華舞う夜の旋律・其の一/千里を駆ける音跡は求め難し

3.4 修正(吹出)

◆ドヴォルザーク
◆ピンばあや
◆百暁(「群玉闇」の秘書)
◆百聞(「群玉闇」の秘書)
◆符景

海灯祭前夜、パイモンとあなたは忘れられない祭りの時間を過ごすために、璃月へと戻った… 

パイモン
時間が経つのって早いぞ…!
気づけばもうすぐ海灯祭だぜ。
璃月の人はもう、この超――
大事なお祭りの準備を始めてる頃じゃないのか?
今年も美味しいものがたっくさんあるといいな!
とにかく、璃月港に戻って見てみようぜ!

…璃月港を散策する…

パイモン
オイラとしては、まず香菱を探しに行って…
あれ?
鍾離…?
こんな時間にこんなところでどうしたんだ?

鍾離
ん?
それは俺の台詞だ。
ここで二人に会えるとは、縁があるな。
息災だったか?

①すべてが順調だよ。

鍾離
以前に比べて、顔つきが穏やかになった。
旅路の中で何かを追い求め続け、収穫し続けるのは、やはりいいことなのだろう。

-------------------------

②何とかうまくいってる。

鍾離
旅は長くなれば長くなるほど、いざこざを避けられなくなる。
もし相談したい悩みがあれば、俺が聞こう。
故郷を離れて旅する身が、己だけで苦労する必要はない。

-------------------------

>ありがとう、鍾離先生。

鍾離
なんのことはない。

パイモン
そういえば、鍾離はまたここでお茶を飲みながら講談を聞いてたのか?

鍾離
この一杯を飲み終えたら発つはずだったんだが…

パイモン
はずだった?

鍾離
ちょうどいい季節だからな。
軽策荘辺りまで散策でもして、萌蘖のタケノコを採ろうと思っていたんだ。
あそこの住民からもらったことがあるんだが、実にいい味だった。

パイモン
へ?
「ほうげつの」タケノコ?
普通のタケノコじゃダメなのか?
あっ!
オイラ、わかったぞ!
鍾離はまた優雅な生活を送ってるんだろ!
こだわりが強い鍾離のことだから、――「ほうげつの」タケノコの肉質は柔らかで、えぐみがない。
普通のタケノコでは替えが効かない、とかいうつもりだろ!

鍾離
パイモンは賢いな。
俺のことをよくわかっている。
もうじき佳節だ。
タケノコ以外にも、堂主から渡された目録には用意できていないものが結構ある…
二人は差し迫った他の用事はないか?

パイモン
ふふん、ちょうど友だちに会いに行こうと思ってたところなんだ。
まだ誰に会うのかは決めてなかったけど、一番最初に会ったのがおまえだったんだぞ。

鍾離
そうか――
二人には、あの萌蘖のタケノコで作られたスープがどれほどの逸品か想像できるだろうか?
大きく切られた赤身肉の塊と香り立つタケノコを共に鍋へ入れ、とろ火でゆっくり半日ほど煮込み…

①食べたことない…
②聞いてるだけでよだれが…

パイモン
あっ!
お、おまえ――
わざとだろ!?
オイラたちがその口車に乗せられて、おまえのために使いっ走りでタケノコを採ってくるとでも思ったか!

鍾離
ん?
もとより、萌蘖のタケノコが美味いのは事実だが。

パイモン
ぐぬぬ…
くぅ、ひとっ走りいくぞ!
こいつのせいですっごく食べたくなっちゃったぞ!

>いいよ、すぐ出発しよう。

パイモン
タケノコを採るのにはそんなに時間がかからないもんな。
オイラ、絶対にスープを飲むぞ!

鍾離
確かに、一走りの甲斐がある美事と言える――
いいだろう、二人にお願いするとしよう。
もし上質なタケノコが採れたら、ぜひ俺にも少し分けてくれ。

パイモン
ほら見ろ!
オイラ、こいつは絶対にこう言うってわかってたぞ!

鍾離
だが、そう焦る必要はない。
海灯祭期間中、街には多くの人が行き交い、色んな事が起こるだろう。
他にやりたいことがあれば、自分の心に従うといい。
食卓の上でのタケノコは…
所詮、華を添えるだけのもの。
友人たちと共に楽しんだ方が、その意義はよりはっきりしたものになるだろう。

①分かった。
②終わったら往生堂に行って探すね。

パイモン
鍾離はそのまま散歩しててくれ。
オイラたちは先に行くぞ。

鍾離
ああ、気を付けて。

-------------------------

鍾離
胡堂主の目録によると…
ふむ…
では、この最後の一杯を飲み終えたら動くとしよう。

…「萌蘖の」タケノコを手に入れる…

パイモン
タケノコ…タケノコ…
「ほうげつの」タケノコ…
おお!
こいつはまだ土から芽を出したばっかみたいだな。
柔らかそうだし、こいつにしようぜ!

萌蘖のタケノコ
ある季節にだけ軽策荘一帯で採れる新鮮なタケノコ。
爽やかな香りを放つ、貴重な食材だ。

パイモン
これだけあれば足りるだろ、帰って…

???
助けてくれ、誰か、助けて――

パイモン
聞こえたか?
誰かが助けを呼んでるみたいだぞ…
あっちだ!

…救援を呼ぶ声のもとへ向かう…

小柄な人影が、水に溺れた者を岸辺に引き上げた。

???
…ちゃんと見えてる?
水は飲んでいない?

???
け…ゲホゲホ…
ふぅ…
お、落ち着いたよ。
ありがとう。

パイモン
びっくりしたぞ…
無事でよかったぜ。
助けたのはこっちの…
えっと、女の子?

