超経験豊富な冒険者だから。

パイモン
旅人の言う通りだぜ!
だからおまえの仕事を早く終わらせて、魚群が戻ってくれば、無駄に一回往復しなくて済むんだぞ!

フレミネ
そういうことだったの…
旅人もそう思う?

>パイモンの言う通り。

フレミネ
ふぅ――
分かった。
あなたの判断なら、従うことにする。
ついてきて…
向こうにぼくの臨時拠点があるから。

…フレミネの拠点に行く…

フレミネ
「トルクシー」はテントの中にいる。
簡単な言葉を認識できるから、こっちに来るかどうか、名前を呼んでみて。

パイモン
ハイテクだな!
オイラが呼んでみるぞ。
お一い、「トルクシー」――
聞こえるか?

…「トルクシー」と会話する…

「トルクシー」
-.. -... .-- -...?

パイモン
わあ!
これが「トルクシー」?
「ペールス」と似た見た目をしてるな。
どっちもペンギンだ。

フレミネ
うん。
もし「トルクシー」がペンギン町にいたら、「ペールス」と仲の良い友達になってると思う。

>「ペンギン町」ってどこにあるの?

フレミネ
…気にしないで、あまり目立たないところにある…

パイモン
おい!
「トルクシー」!
こんにちは!
おまえ、あいさつはできるのか?

「トルクシー」
-.. -... .-- -...?

>「トルクシー」は喋れるの?

フレミネ
元々は言語出力モジュールも組み込む計画だったけど、工数を考慮して途中で諦めたんだ。
いま「トルクシー」は、マザーボードに入力された信号コードを出力できるけど、ぼくたちが分かる言語に変換することはできない。
だから喋れるとは言えない…

パイモン
そ、そんな専門的な話は大丈夫だ!
わかったぞ、おまえはオイラたちにこの言語モジュールってやつを完成させてほしいんだな?

フレミネ
…いや、その必要はない。
雇い主もその条件をつけていない。
これはぼくのちょっとした腕試し…
二人に手伝ってほしいのは他に二つある。
一つは、「トルクシー」のオペレーティングシステムで回路のデバッグを実施すること。
トルクシーがどんな状況においても問題なく動作できるようにね。

パイモン
なんか難しくなさそうだな。
じゃあ二つ目はなんだ?

フレミネ
二つ目も簡単だ。
「トルクシー」の武器を作るために、水中で彩色貝殻、珊瑚といった材料を探してほしい。

パイモン
武器まで?
「トルクシー」は戦闘もするのか?

フレミネ
うん、「トルクシー」は凛々しい王子のように、武器を高く掲げて前進する。
これは雇い主のリクエスト…

パイモン
おまえの雇い主は変わってるな!
「トルクシー」に水妖の名前をつけておいて、王子の姿にしてほしいって…

フレミネ
水妖であろうと王子であろうと、「トルクシー」の誕生の目的に変わりはない。
彼は「ペールス」と同じく、人に寄り添うために生まれたんだ。

「トルクシー」
-.. .--. -. --.- -... .... --- .--- ..-.

パイモン
うわっ!
「トルクシー」がまたなにか言ってるぞ、オイラたちの話がわかるのか?

フレミネ
トルクシーは、いくつかのキーワードに反応するんだ。
でも自己翻訳モジュールがないから、申し訳ないけど、交流はまだ出来ない…

パイモン
残念だ…
まあいいや。
早く作業を始めようぜ!
そうだな…
回路のデバッグから始めるか?
拠点の中で完結できそうだ。

フレミネ
うん、マザーボードはぼくの工具台の上にある。
ついてきて。
ここだよ、ここにデバッグマニュアルがあるから、分からなかったら見てみて。
いま試してみる?
失敗しても気にしないで、替えのマザーボードはたくさんあるから。

>試してみよう。

フレミネ
うん…
あなたなら、きっと大丈夫。

-------------------------

フレミネ
やってみて、マザーボードはすぐそばの机にあるよ。

-------------------------

「トルクシー」
-.. -... .-- -...?

-------------------------

…マザーボードをメンテナンスする…

…フレミネと会話する…

フレミネ
うん、これくらいの仕事は簡単にこなせちゃうみたいだね。

パイモン
へへっ、オイラたちはこういう仕事をたくさん受けたことがあるんだぞ。

フレミネ
じゃあ、次は水辺に行こう。
さっき言ったように、水中で彩色貝殻と珊瑚を探すのが目的だよ。
そうだ。
あなたたちはフォンテーヌの水中環境には結構慣れてるよね?

