軽やかな筆跡の手紙
ラグヴィンド家の貴公子へ
突然の手紙、失礼するね。
あなたは私のことをもう覚えてないかもしれないけど、私たちは何度も会ったことがあるのよ。
時には広場の近くで、時には「鹿狩り」の隣のテーブルで、時にはあなたの酒場でね…
ラグヴィンド家の貴公子へ
突然の手紙、失礼するね。
あなたは私のことをもう覚えてないかもしれないけど、私たちは何度も会ったことがあるのよ。
時には広場の近くで、時には「鹿狩り」の隣のテーブルで、時にはあなたの酒場でね…
あなたはいつも色んなことに追われていて、忙しそうにしていた。
それに以前のあなたは今よりも口数が多くて、よく仲間たちと楽しそうに話していた。
それに以前のあなたは今よりも口数が多くて、よく仲間たちと楽しそうに話していた。
当時のあなたが私に気付かなかったのはしょうがないけど、私はあなたのことをずっと覚えていたのよ。
ええ、よく覚えてるわ。
うちのクレーがあなたのブドウ畑で晶蝶を捕まえて、きれいに並んでいたブドウ棚をめちゃくちゃにしちゃったことをね…
でも、あなたはまったく怒ることなく、クレーを送り届けてくれた。
その上、搾りたてのブドウジュースまでいくつかプレゼントしてくれたでしょ。
これで、私が誰なのか少しは想像できたかな。
最近、クレーの手紙に「あの赤い髪をした変な大人に最近会ってないんだ」って書いてあったの。
つい気になって、思わず他の人に話を聞いてみたんだけど…
大変だったわね。
あなたの父上のこと、お悔やみ申し上げるわ。
聞いた話では、あなたはいつも完璧で、気品に溢れ、気鋭の名門の騎士だと誰もが言っていた。
けど、あなたは見かけよりも優しいって私は知ってる。
そうでないと、あんな風にクレーと接してくれないもの。
うちの子の面倒を見てくれたから、私もあなたを自分の子供のように可愛がってあげたいの。
だから、あなたが早く暗闇から抜け出して、悲しみや後悔に明け暮れることがないように心から願ってる。
別れはとても辛いけど、人を成長させてくれるものよ。
雨宿りできる軒下を失った鳥は、他の鳥よりもっと高く、遠くへ飛ぶことができる。
外に出てみるのはどうかしら?
今は旅をするのが一番いい選択だと思うの。
今のあなたには、感じて、見て、耳を傾けることが必要。
そうすることで、あなたの心は癒されていく。
親は誰しも、いつまでも子供のそばにいてあげたいと思ってる。
空、海、そして星々は、その誓いを見届けるはずよ。
あなたの父上のすべては、あなたの中に受け継がれた。
あなたがこの世界で感じていることは、あなたの父上が感じていたことかもしれない。
ええ、よく覚えてるわ。
うちのクレーがあなたのブドウ畑で晶蝶を捕まえて、きれいに並んでいたブドウ棚をめちゃくちゃにしちゃったことをね…
でも、あなたはまったく怒ることなく、クレーを送り届けてくれた。
その上、搾りたてのブドウジュースまでいくつかプレゼントしてくれたでしょ。
これで、私が誰なのか少しは想像できたかな。
最近、クレーの手紙に「あの赤い髪をした変な大人に最近会ってないんだ」って書いてあったの。
つい気になって、思わず他の人に話を聞いてみたんだけど…
大変だったわね。
あなたの父上のこと、お悔やみ申し上げるわ。
聞いた話では、あなたはいつも完璧で、気品に溢れ、気鋭の名門の騎士だと誰もが言っていた。
けど、あなたは見かけよりも優しいって私は知ってる。
そうでないと、あんな風にクレーと接してくれないもの。
うちの子の面倒を見てくれたから、私もあなたを自分の子供のように可愛がってあげたいの。
だから、あなたが早く暗闇から抜け出して、悲しみや後悔に明け暮れることがないように心から願ってる。
別れはとても辛いけど、人を成長させてくれるものよ。
雨宿りできる軒下を失った鳥は、他の鳥よりもっと高く、遠くへ飛ぶことができる。
外に出てみるのはどうかしら?
