この小説…すごいのか?②

依頼任務 修正(吹出)

◆茂(「八重堂」編集)
◆順吉(作家)

「八重堂」の編集者である茂と小説家の順吉がなにか揉め事をしているようだ…

…茂と順吉を訪ねる…

順吉、提出締め切りは明日だ。
絶対に遅れるなよ!

順吉
焦ってもしょうがないよ。
肝心なところで行き詰まっていて、物語をどう進めたらいいか分からないんだ。

>何か揉めてるの?

た…旅人か?
丁度いいところに来た、客観的な意見を聞かせしてくれないか。
僕は「八重堂」で編集者をしている茂だ。
彼は僕が担当している作家の順吉。
彼の新しい小説『鬼武道』は人気があるんだが、いつも締め切りに間に合わなくて、数週間遅れることもある。
今回もやっちまったんだ。
明日中に提出しないと、今月の合併号の印刷が間に合わなくなってしまう。

順吉
最悪の場合、発売を延期するしかないよ。
ファンの人はそれでも買ってくれるから。


冗談じゃない。
もし連載を続けられなかったら、小説の評価はガタ落ちだ!

順吉
でも本当にアイデアが湧かないんだ。
水増しした内容を書くよりも、面白い物語をじっくり考えた方がいいと思うんだ!


だが他の作家はちゃんと提出済みで、間に合ってないのは君だけなんだぞ!

>順吉さんは刺激が足りないんだと思う…

順吉
そう!
君は、僕を理解してくれるんだね。
そう、刺激が必要なんだ!
刺激を求めてどこかへ旅にでも出れば、何を書けばいいのか分かるかもしれない!


おい、前回もそんな言い訳をして、一日遅らせたよな。
またやるのか?

順吉
今回は言い訳じゃない、一回ぐらい信じてくれよ!


まったく…
分かった、二度目はないぞ…
これ以上の延期はもう許されないからな、分かったな!

順吉
わ、分かったよ…
ふぅ…
今回は本当に遅れるわけにはいかなさそうだな…

①早速刺激になりそうなものを探しに行こう。

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②アイデア探しに行こう。

順吉
そう言われても、アイデアってのはそう簡単に見つからないんだよ…
でも今はあっちこっち探してみるしかないな。
さもないとまた茂さんに怒られる…

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順吉
今考えてる章では、主人公は単身で敵地へと乗り込んでいるんだ。
そこの敵を何とかするには、情報収集が必要不可欠だ。
果たしてどうやってこの難関を突破するべきか…
うん、とりあえず同心たちの仕事を観察してみよう。

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今月の合併号の印刷に間に合えばいいんだが…

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…順吉と共に同心たちの仕事を見学する…

順吉
同心たちは花見坂の平和を守っていて、怪しい人物は彼らの監視から逃げられない。
敵国の騎士は同心と同じ責任を担っている。
じゃあ、もっと面白くするために、同心の…
十倍の強さに設定しよう。

①いくら何でも強すぎる!
②主人公にどう対処させるつもり?

順吉
そうした方が一番分かりやすいからね。
主人公の強さをうまく表現しないと!
主人公がどう対処するかというと…
えーと、主人公に偽装能力を与えよう。
姿や声を自由に変えられる能力があれば問題ない。

>いきなり出てくる設定なの?

順吉
主人公の隠し能力さ。
手強い相手に出会ったからこそ、使わざるを得なかったんだ。

>その…無理やり過ぎない?

順吉
そ、そんなことないよ…
あらかじめそう考えてたんだ。
よーし、そうしよう。
戻って僕の構想を茂さんに教えよう。

…八重堂に戻って茂に会う…

順吉
同心たちの仕事を観察してたら、物語の突破口を見つけたよ!

おっ?
よかったな、教えてみろ!

順吉
突然、主人公は超一流の偽装能力に目覚めるんだ。
その名は「万鏡化形」、姿や声を自由に変えられる能力なんだ!
こうなったら、敵がどんなに防御したとしても、主人公を止めることなどできない。

おい…
またそんなマネをするのかよ!

①また?
②どんなマネ?


お前な!
また無理やり設定を加えるつもりなのか。
新しい章を書き終えるために、とにかく設定を一つ加えて、その設定の筋道を立たせるために、さらに複雑な設定を加える。
そうだろう?
どんなにその登場人物が好きだと言っても、無理やり設定を加えるのはやめてくれ!
読者が目を回してしまうぞ!

順吉
僕はいつもそういう作風じゃないか。
そうした方がキレのある物語になるし、ファンもきっと喜んでくれる!

でたらめを言うな!
お前のむちゃくちゃな設定のせいで、読者はもう混乱してきているんだぞ!

順吉
考え方が古い君とはもう話したくないね。
ちょうどいいから、旅人に判断してもらおうよ。
旅人、僕と茂さんのどっちが正しいと思う?

①順吉の考えも悪くないんじゃないかな…


悪くないって?
このままじゃ、彼自身もめちゃくちゃな設定のせいで混乱してしまうよ!

順吉
はははっ、ほら、旅人が僕の味方をしたってことは、それほど面白いアイデアだったんだね!
読者を魅了する洒落た物語こそが、小説では最も重要なんだ。
引き続きその方向で進めるよ。

君ねぇ…

順吉
心配しなくていいよ。
自分で書いたものはちゃんと把握してるし。
この線で行けば、きっと大好評になる。
安心してみていてよ。

《任務完了》

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②茂の方が合理的だと思う…

順吉
合理的?
合理性よりも爽快感ある物語の方が重要だろ?
物語で人を魅了できなかったら、合理性があっても退屈になるだけだ!

お前なぁ…
一時的に盛り上がったとしても、無理して設定を加えると、物語の終盤で自分を追い込んでしまう羽目になるぞ!

順吉
そ、そこは記録しておいたから、終盤も問題ない!


ほら、記録しておかないと自分でも覚えられないんだろう?
読者にもメモを取りながら読んでもらうつもりなのか?

順吉
ぐぅ…それは…


設定を加えてはいけないって訳じゃないが、加えるにしても、方法や頻度を慎重に考えるんだ。
小説を書くということは、結局は体力勝負なんだ。
最初に頑張りすぎると、終盤は手に負えなくなる。
一歩一歩着実に進めて初めて、いい小説が完成するんだ。

順吉
わ、分かったよ…
うぅ…

《任務完了》