追放者・芽生え

修正(吹出) 世界任務

サバーフの植えたスメールローズが育たない。
彼女を助けよう。

◆ジアド
◆サバーフ

ジアド
ローズよローズ、叶えておくれ、私の願いを♪
花は石から咲き誇り、ゴールデンローズは私に歌う♪
あの子は歌う…♪

パイモン
今のってスメールの童謡だろ。
歌うローズって、なんか可愛い歌だな。
あいつ、途中で走っていっちゃって、残念だったな。
聴き終わったら挨拶しようと思ってたのに。

サバーフ
見かけない顔ですね。
お二方、アアル村は初めてですか?

①その通り。

サバーフ
なるほど。
それではローズの歌を聞いたことがないのも無理ないですね。

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②違う。

サバーフ
あら?
違いましたか…
えっと、ちょっと待ってくださいね。

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サバーフ
じゃあ、貴方たちは他の国からスメールに勉強しに来た学者でしょう。
教令院には外国の学者がたくさんいたのを覚えています。

パイモン
学者の知り合いなら沢山できたけど、オイラたちは…
えっと、まだ学者とは言えないよな。
正確には、オイラたちは冒険者だぞ。
世界を周遊する冒険者の二人組――
パイモンと蛍だ。

サバーフ
世界を周遊する、ですか?
フフフフ…

パイモン
なんだ?
なにがおかしいんだよ?
オイラたちは有名な冒険者なんだ。
本当だぞ。

サバーフ
ええ、遠路はるばるいらしたお客様ですね。
私は嘲笑ったわけではありません。
それどころか、世界を周遊するようなワクワクする話が聞けて、嬉しいんです。
外の世界との繋がりを絶たれて久しいから、このような気迫ある言葉を耳にして、ちょっと驚きました。
大変失礼しました。
私はサバーフと申します。
お二人方、アアル村へようこそいらっしゃいました。
それはそうと、先ほど、ジアドが歌っていたローズの歌についてお話されていましたよね?

①その通り。
②ローズの歌?

サバーフ
興味がお有りでしたら、ローズの歌についてお話しましょう。
このお話が、貴方たちの旅を彩ってくれるといいのですが。

パイモン
サバーフさんが歌ってくれるのか?
やったぜ!
すっごく良い曲だったから、最後まで聴きたいと思ってたところだったんだ。

サバーフ
すみません、私は歌が得意ではありませんので…
でもローズの歌の内容ならお話できますわ。

パイモン
えっと、確かあの子供は「ローズ、願いを叶えて」ってくだりまで歌ってたよな…

サバーフ
はい。
ここのような小さな村には、教令院のような大きな図書館もありませんから、すべての歌は口伝えで受け継がれます。
歌に出てくる、願いを叶える花というのは、先人たちの共通のイメージだと、私はずっと信じています。
砂漠という極限の環境において、水はとても大事な、生存に欠かせない資源です。
だから先人たちは水を保存できる植物をとても大事にしてきました。
ですから、地理的条件が悪い所ほど、植物に関わる伝説というのは多いんです。
そこには先人の、美しい生活に対する憧れが含まれています。
また、それは先人と砂漠の生命の、共存関係の証でもあります。
でも、この件に関しては…
アアル村は砂の上にある村なので、ここの土はスメールローズには向きません。
私はスメールローズを栽培していますが、やはりうまく育ちませんから、歌の中のゴールデンローズというのは、想像上の品種だと思います…

パイモン
うぅ、ちょっと待ってくれ…
オイラ、ついていけなくなってきたぞ。
サバーフさんたちって、世間話でこんな話をするのか?

サバーフ
…あ!
すみません。
お二人方は外からいらした方なので、天気や収穫よりも、こういうお話の方がいいかと思って。

パイモン
共存関係とか、共通したイメージとか…
そこら辺はオイラにはわからなかったけど、最後の一言だけはわかったぞ。
つまり、ここの土はスメールローズを植えるのに向いていないって言いたいんだろ?
確かに、もっと湿った土のとこでしか、スメールローズって見たことがないよな。

①ここは土というより砂だから。
②ローズって繊細だね。

サバーフ
ローズと言えば…
先ほどから考えていたのですが、お二人方は冒険者なのですよね。
よろしければ、私の依頼を引き受けていただけないでしょうか…

パイモン
へへ、そのことなら長く話せそうだな。
蛍もオイラもかなりの場数を踏んできた冒険者だ。
どんな依頼でも解決してやるぞ。

>何に困ってるの?

サバーフ
ここに属さないものであるローズをここで咲かせるのは、無理なことだとはわかっているのですが…
どうしても、このローズの咲くところが見たくて。
お恥ずかしい話ですが、これは私の執着みたいなものなのです。
私の理解では、草元素をふんだんに含んだ肥料を使えば、たとえ砂の上でも、ローズを芽生えさせることはできるはずです。
でもここではそのような肥料はなかなか手に入りません。
ですので、お二人方には、草元素をふんだんに含んだ肥料を手に入れてきていただきたいのですが…

>草元素?