今は旅をするのが一番いい選択だと思うの。
今のあなたには、感じて、見て、耳を傾けることが必要。
そうすることで、あなたの心は癒されていく。
親は誰しも、いつまでも子供のそばにいてあげたいと思ってる。
空、海、そして星々は、その誓いを見届けるはずよ。
あなたの父上のすべては、あなたの中に受け継がれた。
あなたがこの世界で感じていることは、あなたの父上が感じていたことかもしれない。
あなたが歩む風の中で、素敵な出来事に巡り会えることを願っているわ。
気をしっかりね、私の小さなお友達さん。
爽やかな筆跡の手紙
旦那様へ
ガイア様が休暇を取って、アカツキワイナリーに数日泊まっていきました。
本当に珍しいことがあったものです。
ガイア様は昔の自室で過ごされていました。
暇な時は周りを散歩し、食事はアデリンに好きなものを作ってもらっていました。
旦那様へ
ガイア様が休暇を取って、アカツキワイナリーに数日泊まっていきました。
本当に珍しいことがあったものです。
ガイア様は昔の自室で過ごされていました。
暇な時は周りを散歩し、食事はアデリンに好きなものを作ってもらっていました。
まるで昔のように…
懐かしいです。
正直に言うと、ガイア様が数日泊まりたいと言ってきた時は大変驚きました。
ですが、私たちは断りませんでした。
もし旦那様がその場にいたら、はっきりと断りはしないだろうと思ったからです。
アカツキワイナリーは静かな場所です。
それは、ここに住んでいる人たちが皆、穏やかな方々だからでしょう。
懐かしいです。
正直に言うと、ガイア様が数日泊まりたいと言ってきた時は大変驚きました。
ですが、私たちは断りませんでした。
もし旦那様がその場にいたら、はっきりと断りはしないだろうと思ったからです。
アカツキワイナリーは静かな場所です。
それは、ここに住んでいる人たちが皆、穏やかな方々だからでしょう。
家の雰囲気は、中に住んでいる人によって変わります。
ガイア様の来訪で、ここは少し賑やかになりました。
旅に出た旦那様が元気でいらっしゃることを心より願っています。
ワイナリーのみんなは、旦那様に再び会える日を楽しみにしております。
どうかご無事で。
お身体にお気を付けください。
ガイア様の来訪で、ここは少し賑やかになりました。
旅に出た旦那様が元気でいらっしゃることを心より願っています。
ワイナリーのみんなは、旦那様に再び会える日を楽しみにしております。
どうかご無事で。
お身体にお気を付けください。
ただ、ボクの研究は主に錬金術に関するもので、地脈については詳しくないんだ。
だから、ボクなりの解釈を簡単に述べることしかできない。
だから、ボクなりの解釈を簡単に述べることしかできない。
既存の様々な文献によると、地脈は情報を保存する媒体のようなもので、特定の状況になると周りの物事を記録し始めるようだ。
すべての情報は、記録と積み重ねの過程を経る。
そして、一定の時間が経過すると、これら情報が地脈から放出されることがあるんだ。
すべての情報は、記録と積み重ねの過程を経る。
そして、一定の時間が経過すると、これら情報が地脈から放出されることがあるんだ。
これはあくまでボクの大胆な推測に過ぎないが、地脈の動きを刺激する方法が存在するはずだ。
それが分かれば、情報の記録と放出のタイミングをコントロールできるかもしれない。
符文とその他の情報から考えるに、一部の特殊なアビス教団のメンバーなら、そのようなことができるだろう。
ただ、それをする確率は極めて低い。
より深く調べるつもりなら、これらの個体がキミの突破口となるかもしれない。
数年前、地脈の動きとそれに関連する問題について考察した論文を書いた。
その写しを手紙とともに送ろう。
キミの役に立つことを願う。
それが分かれば、情報の記録と放出のタイミングをコントロールできるかもしれない。
符文とその他の情報から考えるに、一部の特殊なアビス教団のメンバーなら、そのようなことができるだろう。
ただ、それをする確率は極めて低い。
より深く調べるつもりなら、これらの個体がキミの突破口となるかもしれない。
数年前、地脈の動きとそれに関連する問題について考察した論文を書いた。
その写しを手紙とともに送ろう。
キミの役に立つことを願う。
豪快な筆跡の手紙
ディルックへ
ディルックへ
ジンからの手紙を読んで本当に驚いた。
俺の予想が正しければ、彼女は君にも手紙を書いたはずだ。
彼女は騎士団全員を代表しているからな。
クリプスはとてもいいやつだった。
俺も彼のことを高く買っていた。
彼の身に起きたことを聞いて、本当に心が痛んだよ。
実に残念に思う。
それから魔龍を退けた件は、君の父上の功績だ。
彼がすべてを賭して手にした結果をイロックが奪うなんぞ、この俺が絶対に認めない。
それに他者を謀り、偽りの名声を得ることを、この西風騎士団では断じて許さん。
