古聞の章 第二幕・匪石/混沌の中、岩は動かず

修正(吹出) 伝説任務

◆クンジュ
◆阿鳩
◆若陀龍王
◆戴(鉱夫のリーダー)
◆田饒舌

あなたたちは南天門の近くにたどり着いた。
古代の木々が静かに立ち、山と川の歳月を見届けてきた。
鉱夫たちを救うため、謎を解くため、あなたたちは答えが隠されている古き地へと足を運んだ…


…クンジュと合流する…

パイモン
クンジュ――!
出発するぞ!

クンジュ
はい、僕もちょうど終わりました。

鍾離
何か収穫は?

クンジュ
ここ一帯の石が綺麗だということ以外、特別なところはありませんでした。
触れても何も見えず、手がかりも…
やっぱり、鉱石の記憶は時と環境によって変化するみたいです。

>何か規則があるの?

クンジュ
えっと、具体的には分かりません…
ただ鉱石に残ってるのは、最近の記憶であることが多いですね。

パイモン
昔の記憶は見れないのか?

クンジュ
岩は永い時を経ても変わりませんが、記憶は時と共に消えてなくなります。
長期保存できる記憶は、大抵は強烈な感情や気持ちを持ったものだけなんです。

パイモン
人間と同じで現実的だな。

クンジュ
はい、そうなんです…
では先に進みましょう。

…古樹の下で手がかりを探す…

クンジュ
うわっ、大きな木ですね!

パイモン
なんか不思議な結晶がたくさんあるぞ、気になる。

鍾離
この古樹…
二手に分かれて調査しよう。
向こうは俺が見る、ここ一帯はお前たちに任せた。

①分かった。
②気をつけて。

鍾離
ああ。

パイモン
クンジュ、なにか調査できそうなものは見つかったか?

クンジュ
石碑が1つありました。

パイモン
なんか役に立たなそうだな…
他の場所を見るか。

クンジュ
いや、ダメもとでやってみましょう。
…………!
(これは…)

パイモン
えっ、どうしたんだ?

クンジュ
…いえ、大丈夫です。
少しめまいがしただけですから。

>何か発見はあった?

クンジュ
今のところ…
まだ何も。

パイモン
仕方ないな。
蛍、オイラはあっちを探してくるから、おまえは木の上を見てくれ。

>木の上に手がかりなんてあるの?

パイモン
見てみないと分からないだろ。
それに、高い所からならここらを見渡せるぞ!

クンジュ
……
そ、そうですか?

パイモン
そうだぞ、オイラの考えに間違いはない。
いや、待てよ…
オイラってば飛べるじゃないか!
やっぱりオイラが行ってくる、おまえたちはここで待ってろ、すぐ…

鍾離
全員、こっちへ。

パイモン
あれ、鍾離の声だ…
木の後ろの方から聞こえたけど、何か手がかりでも見つけたのかな?
もしかしたら人がいたのかも。
早く行ってみよう!

…鍾離を探す…

鍾離
この道は新しい。
どうやら、答えはこのすぐ先にあるようだな。

パイモン
中から声が聞こえるぞ…
うわ…
オ、オイラ一番前はいやだぞ!

鍾離
安心しろ、先頭は俺が切る。

クンジュ
……

鍾離
中から尋常ではない気配がする。
警戒を解かず、戦う準備をしておけ。
戦う準備をしておけ。

…準備を整えトンネルへ向かう…

トンネルの中で、失踪した鉱夫たちが必死に道を掘っていた。
そしてその先に、古びた封印の門が微かに見えた。
どうやら、彼らはそこでずっとトンネルを掘っていたらしい。
あなたが疑問に思ったその時、鉱夫たちとうわさの青髪の子供が突然攻撃してきた。
混乱の中、大地が震え始める。
強風により、あなたたちは封印の門に吸い込まれてしまった…


鍾離
これは…

パイモン
行方不明の鉱夫たちだ!
な、なにを振ってるんだ?

