第二章 第三幕・千手百目の浮世/願い

修正(画像/書体/吹出) 魔人任務

あなたは皆の期待に応え、結果、雷電将軍は目狩り令を廃止した。
事がいったん落ち着いた今、八重神子に会いに行こう。

…八重神子を訪ねる…

八重神子
これはこれは、名誉の凱旋を果たした旅人ではないか。
神社へは願解きに?

パイモン
おまえが呼んだんだろ!

八重神子
ふふっ…
冗談じゃ、待っておったぞ。

パイモン
神子も気分がいいみたいだな。

八重神子
そうじゃ、長年会っていなかった旧友と話せたのじゃ、嬉しいに決まっておるじゃろ。
ところで…
その後聞いたんじゃが、まさかフアデュイの執行官と御前試合をしたとはな。
その度胸は称賛に値するぞ。

>ふいに思いついただけ。
>あの時はつい勢い任せで。

八重神子
正面から「淑女」を倒すとは、汝の実力は妾の予測を超えておる。
まあともかく、勝ったならそれでよい。
めでたしめでたしじゃ。

パイモン
やっとファデュイの計画を一回阻止できたな。
えへへ。
少なくとも今回は、「神の心」を奪われなかった!

八重神子
待て、「神の心」と言ったか?
それは、駒のようなものでは?

パイモン
そうだぞ、神子も見たことがあるのか?
七神が持ってて、天空の島と繋がってる「神の心」だ!

八重神子
ふむ…

パイモン
どうしたんだ?

八重神子
あれなら、妾が差し出した。

>ん?

パイモン
えっ?

八重神子
そうでなければ…
如何にして「散兵」から汝の命を救ったと思う?

>……
>あの時もう渡してたの…

八重神子
「散兵」は今やファトゥスの第六位、実力においては「淑女」よりも上じゃ。
妾は自らの命を賭けて戦うような性格ではないぞ。

パイモン
もう、なにを言ったらいいのかわからない…

>でも、なんで神子が「神の心」を?

八重神子
影が人形を作ってから、「神の心」を置いておける場所がなくなった。
かつて影と最も親しくしていた友である妾に…
影はその「神の心」を渡したんじゃ、鳴神大社に保管させるためにな。
あやつは元々もう「神の心」の力を必要としておらんかった。
あやつによれば、もう天空の島とは連絡を絶っているそうじゃぞ。
であれば、「神の心」は争いを招く無用な物にすぎぬ。
そんな物と「計画」の核心となる人物を引き換えることができるのなら、割のいい取引だと思わぬか?
結果から見れば、妾の儲けじゃな。
ふふ。

パイモン
そう言われると、そうだな…
オイラも、旅人は神の心よりも大事だ…

>どうりでその後「散兵」を見なかったわけだ。
>私ってそんなに価値があるんだ。

パイモン
はぁ、仕方ないな。
もう今さら取り戻せないみたいだし、過ぎたことを考えても意味ない。
そういえば、神子、まだオイラたちを呼んだ理由を聞いてなかったよな。

八重神子
ふふ、お礼のためじゃ。

パイモン
本当か!?

八重神子
汝らがテイワット全土を旅するというのなら、稲妻の旅も一段落ついたことじゃろ?
お礼として、この先の道のことでも、今までの疑問のことでも、妾が汝らに答えようぞ。
何か聞きたいことはあるか?

>「人形」の将軍について…

八重神子
「人形」の将軍を作った技術は、今では失われている知識からきたものじゃ。
神であるあやつにしか分からぬことなのかもしれぬな…
じゃが…
汝らが興味を持ちそうなことは、なくもない。
影が自身の神の体を改造する前、「原型の人形」を創造したことがある…

パイモン
じゃ、じゃあ雷電将軍は3人いるのか?

八重神子
いや、あの原型はただ実現性を確認するためのもので、見た目も知能も影自身を設計に作られたものではない。
言わば試作品じゃな。
当時の計画では、それを直ちに廃棄する予定じゃった。
しかし影はそれを残酷と思ったのか、それの体内にある力のみ封印することを選んだんじゃ。
その後、あれはただの人のように、己の意志を頼りに稲妻の土地を彷徨い続けた…
ファデュイに目をつけられるまでは。

パイモン
ファデュイ!

八重神子
そしてその原型の人形は、ファデュイたちに調整され、力の封印が解かれたんじゃ。
いや、封印前よりも強大になっているかもしれぬな。

>まさか…

八重神子
うむ、神の造物であり、神の心を奪った者…
原型の人形とは「散兵」のことじゃ。

パイモン
そ、そんなことがあったなんて!

