第三章 第四幕・赤砂の王と三人の巡礼者/熱砂の中の秘密

修正(吹出) 魔人任務

◆イザーク
◆ラフマン
◆エルマイト旅団のメンバー
◆モルギー
◆ジュダール

約束により、ラフマンの指定された場所に行って人質を交換する…

…翌日の朝まで待つ(6時~8時)…

…村の前で落ち合う…

パイモン
おはよう、みんな着いてるな。

ディシア
…揃ったみたいだな。
けどイザーク、本当に一緒に来るのか?

イザーク
遠くから見るだけだから。
ディシアお姉ちゃん、おれ…
おじいちゃんを迎えに行きたい。

ディシア
分かった。
一緒に行こう。

キャンディス
待ってください、ディシア!

ディシア
どうした?

キャンディス
昨日、無茶な行為をしたと聞きました…
今日はそういうのは一切なしです。
分かりましたか?
じゃないと、怒りますから。

ディシア
…分かった。

…約束の場所に行く…

…エルマイト旅団と交渉する…

アルハイゼン
俺たちよりも早く着くとはな。

パイモン
オイラが五分、二度寝したせいかな…

>そういうのはわざわざ認めなくていいの。

ラフマン
準備はできたか?

アルハイゼン
ぬかりない。
だが…
…思ったより、人数が少ないな。

ラフマン
連れて来い。

イザーク
あっ!
おじいちゃん!

パイモン
なんで一人だけなんだ?

ディシア
ラフマン、あんたは言ったことを必ず守るやつだと思ってたが…
これはどういうことだ?

ラフマン
一人と一人の交換だ、公平だろう?
と言うより…
草神の民のオーダーに応えてやる時点で、すでに最大限の譲歩だ。
不満か?

アルハイゼン
……

ディシア
…ふんっ、動くな!

ラフマンの言い訳に激怒したディシアは、剣を手に取ってラフマン一行と戦い始めた。
危険な状況で、予期せぬことが起こった。
地面が震え、黄色い砂が沈み始めたのだ。
突然起きた地震はその場の全員を地下へ引きずり込もうとした。
その瞬間、今まで意識のはっきりしなかった学者が、驚くほどの力を発揮し、イザークの隣へ駆けつけて彼を抱き込んだ。
学者の身からは緑色の光が流れ、巨大な保護バリアが形成されていき、みんなを包み込んだ。


【?】むーび4
おい 熾鬣の獅子っ! そこまでだ!

…おじいちゃん!

さもなくば…

何ビビッてる震えてっぞ!

違う!
こりゃ…
地震だ!

おじいちゃん!
おじいちゃん…

…ラフマンと会話する…

パイモン
うぅ…
頭がクラクラするぞ…

>みんな大丈夫!?

ディシア
はぁ、なんてツイてない日なんだ…

アルハイゼン
ふむ、面倒だ。

セノ
今、砂丘が崩れた。
俺には結果が見えていた…
俺たちを守っていたのは、あのグラマパラだ。
緑色の草元素力…
お前たちが言うように、クラクサナリデビがあの学者の体内に残した力なのかもしれない。

>たぶん間違いない。
これで信じられたでしょ。

セノ
…現草神…か。

イザーク
おじいちゃん、おじいちゃん!
なんでまた気を失ってるの…

アルハイゼン
周りを見てみろ。

ディシア
ここには…
元々神殿があったのか?

アルハイゼン
流砂が崩れたおかげで、地下構造が露わになったんだろう。
扉の符号はすべてキングデシェレト文明のものだ。
この建物は歴史が古く、完全に風砂に埋もれていたせいで今のような姿になったらしい。
…ここは遠い昔に沈んだ地下宮殿だったのかもしれない。

ラフマン
ああ…
キングデシェレト様の奇跡!

パイモン
おい、なんでこいつまでいるんだよ!
それにこいつの手下も!

ディシア
一緒に落ちてきたんだろう。
しぶといやつだ。

エルマイト旅団のメンバー
うぅ…うぅ…

ディシア
あいつは無事なようだが、こいつらはもう駄目みたいだな。

ラフマン
…ふんっ。

セノ
せいぜい頭に気をつけろ…
俺にパックリやられないようにな。

ラフマン
今は争ってる場合じゃない…
崇高なる王が、我らを聖殿へ導いてくれたのだ。

パイモン
まさか入ろうとなんかしてないよな…

アルハイゼン
奇遇だな、俺も入ってみたいと思っていたところだ。

パイモン
おい!?

