(純水騎士?ふん、荒唐無稽な戯言にすまないわ…)

蛮族出身の補助軍の兵士たちが、また「純水騎士」なんてデマをまことしやかに流している…
こういうでたらめな戯言を徹底的に禁止するよう、ボエティウス様に提案する時が来たようね。

①あなたは…

え?
ああ、怪しまなくていいわ。
ご覧の通り、至尊に引き上げられた楽師で、あなたと同じ帝国の民よ。
私の名はマルシア・ゴルディアナ・ソプラニャーナ。
ボエティウス様のご意向に従って、同僚のグザヴィエウスの後任として、この地の音律を調律しているの。

 ❶君は引き上げられた楽師なの?

そうよ。
汚れなき体、不朽の命、そして絶対的な美しさ。
これが至尊から与えられた栄誉なの。
至尊は私たち凡人の肉体を卑しい地位から引き上げ、死の悲劇を誇らしい凱旋に変えてくださった。
この恩恵のおかげで、私は永遠の楽章を奏でる光栄に浴することになったの。

  >でも君は普通の人に見えるけど…

そう?
褒めてくれてありがとう。
でも至尊の権能と慈悲も合わせて称賛すべきよ。
石材を彫ってできた不朽の体でも、普通の人と変わらないように見える。
この世で至尊のほかに、誰がこんな偉業を為し遂げられるかしら。

 ❷ボエティウスについて…

口に気をつけなさい。
私でさえ、あの方を呼び捨てにする資格はないのよ。
ボエティウス様は至尊が御自ら地位をお与えになった大調律師で、帝国史上最も偉大な天才よ。
カッシオドル様でさえ…
…いえ、いま言ったことは忘れてちょうだい。
調律師間の優劣について論ずるつもりはないわ。
いずれにしても、傑出した臣民の中でも、ボエティウス様は帝国の精神を最もよく体現されているお方よ。
彼の忠誠心と情熱に疑いの余地はない。
全市民が見習い尊敬するに値するわ。

 ❸君が言ったグザヴィエについて…

グザヴィエウス、あるいはルシウス・セプティミウス・セベリウスよ。
「グザヴィエ」じゃないわ。
あなたの発音はおかしいわね。
彼は尊敬できる人だけど、間違ったものを信じている。
彼が信じたのは…
いえ、彼はカッシオドル様の言いわけを曲解して、蛮族の陰謀をすぐに察知できなかったの。
知っての通り、彼が職責を果たさなかったことでペトロコリールは陥落し、無数の市民が蛮族に殺され、街は一夜にして血まみれの廃墟となった。
弱腰は災いのもとで、慈悲は災いを招くだけ。
無知な奴隷たちは善良な嘘にだまされるかもしれないけれど、私たちはもっと先のことまで考えるべきよ。

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②純水騎士について…

あの奴隷たちの妄言を気にする必要はないわ。
彼らの言う「純水騎士」は、馬鹿げたこじつけにすぎないから。
奴隷たちの間違った噂がどんどん広まって、偽りの神を信奉する蛮族を「騎士」と呼び、いつか自分たちを運命から救ってくれると信じているの。
彼らの愚かさを責めるつもりはないわ。
愚かさこそ奴隷の本性だから。
でも彼らの妄想はどんどん熱狂的になってきて、安らかな音律をかき乱している。
彼らには治療が必要よ。
今回の騒ぎが少し収まったら、強制的な措置を取って、このおかしな考え方を矯正するわ。
妄想は軟弱さと同じく、動揺を生む温床になるから。

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③さようなら。

じゃあまたね。
あなたの奴隷が分を守り、あなたの音律が安らかでありますように。