ヨォーヨ
ねぇねたちにおじちゃん、こんにちは。
ヨォーヨと申します。
よろしくお願いいたします。

パイモン
うわぁ、なんかめちゃくちゃ礼儀正しい女の子だぞ。
オイラはパイモン、こっちは旅人だ。

>こんにちは。

ドヴォルザーク
私はドヴォルザーク、フォンテーヌから来た音楽家だ。
石門の方にある道に沿って璃月港まで行こうと思っていたんだが、ここの綺麗な風景に酔ってしまってね、いつの間にか道を間違えてしまっていた…
さっきも滝に目を奪われて、足を踏み外したんだ。
もしこのヨォーヨお嬢ちゃんが助けてくれなかったら…

ヨォーヨ
気にしないで、ドヴォルザークおじちゃん。
でも、滝から飛んでくる水は石造りの路面を滑りやすくするから、確かにゆっくり歩かなくっちゃ。
これからはなるべく、見知らぬ環境で考え事をしながら歩くのはやめましょうね。
足元に気を付けるってことが習慣になりさえすれば、もうこんな目に遭わずにすむよ。

ドヴォルザーク
あ、ああ肝に銘じるよ…
(ぐぅ――)

ヨォーヨ
あっ…
もしかして、お腹が空いちゃったの?

ドヴォルザーク
わ、私は…まだ…

ヨォーヨ
遠慮しなくていいよ。
ヨォーヨは璃月の人間だから、各地から来た観光客をおもてなしするのも、人情ってものだもん。
もしまだ道を急ぐんだったら、必要な時に力を補給するのも大事だよ。
ヨォーヨのかばんにまだ何個か「ハスの花パイ」が入ってるから、みんなで分けて食べましょう。
ねぇねたちもどうぞ。

パイモン
わぁ…
この子、めちゃくちゃ気が利くぞ!
オイラの分まであるじゃないか!

ヨォーヨ
へへっ、遠慮しないで。

皆は郊外の風景を楽しみつつ、「美味しそうなハスの花パイ」を食べ終わった…

パイモン
うう、本当に美味しいぞ…
もう一つ食べたい…

>一番食べてるくせに…

ヨォーヨ
食欲旺盛なのはいいことだよ。
パイモンちゃんがまだまだすくすく育ってるって証明なんだから。
もうちょっと多めに作って来ればよかったね。

パイモン
ほら、めちゃくちゃオイラを甘やかしてくるぞ!

ヨォーヨ
璃月の点心、ドヴォルザークおじちゃんの口に合ったかな?
甘さが足りなかったりしない?

ドヴォルザーク
いやいや、とてもおいしいよ。
モンドでご当地「ムーンパイ」っていうのを食べたことがあるんだが、そいつの餡は肉だった。
このハスの花パイはムーンパイと同じ製法でパイの皮を作っているが、味はそれぞれのいい所があるね。
故郷の味となると…
ああ、本当に長い間食べてないなぁ…

パイモン
と言うと、ドヴォルザークもずっと旅をしてるのか?

ドヴォルザーク
ああ。
私は「イリデッセンスツアー」の主催者の一人なんだ。
絶えず色んなところへ赴いている。

パイモン
「イリデッセンスツアー」?

①何か印象に残ってるような…
②聞いたことないかも…

ドヴォルザーク
『イリデッセンスツアー」はフォンテーヌで影響力の大きい音楽祭と言えるだろう。
規模を拡大して、各国で開催するというのが私たちの目標だ。
そう、主催側の私たち皆が共に追い求める目標だったんだが…
その後…
はぁ…
話せば長くなるから、やめておこう。
話を私に戻そうか。
各地を巡って音楽を宣伝する以外にも、実はちょっとだけ私情があったんだ。

パイモン
もったいぶらずに早く教えてくれ!

ドヴォルザーク
先祖代々言い伝えられてきた話から話すことになるからなぁ…
皆、時間は大丈夫なのか?

ヨォーヨ
ヨォーヨ、物語を聞くのは好き!

パイモン
うんうん、オイラたちも聞きたいぞ。

ドヴォルザーク
そうか、では話すとしよう。
これは、旅をしていた私の先祖がとある旅の最中に遭遇した出来事の話だ。
不意に足を踏み外して、水に落ち、あと少しで溺れ死ぬというところで、彼は抑揚ある音楽を耳にした…
なんでもその音楽は、彼が人生で聞いたものの中で一番美しく、一番感動的なものだったという。
そのような危機にあっても、この世のものとも思えぬような美しい音楽に注意を引かれ、彼は自分が間もなく溺死するのだという事実さえ忘れるほどだった。
ふと我に返ると、彼はいつの間にか岸へ戻っていることに気が付いた。
少し離れたところには、浮世離れした雰囲気の見知らぬ女性が立っていた。
先祖の無事を確認するや否や、彼女は何も言わずに、ふらりと去って行った。
追いかけて礼を言おうと思った先祖だったが、二人は十数歩しか離れていなかったのに、どう追いかけてもその距離は一向に縮まらなかったんだ。
結局彼は仕方なく女性の後ろ姿と遠くの山河にお辞儀をして感謝の意を伝え、踵を返して故郷への帰路に着いた。
故郷に戻ると、先祖は楽器の演奏を勉強し、詩人のように歌い語りながら旅をして、この物語を各地へと伝えていったんだ。
その後、物語は言い伝えられる中で、芸術的なアレンジを加えられることも多くなった。
女性はいつしか、天女とされるようになったんだ。
そしてやがて、フォンテーヌでは少しばかり名の知れた伝説になった。
『天女の見下ろす湖畔』って名前でね。
林の水辺でいい腕の奏者が楽器を演奏すると、目に見えない天女が一緒にセッションしてくれると、人々はよくいうんだ。

ヨォーヨ
わぁ――

①すてきな伝説だね。

ドヴォルザーク
ああ。
この話は人々の想像の中で、だんだんロマンティックなものになっていき、今や現実離れしたものになってしまった…
しかし、私は誰よりもその真実を分かっている。

-------------------------

②あなたはそれが本当の出来事だと知ってる。

ドヴォルザーク
そうだ。
他人にとってはただの伝説だが、私にとっては本当にあった家族の昔話だ。

-------------------------

ドヴォルザーク
過去を遡ろうって発想でね。
物語の原点である土地を訪ねて、女性の子孫を探そうと思ったんだ。
先祖が水に落ちた場所なんかとっくに探しようがないし、こんな捜索は海から針を掬い出すようなことだとも分かっている。
だが、外を転々として早幾年――
自分の足腰も昔ほどよくはなくなった。
この半生で成し遂げられなかった願いは、いつの日か執念に変わっていたんだ…

ヨォーヨ
ヨォーヨはまだ半生っていうほど長い時間を生きてないけど…
でも、その気持ちは分かるような気がする。

パイモン
オイラも…
「ハスの花パイ」の花の中心近くにある一番美味しい餡のところをとっておいたのに、食べるのを惜しんでいるうちに、ぽたんと水に落ちたりなんかしたら…
オイラの余生、絶対そのことを忘れられないぞ!