八重神子
そうじゃな、偶然と言うべきか、運命と言うべきか。

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>前任の雷電将軍について…

八重神子
汝のような異郷の者が、雷神が変わったことを知っているとはな…
稲妻の民ですら滅多に知られておらぬことじゃ。

鍾…
モラクスが言ってたんだ、雷神バアルが亡くなったって…

八重神子
うむ。
じゃが事実を言えば、「バアル」と「バアルゼブル」は双生の魔神なんじゃ。

パイモン
双生の…魔神?

八重神子
彼女らは力を合わせて魔神戦争に勝利し、バアルが幕府を設立した後、バアルゼブルはバアルの御側として「影武者」となった。
バアルゼブルは汝らも知っているあの影じゃ。
そしてバアルは、名を「眞」と言う。
世間からすれば、両者は常に一体の存在で、互いを補い合い、共に稲妻を治めてきた。
よって人々が真相を知る必要もなかったんじゃ。
魔神「バアル」の名であれ、雷電将軍の肩書きであれ、常に両者を指すものと見なされていた。
あの時までは…

パイモン
あの時?

八重神子
数百年前、妾が参加しなかった戦争で眞が死んでから、影が表舞台に出るようになったんじゃ。

パイモン
影もショックだっただろうな、姉妹だから…

>数百年前の…戦争…
>もしかして…カーンルイアの…

八重神子
影が変わったのもあの時からじゃ、あやつが「失ったもの」の中で一番大きかったのじゃろう。

パイモン
そんなことがあったのか…
なんかだんだん影のことがわかってきたな…
でも「眞」ってどんな神だったんだ?

八重神子
彼女とは長い付き合いではなかったが、印象では…
優しい神じゃった。
常に目の前にある輝かしいものを大切にしていたな。

パイモン
そうだったのか…

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>お兄ちゃんについて…

八重神子
すまぬ、それについては妾もさっぱりじゃ。
汝らの言ったあの神についてもな。
じゃが、もし汝らが影を疑っているのなら、それは少し考えすぎじゃ。
影は、汝らが会ったという神の特徴と異なるだけでなく、遥か昔に神の心を自ら放棄し、天空の島との繋がりを断ち切っておるんじゃ。

>会った後に彼女じゃないのは気づいてた。

八重神子
それはよかった。
さもなければ、雷神の眷属として、妾たちの関係も微妙なものとなってしまうからのう?

パイモン
安心しろ、オイラたち、おまえとはケンカしたくないから!

八重神子
ふふふ…
汝らが目的を達成できることを願おう。
すべての真実を知るがよい。
汝の兄の痕跡については、妾も持てるすべてのものを利用して調査する。
綾人から借りた終末番の手下も含めてな。
何か情報を手に入れれば汝に通達しよう。
これも報酬の一部じゃ。

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>次の旅の地点について…

八重神子
稲妻の後は、そうじゃな…
スメールに行く…
のが楽じゃろう。

パイモン
スメールか、これまでにもたくさんスメールの学者には会ってきたぞ。

八重神子
うむ、スメールは知恵の神を持つ国。
彼らの知恵と知識の探求は止まることを知らぬ。
じゃがその執着は、時に不可解なことに繋がることもある。
例えば…
…スメールでは、知識は「資源」として統一管理されているんじゃ。

パイモン
知識が…資源?

八重神子
うむ。
じゃが、その決断をしたのが「賢者」たちか「クラクサナリデビ」かは分からぬがな。

パイモン
「クラクサナリデビ」?
なんか可愛い名前だな。

八重神子
ん?
知らぬのか。
「クラクサナリデビ」はスメールの信仰する神であり、スメール人が使う彼女への愛称じゃ。
汝らも彼女に確認したいことがあるんじゃろ?
上手くいくことを願ってるぞ。

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>もう聞くことはない。

八重神子
そうか、分かった。
そうじゃ旅人、妾が送った御守りはまだあるか?

>もちろん、大事にとっておくつもり。

八重神子
大事にとっておく、それだけか?
妾はてっきり、汝がそれを胸の前の一番目立つ場所にかけ、これは英知と美貌を兼ね備えた八重神子様からの贈り物だということを、これから会う人一人一人に言うのかと思っておったぞ。

パイモン
誰がそんなことするんだよ!

八重神子
ふふ…
まあよい。
ところで、汝の願いはなんじゃ?

>えっと…お兄ちゃんを見つけること?

八重神子
そうか…
じゃが、それは汝の小さな目標にすぎぬとは思うぞ。
汝にとって、「願い」とは浮世も星海も越え、運命と共に輝くものであるはずじゃ。
汝に神の目がないのは、その願いがまだ生まれておらぬからかもしれぬな…
これからの旅で、それを見届けてくるとよい。

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