鍾離
もしやこのトンネル
彼らが掘って出来たのかもしれない。

パイモン
あの門…
元からあったのか?

鍾離
古ぎ印に続く道だ
誰かが止めなければ
彼らはあのまま振り続け封印の門を開けるだろう

パイモン
ま、まさか封印の中になにか…
うう…あっ!!
どうしよう、一般人は攻撃できない!


門内には、天を震わせ地を動かす巨龍が待ち受けていた。
その巨龍こそ、この異常事態を引き起こした元凶であった。
封印から解き放たれたばかりの巨龍は、その怒りをあなたたちにぶつけることにした…

パイモン
なんだこのバケモノ!?

若陀龍王
モラクスよ、まさか直々のお出ましとは、貴様に封印された復讐がやっとできるわい!

鍾離
なるほど、あの子供はお前の力によって形成されたものか。
しかし若陀龍王、覚えているか…
こうなったのは俺とお前の本意ではない。

若陀龍王
戯言を、死ねい!

【体力回復】
パイモン
気をつけろ!

???
任せろ。

鍾離
回復した?
まさかお前は…

???
戦闘に集中しろ!
モラクス!

…若陀龍王(封印されし岩龍の王)を倒す…

若陀龍王
グゥッ…!
吾を裏切った責様が、また吾を裏切るというのか!

鍾離
そう思うのなら…
それも致し方ない。
いつの時も、記憶を持つ者は真実という重みを背負う。

若陀龍王
モラクスよ!
吾を滅ぼすというのか!

鍾離
……

若陀龍王
うっ…

…真相を聞く…

阿鳩
モラクス!
かつて貴様に地下に封印された吾が、よもや千年後もまた貴様に…!

鍾離
……
宿命として受け取れ、若陀龍王。

阿鳩
宿命?宿命…!宿命!!
ハハハハハッ!!
それが神の器とでも言うのか?
不要なものを滅ぼし、殺戮者を率いて荒野を蹂躙するのか!

???
違う、費様が忘れたのだ。

パイモン
この声…

鍾離
若陀…

クンジュ
えっ、クンジュ!?

クンジュ
久しいな、モラクス。

阿鳩
費様は一体…

クンジュ?
見ての通り、若陀龍王だ。

鍾離
先の戦いの中、お前は力をすべて俺たちに使った。

クンジュ?
フツ、仕方のないこと。
これが、吾の持つすべてだ。

①一体どっちが本物の若陀龍王なの…
②あなたはクンジュじゃないの?

クンジュ?
真相を告げなかったのは悪かった、旅人よ。
吾もこの木の下に来てからはっきりと理解したのだ。
正確には、吾は完全な若陀龍王ではなく…
その一つの欠片にすぎない。
天地、陰陽、両儀、吾とそこの龍王をそのような「存在」だと思ってくれていい。
「吾ら」はみな、若陀龍王の意志なのだ。

パイモン
若陀龍王が2人も!?

阿鳩
ありえん!
まさか費様は…!?

クンジュ
結界が緩み、貴様の力が外界で子供の形を生成した。
貴様はそれを通して鎮圧された怨恨を訴えたが、人々が振り向くことはなかった。
そこで貴様は封印が緩んだことを利用しようとした。
鉱夫を攫ってきたのも封印の中と外から同時に攻撃し、それを解こうとしたからだろう。

阿鳩
戯言を!
貴様が吾の一部だというなら、なぜ裏切り者の側に立つ!

クンジュ
吾は封印が緩んだ時に覚醒したもう一つの力。
個体になるほどの力は持たず、こうして人間に憑依するしかない。
吾の意識は混沌であった、自分が誰なのかも分からず、過去に関係があったことにしか反応しなかった…
吾の目的はただ一つ――
モラクスを見つけ、彼に貴様を止めさせること。

鍾離
「鎮龍石」の一件で異変に気付いたが、もしお前の力がもう少し強ければ、もっと早くに気付けていたはずだ。

クンジュ
貴様のせいではない、吾はとっくに変わり果てた。
あの古代石碑に触れてやっと過去を思い出した。
永かった。
若い人間と年老いた龍が知り得ない秘密…
モラクス、貴様から言うか?