ドヴォルザーク
ハハッ、私のためにそう悲しまないでくれ。
進展はもちろんあるんだ。
私が考えるには…
その場所は璃月のはずだ。

パイモン
おおっ!
やっと手がかりが見つかったのか?

ドヴォルザーク
ああ。
これもまた、少し不思議な話になるんだが――
モンドが自由と詩歌の都だというのは前から知っていた。
最近、風神様は秋にモンドへ戻るらしいと聞いてね。
それから彼は音楽の守護神であるとも聞いた。
そこで私はモンドの教会へ祈りを捧げに行き、風神様に私を導いてくれと願った。
そうして教会から出ると、目の前で木の葉の集まりが風に吹かれて、石門の方へ飛んで行ったんだ。
すると親切なモンド人が、これは風が璃月へ導いているんだと教えてくれてね、私はそのままその道を進んだというわけだ。

>だったら、その場所は本当に璃月にあるね。

ドヴォルザーク
これが「知音」というやつか!
絶対に私を分かってくれる人がいると思ったんだ。

ヨォーヨ
うーん…
本当?
なんだか宝盗団の怪しいおじさんが軽策荘のおばあちゃんを騙すやり口みたいに聞こえるけど。
「岩王帝君がお戻りになられたぞ!
交通費か賽銭をくれれば、俺からあのお方へ渡してやる。
一家安泰を守ってくださるぞ…」みたいな。

パイモン
ヨォーヨ、安心してくれ。
オイラたち…
その…
こういう現象を読み解くのには慣れてるんだ。
それに、騙されないために一番大事なポイントは、モラを渡さないってことだしな…

ドヴォルザーク
感謝の意を表すため、確かに結構なモラをかけて美酒をいくらか買って、通り道の七天神像に供えたが…

パイモン
あーあ、こいつ…

ヨォーヨ
じゃあ、ヨォーヨはねぇねたちとおじちゃんを連れて璃月港の玉京台に行くよ。
甘雨ねぇねを探しに行こう。
ヨォーヨの知り合いはそんなに多くないし、お役に立てないか、もしれないけど…
でも甘雨ねぇねとねぇねがいつも補佐してる七星だったら、なんでも知ってるよ。
もしおじちゃんが騙されたなら、みんなは権利を守ってくれる。
もし風の情報が正しくて確かなもので、まだ人を探し続けることになったら、やっぱりみんなに聞くのが一番便利だよ。

>確かにいい考えだね。

ドヴォルザーク
しかし、そうなるとまた皆さんに迷惑をかけて…

ヨォーヨ
ちょうど新しく採った薬草と植物をねぇねに持っていこうと思ってたから、ついでついで。

パイモン
あっ、そういえば…
オイラたちもずいぶん甘雨に会ってないよな!
海灯祭の前に友達訪問といこうぜ。

①善は急げ。
②今すぐ出発しよう。

ドヴォルザーク
ああ、本当にありがとう。
絶対にこの恩は忘れない。

ヨォーヨ
みんな付いてきて、ヨォーヨが案内するよ!
あっ、ちゃーんと足元を見ないとダメですからね?

パイモン
ああ、オイラの仕事がまた一つ減った…
でも、へへっ、オイラは盛り上げ役に回るとするぜ。

…璃月港に行く…

ドヴォルザーク
璃月港…
前回私が来た時とは違う…
まるで、同じ旋律でも、繰り返し演奏していくうちにより色鮮やかになり変化に満ちていくような…

パイモン
まあ、年に一度の海灯祭だからな。
確かにより壮大になった感じがするよな。
今は璃月港がいちばん綺麗な時期だって言っても過言じゃないぜ!

ドヴォルザーク
ああ…
行こうか。
もっと目で楽しみたい、もっと近づきたいってうずうずしてるよ。

…ドヴォルザークを連れて璃月港を回る…

ドヴォルザーク
この街の眺めは本当に美しい…
人々の笑みに溢れた表情を見ると、私まで感化されてしまうよ。

ドヴォルザーク
ああ――
音楽が浮かんでくる…
少し、指揮棒を振りたくなったな。

ヨォーヨ
へへっ…
気に入ってくれてよかった。

辛炎
あっ、みんな!
こんなとこで会うなんて、奇遇だな!

ヨォーヨ
辛炎ねぇね、こんにちは。
ヨォーヨが紹介するね、こちらは…

辛炎
旅人にパイモン、それにドヴォルザークおじさん、だろ?
みんなけっこー前からよく知ってるよ。

>知り合いだったんだ…

ドヴォルザーク
ハハッ…
前回璃月港へ来て「イリデッセンスツアー」の宣伝をしたとき、相手をしてくれる人はあまりいなかったんだ。
辛炎さんは、その数少ないうちの一人だった。

辛炎
こっちは「イリデッセンスツアー」に参加しようと思って、ずっとついて走り回ってたのに、連続で何回もすっぽかされて…
おじさん、一体どういうことなんだよ?

ドヴォルザーク
はあ…
辛炎さん、すまなかったね。
どの回もついてなさ過ぎて…
不運なことが立て続けに起こって、それで開催できなかったんだ。

辛炎
そうだったのかだったら仕方ねぇよな。
そういえば、この時期に璃月港へ来たってことは…
まさか海灯祭期間中に音楽祭をやろうってわけじゃないよな?

パイモン
海灯音楽祭!

ドヴォルザーク
いや…
今回は、ちょっと私事でね。

辛炎
海灯音楽祭はないのか?