ジンには、イロックを厳重に処分するようにと伝えた。
結果が出たら、騎士団がいち早く君に知らせよう。
ただ最近、君は気を晴らすための旅に出たと聞いた。
連絡を取ることもなかなかできないとか。
この手紙が君のもとに届く保証もないだろう。
だから、今回はここまでにしておく。
もし届いていたら、旅の健康と安全を祈っている。
何か必要なものがあれば、遠慮せず連絡してくれ。
君の鷹がこの手紙を届けてくれることを願っている。
俺はあまりペンを執らないからな。
今の君にとって、これは冷たい言葉だと思われるかもしれない。
だが、よく覚えておいてほしい――
彼女は騎士団全員を代表しているからな。
クリプスはとてもいいやつだった。
俺も彼のことを高く買っていた。
彼の身に起きたことを聞いて、本当に心が痛んだよ。
実に残念に思う。
それから魔龍を退けた件は、君の父上の功績だ。
彼がすべてを賭して手にした結果をイロックが奪うなんぞ、この俺が絶対に認めない。
それに他者を謀り、偽りの名声を得ることを、この西風騎士団では断じて許さん。
ジンには、イロックを厳重に処分するようにと伝えた。
結果が出たら、騎士団がいち早く君に知らせよう。
ただ最近、君は気を晴らすための旅に出たと聞いた。
連絡を取ることもなかなかできないとか。
この手紙が君のもとに届く保証もないだろう。
だから、今回はここまでにしておく。
もし届いていたら、旅の健康と安全を祈っている。
何か必要なものがあれば、遠慮せず連絡してくれ。
君の鷹がこの手紙を届けてくれることを願っている。
俺はあまりペンを執らないからな。
今の君にとって、これは冷たい言葉だと思われるかもしれない。
だが、よく覚えておいてほしい――
どんなに大きな困難でも、過ぎてゆくのだと。
俺たちはモンドで君が帰ってくるのを待っている。
復帰する気があるのなら、騎士団はいつでも君を歓迎しよう
復帰する気があるのなら、騎士団はいつでも君を歓迎しよう
(もし君がそれを望まないのなら、この話は忘れてくれ)。
秀麗な筆跡の手紙
ディルック先輩へ――
モンドにお帰りなさい。
あの事件が一段落してから少し経った。
邪魔立てをしていたのがイロックだと判明し、処分もされている。
これを聞いて、少しでも先輩の心が落ち着くことを願う。
ディルック先輩へ――
モンドにお帰りなさい。
あの事件が一段落してから少し経った。
邪魔立てをしていたのがイロックだと判明し、処分もされている。
これを聞いて、少しでも先輩の心が落ち着くことを願う。
それと、また奔狼領から石門にかけてのエリアで、アビス教団の動きが活発になっていることに部下たちが気づいた。
その上、「闇夜の英雄」と呼ばれる謎の人物も現れている。
彼は夜半によくモンド城の周りに出没するのだが、その目的は未だ明らかになっていない。
くれぐれも気をつけてほしい。
もし妙な状況を目撃したら、騎士団に連絡を。
ディルック先輩の力になろう。
彼は夜半によくモンド城の周りに出没するのだが、その目的は未だ明らかになっていない。
くれぐれも気をつけてほしい。
もし妙な状況を目撃したら、騎士団に連絡を。
ディルック先輩の力になろう。
騎士団に所属していようといまいと、先輩の騎士団への貢献は、強い信念を持つすべての騎士の心に永遠に刻まれている。
どうか、お身体には気をつけて。
どうか、お身体には気をつけて。
届いたばかりの手紙
「闇夜の英雄」よ、騎士団は既にモンドの各地で警戒を強めている。
目立った動きはしていないため、アビス教団にも気づかれていないはずだ。
俺はドラゴンスパインの周辺を偵察している。
ここの魔物どもはそれぞれ散らばっていて、アビス教団に集められてはいないようだ。
「闇夜の英雄」よ、騎士団は既にモンドの各地で警戒を強めている。
目立った動きはしていないため、アビス教団にも気づかれていないはずだ。
俺はドラゴンスパインの周辺を偵察している。
ここの魔物どもはそれぞれ散らばっていて、アビス教団に集められてはいないようだ。
モンドの南側にも、敵が活動した痕跡はない。
もし他のエリアにも魔物がいなければ、今回の地脈の異常はアビス教団と関係がないということだろう。
もし他のエリアにも魔物がいなければ、今回の地脈の異常はアビス教団と関係がないということだろう。
Dへ――
騎士団内部では嵐が吹き荒れている。
ファルカの腹心が、イロックとその仲間を徹底的に調査する準備を始めた。
イロックは十中八九、罪に問われるだろう。
ファルカの腹心が、イロックとその仲間を徹底的に調査する準備を始めた。
イロックは十中八九、罪に問われるだろう。
お前は俺からの手紙なんて見たくないかもしれないが、俺はただこのことを、いち早くお前の耳に届けたいだけなんだ。
返信はしなくても構わない。
パイモン
あれ、ここにも手紙があるぞ?