アルハイゼン
面白いとは思わないか?
クラクサナリデビの力が災害から俺たちを守った上…
キングデシェレト文明の建物がここに現れたんだ。
二大神が力を見せつけ合うのを、見届けないのは勿体ない。

パイモン
おまえ、神には興味ないんじゃなかったのかよ!

アルハイゼン
確かに興味はないが。
俺にとって神とは、より高い形態の、別の生命体に過ぎない。
動物と言ってもいいだろう。
しかし新鮮な物事は探究するに値する。
それが神と関係あろうがなかろうが、どうだっていい。

ディシア
ラフマン、あんたの手下はどうする?

ラフマン
ここで寝かせておこう…
キングデシェレト様が民に加護を与えて下さるだろう。
さて、オレは聖殿に入る。

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エルマイト旅団のメンバー
うぅ…うぅ…

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イザーク
おじいちゃん、おじいちゃん!
なんでまた気を失ってるの…

-------------------------

謎の遺跡
砂の下に隠された謎の遺跡。
その中には、とある不思議な力が流れているようだ…

…謎の遺跡に入る…

…セノと会話する…

セノ
ここ一帯に生命の息吹が充満している。
不思議だ…
廃棄されたようにしか見えなかったのに、内部にこれほどの力が溢れているなんて。

パイモン
そうだな、植物も沢山あって、きれいだ。

アルハイゼン
ラフマン殿。

ラフマン
…オレのことか?

アルハイゼン
他にラフマンという者がここにいるのか?

ラフマン
敬称など、皮肉にしんが?

アルハイゼン
どう理解しようが勝手だが、今はあることについて考えてほしい。
この建物はキングデシェレト文明のものだが、内部で流れている力は草神のものだ。

ラフマン
……
オレは神の目を持ってない。
なんとでも言うがいいさ。

アルハイゼン
何も怒ることはないだろう、ただの学術的な思考の旅に過ぎない。

ディシア
でも確かに変だな。
もし本当にそうだとしたら…
原因は、きっとここを全部回らないと分からないだろう。

…遺跡を探索する…

祭祀の指南
凡人の姿で殿堂を見上げ、キングデシェレトの聖なる導きに耳を傾ける。

謎のメッセージ
神殿で6日ほど潜伏した後、ようやく祭司たちの小細工を理解した。
リフトは地上まで下降する。
再び上昇する前にその上に飛び乗れば、ドームまで辿り着ける。
「禁止区域、部外者は立ち入り禁止」。
このような戯言は、すべて祭司による欺瞞だ。
ここへ来た後世のキングデシェレトの民が、神聖なる王に謁見できるよう、その方法をこの地に残した。

ラフマン
さすがはキングデシェレト様。
こんな壮大な光景…
見たことがない。

ディシア
植生がこんなにも豊かだなんて…
思ってたのとちょっと違ったぜ。

パイモン
砂漠にもこんなに植物があったのか!

ラフマン
ふんっ、それもキングデシェレト様の恩賜だ。

パイモン
周りがだんだん明るくなってきたぞ。
本当にきれいだな。

…アルハイゼンと会話する…

セノ
待て。
あれはなんだ?

パイモン
花がいっぱいだ…
真ん中になにかあるぞ…

>墓みたいに見える。

ラフマン
これはキングデシェレト様の記号だ…

アルハイゼン
遺物があるな。
ふむ…
古代文字で書かれた弔辞だ。

ディシア
なにが書かれてるんだ?

アルハイゼン
「ここに眠るは我らが忠誠なる祭司、カサーレ」
「その英知はまさに奇跡讃美と謳歌に値する」

ラフマン
古代キングデシェレト文字が読めるのか?

アルハイゼン
大したことじゃない。
すべての若者は、卒業前に少なくとも二十種類の言語を学んでいるはずだろう?

パイモン
こいつ、冗談を言ってるんよな

セノ
やはり何かがおかしい…
元素力が濃すぎる。
生命を感じる…
なにかを伝えているのか?

アルハイゼン
……
これか?

システム音
『分析中…』

アルハイゼン
……
この骸骨には、隠された情報が残っているようだ。
ちょうど、墓にキングデシェレト文明の装置があった。
この情報をあの装置に送って投影しよう。

ラフマン
知識の共有はお前たちの原則に背くんじゃなかったか?