①まあまあ。
②楽勝。

フレミネ
なら大丈夫。
気分が悪くなっても慌てないで。
ぼくがずっとそばについてるから。

…フレミネから聞いた水域に行く…

フレミネ
すぐそこだよ。
そこにぼくたちの探索に役立つものがある。
あった。
これはこだまホラガイ。
水中の特殊な反射波を感知して、水中の探索、捕獲作業にも役に立つ。
よかったら試してみて。

…こだまホラガイを使う…

フレミネ
何か変わったところに気がついた?
それがおそらくこだまホラガイが反応したものだよ、探しに行ってみよう。

…武器を作るための材料を探す…

トルクシーの武器材料
水中で集めた色鮮やかな小物。
トルクシーの武器を作るために使う。

フレミネ
うん、これくらいで十分だね。
拠点に戻ろう。
水中でこんなに長い間、お疲れさま。

…拠点に戻る…

ジュリア・ドストレ
~♪♫♪
あら、フレミネさん。
帰ってきたのね、水中に行ってると思ったわ。

フレミネ
ジュリア・ドストレ夫人。
すみません、お待たせしました。
「トルクシー」の進捗は順調です。

ジュリア・ドストレ
急がなくて大丈夫よ。
私は雇い主であって、現場監督ではないのだから。
あら、こちらのお二人は…?

フレミネ
二人は…
頼れる仲間です。
手伝いにきてくれました。

ジュリア・ドストレ
ええ、分かるわ。
頼れる人のそばには、頼れる人がいるものよ。

パイモン
ジュリア・ドストレ夫人、こんにちは!
おまえがフレミネの雇い主なのか?
オイラはパイモン、こいつは旅人だ。

ジュリア・ドストレ
あら、こんにちは。
大きなお仲間と小さなお仲間さん。
二人ともかわいいわね。
屋根裏にいる小さな妖精さんみたい。
私のことは、気軽に名前で呼んでちょうだい。

パイモン
えへへ、ほんとか?

>私も妖精みたい?

ジュリア・ドストレ
もちろんよ。
もし私の子どもにもあなたたちみたいなお友達がいたら、水妖のストーリーにのめり込んだりして、フレミネさんに手間をかけさせたりしなかったかもしれないわね。

パイモン
水妖のストーリーにのめり込む?

ジュリア・ドストレ
私のことを何も知らないのかしら?
フレミネさんがもう話したものだとてっきり。

パイモン
フレミネは、夫人のプライバシーだから、詳しくは話せないって言ってたぞ。

ジュリア・ドストレ
そうだったのね。
フレミネさん、思った以上に信頼できる人ね。
お二人も今回の件を手伝ってくれるのなら、詳しく話してもいいと思うわ、今後の進展にもつながるかもしれない。
でも、許可なしに他人に愚痴をこぼすのはちょっと失礼な気もするわね。
あなたたち…
聞いてくれるかしら?

パイモン
ジュリア夫人、困り事があったらなんでも話してくれ。
オイラたちのこと可愛いって褒めてくれたし、オイラたちもどうにかして夫人の悩みを解決するぜ!

ジュリア・ドストレ
あら、本当に可愛らしい妖精さんね。
どこから話せばいいかしら…
水妖の物語について、二人はもう知っているわよね?
子どもを安全なところに置くために、水辺に行くと水妖に捕まるという話を大人たちが作り出したの。
でも、私の子どもは変わっていて、みんなが怖がるトルクシーに夢中なのよ。

パイモン
水妖に夢中…?
すごいことだな!

ジュリア・ドストレ
ええ、こうも言っていたわ。
みんなは水妖を誤解しているだけかもしれない、水妖は寂しくて、子どもたちに歌を聞かせたいだけかもしれないって。
だから、うちの子はよく一人でこっそり水辺に行くのよ。

パイモン
水妖が孤独だから、友だちになろうってことか?
誰も思いつかないような考えを持ってるんだな!

ジュリア・ドストレ
ありがとう、パイモン。
確かにみんなとちょっと違うわ。
だからまだ八歳なのに、孤独病を患ったの…

>孤独病?

ジュリア・ドストレ
ええ、一種の心理的な病よ。
孤独病の患者は、時々深い孤独を感じて、いろんなことに対して興味を失ってしまうの。
これもあって、水妖と友達になりたいのかもしれないわ。

パイモン
そんな…
その病気は深刻なのか?