鍾離
どちらでも構わない、お前が決めろ。

クンジュ
ふん、相変わらずだな。
では吾が言おう。
若陀龍王は元々岩神モラクスの友であり、戦友であった。
寿命も人間を遥かに超えている。
大地の生物はこの地面にある岩のように…
岩の記憶は長くはもたない、残留できるのは強烈な感情のみ。
時が経つにつれ、記憶は薄れる。
「摩耗」こそが、この世界がそれに課した導火線なのだ。

>「摩耗」…

クンジュ
摩耗によって若陀龍王の思考は奪われ、旧友の面影も思い出せなくなった。
かつて自身が璃月港を守っていたことも。
龍王は暴虐を尽くし、力を振るった…

阿鳩
それは人間が吾を支える地脈を荒らしたからだ!

クンジュ
確かにそれは事実だ。
だから「貴様」は層岩巨淵を攻撃し、モラクスとあの戦いを繰り広げた。
当初、領土を開拓し生産性を発展させるために、璃月人は鉱山で採掘を始めた。
しかし過度な採掘は地脈振動を引き起こし、「吾ら」を苦しめた。
「摩耗」も「吾ら」をより獣のようにした。
どれほど足掻いても、「吾ら」は人々と共存する力を失い続け…
理性を失った。
モラクスは自身の力を用いて「吾ら」の摩耗を食い止めようとしたが、それも無駄だった。
「摩耗」は天理の成すものであり、止められない力であったからだ。
だから、「吾ら」は「貴様」となり、「貴様」の意志から「吾」が生まれた。

阿鳩
……

クンジュ
吾は貴様の最後の契約、若陀龍王とモラクスの契りを見届けるがいい。
憤ろうとも構わないが、否定はするな。

阿鳩
やめろ、やめろ…

クンジュ
吾こそは若陀龍王の善意の残滓、契約の意志を掲げ、未来のため、人類と平和に共存することを願わん。

阿鳩
断る!
吾は若陀龍王、元素結晶により生まれしもの、大地の力と記憶を背負い、山海と共に年月を歩む。
決して虫けらの盟友などではない!

クンジュ
モラクスは虫けらではない。

阿鳩
虫けらの神なんぞ、虫けらも同然!

クンジュ
貴様は忘れたのだ。
モラクスを最も認めているのは貴様であり――
吾でもある。
貴様が忘れたことも、吾の心に残っている。
貴様が大地の記憶だというのなら、吾は人間と共存する記憶だ。
天動万象、山海化形…

阿鳩
…荒地生星、璨如…烈陽…

鍾離
……

阿鳩
おかしい、なんだこの感覚は?
これは…一体…

クンジュ
貴様はとっくに枯れ果てた、吾より先に消滅する。
しかしその前に、これを貴様に授けよう。
春になれば荒野に雪が降り、一瞬で融け逝く。
それがつかの間で、貴様の心に痕跡を残せなくとも…
たとえそれが最後であったとしても…

阿鳩
違う、そんなもの…
宿命だとは認めない!

クンジュ
宿命でなくとも、すでに定められたことなのだ。

阿鳩
モラ…クス…

パイモン
あの女の子が完全に消えた…

①封印される宿命?
②摩耗される宿命?

鍾離
若陀、もういいのか?

クンジュ
自らけじめをつけたのだ、良くも悪くもない。
モラクス、貴様今の名を鍾離といったか?

