内海

(ここにもないなら、一体どこに…)

おや、どうしてこんな場所に人が…
お前さんは…
人なのか、それとも幽霊なのか？
生きてる人間なら、私のためにある物を探してくれないか…

①何を探してるの？

私は…
息子を探している…
私の息子は幕府の武士で、ここで戦争に参加していた。
それから…
ああ、違う…
思い出した。
私は息子を探しに来たのではない。
息子の遺物を探しに来たんだ。
息子は戦死だったから、遺物が残っているはずなんだ。
だから、今、ここに来て探している。
ああ、必ずあるさ…
いくら刀が無情だとしても、この土地にはきっと息子が存在した痕跡が残っているはずだ…

　＞お悔やみ申し上げます。

ああ、ありがとう、若いの。
お前さんも気を付けてな。
戦争なんかに参加するんじゃない…
私も若い頃は幕府の兵士だった。
幸いなことに、ずっと大きな争いには参加せず、無事に退職して、穏やかな生活を送った…
だが息子は、運が悪かった。
時々考えるんだ。
私が武士でなかったら、息子も私と同じ道を歩むことなく…
ああなることも…

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②気を付けてね。

ああ、お前さんもな。