ドヴォルザーク
そ…それは私の一存で決められることじゃない。
音楽の祭典を開催するには、そもそも相当な人手と金が要るものなんだ。
その上、私は璃月の責任者と接触したことがない。
このタイミングで軽率に始めようって言うには、いささか慌ただしいだろう。

パイモン
えっ、オイラたちが今から探しに行こうとしてる「璃月七星」っていうのが、ここの責任者だぞ。

ヨォーヨ
うん。
刻晴ねぇねも凝光ねぇねも、みんなすごいの。

ドヴォルザーク
えっ…ええ?!!

辛炎
へぇ、これはいい機会じゃないか?
結局成功しなかったとしても、言えば望みは増えるわけだし。

①「海灯音楽祭」はクリエイティブ。
②海灯音楽祭は結構見どころがあると思う

辛炎
そうだぜ!
旅人もこう言ってるんだから、おじさんもたった何何かの失敗で勢いを無くすなよな。
出演者の件なら…
アタイがここの表現者と繋げてやれるぜ。

辛炎
アタイの友達、雲董は璃月の名役者だ。
あいつが顔を貸して、雲翰社の役者に一曲頼んでくれれば、この件はいけると思うぜ。

パイモン
辛炎はどうなんだよ?
参加しないのか?

辛炎
ははっ、そんなわけないだろ?
今回、この「イリデッセンスツアー海灯音楽祭」がうまくいったら、オープニングを奏でるのは絶対にアタイさ!

パイモン
うわぁ、すっごい迫力だぞ。

辛炎
おじさん、あんたはどう思う?

ドヴォルザーク
うーん…
試してみようと思う。
だが辛炎さん、オープニングを飾るのはそう簡単じゃない。
私はかなり厳しい基準であなたの作品を評価するから、しっかり準備しておいてくれ。

辛炎
望むところだぜ!
あっ、だったらアタイも街でぶらぶらしてるわけには行かねぇな。
早く戻って練習しないと!
ヨォーヨ、あんたの姉弟子に会ったら、よろしく伝えておいてくれよな。

ヨォーヨ
うん、ヨォーヨ覚えとくよ。
辛炎ねぇねも、練習していっぱいうまくなってね。

パイモン
しっかり頑張れよ!

パイモン
オイラ、さっきから気になってたんだけど、ヨォーヨの姉弟子って…
まさかオイラたちの知り合いじゃないよな。

ヨォーヨ
知ってるはずだよ、香菱師姐のこと!
前、師姐からあなたたちのことを聞いたもん。
香菱師姐って、料理のことしか頭にないでしょう。
いつもケガをしちゃったりすると、傷口が自分で治るのを待つの。
だから、身近に世話してあげる人が必要なの。
あなたたちもきっと師姐のことで結構苦労したんじゃない?
ヨォーヨから感謝するね。

…玉京台の近くに行く…

ヨォーヨ
あっ、師匠!
ごめん、師匠とあいさつしてくるね!

ピンばあや
ほれほれ、そう急がずとも、ばあやは行ったりせんよ。
本当に、あなたという子は…

ヨォーヨ
ヨォーヨ、もう何日も師匠に会ってないから、早く会いたかったんだもん。

ピンばあや
よしよし…
ヨォーヨは一番口が上手いのう。

ピンばあや
おや、あなたたちじゃったか。
海灯祭の時期ってことで友達に会いに来たのかい?

>こんにちは、ピンばあや。

パイモン
ピンばあや、半分当たりだぞ。
オイラたち、このドヴォルザークおじさんを助けるために、七星のところまで連れて行ってやろうと思ってたところなんだ。

ドヴォルザーク
こんにちは。
私はフォンテーヌから来た音楽家で、「イリデッセンスツアー」の主催者の一人です…
この名前をお聞きになったことがあるかどうかは分からないが。

ヨォーヨ
師匠、師匠、「イリデッセンスツアー」ってとってもすごい音楽祭だよ!

ピンばあや
ほぉっほぉっ…
ばあやまだ知らないことがあるのう。
音楽祭か、よい響きじゃ。

①海灯祭に音楽の要素を取り入れたら…
②海灯音楽祭を開催することになったら…

パイモン
オイラも気になるぞ、ピンばあやはどう思うんだ?
大先輩だし、なんと言っても璃月の色んな伝統文化に詳しいからな。
意見を出してくれたら、やるってなったとき、より方向性を決めやすいと思うぞ!

パイモン
つまり、その…
ピンばあやは新しすぎるとかって思わないか?
それか、他に心配事があったりは?

ピンばあや
そんなこと、あるはずないじゃろう。
音楽は歴史と文化の証であり、異なる文化の間に渡される架け橋でもあるのじゃ。
時代は変わっていくものじゃ。
今の若者たちが愛する音楽も、ばあやの時とは違うかもしれんのう。
じゃが、よいものには、人を引き付ける力がある。
むしろ…
とても楽しみじゃ。

ドヴォルザーク
おおっ!
私の祖母以外に今まで見た老婦人の中で、あなたは最も賢い人だ!

ピンばあや
みんな揃いも揃って、本当に言葉が甘いのう。
ヨォーヨ、次からは甘いものは少なめに配るんじゃぞ?

ヨォーヨ
師匠、今日はご機嫌だから、冗談まで言ってくれるんだね。

ピンばあや
ほれほれ、まだやることがあるんじゃろう?
早く自分のことに戻りなさい、時間を無駄にしてはいかんよ。

パイモン
ピンばあや、ありがとな!
また会おうぜ!

-------------------------

ピンばあや
思う存分やってみなさい…
じゃが、重圧を抱え込むんじゃないよ。

…玉京台付近で甘雨を探す…

甘雨
…総務司に海灯祭のことを伝える際、お祭りが近いからと言って怠けた心を持たないようにと必ずお伝えください。

百暁
分かりました、甘雨様。
では先に失礼します。

ヨォーヨ
甘雨ねぇね――

甘雨
ヨォーヨ、どうしてここに?