アルハイゼン
確かにそうだ。
しかし君がここにいる以上、これらの情報は直接君に受け取ってほしい。
見ればわかるさ。

砂中の遺事
壮大な大赤砂海の遺跡――
人々の憧れでもある古代文明には、数多くの願いが託されている。
しかし、そこから掘り起こされた真実は、皆の想像を超えるものであった…

骸骨の主が残した記録は、大昔の出来事を見せてくれた――
「知識の中に文明は生まれたが――
同様に、知識は文明を滅ぼせる。」
「災難は知らずのうちに降臨した。
それは、この世界に属さぬ知識。」
「キングデシェレトがこの世にもたらした『禁忌の知識』は、疫病のように広がった。」
「狂気なるうわ言が心を満たし、灰黒色の鱗が背中を覆った。」
「命を奪われたかのような大地に残るは、絶望的な静寂のみ。」

「森のマハールッカデヴァータの助けがなければ、取り返しがつかなかっただろう。」
「彼女は祭司を召集し、いくつもの神殿を建て、生命の神力を注いだ。」
「災禍は奇跡的に食い止められ、文明の小さな火はアアル村に残ったが――」
「『奇跡』も長くは続かない。
禁忌の知識が存在する限り、それは、永遠に世界の『病巣』となるだろう。」
「そして最後、砂漠の孤高なる…
我らの王は…
自己犠牲を選んだ。」

「私は、数ある神殿の一つを守ることに余生を費やしたが、その責務もついに終わりだ。」
「両目を閉じれば、キングデシェレトに協力したあの高潔なる神のお姿が浮かぶ…」
「あのとき禁忌の知識を根絶するため力を使った彼女は、幼子のような姿となった。」
「不思議なことに、彼女を思うと、死が怖くなくなる…」
「感じるのだ…
生命の息吹が私と共に眠ってくれると。」
「砂漠の民たちよ、恨みを抱く必要などない。」

この恩だけは
永遠に忘れてはならない

ディシア
さっきのは…
なんだ?

アルハイゼン
この骸骨の記憶だ。

ラフマン
そ…そんな――!
バカな!

セノ
マハールッカデヴァータ…
先代草神は、キングデシェレトと敵対関係ではなかったのか。

ラフマン
そんなバカなことがあるか!?
草神の民は、みんな…

パイモン
あれが先代草神なのか…
最後、すごく小さくなってたぞ…

>(……)
(マハールッカデヴァータはキングデシェレトとその民に救いの手を差し伸べた。
でも禁忌の知識を根絶するのに、あれほどの力を払う必要があるなんて…)
(最終的に、両方の神の民は互いを宿敵とみなし憎しみ合った。
双方がこんな形で生死を共にしていたとも知らずに…)

アルハイゼン
たとえアーカーシャを信じれられなくとも、キングデシェレトの技術なら信じられるはずだろう。
これがキングデシェレト祭司の「遺言」だよ。

ラフマン
オレは…
こんな話聞いたことがない…
かつて、キングデシェレト様の民のうち、すべての生存者がアアル村に集まった。
オレたちの神が間違いを犯すことなどない。
ましてやそんな噂、オレたちは信じない。
キングデシェレト様が死に、オレたちの文明が滅亡へ向かっているのは…
全部マハールッカデヴァータが降臨したせいだ!
オレたちにとって、マハールッカデヴァータは災難時に追い打ちをかけた「元凶」ともいえる存在…
人と同じように、砂漠で殺し合い、争い、憎しみ合ったと…

セノ
いくらなんでも視野が狭すぎる。

ラフマン
ハ…ハハ…
もしも直に見ていなかったら…
もしもこの目で、耳で、心で…
その遺言をこれほどまで切実に感じ取っていなかったなら…
こんなクレイジーなことなど決して信じなかった!
…いったいどう向き合えばいいというんだ!
オレは何年も何年も、自分の恩人に剣を向けていたのか…!

ディシア
ラフマン…
もういい。
もうそれ以上言わなくていい。
自分を無理に笑い者にするな。

ラフマン
…なあ、ディシア…
オレとオレの旅団は…
一体何のために戦ってきたんだ?

ラフマンが落ち着くまで、だいぶ時間がかかった…
その間に一行が神殿内を見て回れるほどに。
しかし、無理もない。
どんな信徒にとっても、先程の事実は受け入れがたいものだろう。


ディシア
おい、大丈夫か?