フレミネ
もし、パイモンが旅人に一日千言喋ってるとしたら、病気を患うと一言、二言しか喋れなくなるかな。

パイモン
それはだめだ!
はやく医者を呼んで、その病気をやっつけないと!
オイラはこいつと毎日少なくとも二千言は喋りたいんだ、一言も減っちゃだめだ!

ジュリア・ドストレ
私のかかりつけ医がもう診てくれているわ、でも症例が少ないから、良い治療法がずっと見つからないの。
最近になって、新しい症状も出てきて…
例えば、制御不能型幻想とか。

パイモン
それってなんだ?

フレミネ
制御不能型、幻想。
つまり、幻覚や幻想に陥ることを制御できず、現実と混合すること…

パイモン
じゃあ、幻想でなにを見てるんだ?

ジュリア・ドストレ
子どもが幼い頃によく見ていた夢の話よ。
最近その断片的な独り言を記録してみたんだけど、こんなお話なの…

かつて、サラシア海原の深さ五百尋の水中で、壮大で華麗な水妖王国があった。
そこには、数え切れないほどの可愛い水妖たちがいて、七色の貝殻と珊瑚で建てられたお家に住んでいる。
昼間は一生懸命海獣の面倒を見て、夜は金色の水草の間で歌う…
水妖たちは、こうやって幸せに暮らしていた。
虹の巡礼日、つまり新たな王様が降臨する重要な祭日が来るまでは。
その日の前に、水妖たちは自分たちの家から最も貴重な貝殻を一つ選び、金枝と金葉で結びつけて、みんなに最も愛されている水妖王子に捧げようとした。
巡礼日当日、王子様はそれらの貝殻で建てられた虹の架け橋の上を歩き、最後にすべての水妖たちに向けて新たな王の祝福を浴びせる。
そして、この王子の名前こそが、私たちがよく知るトルクシー。


パイモン
すごいな…
これ全部夫人の子どもが幻想で考えたことなのか?
トルクシーのために可愛い童話世界を作って、美しい夢みたいだな。

ジュリア・ドストレ
でも美しい夢は長続きしないわ。
その後、この物語に変化が訪れたの…

その日、虹の巡礼日は予定通りやってきた。
しかしそれに伴って訪れたのは、無数の魔物。
魔物たちは邪悪で、残忍で、恐ろしい。
歌を愛する水妖たちは、抵抗する力がなく、王国は攻め落とされ、国王は殺されて、水妖たちはとらわれた。
鮮やかな虹の架け橋は、この日をもって廃れた。
仮面を被る謎の人物に保護されて、王子はなんとか逃げ出したが、王子は全てを失った。
そして、毎日悲しみを歌っている…
その歌声は、同じく独りぼっちの子どもにしか聞こえない。

パイモン
こんな結末になるなんて…
この幻想のせいで孤独病になったのか?

フレミネ
どちらかというと、孤独病のせいでこんなひどい幻想が見えるようになったというほうが正しいのかな。
でも本当に恐ろしいのは、お子さん自身がだんだんこの童話の世界に陥ったということ…

>どういう意味?

ジュリア・ドストレ
あの子は可哀想なことに、幻想と現実の区別が曖昧になって…
自分をトルクシーだと思うようになったの。

フレミネ
もしかしたら、その子が長いこと感じてきた孤独は、すべてを失った王子の孤独と同じなのかもしれない。

パイモン
ええ!?
それが制御不能型幻想なのか?
はやく治してあげないと!

ジュリア・ドストレ
はぁ…
あの子は大半の時間、現実から隔離されているの。
かかりつけ医と話し合った結果、今はあの子の幻想を導くところから始めたほうがいいってことになったわ。

>幻想を導く?

ジュリア・ドストレ
あの子は昔、幻想の世界を絵本に描き出そうとしていたの。
病気のせいで一ページ目で止まってはいるけど…
この絵本が突破口よ。
はい、二人とも見てみて。

【?】えほん

パイモン
え…
ジュリア夫人の子どもも、トルクシーがペンギンだと思ってるのか…
なんだか悲しそうに見えるな。

ジュリア・ドストレ
だから、次にやるべきことは、あの子のためにこの絵本を完成させることよ。
私たちが描くのは、仲間たちの助けによって、水妖王子は王国を取り戻したという話。
私たちが孤独と悲しみを追い出して、世界は希望で溢れているんだと、あの子に感じてもらうの。
これが幻想を導くということよ。

パイモン
でも、絵本を完成させたいだけなら、なんでフレミネに「トルクシー」を作ってもらう必要があるんだ?