ヨォーヨ
甘雨
ねぇねが前に欲しがってた薬草、ヨォーヨが全部採ってきたよ。
それからほら、スイートフラワーの種も一包み。
あとね、あとね、この干した清心の葉っぱでお茶を淹れるといいよ。
体にいいんだ。
ヨォーヨ、最近ねぇねのお仕事が忙しいのは知ってるけど、働きすぎはダメですからね。
また草むらで寝ちゃわないようにちゃんと気を付けて…

パイモン
この二人はなんなんだよ、物分かりのいい妹とぼんやりした姉ちゃんの会話みたいだぞ…

甘雨
コ、コホン…

①パイモンも悪気はないんだ…
②気にしないで…

甘雨
ありがとうございます。
でもパイモンさんの言う通りで、私は仕事以外だと確かに油断しがちです。
改善しないとですね。

甘雨
あっ、世間話に気を取られてしまいました。
こちらの方は…?

パイモン
あっ!
オイラが紹介してやるよ…

パイモンは自らしゃしゃり出て、ドヴォルザークに会った成り行きと彼の先祖の話、そして海灯音楽祭の考えを甘雨に教えた…

甘雨
うーん…

パイモン
な、なんだよ?
オイラ、話すスピードが速すぎたか?
確かにちょっと複雑なことだよな…
もしどこか分からないとこがあったんなら、オイラがもう少し詳しく話してもいいぞ!

甘雨
少々難しいですね。

パイモン
うん?

甘雨
海灯祭は毎年の一大行事として、素晴らしいものにするだけではなく、様々な好みを持つ璃月の人々が満足するものにしなければなりません。
「イリデッセンスツアー」は璃月においてそれほど知名度が高くないので、皆さんがどう思うかは…
予測しがたいと思います。
もしこの催しに全てを賭けるとしたら…
リスクはかなり高いと思います。

ドヴォルザーク
そう、あなたの言う通りだ。
わかります…

甘雨
ですから、元の計画は通常通りに進めます…
しかし新案に、「イリデッセンスツアーの公演」を今回の海灯祭の目玉イベントとして提出したいと思います。
海灯祭の夜は、音楽祭という形でお祭りの楽しさを増やします。
舞台は…
そうですね、港口にしましょう。

①「主役を奪う」んじゃなくて…
②「花を添えるもの」に…

甘雨
はい、私もそれがいいのではないかと。
この案をなるべく早く完全なものにするためには、少しだけ時間が必要です…
要点を分析して、損得について詳しく話して…
それから一番重要なのはピンと旅人さんも認めている旨を記すことです。
そうすれば七星もきっとこの案を真剣に審査することでしょう。
ドヴォルザークさん、璃月に来ていただける音楽家たちの人数や規模、それから食事宿泊に関する詳細条件の決定についてですが、あなたの助けが必要です。

ドヴォルザーク
え、ええ…
そちらで話しましょう。

パイモン
甘雨の仕事ぶりって、相変わらず頼りになるよな。

ヨォーヨ
うん、ヨォーヨもそう思う!
師匠が言ってたの、人にはそれぞれ得意なことと不得意なことがあるって。
だから甘雨ねぇねも、自分が全部すごくなるなんて無理はしなくていいんだよ。
身の回りのことは、ヨォーヨに任せていいから。

パイモン
わあ…
ヨォーヨ、オイラのことも世話してくれないか?
オイラ、またお腹がすいたぞ!

>パイモン、ちょっとは成長して。

ヨォーヨ
もうかばんが空っぽになっちゃった。
でもあなたの好みを書き留めておくから、次からはあなたの好きな食べ物を持って来れるよ。
「ハスの花パイ」以外にも、まだあるかな?

パイモン
甘いものなら全部!
あとはスライム…

甘雨
…こちらでいかがでしょう?
まだ補足が必要ですか?

ドヴォルザーク
いや、かなりいいよ!
もう私には何の改善点も思いつかない。

甘雨
分かりました、では草案はこんなところにしておきます。
もう一部書き写しますね。
いいところに来てくれましたね。
こちらはちょうど一段落ついたところです。

>速い…

甘雨
恐縮です。
今は一刻を争う状況ですので、すぐに七星へ案を提出してきますね。
少々お待ちください。
ヨォーヨ、色々と持ってきてくれてありがとう。
ちゃんと忘れないよう食べますね。

ヨォーヨ
ちゃんとお茶として淹れるんだよ!
甘雨ねぇね。
葉っぱをそのまま食べたりしないでね。

甘雨
は、はい…

ヨォーヨ
じゃあ、ヨォーヨもそろそろ帰るね。
外に長く居すぎると、おとうとおかあに心配をかけるから…
ねぇねたちもおじちゃんも、安心して。
すべてはきっとうまくいくよ。
少し早いけど、ヨォーヨから海灯祭を祝して。

ドヴォルザーク
ありがとう、ヨォーヨお嬢ちゃん。
海灯祭を祝して。

パイモン
また一緒にご飯食べような!

-------------------------

ドヴォルザーク
あの甘雨さんという方は、隅々まで気の回る方なんだな。
彼女を見て、私も反省したよ…
私たちが失敗したのは、予想外の状況に対する準備が足りなかったからじゃないのかってね…

…しばらくその場で待つ(2時間)…

しばらく待つと、甘雨と共に刻晴が玉京台の広場まで来た…

刻晴
旅人にパイモン、それにドヴォルザークさん、こんにちは。
私のことは刻晴と呼んでください。
事の経緯はすべてわかったから、まずは皆が一番気になる結論から言いましょう。
七星は甘雨の案を通したわ。
これからは、私が七星を代表して、公演の準備に協力するわね。

パイモン
うわぁ、よかったな!

①とんとん拍子過ぎる…
②さすが刻晴…

刻晴
褒めすぎよ。
これはもともと七星の仕事の範疇だもの。
私たちはただ事を前へと推し進めているだけ。
それに、私からしてみれば、「新しいものや変化を求める」っていうのが私のスタイルだもの。
だから、こういう貴重な提携の機会があることは、身に余る光栄だわ。

ドヴォルザーク
本当に感謝するよ、刻晴さん!
このところ立て続けに何回も失敗して、もはや疲れてきていたんだ。
今回もまた同じ結果だと思って、全く希望なんか抱けなかった…
…それがまさか、こんなに順調に進むなんて…
まるで夢のようだ。
うん…
そろそろみんなを呼び戻す時だな。
ハイレベルなステージがあるんだ――
しっかり実力を見せないと。

パイモン
おおっ!
おじさんもなかなかやる気が出てきたな!

