ドゥーラン

(そうだ、好きな料理はある？)
(でも、危ないだろ…)

神殿の中に入るな、危ないんだ。

①この辺りで何か気になったものはない？

そういえば、この付近である鉱石を見かけたよ。
僕の記憶が正しければ、確か「魔晶鉱」って名前だったと思う。
その鉱石は地脈エネルギーの影響を受けてできたらしく、数が少ないと聞いた。
加工ができる鍛冶屋もあまりいないらしい…
興味があるなら行ってみるといいよ。
場所は…
…よしっ、地図にマークしておいたよ。
メモを取ることは冒険者の必須スキルだからね。

【採掘済み】
この辺りは特にないな…
しいて言えばパチが髪型を変えたくらいかな。

-------------------------

②何があったの？

本来なら遺跡探索に関することは僕の得意分野だけど、今はそんなのどうでもいいんだ。
それよりも、もっと奥深くて、容易に手に入らないものが現れたから。
この気持ち分かる？
何もかもが予想外で、目の前にあるのに、夢や幻みたいで。
探検よりも不思議で曖昧で、ロマンや危険に満ちた香りを放って…

　❶…なにを言ってるの？

ごめんごめん、僕は冒険者なんだ。
出会いは冒険と似てるというけど、僕にはまだまだ分からないことがたくさんあるよ。
パチさんは行動力が高いから、リスクを冒す可能性も高い。
だから、彼女が傷つくのが怖いんだ。
それに、出会いも冒険と同じように永遠ではない。
しっかり掴んでおかないと終わってしまうから。
彼女は遺跡にしか興味がない。
だから、この出会いという時間を長くする以外に、僕にできることはないんだ。

　❷あやしい。

もし、君も旅の途中で運命に出会えたら、僕の気持ちが分かるようになるさ。
冒険はロマンなんだ。
僕が冒険者協会の加入を断ったのはその服がダサいからさ。
それもロマンのためだよ。
はぁ、どうやら君も彼女と同じで、この気持ちを理解するまで時間がかかりそうだ。

-------------------------

③さようなら。

冒険のゴールは一つじゃないんだよ、旅人。

-------------------------

■3.5　風花の吐息
(えーと、どこまで言えば分かってくれるだろう…)

今は風花祭、同時に蒲公英が風に吹かれて飛ぶ時期でもある。

運命の人と共に、風を舞う蒲公英の海に愛を打ち明けることを願っていた…

でもまさか、パチがあんなにも研究に没頭して、僕の意図をまるで理解してくれないとは…
こんなロマンな祭りなのに、本と一緒に過ごすのはつまらなすぎる。

あとどれくらい経てば、彼女にもこの奥深い感情が理解できるのか。