鍾離
ああ。

クンジュ
やはり、吾はモラクスと呼んだ方がしっくりくる。

鍾離
好きに呼ぶといい。

クンジュ
貴様が吾に与えたもの、忘れぬ。

鍾離
大したことではない、気にするな。

クンジュ
目が見える者には分からんよ、盲目の龍が日の光を追い求める気持ちが。
しかしモラクスが若陀龍王に目を授けたこと、忘れはしない。
……

鍾離
そろそろ力が枯れ果てる。

クンジュ
相変わらず察しがいいな。

鍾離
少し外を歩かないか?

クンジュ
今やるべきは、封印の外にいる鉱夫の救助ではないのか。

鍾離
そうだ。
だからこそお前と外を歩き、お前が引き起こしたことへのけじめをつけたい。

クンジュ
ハハハ、それもそうだ。
よかろう。

パイモン
おお、ここに戻ってきたか!
とにかく早くさっきの鉱夫の様子を見に行こう。

…古樹の下に戻る…


お前たちここにいたのか!
お前たちが残した手がかりを辿ってやっとここに着いた。
道中、休んでいる小茂を見つけたから、すぐに処置を施した。
だが、未だ他の3人は見つかってない…
ん?クンジュ、お前…

クンジュ
大したことではない、心配するな。
その鉱夫たちなら、そこの洞窟の中にいる。


ど、洞窟の中?
何か起きたのか!?

鍾離
体力を使い果たしてはいるが、命に危険はない、安心しろ。


よかった…よかった…
みんなありがとう!
今すぐ様子を見に行ってくる。

クンジュ
その人らを璃月港に連れて帰るのか?


ああ、そうだ!

クンジュ
吾も一緒に、いいか?


問題ない!
みんな俺らの仲間の命を救ってくれた思人だ、要求には必ず応える。
だが感謝の前に、まずはあいつらの様子を見に行かせてくれ。

パイモン
クンジュ…
あっ、違う、龍王!
おまえも璃月港に戻るのか?

クンジュ
吾ではない、この体のことだ。
吾が消えたあと、この体の主人を鉱夫たちと一緒に璃月に連れ帰るといい。
クンジュは名匠の子孫、いつの日か必ず輝く時が来る。
そのような人間に万が一のことが起きてはならん。

鍾離
お前は相変わらず、鍛治に興味を持っているのだな。

クンジュ
刀に目はなくとも、職人には情がある。
人情という二文字は、人類が最も誇るべき思想であろう?

鍾離
若陀、俺はもう岩神ではない。

クンジュ
…あぁ、すでに察している。

鍾離
今の俺は、ただの平凡な璃月人だ。

クンジュ
貴様ですらその一歩を辿るとはな…
言っておくが、再び振動が起きた時、吾が目覚めないという保証はない。

鍾離
構わない。
その日が来たとしても、璃月の民ならばお前と向き合う準備が整っているだろう。

クンジュ
岩王帝君がいない璃月は、本当に大丈夫か?

鍾離
神がいなければ、ここは人の国だ。
俺は人の神であった、人の盛衰を見届ける義務がある。

クンジュ
すべての命は年月により摩耗し変質する、貴様は吾らの中で最も堅強な魂であった。
しかし、それでも摩耗するとは…
だが構わない。
因果は天によって定められる。
吾らの使命が終わりを迎えるのなら、勇敢に別れへの道を歩むべきだ。
貴様は永遠の時を生きるだろうが、それは同時に孤独を背負うことにもなる。
しかし、それもつかの間のこと、時間の終わりに到達した時、過去と未来に関わったすべての人と再会できるだろう。

鍾離
寿命ならお前の方が長いだろう。
元素によって作られた生物の寿命は、この大陸で最も長いかもしれない。

クンジュ
そうでなければ、吾を殺せずこうして吾に無理矢理会わされることもなかっただろう。

鍾離
冗談を。
旧友との再会は、喜ぶべきことだ。

クンジュ
かつての層岩巨淵でのこと、躊躇いはあったか?