ドヴォルザーク
安心してくれ、これからの事はすべて私の得意分野さ。
音楽家たる者、音楽で語らないと。

①ご先祖さまの話は…?
②自分の望みは…?

あれか。
あっちについては後からゆっくり…

甘雨
…あっ。

刻晴
甘雨、どうしたの?

甘雨
そちらの件についても聞いていましたのに…
あの時は案を出すことに気を取られて、完全にこの件を忘れてました

ドヴォルザーク
気にしないでくれ、私は探したい人の顔すら知らないんだ。
どう考えても容易い事ではないさ…
甘雨さんも私を気にかけてくださる必要はない。
あなたの力はとても重要なんだから、このショーと海灯祭全体に使うべきだ。

甘雨
えっと…
あの時、聞き終わった瞬間にふと思いついたことがあって。
例えば、その女性は天女と言うより、「仙人」だった…
どう思いますか?

①確かにその可能性はある。
②まだ手がかりが少なすぎる。

甘雨
ドヴォルザークさん、実は、私は「半仙の獣」なんです。
この身体には、人と仙獣「麒麟」の血が流れています。
「根源を辿る」という事の背後にある意義が、私にはわかります。
私も似たような行動を取って、自分の帰属するところを探そうとしましたから…

ドヴォルザーク
仙人、半仙、麒麟の血…
この璃月という場所にある仙人の噂はすべて本当だったのか?
芸術による脚色じゃなかったのか?

パイモン
本当だぞ!
まあ、そんな簡単には会えないけどな。
絶雲の間なんて、見てる限りじゃなんにもないのに、全然自由に行き来できないんだ。

甘雨
はい、とにかく…
もし失われた音楽の一部分や、璃月の民間文化を探すのでしたら、私はお役に立てないかもしれません。
ですが、もし最終的に具体的な「人」を探すことになれば、私の方でなんとかできると思います。

刻晴
…なるほど、現状は把握したわ。
甘雨、私たち二手に分かれて行動するのはどうかしら?

甘雨
はい、私もそう考えていました。

刻晴
分かったわ。
私とドヴォルザークさんは公演が順調に進められるように、街の事を解決していく。
甘雨は自分の人脈で、人探しを手伝ってあげて。
手元にある仕事の量はどう?
時間は割けそう?

甘雨
寝なければ…
二日ほどで終わると思います。

刻晴
待って、寝ないのはダメよ?
例え君の体に仙獣の血が流れているとしても、連続で働き続ければ大きな負担がかかるわ。

パイモン
うわぁ、刻晴の口からそんな話が出るなんて…
正直、説得力はないよな。

刻晴
「士別れて三日なれば、即ち更に刮目して相待すべし。」――
努力さえすれば、人は三日で成長できるんだから。
ふんっ、休むことも大事だってことくらい、私だって分かってるわ。

甘雨
では…
三日であればいかがでしょう。

刻晴
いいわ、あなたの都合に合わせましょう。

甘雨
もしお時間があるのでしたら、付き合ってもらえないでしょうか?
あなたは仙人の方々との付き合いも広いですし、璃月の民からも人望が厚い。
いてくだされば、私も安心できます。

>いいよ。

甘雨
よかった、では三日後にここで会いましょう。

パイモン
おじさん、オイラたちからの朗報を待ってろよ!

ドヴォルザーク
本当に、なんて優しい方たちだ。
私は…
私は本当に…

パイモン
仙人でも子孫でも、オイラたちが見つけてやるよ。
そんで、緒に公演を見ようって誘ったところを想像してみろよ!
絶対賑やかになるし、感動的だぞ。

パイモン
きっとみんな楽しくなるぜ!
これこそがお祭りだよな!

>導いてくれた風もそう思ってる。

ドヴォルザーク
…あなたたちの言う通りだ。
わかった!
では私は実力のすべてを今回の海灯祭で出し切ろう。

刻晴
話はここまでにしましょう。
ドヴォルザークさん、私と一緒に公演場所を確認しに行きましょうか。

パイモン
おお!
オイラたちも連れてってくれ!

ドヴォルザーク
そういえば――
皆は音楽をどう見て、どう理解してる?

パイモン
えっ…音楽は…
いい感じの響きがするもの?

ドヴォルザーク
ははっ…
ぶっちゃけて言えば、私はずっと「人々にとっての音楽とは何か」を探してるんだ…
公演が終わったら、また皆の答えを聞かせて欲しい。

…公演場所に行く…

百聞
玉衡様!

刻晴
百聞、何かあったの?

百聞
凝光様の指示により、海灯祭の前に不安定要素を排除するため、情報収集していたのですが。
雲来の海より妙な旋律が聞こえてくるとのことで。
勝手に深入りしては良くないと思い、凝光様に報告しようとしていたところでした。
でも緊急事態ですから、こうしているうちに処理に一番いい時期を逃してしまうんじゃないかと心配で…

刻晴
わかったわ。
じゃあ、私が…

>私たちに任せて

パイモン
そうだぞ、刻晴も忙しいだろ。
街の方だってまだあんなに心配ごとが残ってるのに。
ここはオイラたちに任せろ!
どんな突発事件も、解決できる能力があるんだからな!
えっと…
こいつがいればの話だけど。

百聞
旅人さんがいてくださるなら、大丈夫だと思います…
お二人にはご迷惑をおかけします。
凝光様には私の方から事情を説明しておきますね。
玉京台におりますので、事件の処理が終わり次第、一声かけてください。

パイモン
おう、凝光によろしくって伝えといてくれよな。

刻晴
じゃあ、君に任せるわ。
いってらっしゃい、気を付けて。

ドヴォルザーク
二人とも、お気を付けて。

-------------------------

刻晴
…彼女が雲翰社の曲芸人と連絡をとってくれるのね?
分かったわ。
じゃあ、なるべく早く皆さんに練習場所を手配するわね――
今晩で終えるつもりでいくわ。

ドヴォルザーク
刻晴さん、どうもありがとう。
はぁ…
璃月の友人から「疾風迅雷のように動く」と聞いてはいたが、当時はまだその意味をよく分かっていなかった。
今あなたの仕事ぶりを見て、ぴったりな言葉だと分かった。
感動してしまったよ…
璃月の文化は本当にすごい…

刻晴
もったいないお言葉ね。

…百聞の言った場所に行く…

パイモン
百聞が言ってた場所って、この近くだよな。
旋律なんて聞こえないし、人影も…

夜蘭
こんな場所に来る暇人は誰かと思えば、君たちだったのね。

パイモン
夜蘭!
おまえはなんで足音を出さないんだよ、びっくりしたぞ!