ラフマン
…ありがとう、大丈夫だ。
そろそろ行こう。
ずっとここにいるわけにもいかない。

ディシア
戻ったらどうする気だ?

ラフマン
お前の言いたいことは分かる。
オレは自分のしでかしたことを後悔してるよ…
お前たちが望むものは、すべて叶うだろう。
だが、少しタイムだ。
仲間たちに今日起きたすべてのことを説明したい。

ディシア
簡単にはいかないだろうな。

ラフマン
ああ、だがやらねばならん。
ディシア――
ここがオレのベースだ。
覚えておけ。

ディシア
あたしたちはいつ行けばいい?

ラフマン
明日だ。
そのときまでに、みんながお前たちを盟友だと信じるよう説得する。
お前たちの狂…
いや、グラマパラはしっかりと送り帰そう。
他の資源も、共有して構わない。

セノ
敵が賢者だと分かったようだな。

ラフマン
ああ。
神は人を見捨ててなどいなかった。
「業」を作ったのは、人自身だったのさ。

パイモン
もうぜんぶわかったみたいだな。

ディシア
ラフマンは愚かなやつじゃない。
砂漠の中で自らの勢力を立ち上げられるほどだからな、ちゃんと実力もある。
惜しいことに、キングデシェレトへの信仰心に影響されちまっただけさ。
まあ、これであたしたちにも新たな助っ人ができたってわけだ。

>いいことだね。

アルハイゼン
少なくとも結果的にはそう言えるな。

パイモン
オイラたちも行こうぜ。
帰って美味しいもんでも食って、一眠りして、明日に備えよう。

セノ
……

パイモン
おーい、セノ――!
行くぞ!

セノ
…そう叫ばずとも行く。

…遺跡を離れる…

協力を結んだ後、ラフマンは連れ去ったすべての学者を返すと約束した。
学者たちを引き取るために、彼の拠点に行くことになった…

…エルマイト旅団の拠点に行く…

…学者たちと会話する…

ディシア
ラフマン、来たぜ。

ラフマン
すべて準備オッケーだ。
あとで専属の者に彼らをアアル村へ送り届けさせる。

ディシア
何はともあれ、手伝ってくれてありがとな。

ラフマン
気にするな。
まあ、過程はあまり順調じゃなかったがな。
今やお前たちとオレの利害は一致している。
これからは、お互い仲間同士だ。

セノ
犯人の居場所は?

ラフマン
今そこへ連れて行こう。

アルハイゼン
こいつらがグラマパラをさらった犯人か。

モルギー
書記官!?

アルハイゼン
いくら叫んでも、誰も助けに来たりはしない。

パイモン
おまえたちのせいでオイラたち、砂漠で走り回るはめになったんだぞ!

セノ
…その通りだ。

モルギー
大マハマトラ!?
い、いやだ、殺してくれ!

パイモン
こいつら、お化けを見たみたいな表情でセノを見てるぞ…

セノ
俺に見つかることなどとっくに覚悟していただろう。

モルギー
違う、俺たちは命令に従っただけなんだ!
お前にも分かるだろう?
これは、一個人がどうこうできる問題じゃないんだよ!

ジュダール
いやだ…
セノにだけは…
獣に狩られた獣みたいに残忍に殺されちまう…!

セノ
獣以下かもな。

モルギー
ど、どうか…
許してくれ…

セノ
口を割らないなら構わない。
俺には俺のやり方がある。

アルハイゼン
それで、上んなことをやらせた目的は何だったんだ?

ジュダール
それは…
缶詰知識の抽出だ…

アルハイゼン
とぼけないでくれ。
何が聞きたいのか分かっているはずだ。
神の缶詰知識を抽出して――
どうする気だった?

モルギー
くぅ…
どう言えばいいか…

パイモン
おいっ!
その態度を改めないと、本当にやっちゃうぞ!

ディシア
自分たちの首を絞めたいのか?

>私が聞いてもいい?

セノ
ああ。

>賢者たちは神を創ろうとしてるんでしょ?

セノ
――!

アルハイゼン
……

ディシア
あ?
それ、比喩とかじゃなくて…
本気なのか?