ジュリア・ドストレ
なぜなら、私たちはこの絵本に真剣に向き合わなければいけないからよ。
まるで本当に起きたことかのように…
だから、「トルクシー」と一緒に旅を始めて、水妖王国を取り戻すの。
でも…
私の子どもは、もう遠出ができない。
だから、フレミネさんに「トルクシー」の製作を頼んだの。
そしてトルクシーとこの旅を絵本にするつもりよ。

パイモン
ああ、代わりってことか!
ちょっとわかってきたぞ。
ジュリア夫人は想いをそこに詰め込んでるんだな…
でも、水妖王国はどこを探せば見つかるんだ?

ジュリア・ドストレ
サラシア海原の水中には遺跡があって、フレミネさんに捜索を頼んだことがあるわ。
その遺跡を水妖王国ということにするの。

パイモン
おお!
『水妖王国大冒険』の劇みたいに、遺跡の魔物を追い払えば、水妖王国の魔物を追い払ったということになる。
そういうことだよな?

フレミネ
ちがう、これは劇じゃない。
ジュリア夫人が言ったように、この件には真剣に向き合わなければならない。
真実として捉えなければ、真剣とは言えない。

パイモン
じゃあ…
芝居を本当に再現するということか?
いや…
没入型冒険ということか?
それもちがうな…
まあいいや、なんにせよ、オイラたちは手伝えると思うぞ。
そうだよな?

①最善を尽くすよ。
②きっと問題ない!

ジュリア・ドストレ
大丈夫よ。
みんなそんなに深刻にならないで。
大したことじゃない、あの子はきっと、夢が好きすぎてまだ夢から覚めたくないだけだと信じているわ。

フレミネ
ジュリア夫人…

ジュリア・ドストレ
ポジティブにね、みんな。
私たちまで落ち込んでいたら、患者さんもきっと滅入っちゃうわ。
さて、そろそろ時間だし、私は家に帰って子どもの様子を見ないと。

ジュリア・ドストレ
子どもにもっといい環境で療養してもらえるように、一時的にあの丘の上に引っ越してきたの。
水辺から遠くないし、視野も開けているわ。
もし急用があれば、私のところに来てね。

フレミネ
分かりました、ジュリア夫人。
そういえば、この二人の助力により、「トルクシー」の進捗は早倒しになって、明日には完了できる見込みです。

ジュリア・ドストレ
それは素晴らしいわ。
みんな、ありがとう。
それなら、水妖王国への出発は二日後。
集合場所はここでどうかしら?

>分かった。

ジュリア・ドストレ
じゃあみんな、また二日後に会いましょう。

パイモン
ジュリア夫人はポジティブで強い女性だな…
でもフレミネ、ジュリア夫人のやり方は本当に効くのか?

フレミネ
…テントに戻ってから話そう。
さっきジュリア夫人がいて、話せなかったことがある。

…フレミネと会話する…

パイモン
どうしたんだフレミネ?
話せなかったことって?

フレミネ
コホッ…
できれば、二人にはちょっと心の準備をしておいてほしい…

>心の準備って?

フレミネ
こういう患者に会うのは初めてでしょ?
あなたが強くてきっと全力で助けてくれるのは分かるけど、この病気が、もし…
もしぼくたちが望むような結果にならなかったとしても…
それを受け入れて、どうか自分を責めないでほしい…

パイモン
フレミネ、突然どうしたんだよ?
さっきジュリア夫人と、ポジティブにって約束したじゃないか?

フレミネ
ポジティブじゃないわけではないんだ、ただ…

>そういう患者をよく知ってるの?

パイモン
おまえさっきから「自分はわかってる」みたいな感じで…
あっ!
もしかして、おまえも…?

フレミネ
いや、誤解しないで、違うんだ。
ぼくはただ…
ただ、壁炉の家に入った後、前院長の時代に見たことがあるから。
彼らによると、この病の要因は複雑なんだ。
いろんな説があって、遺伝や心理的問題、環境、地脈の乱れの影響だとか、魔神の残滓のせいだという人まで…
ぼくが知ってる症例の中で、良い結末を迎えられた数は…
決して多くない。
最悪の場合、患者は…
ぼくたちの元から去ってしまう。

パイモン
え…?
そんなに深刻なのかよ?
せいぜい話せなくなるくらいかと思ったけど…

フレミネ
うん。
だから、最悪の結末を受け入れられないのであれば、あなたたちにはここで手を引いてほしい…
そのことで苦しんでほしくないから…

①安心して、私は荒波を乗り越えてきたから。

パイモン
そうだそうだ!
オイラも荒波に揉まれてきたこいつと一緒に、いろんなことに揉まれてきたんだからな。
どんな困難でも、怖がったりしないぞ!

