この小説…読んだことあるかも?

依頼任務 修正(吹出)

◆茂(作家)
◆順吉(「八重堂」編集)

「八重堂」の小説家である順吉が未曽有の危機について悩んでいる…

…茂と順吉を訪ねる…

順吉
もうやめた、やめた!
どんなに尻を叩いても無駄だよ!
もう作家はやめる!


君ってやつは…
これまで七回も執筆を辞めるって脅してきたけど、どれも嘘だったって言うのに…

>またケンカしてるの?

順吉
旅人、やっと来てくれた!
手伝ってほしい事があるんだ!
君が彼の味方をして以来、彼はますます厳しくなったんだ。
何十ものルールを作って僕に守れって言うんだよ!
能力の名前から、物語の展開まで、全部…
執筆マニュアルに従えって!
そんな状態で、いい小説を書けるわけないじゃないか!?


それらはヒット小説からまとめた執筆ルールで、先輩たちの経験の賜物だ。

順吉
他の小説を無理やり真似しろっていうのか?
そんなの、僕が書いているのか、その「先輩」たちが書いているのかわからなくなるじゃないか。
そういう書き方はしたくないんだ…
そんな堅苦しい方法で書きたいのなら自分で書けばいいじゃないか!
しかも、「八重堂」にも売れない小説がたくさんあるんだろう?


あれは販促が悪かったんだ、小説そのものには…

順吉
販促なんかのせいじゃないよね。
単純に作家の書き方が悪かっただけだよ。
君は多分知らないと思うけど、僕は「八重堂」が出版した本を全部読んでるんだ。
旅人、小説を何冊か持ってきてくれないか?
彼とちゃんと話し合いたいんだ。

①任せて。

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②どの小説がいい?

順吉
僕がそこに置いた小説を何冊か持ってきて。
僕はこれらを隣において…
こんな風に書いてはいけないって、自分を戒めてるんだ。

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順吉
旅人、小説を何冊か持ってきてくれないか?
彼とちゃんと話し合いたいんだ。


ふん、自分勝手に書いた方が、小説を台無しにするに決まってる。

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…条件を満たす娯楽小説を3冊集める…

パイモン
これは『明日に死す賢者エトリア』って本だな。
なんだか長い名前で凄そうだぞ…

明日に死す賢者エトリア

ファンタジー小説。
帯の紹介によると、この小説は緻密に仕組まれた様々な設定により、多くの読者を魅了したらしい…

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パイモン
これは『正直猫の小さな嘘』…
うぅ、名前が意味不明だな、どんな内容なんだ?

正直猫の小さな嘘

ミステリー小説。
帯の紹介によると、この小説は様々な予想外のストーリーで、多くの読者を魅了したらしい…

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パイモン
これは『文学団』、意外と短い名前だな…

文学団

伝統的な小説。
帯の紹介によると、この小説は「厳密な設定とストーリー」が特徴らしい…

…正しい娯楽小説を茂に見せる…

順吉
旅人、小説は持ってきてくれたかな。

■『明日に死す賢者エトリア』


この小説、確か君の『鬼武道』と同じくファンタジー小説だった…

順吉
そうだよ、この小説の設定は評判がいいんだ。
作者は、小説の設定集まで執筆していて、そちらもよく売れているらしいんだ!


しかし、この小説に書かれている設定は、途中で追加されたものじゃない。
全部最初から存在していた設定だ。
しかも、そのいずれも物語と関係している。

順吉
くっ…
旅人、他の本はある?

■『正直猫の小さな嘘』


この推理小説は長い間人気があったな。
この小説が成功した理由は、緻密に設計された謎とストーリーにあると思う。
読者から、ストーリーの進行が速すぎて理解できないという意見が来ていたが、作者は自分のルールに忠実だった。

順吉
そうすることで、この小説は他の推理小説よりも頭一つ抜けたんだ。


でもこの小説には、しっかりとした設定がある。
この種の推理小説のストーリーを支えるには、簡単には変更できない、きちんとした設定が重要なんだ。

順吉
くっ…
旅人、他の本はある?

■『文学団』


この小説?
確か文章が優れていて、筋書きもしっかりしていた。
編集者たちも満場一致で褒めていたから、当時はとても売れていたな。

順吉
…そうなの?
でも、この小説はストーリーと設定の厳密性にこだわり過ぎて、広がりに欠けていた。
だから、結局は読者が既に知っている展開を繰り返すことになっていたと思うんだけど。
だから、どんどん新鮮さがなくなり、次第に読者を失っていった。
そして最終的には、読者をすべて失い、打ち切りになってしまった。
設定も物語も、厳しく制限されたら、どれも一緒になってしまう。
そして生気のない淀んだ水のように、読者たちから見捨てられてしまう。
僕の小説がこんな風になるのは嫌だ!
いい物語にはまず、際立った特別なものが必要なんだ!
それに、もし…
もし作家自身ですら物語に興味を持たなかったら、どうやって読者を感動させるんだ?
茂さん!


わ、分かったよ…
そんな深く考えていたなんて、思ってなかったよ。
流石『鬼武道』の作者だ。
実は、僕も君を制限したくないんだよ。
でも、想像力や創作意欲が過剰で、作品を台無しにしてしまった作家をたくさん見てきたからね…
順吉、君は作家として、創作についてどう思ってるんだい?

順吉
僕は創作意欲が一番大事だと思う。
創作意欲がない作家は、人を感動させる作品なんてきっと作り出せない。


でも僕は、作家にとって一番大事なものは、創作意欲に対する自制心の方だと思う。

①まだ意見が合わないようだね…
②やっぱり説得できなかったんだ…

順吉
茂さん、僕は…


しかし、この小説の作者は僕ではなく君だ。
僕はただ、小説を完成させるために最善を尽くす編集者に過ぎない。
もし自分の信念を貫くのならば、自分の好きなように執筆すればいい。
君の考えを認めるわけにはいかないけど、理解するよう努力はする。

順吉
あ…ありがとう!
茂さん!


いいんだ、僕がやるべきことなんだから。
ただもちろん、僕が君を理解しようとしているように、君も僕を理解してくれ。
例えば…

順吉
えっ…例えば?


例えば、また一日が過ぎてしまったぞ、提出する原稿は!?

《任務完了》