モルギー
…ど、どうして…
そのことを。

ジュダール
もう隠しても無駄だ…
ああ、その通りだ。
教令院では、世界をも変える偉大なる計画を実施している。
自らとスメールに属する、新たな神を創る気なんだ。
表向きは栄えているように見えるが、マハルッカデヴァータが亡くなってから、スメールの学術が飛躍的な突破を遂げたことは一度もない…
それに加え、近年は世界樹の枯凋問題が深刻化している。
賢者たちもほとんど全部の方法を試したが、徒労に終わった。
彼らの口癖は「もしマハールッカデヴァータがいたら」だった…

セノ
…続けろ。

ジュダール
そのとき、あるファデュイのメンバーが現れた。
教令院の者たちは彼を「博士」と呼んでいた…
「博士」は…
「神の心」を一つ持ってきて、教令院内の研究環境を借りたいと言った。
「博士」は昔スメール教令院から追放されていたから、賢者たちは初め、見向きもしなかった…
だが、やつがあの言葉を口にしたとき、全員の表情が変わったんだ…
やつは――
「神を創る気はないか?」と聞いた。

アルハイゼン
…これが学術の果てにある愚昧さと傲慢さだ。

ジュダール
教令院はまず、精巧な人形をもとに、長い時間をかけて「神の躯体」を作った。
そして「花神誕祭の輪廻」を利用して夢境を収穫し、アーカーシャの出力効率を最大化した…
「博士」の助けのもと、最大出力形態のアーカーシャは「神の心」に含まれる力の抽出に成功し、それを「神のコア」にした。
その後、新たな神に「神の知恵」を授けるべきだという提議があった。
そのために…
大量の神の缶知識が必要だったというわけだ。

ディシア
…繋がったな。

アルハイゼン
しかし、どうやってそれらが本当に神の知識であると確認するつもりだったんだ?

モルギー
それは推測に頼る他なかった。
教令院は何年もかけて研究したが、なぜ学者たちが発狂するのかは未だに解明されていない…
誰もこの不可思議な現象を解き明かせてないんだ。
書記官なら、それが何を意味するか分かるだろう?
地上において誰も分からないのであれば、それは神にしか解けない知識。
つまり…
それは知恵の神が、全知全能である源だ。

アルハイゼン
……

①でもそれじゃ、賢者たちが作ってるのって…
②マハールッカデヴァータじゃなくて、散兵。

アルハイゼン
もう分かっているかもしれないが、教令院は神が誰であるかは気にしない。
やつらはただ、神が知恵をコントロールするための権能を欲しがっているだけだ。
「全知全能」の四文字は、やつらにとって血をも燃やすような呪いと言えるだろう。
一部の生物は「走光性」という生命現象を持ち、生涯光を求めるという。
そして賢者たちは、知恵の頂点に坐する神であってこそ、希望を見いだせる――
これもある種の走光性と言えるだろう。
仮に知恵の神が存在しなければ、多くの学者は生涯暗闇の中を探索することになる。

セノ
なら、クラクサナリデビはお前らにとってどんな存在なんだ?
彼女は正真正銘存在している神だろう?
すでに新たな神がいるというのに、なぜ別の神を創造する?

モルギー
教令院は…
一度も彼女を神として扱ったことはない。
当時、教令院はクラクサナリデビという新たな知恵の神を探し出した。
賢者たちはみな彼女がマハールッカデヴァータのような知恵を有することを期待したんだが、実際は…
当時の彼女の知能は、そこらの子供とほとんど変わらなかった。
そのせいで賢者たちはより一層、マハールッカデヴァータが死したことを実感したのさ。
それに…
クラクサナリデビの「神の心」は、アーカーシャを動かすために使われている。
今の彼女には、神の力もなければ、並外れた知恵もない…
やがて、人々は彼女を忘れるようになった。

セノ
それが賢者たちの選択…
そうだな?

>(こんな状況になっても尚、彼らはクラクサナリデビと向き合うことを選ばなかった…)
(…まさか、神ですらそんな残酷な目に遭うなんて。)

ディシア
よし、ちょっと落ち着こうぜ。
みんなあんまりよくなさそうだし、場所を変えて話さないか。
ラフマン、これからグラマパラとアアル村に戻るから護衛を何人かよこしてくれ。
それと、この二人の学者も連れて行くぜ。

ラフマン
ああ、分かった。

…村長の家に戻る…

キャンディス
戻ってきたグラマパラたちは全員家に送り届け、世話係をつけています。
あの二人の学者も厳重に監視しています。
皆さん、本当にお疲れ様でした。

パイモン
うぅ…
雰囲気が重いな…

>(あんなことがあったばかりだし、感傷的になるのも無理ない。)
(多くの人々のために尽くし、すべてを捧げたクラクサナリデビは教令院にとって、スラサタンナ聖処に置き去りにされた捨て駒に過ぎなかった…)
(彼女に守られている人々は、あんな小さい子供みたいな神がこの世に存在してることすら知らない。)

パイモン
おいっ、ボーっとしてないで、なにか話せよ!