鍾離
岩石には心がある、俺もまたしかり。
しかし俺は契約の神、かつての璃月の神でもある。

クンジュ
貴様は義を選んだが、仁は捨てなかった。
だから吾を殺さなかったのだろう。
吾は自ら望んで封印されたのだ。

鍾離
龍は天を震わせ地を動かす。
お前の力なら、たとえ全盛期の俺でも一人で相手にするのは難しかっただろう、封印などもっての外だ。

クンジュ
だから「吾」が生まれたのだ。
どう取り繕おうが、吾も璃月の誕生を見届けた者。
どんなに姿が変わろうが、自らの方法で契りを貫き通す。
契約の神の友として、これが契約を全うする吾の最後の方法だ。

鍾離
……
感謝する、若陀。

クンジュ
吾の生命は無限に近い、永遠の時と共に続くだろう…
そしてモラクス、貴様も非常に長い時を持つ者。
……

鍾離
行くのか?

クンジュ
モラクス、縁があればいつの日か必ず、また会おう。

クンジュの体から光が飛び出て、若陀龍王は去っていった…

パイモン
うわっ!!

>今、倒れたのは…
本物のクンジュ?

鍾離
ああ。
心配はいらない、眠っているだけだ。

パイモン
うーん…
なんか変だぞ、突然別人になったような。

鍾離
俺たちとクンジュは、確かに互いを知らない関係だ。

>でも体内にいた若陀は…
先生の大事な友人だ。

鍾離
ああ。
もうかなり昔のことだ…
千年も経ったが、昨日のことのように鮮明に覚えている。

・ムービー
創龍点睛
龍を創ったのは君臣の義であり、旧友の宜である。
正しく光一線、璨如烈陽。
この仙骨を得てこそ、俗世赴くに足りる。」
――野史話本『璃月今世新説演義・創龍点睛』

戯が史を観て、真偽計らい難く、善悪冷暖知るは己のみ。
山が人を観て、天地の寿命長き、麗しき歳月も逝き易し。
友が友を観て、光陰は矢の如し、千の時も一時の朝夕なり。

田饒舌
「前回の続きといこう」
「岩王帝君は山々を一人でくぐり抜け」
「地の割れ目から」
「聞いたこともない音を聞きました」

鍾離
璃月の地下に住む 古代の岩元素生物
そのほとんどは目が見えず
何千年も空を見たことがない

田饒舌
「その音は…歌のように悲しくもあれば」
「雷のように恐ろしくもありました」
「岩王帝君は辺りを回り」
「岩層から奇妙な石を見つけました」

鍾離
それが 岩陀龍王だった
彼のに応え 俺が地上に連れて行った

田饒舌
「岩王帝君はその石を哀れみ」
「自らそれを本物と見紛う」
「巨龍に堀り上げました」

鍾離
俺が 彼に世を見る両目を与え
契約を交わした…

田饒舌
「指を筆のように振るい」
「龍の目の玉を付けました」
「その瞬間 空に雷鳴が轟き」
「本物の龍が現れたではありませんか」

鍾離
俺は彼が地上の人々と生きることを認めた
しかし 彼が秩序を破れば
再び暗闇に封印することになる

田饒舌
「その後」
「龍はいついかなる時も 岩王帝君のそばに仕え」
「一緒に戦いました」
「このような言葉があります――」
「金石が砕かれ 埃を震わし」
「山と川を二つに裂いた」
「龍は命と目を与えられ」
「祝福の雨を大地にもたらした」

あなたたちは、鍾離がモラクスとして大地を歩んでいた時に岩元素創生物の若陀龍王に目を与えたという話を聞いた。
巨龍とモラクスは契約を交わし、数々の戦いと伝説を残したという。