少し前に、ディルックの旦那が読んだものっぽいな…
華麗な筆跡の手紙・その二
Dへ――
…お前が長い旅に出ると聞いて、この俺でさえ少し驚いた。
ジンは手紙でお前を説得しようとしていたが、やめておけと忠告しておいた。
ファルカはこのことを知らないようだ。
そうでなければ、あの人の性格からして、きっとお前を酒場に誘っていただろう。
行きたいのなら、早くしたほうがいいぜ。
あまり周りに知られていないほうが、別れを告げる手間も省ける。
感傷に浸ることのないよう、夜間に出発するのが一番いいだろう。
気を付けろよ。
華麗な筆跡の手紙・その三
パイモン
あれ、ここにも手紙があるぞ?
少し前に、ディルックの旦那が読んだものっぽいな…
華麗な筆跡の手紙・その二
Dへ――
…お前が長い旅に出ると聞いて、この俺でさえ少し驚いた。
ジンは手紙でお前を説得しようとしていたが、やめておけと忠告しておいた。
ファルカはこのことを知らないようだ。
そうでなければ、あの人の性格からして、きっとお前を酒場に誘っていただろう。
行きたいのなら、早くしたほうがいいぜ。
あまり周りに知られていないほうが、別れを告げる手間も省ける。
感傷に浸ることのないよう、夜間に出発するのが一番いいだろう。
気を付けろよ。
華麗な筆跡の手紙・その三
Dへ――
半分悪いニュースだ。
イロックはそう簡単に折れそうにない。
大団長が調査を命令したことで大打撃を与えたのは確かだが、まだその勢力を根こそぎ潰せたとは言えない。
この件は今、ジンが担当している。
あいつなら適任だろう。
いずれにせよ、イロックは彼女にとって壁となるような存在だからな。
お前はただ朗報を待ってればいい。
半分悪いニュースだ。
イロックはそう簡単に折れそうにない。
大団長が調査を命令したことで大打撃を与えたのは確かだが、まだその勢力を根こそぎ潰せたとは言えない。
この件は今、ジンが担当している。
あいつなら適任だろう。
いずれにせよ、イロックは彼女にとって壁となるような存在だからな。
お前はただ朗報を待ってればいい。
Dへ――
最近、一部の商人たちがモンド城に戻ってきた。
外での経営がうまくいかなかったから、モンドで事業を展開するらしい。
俺の観察によると、そこの従業員は「エンジェルズシェア」に行くことが多い。
さらに郊外の危険な場所に何度も出没している。
外での経営がうまくいかなかったから、モンドで事業を展開するらしい。
俺の観察によると、そこの従業員は「エンジェルズシェア」に行くことが多い。
さらに郊外の危険な場所に何度も出没している。
ただ中には用心に欠けたやつもいてな、そいつが落としたノートの切れ端を拾った。
親切な俺は、それを「エンジェルズシェア」に届けといてやったぜ。
親切な俺は、それを「エンジェルズシェア」に届けといてやったぜ。
あそこに行くのは、あいつらがお前と関係があるからだろう?
あいつらのノートには暗号が使われていた。
あいつらのノートには暗号が使われていた。
情報提供者か?
それとも秘密組織だろうか?
それとも秘密組織だろうか?
とにかく、片目だけであのぼやけた文字を読むのは大変だったが、頑張って読んだぜ。
この秘密は俺の心にしまっておくことにする。
この秘密は俺の心にしまっておくことにする。
Dへ――
隠すつもりはなかったんだが、まさかもうバレるとはな。
失明してないと眼帯を付けてはいけないなんてルールないだろ。
右目の傷を隠すために付けてたっていいんじゃないか?
右目の傷を隠すために付けてたっていいんじゃないか?
