幕前二言三言

3.4 修正(吹出)

◆慶興
◆和声
◆応公

港内北埠頭にて上演中。
興味のある方はお早めにお越しください。

…北埠頭に行く…

パイモン
「港内北埠頭にて上演中」…
うぅ、この通知、ちょっと曖昧すぎやしないか?
なにが上演するのか、誰がやるのかまったくわからないぞ。
上演場所を探してみるか。
もし見つからなかったら、通行人に聞いてみようぜ。

>あっちに人がたくさんいる。

パイモン
あっ、本当だ。
あんなに大勢集まってるってことは、上演を観に来た人たちかもな。

>聞いてみよう。

…通行人を尋ねる…

慶興
「万事順調、平安慶賀…♪」

>こんにちは。

パイモン
ちょっと聞きたいんだけど、今からここでなにか上演されるのか?

慶興
うん、もうすぐ紙映戯(ジーインシー)をやるんだ。
君たちもそれを観に来たの?

①『紙映戯』っていうんだ。
②それって璃月劇なの?

慶興
違うよ、紙映戯と璃月劇は別物なんだ。

和声
慶興、劇がもうすぐ始まるから、しゃべらないで。
おじさんに迷惑がかかっちゃうでしょ。

慶興
あ、うん。
紙映戯がどんなものかは、二人も観たらわかるはずだよ。

応公
…お客さんたち、今日お見せするのは、虬髯公の物語だ。
先に言っておくが、厠に行きたい人や飲み物を買いたい人がいるなら、事前に行くことをおすすめする。
劇が始まったら、もう待ってはくれないからな。

パイモン
(この劇、『虬髯公』っていうのか。
ぜんぜん聞いたことない物語だな。)

和声
しーっ、小声で話しても聞こえてるよ。
静かに観てて。
話すのは外題を選ぶときだけだよ。

パイモン
うぅ…
ごめん。

>外題?

慶興
虬髯公のお話はすっごく長いから、全部やると時間がかかるんだ。
だからおじさんはいつも、みんなにどの章を観たいか選んでもらってるんだよ…

和声
慶興!
おじさんの劇の声が聞こえなくなるだろ!

慶興
わかったよ、もう絶対に話さないから。

応公
みんな、今日は『全本虬髯公』のどの物語が聞きたいかな?
『投山』か、それとも『拝仙』?
もしくは『縛鬼』か『登天』?
外題を言ってくれさえすれば、おじさんにできない劇はないよ!

慶興
ぼく、虬髯公と妖魔の戦いが観たい!
すっごくかっこよくて、必ず勝つやつ。

和声
『拝仙』と『縛鬼』はもう何回も観ただろ、飽きないのか?
ぼくは虬髯公が家に帰って妹に会う場面が観たいな。

慶興
虬髯公に妹なんかいたっけ?
その話は知らないし、観たことないな…

応公
どうやら、このお客さんは通のようだね。
『奔郷』を選ぶ人はとても少ないんだ。
通じゃないと、存在すら知らないことが多い。
よし、ちょうど海灯祭だし、妖魔や鬼怪に関することはやめて、情人がいかにして眷属になったかについて話そう。
この場面に登場する役は三人だ。
みんな知ってる虬髯公以外にも、意氷という孤独な女性が一人。
そして、南風という君子が一人いる。

パイモン
蛍、おまえ理解できたか?
オイラ、なんだかこんがらがってきたぜ。
今からやるのって、虬髯公って人の物語なんだよな?
でも聞いた感じ、その主人公以外にも他の人がいるみたいだ。
でも、オイラたちの目の前にいる役者は一人だけ…
えっと、それと…
屏風が一つあるな?
どうやって劇をやるんだろ。

和声
あっ、ここに紙映戯を観たことがない人がいるよ。

応公
お?
そこのお客さん、この分身もできない応公が、どうやって一人で劇を演じるのか聞きたいのか?
実はな、紙映戯は璃月劇ほどの工夫はないが、独特な特徴があるのさ。
璃月劇はすべて現実の役者が演じるが、紙映戯の役者はすべて紙でできてるんだ。
あっちの劇台は木で作られたものだが、こっちのは木枠の上に薄い紙を敷いたもの。
まあ、どれも紙でできてるから、紙映戯っていうんだけどな。
そして、語り手は俺だが、演じるのは俺じゃない。
もうすぐ、その三名の紙役者を観られるよ。

和声
おじさん、この人たち、たぶん虬髯公も知らないはずだよ。
だから、まず虬髯公について話してよ。
いつも冒頭で話すあれ…

慶興
あれは前説っていうんだ。
ぼくも大好きなんだ。
おじさん、話してよ。

和声
前説!前説!

応公
その言葉を聞き、世を正そうとする志を抱くも、無力なことに天下は邪気に包まれていた。
その者の名は桓光。
世の不平に苦しみ、山々に姿を消した男。
だが偶然にも、彼はある仙人の弟子となった。
それから姿を変え、真っ黒な髭を生やし、虬髯公と名乗った。
仙人の命を受け、剣をもってして魑魅魍魎を打ち倒し追い払う。
虬髯公は長きにわたって修行を積み、ついに悟りを得た。
だが仙家の洞府に戻ろうとした時、仙人から己の過去を呼び起こされる。
なんと、彼には妹がいた。
まだ俗世と縁が切れたわけではなかったのだ。
妹の名は意氷、孤独で貧しく、頼れる者もいない。
兄の人生は悲惨なものだった、そう思っていた妹は、まさか兄が故郷に帰ってくるなど想像だにしなかっただろう。
その後どうなったかは…
このあとすぐ、お楽しみに!

和声
わーい!
ほらほら、ボーっとしてないで、はやく拍手しなきゃ。

①素晴らしい!
②(拍手する)

パイモン
拍手する決まりがあるのか…?
わ、わかったよ…

応公
ありがとう。
本来なら役者を出して劇を続けるべきなんだが、お二人ともまだ困惑しているようだね。
いっそのこと、こちらに来て演出の指揮を手伝ってくれないか。
そうすれば、これをより深く理解できるし、役者をこの舞台上で存分に動かすことができるようにもなる。
いかがかな?

慶興
えーっ、なんでぼくじゃないの。
紙映戯はぼくのほうがよく知ってるから、ぼくを選んでよ!

和声
もう何回もやったことあるだろ。
騒がないで静かに観てろって。

>わかった。

パイモン
演出の指揮を手伝うのか?
なんだか新鮮だな、オイラもいいぜ!

応公
では、お客さん方は少々お待ちを。
お二人の準備が終わったら、すぐに開演するよ。

>≪舞台の裏方