-------------------------

②一理ある。ちょっと考えさせて。

パイモン
なんでだよ!
ちびっこじゃないんだから、冗談はやめろよ。
フレミネ、こいつのことは気にするな。
どんな困難でも、オイラたちは怖がったりしないぞ!

-------------------------

フレミネ
…うん。
分かった、じゃあこの真実の幻想冒険を一緒に完成させよう。

パイモン
よし!
でも、さっきも聞いたけど、その病気がこんなに厄介だったら、この方法って本当に効くのか?
作ったおもちゃを「トルクシー」とみなし、遺跡を探して「水妖王国」とする…
その冒険を絵本にして患者に見せる…

フレミネ
ぼくは…
効くと思う。
その子が幻想を見てるのは、自分自身を救おうとしてるからだと思う。
けど、それを制御する力がなくて、心の中の王国が崩壊してるんだ。
でも、ぼくたちが幻想を制御してあげて、孤独病の子がまた話せるように…
暗い世界から逃げ出せるように手助けしてあげたら、きっと、事態も変わってくる。

パイモン
そう言われると、確かにスジは通ってるな…
フレミネ、どうしてそんなことがわかるんだ?

フレミネ
ぼくもその子と同じように、童話の世界に幻想を抱いたことがあるんだ。
そこでぼくはたくさん助けられてきた。
だから、ぼくは想いの力を信じている。

>さっき言ってたペンギン町とか?

フレミネ
えっ、覚えてたんだ…

パイモン
ペンギン町ってなんだ?
オイラは覚えてないぞ…
それも童話の世界なのか?
教えてくれよ!

突然、フレミネは潜水用ヘルメットを取り出して被った。

パイモン
おいおい、なんで突然それを被りだすんだよ!

フレミネ
その…
これはぼくの…
ちょっとした習慣だよ…
気にしないで…
…とにかく、ペンギン町は静かな町で、そこにはペンギンの住民たちがたくさん住んでいる。
彼らはみんなクロックワーク玩具の製作が得意なんだ。
そして「ペールス」は凱旋の英雄、町で静かにみんなを護っているんだ。

パイモン
「ペールス」?
でも「ペールス」は、おまえが作ったんじゃないのか?

フレミネ
ぼくはよく思うんだ。
もしかしたらぼくが「ペールス」を必要としているのを、「ペールス」が感じ取ったから来てくれたのかもしれないって…
だからぼくが「ペールス」を作ったんじゃなくて、「ペールス」がぼくを選んだんだ。

パイモン
まずいぞ…
なんだか、フレミネも制御不能型幻想になってるみたいだ。

フレミネ
いや、ぼくは現実をはっきりと認識できる。
ただ、それと同時に…
この幻想の童話世界も存在しているんじゃないかと思ってるんだ。
ぼくたちが簡単には見つけられない隅っこにあって、特殊なタイミングでのみ、ぼくたちのそばに降りてくるって…

パイモン
特殊なタイミング?
そのヘルメットを被ったタイミングか?

フレミネ
…時々、たまに…

パイモン
ほんとかよ!?
オイラ、適当に言ってみただけなんだけど…

フレミネ
水の中から外を見たことはある?
まるで違う世界に隠れて、元の自分たちの世界を観察してるみたいなんだ。
その感覚はとても特別で、少し不思議で…
安心するような気分にもなる。
潜水用ヘルメットを被るのも同じ。
こうすることで、何か…
素敵なものが見える。
童話がこの瞬間だけ現実になるような、奇跡みたいに。

パイモン
奇跡!?

>そのヘルメットを被りたくなってきた。

フレミネ
…あなたの命令なら…

①冗談。

パイモン
そうだぞ。
フレミネは「トルクシー」の武器を作るのに時間がいるし、ここで話をしてるわけにはいかないよな。

-------------------------

②そう、命令。

パイモン
おい!
今はそんなことしてる場合じゃないぞ!
フレミネは「トルクシー」の武器を作るのに時間がいるんだからな。

-------------------------

フレミネ
そう…
パイモン、リマインドしてくれてありがとう。
武器を作る道具を集めて、明日までに完成させないと…
ヘルメットなら、また機会があるはず…
旅人、パイモン。
手伝ってくれてありがとう。
ぼくは先に行くよ。
また二日後、ここに集合しよう。

>≪王子の国