そういえば、待ちに待った朗報が届いたぞ。
イロックが退団する日、あいつが荷物を片付けて去っていくのを、酒や茶を飲みながら見届けるのも面白いと思うんだが。
お前のことだ、そんなことはしないだろう。
だから、俺が喜んで代わりにやっておいてやる。
だから、俺が喜んで代わりにやっておいてやる。
Dへ――
まったくどんな偶然だろうな。
お前がモンドに帰ってきてすぐ、街に謎の人物が現れるとは。
お前がモンドに帰ってきてすぐ、街に謎の人物が現れるとは。
そいつは「闇夜の英雄」と呼ばれているらしい。
モンド周辺の宝盗団や魔物たちを何度も懲らしめ、アビス教団の拠点にも攻め入ったとか。
今のところ、彼の行動はモンドに利するものだ。
だが、騎士団が独立した武装勢力の存在を認める訳にもいかない。
お前なら、そいつと気が合いそうだと思うんだが、知り合いになってくれないか?
説得してくれたらなおいい。
そして、騎士団に捕まらないように警告してくれ。
今のところ、彼の行動はモンドに利するものだ。
だが、騎士団が独立した武装勢力の存在を認める訳にもいかない。
お前なら、そいつと気が合いそうだと思うんだが、知り合いになってくれないか?
説得してくれたらなおいい。
そして、騎士団に捕まらないように警告してくれ。
Dへ――
定例公務により、騎士団では関係者から証拠を集めることになった。
近頃、騎士団に何件もの目撃報告が寄せられている。
「闇夜の英雄」は、アカツキワイナリーの近くによく出没するらしい。
近頃、騎士団に何件もの目撃報告が寄せられている。
「闇夜の英雄」は、アカツキワイナリーの近くによく出没するらしい。
大団長は、今回の任務に騎兵小隊を任命した。
だから俺も、三日後にそっちを訪問する予定だ。
だから俺も、三日後にそっちを訪問する予定だ。
俺たちが無理矢理にでも顔を合わせれば、関係が改善されるとあの人は思っているみたいだな。
もちろん、ただの形式的なものだ。
俺は余計なことを言うつもりはないし、手順に沿って必要な工程を踏むだけだ。
それに、三日も前に知らせたんだ、時間は十分にあるだろう?
もちろん、ただの形式的なものだ。
俺は余計なことを言うつもりはないし、手順に沿って必要な工程を踏むだけだ。
それに、三日も前に知らせたんだ、時間は十分にあるだろう?
Dへ――
以前、アビス教団の襲撃を受けた時、「闇夜の英雄」は騎士団のために時間を稼いでくれた。
以前、アビス教団の襲撃を受けた時、「闇夜の英雄」は騎士団のために時間を稼いでくれた。
ジンにとって、それが皆を納得させる理由となった。
騎士団もこれ以上「闇夜の英雄」を重点的にマークすることはないだろう。
「闇夜の英雄」が受ける制限は少なくなるが、状況が良くなるとは限らない。
切れ味が鋭いほど、折れやすくもなるもんだ。単独行動には大きなリスクが伴う。
お前もよく知っているだろう?
とはいえ、俺はお勧めしないがな。
Dへ――
アカツキワイナリーには、何の被害もなかったと聞いた。
騎士団のほうも数名の軽傷者が出たのみで、すぐに復帰できるだろう。
騎士団のほうも数名の軽傷者が出たのみで、すぐに復帰できるだろう。
ただ、店の従業員が一人失踪した。
連絡が途絶えた場所は、アビス教団の行動経路にかなり近い。
そいつを探すため、すでに騎士団は人を回している。
アビス教団のやつらは、ますます危険な存在になってきた。
多方面から攻め入ってくる可能性があることも頭に入れておいたほうがいい。
多方面から攻め入ってくる可能性があることも頭に入れておいたほうがいい。
「闇夜の英雄」も、騎士団と協力すればリスクが減るだろう。
Kへ
分かった。
手紙、感謝する。
それから、目について書くのはやめたほうがいい。
君の右目が失明していないことぐらい知っている。
手紙、感謝する。
それから、目について書くのはやめたほうがいい。
君の右目が失明していないことぐらい知っている。
Kへ
手紙、感謝する。
騎士団に協力することは、コインの裏表のように客観的な長所と短所がある。
そのことは、僕よりも君のほうがよく理解しているはずだ。
こちらの安全を心配する必要はない。
自分を守るのは何も難しいことではないからな。
むしろ難しいのは、目標に向かって突き進むことのほうだ。
やはり、自分の面倒は自分で見るべきだろう。
騎士団に協力することは、コインの裏表のように客観的な長所と短所がある。
そのことは、僕よりも君のほうがよく理解しているはずだ。
こちらの安全を心配する必要はない。
自分を守るのは何も難しいことではないからな。
むしろ難しいのは、目標に向かって突き進むことのほうだ。
やはり、自分の面倒は自分で見るべきだろう。