夜蘭
でも君たちは元気そうね。
そこまでびっくりしていたわけでもなさそうだったし。

パイモン
お、おう…
その通りだけど…

>妙な旋律について

夜蘭
あら、君たちもこの件で来てたのね。
そしたら、色々説明する手間が省けるわ。
付いてきなさい。
この家の周辺はすでに調査したわ、安全よ。

…手がかりを探す…

>ドアを調べる

パイモン
ドアや窓を調べてみたけど、なんの異常もないぞ。
こじ開けられた可能性はなさそうだ…

>窓を調べる

パイモン
この家の中、見た限り空っぽだな、なんの貴重品もないぞ…

>痕跡を調べる

パイモン
でもドアの横にある他の荷物はきれいだぞ。
なんだかちょっと前までここに住んでた人がいたみたいだな…

…夜蘭と会話する…

パイモン
変だな。
悪いやつに根こそぎ持っていかれたみたいになにもないのに、まったく抵抗の痕跡がないなんて。
もし家の主人がいない間にこっそり忍び込んだんだったら…
ドアや窓に痕跡がないのは説明がつかないよな。

夜蘭
そんなに細かく調べたんだから、ここで何が起こったのかは推測がついた?

パイモン
夜蘭、なにか証拠を隠してないよな?

夜蘭
私は君たちと同じ側に立つ人間よ。
君たちを困らせてどうするの?

パイモン
わかった、負けを認める。
オイラ、思いつかないぞ。

夜蘭
君は?
君も負けを認める?

①これ以上の情報はないから…

夜蘭
ええ、確かに思いつきにくいでしょうね。
正直なところ、私もたまたま関連する知識を持ってたから、糸口を見出せただけ。

-------------------------

②ただ旋律と関係があると思うとしか…

夜蘭
なかなかの直感ね。
まあ、直感じゃないのかもしれないわね。
これは君が把握して、いる数少ない情報の一つだもの。
私から、もう少し教えてあげるわ。

-------------------------

夜蘭
ずっと昔、璃月の郊外には山賊たちがいた――
彼らは村を襲う前に、決まって角笛を吹いたの。
あの怪しい音楽は決して雰囲気を盛り上げるためのものではなかったわ。
あれは弱者に対する威嚇であり、ある種の警告でもあった。
村人たちは命を守るため、そんな夜はすぐに家から逃げ出し、財産もできるだけ持ち出した。
他の事まで気にかける余裕はなかった…
その後、山賊たちはもちろん捕まったわ。
ただ、恐怖の影は永遠に、村人の心に残ってしまった。
昔のあの旋律を耳にした途端、無意識のうちに山賊が来たのだと思ってしまい、慌てて逃げ出す。
今私たちの目の前にある光景を作り出した犯人も、まさにこの点を利用したのよ。
だから侵入する際も邪魔は入らなかった。

パイモン
そうだったのか…

夜蘭
私たちの被害者は肝がちょっと小さかったけど、おかげで危険に遭うこともなかったはずね。
そうすると大事なのは、どうやってこの「模倣犯」を見つけ出すかってこと…

①「元素視角」を使えば…
②足跡を見つければ…

夜蘭
普段ならきっといい方法なんでしょうけど、今日はダメね。
周りを見てみれば分かるけど、この犯人は旋律を悪事に利用した以外に、逃げ方も心得ていたようね。
土壌に足跡が残らないように、わざと土の道を避けている。
それに、捜査に慣れた者にも気づかれないように、元素の染みついた道具は何も身に着けていなかったみたいよ。
でも、残念だけど私は追跡の専門家よ。
この程度の手口、何てことないわ。

パイモン
なんか…
オイラたち、夜蘭についていけばよさそうだな!

夜蘭
ええ、しっかりついてきてちょうだい。
安全を追求するなら、きっと草木の生い茂った道を選んだはずよ。
低木や木の枝を折らないで済むようなね。

…夜蘭について行く…

夜蘭
ほら、ここを見なさい。
とても浅い僅かな痕跡だけど、すごく不自然よ。
これは植物の上で重いものを引きずった跡だわ。
どうやら方向は間違ってなさそうね。
犯人の進む速度が早くなっている…
一般的に言えば、重いものを持ち歩くときって、時間が経つほど体力の消耗が大きくなるものよ。
なのにこういう異常を見せたってことは、きっと「心理的な」要因があったんだと思うわ。
例えば…
もうすぐ拠点に着くとかね。

パイモン
見えたぞ!
あそこ、宝盗団のテントだ!
くっそー、また宝盗団かよ!
もうすぐ海灯祭なのに、ちょっとは大人しくしようとか思わないのか。

夜蘭
さあ、一網打尽にするわよ。

…宝盗団の拠点に行く…

符景
おい!
お前らは誰だ?
どこから来た?

夜蘭
ええ…
証拠は確かね。

夜蘭
さあ、自白すれば大目に見てあげる。
私の堪忍袋の緒が切れないように振舞うことをおすすめするわ。

符景
バカなことを!
お…お前らが怖いもんか!

夜蘭
なら、もう少し怖がった方がいいわよ。

…宝盗団メンバー符景(道を踏み外した「音楽家」)を倒す…

符景
くっ…
こんなに手ごわいやつらだったのか?
だがこうなってしまった以上…
やるっきゃない!

