中野(勘定奉行の役人)

稲妻 会話 修正(吹出)

(この大海に昇りし光…これが永遠というものか…)

こんにちは、何か用か?

①風景を見てるの?

ああ。
この海と、海面に輝く日光。
俺が毎日見てきた景色だ。
若いから知らないと思うが、四十歳の時に見る景色は、二十歳の時に見たものとあまり大きな違いはない。
ただ毎日、太陽が昇ったり沈んだり、さざ波を見ていたりすると、なんだか将軍様の追い求める「永遠」が理解出来るような気がするんだ…

 ❶「永遠」…

俺はただの平民だ。
将軍様の思う「永遠」を語るなど頭が高い。
ただ、もう半世紀近くも経っているのに、若い頃と同じく、ごくごく普通の武士をやっている。
こんな平凡な人生、嫌でも思うところがあるさ。
今思えば、若い頃にしてきた争いは本当に無意味なものだった。
こうして海を見ながら、短く平凡な一生を過ごした方がいい…

 ⁂でも立ち止まる時間がない。

おお、若者。
まだ叶っていない願いがあるようだな。
うん…
願いのために畏れずに進むことも、悪くはない。
この弓は、若い頃に友人からもらったんだ…
結局今まで、引いたことは一度もなかった。
これをあげるよ。
俺よりも、お前が持っている方が役に立つだろう。
お前の役に立てるなら、弓もその価値を発揮できるはずだ。

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②さようなら。

ああ、じゃあな。
お前も生活を楽しんでくれ。