閉幕の時

3.6 修正(吹出)

ふと、会食の時にカーヴェが教令院に行くと言ったことを思い出した。
彼と話をしてみよう。

…教令院に行ってみる…

…カーヴェと会話する…


カーヴェ
二十年前、教令院はサーチェンの資産を手に入れたばかりだった。
まるでその巨額の投資を祝うように、その年の学院祭は特別盛大に行われた。
あの頃、僕はまだ幼かった。
シティを歩いていたら、あちこちに学院トーナメントのポスターがあって…
思わず父さんにそのことを聞いた。
あの冠が特別に見えて、とてもキレイだとも言った。
父さんは、「じゃあ父さんが優勝して、冠で遊ばせてやろうか?」と聞いてきたよ。
僕は嬉しくて、一生懸命頷いた。
でも、その試合で、父さんは冠を手に入れることはできなかった。
帰ってきたときは、とてもがっかりしてたな。
その後、父さんは砂漠へ調査に行くと言って、家を出た。
そしてしばらくもしないうちに、流砂に…
…どんなに経っても、僕はこのことを思い出す勇気がなかった。
僕が余計なことを言わなかったら、あんなことにはならなかったかもしれない、ってね。

①お父さんは、その時サーチェンに会ったかも。

パイモン
え?まさか…
オイラたちが聞いた、二十年前砂漠に行ったっていう人だけど、あれって実は――

カーヴェ
……
…ははっ、だからサーチェンは僕を見て、懐かしいなんて感じたのか?
これはまったく…
…優しすぎる父さんのことだ、サーチェンの理論を聞いたときは辛かっただろう。
だから砂漠へ行って、苦しむ人々を探そうとした…
僕にはそれがよくわかる。
……
何度も自分に言い聞かせた。
父さんは優勝できなくてがっかりしたんじゃない、見たままのことが全てじゃないと。
でも…
結局は、僕が試合のことを話したせいだ。

パイモン
カーヴェ…

カーヴェ
心配するな。
僕は…僕はあの冠を壊したんだ。
これからはそんな悲劇は起きない。
もう、起きないんだ…

《任務完了》

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②(以前した調査のことを隠す。)

カーヴェ
すまない、まだ学院トーナメントのことを考えてたんだ。
つい独り言をこぼしてしまった。

パイモン
なんだか悲しそうだけど…
本当に大丈夫か?

カーヴェ
大丈夫さ。
もう過ぎたことだし、人間は前を向いてなきゃならないんだ。

カーヴェと別れの挨拶を交わした後、しばらく辺りをうろうろした…

…教令院に行ってみる…

カーヴェ
会食のとき、どこへ行ってたんだ?

アルハイゼン
君に報告する義務はないと思うが。

カーヴェ
まさか、またどこかで本でも読んでたのか?
君もいい加減生き方を変えるべきだと思うぞ。
本を読むだけじゃ人は生きていけない。

アルハイゼン
そうか?
君の奢りで生きていくほうが、よほど難しいと思うぞ。

カーヴェ
君ってやつは!
ふん、想像に難くないぞ。
どうせサーチェンのことを調べに行ってきたんだろ?
あのメモを見れば分かるさ。
でも意外だな、君がサーチェンの研究に興味を持つとは思わなかった。
あいつのやり方は本当に気に食わない。
君の…
確かに君の観点も嫌いだ、でも君はサーチェンとは異なるタイプの人間だし、その観点において重なってる部分はないはずだ。
利己主義と虚無は違うからな。

アルハイゼン
興味なんてものは置いておくとして、サーチェンは一人の力で、これだけの規模の実験結果を遺した。
そこにまったく意味がないわけではない。
それと、褒めてくれてありがとう。
ただ、俺は院へ行く途中というだけで、君のそういう話を聞きたかったわけじゃないんだ。

カーヴェ
おい、学者にとって、理念を討論するよりも尊い話題ってなんだ?

アルハイゼン
俺の知る限り、君の言う気に食わないサーチェンは、二十年前に君の父親と会っていた可能性が高い。

カーヴェ
…何だって?
…まさか…
いや、そういうことか…
はぁ、だからサーチェンは僕を見て、懐かしさを覚えたのか。
父さんが砂漠へ行ったのは、あいつの影響を受けたからだったのか…

アルハイゼン
恐らく、そうだろう。

カーヴェ
……
冠を壊してよかったよ。
これからは…
こんなことも、もうないはずだ。

アルハイゼン
知識の境界線は、遠く外へと伸びている。
将来、必ず同じことを研究する人間が現れるだろう。
因論派にとって、それは合理的な研究方針だ。

カーヴェ
また君の講義が始まったのか?
たとえ本当に君の言う通り、人間が知識の罠に落ちやすいとしても、必ずしもあんなふうになるとは限らないだろう。
それに…
一部の個体と全体の行動は、必ずしも一致するものではないんだということも、君は認めなければならない。
サーチェンは、極めて特別なケースだったんだ。
彼を止めた君も、またそうだろう。
この種の争い自体は特別なものだが、今の時代に限ったことじゃない。

アルハイゼン
君も言ったじゃないか、「一部の個体」だと。
誰もが君のような選択をするわけじゃないと、ちゃんと分かっている。

カーヴェ
……
…それでも、僕は自分の論点を諦めない。
僕を説得しようとするな。

アルハイゼン
構わない。
俺たちは長いこと、こうした言い争いをしてきた。
今更分かってもらえるとは期待していないさ。
正しいか、間違いか、それはもう話の核心じゃなくなっているからな。

カーヴェ
…教えてくれて、ありがとう。

アルハイゼン
何?

カーヴェ
教えてくれてありがとうって言ったんだ。
おい!
聞こえてないふりをするな!
わざとやってるだろ!

アルハイゼン
感謝がしたいなら、普段の三倍は誠意を見せろ。
さあ、もう一回だ。

《任務完了》