ディシア
コホンッ!
その…
何も話すことはないのか?
なら、水でも飲んでちょっと気分を変えようぜ…

キャンディス
それか、もう少しお菓子を持ってきましょうか…

パイモン
じゃ、じゃあオイラもキャンディスと一緒に行くぜ!
へへっ…

セノ
旅人、お前はどうしたい?

ディシア
おいおい、何だか仕事の会話みたいだな…

>まずは…知ってることを共有したい。

アルハイゼン
やはりまだ何か隠していたか。

①ごめん、今まで確信できなかったから…
②今は皆が仲間だって確信したから。

どう話すか考えている間に、キャンディスとパイモンがお菓子や茶を持って帰ってきた。
ディシアはリラックスした表情で、話の重さにあまり影響されていないようだ。
セノは重苦しい表情で、何かを決心したようだった。
常に彼を支えてきた信念、そして「正しさ」に対する追求…
それについての答えが見つかったようだ。
アルハイゼンも、耳を傾けているようだった。
…そして、すべての物語が語られる。
これまでスメールで見たこと、体験したこと、得た秘密…
そのすべてを詳しく説明する。
この情報を共有することは、この場の全員が仲間であることを意味する。
今日からは、同じ目的のために戦うのだ。


パイモン
自分が経験したこととはいえ、おまえの口から言われると、やっぱり不思議に思うぜ。

>これがスメールで経験した出来事。

ディシア
あまりの劇的な展開に、息が詰まるところだったぜ。

アルハイゼン
…相対すべき問題は、思っていたよりも遥かに多い。

セノ
……

ディシア
だが、確かにいい機会だ。
ラフマンたちも加入したことだし、助っ人は多いほどいいからな。

セノ
そろそろ計画を決めよう。

アルハイゼン
ああ…
今あるすべての状況は「規則」をはるかに超えている。
このまま事態を悪化させるわけにはいかない。

キャンディス
皆さん、もう答えは出たのですか?

セノ
賢者を倒し、神を救う…
それが俺たちの最終目標だ。

①どれだけ困難だろうと…
②全力で立ち向かう。

アルハイゼン
他にも利用できる資源がないか、詳しく考える必要があるな。

ディシア
次の会議で、みんな答えを持ち寄ろうぜ。

パイモン
おう!
きっと大丈夫だ!

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セノ
…前まで、神がこんな災難に遭っているなどと考えもしなかった。
仮にこのすべてを変える方法があるとしたら…
この国はより良くなるのだろうか…?

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アルハイゼン
急ぐ必要はない。
これだけの大事、すぐに準備することなど不可能だ。
ゆっくりと考え、計画の合理性を保証しよう。

パイモン
そう言ってまた本を読み始めたぞ…
おいっ!
おまえってやつは!

アルハイゼン
本を貸そうか?

パイモン
いらないぞ、おまえの本はオイラには合わない…

アルハイゼン
冗談だ。
確かに俺の本は君と不釣り合いだ、貸す気はない。

パイモン
ああもう――!
あったまきたぞ…!

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ディシア
最近の仕事は厄介なもんばっかだ。
それに、こんなに難しい仕事なのに、ちっとも経済的利益を生まないなんて…
信じられないぜ、まったく。

パイモン
いい方向に考えろよ。
もしかしたら、事が終わったらお金持ちになれるかもだぞ!

ディシア
それもそうだな。
ふむ…
もし一晩で億万長者になれたら、おまえは何がしたい?

パイモン
美味しい食べ物をたっくさん買うぜ!

ディシア
それだけか?

パイモン
えっと…
美味しい飲み物も買うとか…?

ディシア
ハハハッ、かわいいじゃないか。
なら、その美しい夢のために…
あたしも手伝おう。
あたしたちがこれからやることが、この世界を良くできると願ってるよ。

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キャンディス
何か私にできることがあれば、必ず言ってくださいね。
アアル村を離れることはできませんが、あなたたちを見ていると、何だか…
私まで緊張してきます。
昔、たった一人で戦ったときでさえ、このような湧き立つ感情はありませんでした…
これが、仲間の力というものなのですね。

>≪夜明け前の夜をゆく≫