サバーフ
ええ。
草元素は生き物の成長を刺激することができますが、成長具合の悪い作物には特に効くのです。
しかし私は一般人ですから、草元素の神の目は持っていません。
効率の良い肥料を買うこともできなくて、どうしようもありません。

パイモン
必要なのが草元素だけなんだったら、簡単だぞ。
任せとけ。

パイモン
サバーフさんはローズがすっごく好きみたいだな。
ここが植物栽培に向いてないってわかってるのに、それでも依頼してくるなんて。
オイラにもわかるぞ。
すでにお腹いっぱいになってても、道端の屋台の客引きの声を聞いたら、お腹がすいてきたような感じがするもんな。
サバーフさんのローズに対する執着は、オイラの美味しいものに対する執着と同じなんだ。
うん!
だから、絶対あいつを助けるぞ!

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サバーフ
本当にローズを咲かせるために草元素の力を与える方法が貴方にはあるのですか?

■諸相随念浄行
(昔、教令院にいた頃…
私と一緒に花を植えていた人たちはどうなったのでしょう。)

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…草元素の力を使って、種に「肥料」を与える…

…サバーフと会話する…


サバーフ
草元素の力が使えたのですか?
まさか、神の目の所有者に出会えるなんて…
久しぶりにこういう方にお会いしたので、懐かしいです。

パイモン
なあなあサバーフさん!
これでいいよな?

サバーフ
ええ、草元素の力を直接与えれば、すぐ芽生えることでしょう。
少し待ちましょう――

ゆっくりと、弱々しい芽が土から萌え出た。
いくつかの葉っぱが生えた後、幼芽は成長しなくなった。


パイモン
わぁ、生えたぞ!
フフン、言っただろ。
蛍はなんでも上手くできるんだ!

サバーフ
すぐに効果が出ましたね。
ありがとうございます。

>花を咲かせられなくて残念だね。

サバーフ
いえ、しょうがないことですから…
急いでも仕方ありませんわ。
植物は芽吹き、枝分かれして、蕾をつけ、開花しなければなりません。
こんなに早く芽生えさせられたのは、それだけですごいことですよ。
ローズにもう少し時間をください。
ちゃんと養分を吸収させてから咲かせた方がいいと思いますわ。
それに、今日はもう十分助けていただきました。
これ以上ご迷惑をおかけできません。
暇な時に、見に来てくださると嬉しいです。

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サバーフ
貴方たちがいなければ、ローズの芽生えさえ見られなかったでしょう。
こうなると知っていたら…
種よりも、本を持ってくるべきでしたわ。

①あなたは地元の人間じゃないの?

サバーフ
意外でしたか?
私もうまく馴染んだものでしょう?
初めてここに来たときは、衣食住の習慣に一切慣れることができませんでしたわ。
でも時が経つにつれ、だんだんと受け入れられるようになりました。
でも表面上慣れただけでは、心もこの状況を受け入れたとは言えません。
スメールシティに咲き誇るローズだってそうでしょう?
ここでは到底咲くことができない…

 >あなたは学者なの?

サバーフ
ええ…
そう呼ばれていましたわ。
でも、今は違います。
私は学者としてふさわしくないことを口にし、この立場で知ってはならない知識を知ってしまいました。
これは教令院の禁忌に触れることです。
だから、私は学者ではなくなりました。

  >どういうこと?

サバーフ
好奇心は知恵を求める原動力であると同時に、罪の源でもあります。
ここに追放された後、わかりました。
貴方の身のために、詳しくは申し上げない方がよろしいでしょう。

   >わかった。

サバーフ
コホン、でも…その…

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②どうしてスメールローズを育てるの?

サバーフ
ご存じないかもしれませんが、スメールローズという植物には様々な用途があるのですわ。
食用にも薬用にもなり、プレゼントとしても高い経済的価値があります。
ですが、これらは日常生活においての普通の用途に過ぎません。
スメールローズの花と葉っぱ、茎はずっと今の形だったわけではありません。
昔は別の形をしていたのです。
地理条件の変化が、スメールローズに形態特徴の変化を促したと、私は考えていますわ。
その形態の進化からは、歴史や地理の情報を沢山読み取れます。
これは一言二言で説明できるお話ではありませんし、通りすがりの冒険者に説明するものではないかもしれません。
もし植物の進化に興味がお有りなのでしたら、教令院に行ってくださいませ。
植物学の教育環境がもっと整っていますから。

 >研究のためだったの?

サバーフ
私はもはや学者ではありませんから、研究ができる条件も資格も持ち合わせておりません。
強いて言うなら…
はぁ、貴方は好奇心旺盛なのですね。
…昔の住まいでは沢山のスメールローズを栽培していましたわ。
美しく咲く姿を、毎日みることができた…
出来ることなら、昔のように、毎日見られたらいいのにと…
…ただそれだけです。

  >理解できる。

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サバーフ
冒険者はせわしない方だと思っていましたわ。
一度手伝っていただいた後は、もう戻っていらっしゃらないかもしれないと。
まさか、こんなにお話ができるなんて。
その…
ここで、心を開いてお話しできるお友達は少ないのです。
今後も…
この子たちに肥料を…
与えに来て下さる時間はありますか?

>あるよ。

サバーフ
では…
お待ちしております。

■諸相随念浄行
(すべての結論には、それを導いてくれる条件が存在する…)

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