そして戴はついでに眠っていたクンジュを連れて帰った。
残った者は言いたいことがあるらしい…


…鍾離と会話する…

鍾離
千年前、若陀は層岩巨淵を襲撃した。
俺がそれを阻止し、彼と戦いを繰り広げ、最後に彼を撃退し地下に封印した。
「鎮龍石」は、その戦いで生まれたものだ。
若陀は鎮龍石を本能的に感知することができる。
だからそれを辿って俺を見つけようとしたのだろう。
その大戦によって俺は彼を負かしたが、彼が俺より劣っていたということではない。
彼の心には、俺と璃月、そして地上の生命への情があったのだ。
彼は自らの意志で封印された。
しかし、「摩耗」によって、それすらも忘れてしまったのだ。

①「摩耗」の力は怖い。
②鍾離先生も「摩耗」されたの?

鍾離
俺も逃れることはできない。
ただ常人より心得があるだけだ――
その時が来れば、潔く離れるべきだと。
力が強大であればあるほど、「摩耗」がもたらす危険も大きい。
幾千年も経てば、岩ですら疲れ果てるだろう…

①だから離れる決断を…
②だから岩神をやめた…

鍾離
自らの手で友を封印した。
それも俺が経験した「摩耗」の一つだ。
正しい道のために、人々は諦め続け、失い続ける。
もしかするとこれが、「天理」が俺にかけた「摩耗」なのかもな。
しかし、俺は人の神だ。
どのように身分が変わろうと、この両目で人の歴史を知見する。
やっぱり、璃月のことを気にかけてたんだな…
大したことではない、俺の義務だ。
今回は助かった、感謝する。

パイモン
どういたしまして!

>待って。
聞きたいことがある。

鍾離
なんだ?

>私の兄について。

パイモン
そうだ、危うく忘れるところだったぞ!
この前、ダインスレイヴってやつに会ったんだ!
その人がオイラたちに、カーンルイアの消失と神々の制裁について話してくれて…
その出来事がオイラたちの探してる人と関係があるって知ったんだ。

①自分の家族に関係がある。
②自分にとって凄く大事なこと。

パイモン
鍾離、おまえは何千年も生きてきた正真正銘の神だろ。
だから、きっとこのことも経験してるよな。

鍾離
……
……………
それを言うことはできない。

パイモン
なんでだ!?

>……

パイモン
なんでなにも言えないんだよ?
オイラたちにとってすごく重要なことなんだ!

鍾離
分かっている。
しかしすまない、これは俺の契約なんだ。

パイモン
まさかそのことも、おまえの過去や若陀龍王と同じようになにか訳があるのか?

鍾離
この契約はすべてが始まる前に交わしたもの。
契約に従う俺には、それを守る義務がある。

パイモン
そんな…!!

鍾離
俺はお前を友だと思っている、お前を失望させるのは俺の本意ではない。
しかし契約の神として、この契約を破ることはできない。

①予想通り。
②なんとなく分かってた。

パイモン
こうなるって予想してたのか?

>だいたいね。

鍾離
お前はますます、この世界について分かってきたようだ。
この大陸にはまだたくさんの事が、秘密がある…
それらは長い時を経て、人々に忘れられ、見捨て去られてきた。
お前なら、それを見つけ、拾い上げることができるかもしれない。
証明するために証人が存在し、受け継がれるために記憶する者が現れる。
その者へと向かう道の途中、数々の困難に遭うだろう。
しかし、お前がその道を「正しい」と信じる限り、そのすべてに意味がある。

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鍾離
この石碑は、理水畳山真君によって建てられた。
碑文では若陀を悪龍とし、後世の人を近づけさせないため忠告をしている。
しかし残念ながら…
善と悪は紙一重。
善悪が簡単に説明できるものであればよかったのだが…

>(静かに木の下の鍾離を見る…)

そして、鍾離はずっと黙っていた…
(静寂の中、風だけがざわめく。
時は形のない川のように、静かに流れているようだ…)
そして、はずっと黙っていた…
(瞬く間に、千年もの時が経ち。
岩には心があり、大地と神々もまたしかり。)

《任務完了》