符景
お許しを――

夜蘭
あら、叫ぶのがちょっと遅かったわね。
危うく手が止まらないところだったわ。

符景
悪かった、俺が悪かった。
本当に反省します!
どうか大目に――

夜蘭
ふん。
自分で白状なさい。
チャンスは一回しかないから、私に問い詰めさせないことね。
じゃないと…

符景
は、はい!
わかってます!
ほら…
もう祭りじゃないですか…
自分も物を買って、生活を改善したいもんで…
確かに俺は宝盗団の者だが、普段はそういった盗みとかスリとかは経験がなくて。
いざやるってなると…
本当に怖くてできなかったんです。

パイモン
おい、今さら言い逃れかよ!

符景
い、いや、そんな。
俺は…
本当のことを話したまでです。

夜蘭
ええ、続けなさい。

符景
考えに考えて、最終的に小さい頃のことを思い出しました。
山賊が角笛を吹くと、すぐにおばあちゃんは俺たちを連れて逃げ出したものだった…
俺は…
俺は記憶に残ってる旋律でやってみたんです。
最初は本当に試すくらいの気持ちだった!
まさかあの家の人が本当に逃げるだなんて…
そりゃ、口まで届けてくれた肉を食べない道理はないだろ。
い、いや、俺はその…
間違ったことをしたのは分かってます。
盗んだものも全部元通りに戻します。
どうか、どうか、寛大に…

夜蘭
寛大な処分、あるいは示談ですませて…
牢屋で海灯祭を過ごすことがないようにして欲しいのね?

符景
は、はい。
その通りです…

夜蘭
なかなかいい考えだわ。
でもね、最初に自白を求めたとき、君はチャンスを逃してしまった。
一緒に来てもらうわよ。
盗品を戻して、私と一緒に被害者を見つけて、面と向かって謝罪をしたら――
総務司まで護送するわ。

符景
うっ!

夜蘭
君も被害者だったなら、あの怖い気持ちは一番理解しているはずよ。
恐怖よりもその貪欲さの方が大事だった?
大体、その才能があったら、まともな職に就いたほうがより上手く自活できるんじゃないかしら?

符景
おっしゃる通り…

夜蘭
ふふっ、ここまでにするわ。
反省の時間はこれから沢山あるものね。
後片付けはついでにやっておくから、ここで別れましょう。

①わかった。
②お疲れさま!

夜蘭
…ええ。

パイモン
あれ?
まだなにかあるか?

夜蘭
今のところ、あなたたちの情報源はわからないから。
念のため、帰っても私の事は言わないでちょうだい。
捜査も逮捕も、もともと君たちがやろうとしていたことだし、この手柄を君たちにあげても間違いはない。
受け取ってくれた方が私も嬉しいわ。
少し早いけど、海灯祭を祝して。
さようなら。

パイモン
夜蘭ってテキパキしてるよな。
あいつに任せれば安心だぜ。

パイモン
ジャジャジャジャーン――
突発事件、「妙な旋律」クリアだぞ!
そういえば、結局あの宝盗団メンバーに例のメロディーを演奏してもらえなかったな、ちょっと残念だぜ。

①残念?

パイモン
想像できない音楽なんだから、気になってもおかしくないだろ!

-------------------------

②私も気になる。

パイモン
だろ!
やっぱりおまえにも想像できないよな!

-------------------------

パイモン
ドヴォルザークおじさんと何気なく話してたとき、音楽は全部いいものなんだって思ったぞ。
普段、オイラたちが耳にするメロディーはなんていうか、あれだろ!
人の気持ちを落ち着かせて、いい思い出を思い出させて、楽しかった体験を連想させたり…
まさか、音楽がこんなことに利用されるなんて。

①使う人の心理…
②音楽が、「伝える気持ち」に影響してる。

パイモン
うぅ、そうなのか?
確かにそうかもな…
オイラの音楽に対する理解が前よりも進んだ気がするぜ!
とにかく!
事件も解決したことだし、璃月港に戻ろうぜ。
百聞と突発事件の報酬がオイラたちを待ってるぞ。

…玉京台に行き、百聞に報告する…

百聞!
帰ってきたぞ!
事件はもう解決したぜ。

百聞
それはよかったです!
しばしお待ちください。
お二人が来たら報告するようにと、凝光様から言われておりますので。

そう言うと、百聞は急いで立ち去った…

凝光
二人とも、久しぶりね。

パイモン
もう長い付き合いなんだし、凝光はまだ海灯祭のことで忙しいんだろ。
オイラたちに気を遣うなよ。

凝光
長い付き合いだからこそ、粗末な対応をしていい道理がないわ。
お茶でもてなして、少し休んでもらうくらいは当たり前よ…
けれど、確かにあなたの言う通りね。
例え他の些細な懸念をすべて取り除けたとしても、目の前にはまだ盛大な公演がある。
公演が終わったら、「イリデッセンスツアー」側を招待して今後の提携についても話し合わないと。
それから、出資の割合も詳しく話して決めなければいけないわ。
仕事って、永遠に終わらないものね。

パイモン
も…もう未来のことに手をつけてるのか?

凝光
ふふっ…
では「目の前」にあるものについて話しましょうか。
あなたたちはここに来るまでに、今年港口に置かれている明霄の灯を見たかしら?

パイモン
確かおっきな水鳥の形をしてたよな?
どの仙人が原型になったんだ?

凝光
「鳴海栖霞真君」――
この名前を覚えているでしょう。
言い伝えでは、彼は心が広い仙人で、自由気ままに行動し、人に真摯に振る舞うと言われている。

①覚えてる。
②かなり経ってるから、ちょっと忘れた…

凝光
「此の煌めく灯祭の中、英魂が海を渡って帰来することを願う。」
音楽が流れる水と共に四方へと響き渡れば、天にいる彼らの魂はこの時代の旋律を気に入ってくれるかしら。

パイモン
気に入ってくれると思うぞ!
だって、凝光の話からすると、仙人も英雄もみんな心が広いもんな。
新しい物事に対しても、包容力はばっちしだと思うぜ!

凝光
ふふっ、ならよかった。
甘雨が伝説の仙女の子孫を探すのを手伝っていると聞いたわ。
途中で何か面白い出来事があれば、私にも教えてちょうだい。
そんな良い話、私も見逃せないもの。

>約束する。

>≪この瑶琴を誰に聴かせよう≫